2020/09/18 - 2020/09/18
4305位(同エリア10384件中)
ころたさん
「横浜に何しに行くの?」
「街も少し落ち着いたし、美術展に行こうかな。」
「あぁ、あれね。タランティーノ!」
いやトリエンナーレである。全くかすってもいない。そんなWifeを置き去りにして桜木町駅に向かった。
3年ごとに開催される国際美術展。開催を危ぶまれた今回も、無事に開催された。ただし入場は人数制限のある前売り制だ。金曜日の今日、思い立ったのだが、意外にも12時からのチケットが予約できた。
美術も音楽も肌で触れるのは久しぶりだ。まだ残暑の残る金曜日にいそいそと横浜線に乗った。
- 旅行の満足度
- 4.0
-
トリエンナーレのメイン会場は横浜美術館。今回はその他にもPLOT48と日本郵船歴史博物館の計3か所で開催される。1日では回り切れない。
まずは桜木町駅からランドマークタワー経由で横浜美術館へ、長~い動く歩道に乗っていく。右手にはおなじみの帆船日本丸と観覧車コスモクロック。
風が強い、ものすごく。帆船日本丸 名所・史跡
-
クィーンズスクエアの中ほどで左に曲がれば、横浜美術館。
重厚なデザインは丹下健三の設計だ。横浜美術館 美術館・博物館
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あれっ、今は改装工事中なのね。
何はともあれエントランスで予約チケットをスマホで提示し入場する。
今回のテーマは「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」
モダンアートの美術展なので、例によって分かるような分からないような。。。
いや、分かるのではない。感じるのだ。感じればよいのだ。横浜美術館 美術館・博物館
-
館内に入ると、エントランスロビーの天井からは細かなオブジェがいっぱいぶら下がっている。USAの家庭で飾り付けられているキラキラの飾り物が、ゆっくり回転して光が反射する。
これは動画じゃないと伝わらないので、You Tubeを張り付けた。
https://youtu.be/cSdsUVjk6E0
キラキラと輝く飾りの中に毒が潜んでいる。 -
今回の出展作品は横浜美術館だけで42名のアーティストからの力作が並ぶ。全部はお見せできないので、私の気に入った(気になった?)ものだけをご紹介。ちなみにトリエンナーレは毎年撮影OKだ。
エントランスホールから2階に上がると、まず視界に入るのが新井卓の作品。
なんだこれ?
銀板写真のネガにモワモワとした何物かが移っていて、何百と連なっている。 -
種明かしは「千人針」。
リアルタイムでこれを経験した人はもうほとんどご存命でないと思うが、私でも何であるかは分かる。第二次大戦時に出征する人の無事を祈って、女性たちが縫った糸の結び目。これを拡大して撮影したのだ。
・・・
何を思うかはあなた次第。 -
これが一番気に入ったかも。
Robert Andrewの「つながりの啓示:nagula」
nagulaとはオーストラリア原住民ヤウル族の言葉。その意味は…翻訳されない(できない?)そうだ。
作品の上部にパイプが繋がっていて、これが上下左右に動いている。そして何かをやっている。 -
動く機械の先はノズルになっていて、ここからプログラムされた位置で水が噴き出す。すると土絵具は次第に溶けていき流れ落ちる。つまり会期中に次第に姿を変えていく作品なのだ。
そこに表されているのは無常観なのか。逆説的な永遠か輪廻か。。。 -
さー分からないぞ。感じもできないぞ。
飯山由紀「海の観音様に会いに行く」と言う映像作品。
ムーミン谷の仲間たちがやがて来る冬に向かって準備をしている。演じるのは作者の家族(らしい)。ムーミン谷のムーミンやフローレンは冬になると冬眠する(知らなかった)が、妹ふんする妖精とスナフキンは南の国に旅立っていき、また春になると帰ってくる。その前に皆で観音様にお祈りにいく事になった。
家族でグダグダと着ぐるみを着ている映像が続く。 -
そして小田原の某神社の観音様にムーミン谷の平和と旅の安全をお祈りする。
以上。。。
え~何だか分かりません。いつもは私、キャプション(作品の説明文)は読まないんですが、今回は降参して読みました。すると、
「作者は精神疾患を患う妹を知るため、まず妹の見ている世界を共に体験することにした」
え~っ、そんなに自分と家族を丸裸にしてまで表現しなければいけないものなの? -
ちょっと陰鬱な気分になりかけた私を救ったのが、この作品。
Eva Fabregas 「からみあい」
いうまでもなく、我々の体内、腸のイメージだ。うごめき、絡み合い、色を変えていくそれは生命そのもの。
作品の上で子供たちを自由に遊ばせているのもGood! インスタ映えするよぉ。 -
Rosa Barbaの「地球に身を傾ける」
アメリカ北部の放射性物貯蔵施設の航空写真。不気味な色に沈殿する池に産業廃棄物が貯められていく。その放射能は今後数千年数万年かけて減衰していくのだ。作者はこれを「私達の無限の未来に捧げられた工業技術の賛歌」と皮肉る。 -
実は映像よりも、それを映写するエンドレスの映写機に惹かれた。手前の古めかしい映写機に送り込まれる35mmのフィルムは、その奥の大きなホイールの外側に巻かれて、内側から映写機に送られる。
見入っちゃいましたよ。おもしろい。これ全体で作品だと感じた。 -
これも今回のトリエンナーレで話題になった。
Taus Makhachevaの「目標の定量的無限性」
なんともひねくれた体操器具が並ぶ不思議な空間。ご丁寧に試技の説明イラストまで付いているが、「ンなことできるか~!」というものばかり。 -
そして体操選手による模範演技のビデオも上映される。
演技になっていないけど。。。
こういうのはね、楽しめばいいんです。 -
Paul Jacouletの一連の作品は1935年作。
ミクロネシアの島々の人々を描いた木版画だが、作風がどこか浮世絵っぽい。 -
でキャプチャを確認すると。
「彫師:内川又四郎、刷師:前田健太郎」
れっきとした日本版画である。戦前に描かれた木版画がなぜ今、ここに展示?と言う答えは説明されていない。 -
Tsherin Sherpa 「54の智慧と慈悲」
チベット仏教に登場するチャクラサンヴァラをパズルのように配した作品。テーマも手法も目新しくはないのだが、妙に惹かれる。 -
最後に展示室の階段を降りようとすると、何やらイベントっぽいものが。
Lantian Xie 「私が動くと、あなたも動く」
これもアートです。いわゆるモビルスーツですね。体験型の作品で予約しないと装着できない。 -
下半身の力が何倍にもなったように感じる。技術系の展示会(幕張メッセやビッグサイトで行われる)には必ず出品されている。私自身も試したことがある。
これもアート?アートです! -
その他にも面白い作品が目白押しなのだが、時間がない。横浜美術館を出て隣接するPLOT48に向かった。
横浜美術館 美術館・博物館
-
PLOT48までは歩いて6~7分。なんか倉庫のような廃ビルのような建物だ。
みなとみらい21 名所・史跡
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その内の倉庫のような展示室から見学。
-
右奥にあったライトアップされた黒い壁は、
Haig Aivazianの「1,2,3 ソレイユ!」 副題は「光の洪水」
壁にチョーク粉を詰めた布袋をぶつけて、白いマークを付けていく。足元にはその袋が。 -
何物かは感じますよ。でも「フランスワールドカップの決勝戦会場の警備体制云々」を感じとることはできないなぁ。やはりアートというものは、作者の手を離れ公衆の面前に出された瞬間に、それは受け取る側のものになるのだ。作者がどう意図しようと、受け手の感じ方は自由なのだ。
それでいいのだ! -
Oscar Santillanの「CHEWING GUM CODEX」
何やら宇宙船のようなカプセルに所々植物が埋まっている。何がチューインガムかというと、カプセルの中央にNeil Armstrongの噛んだガムが鎮座しているらしい。あのアポロ11のアームストロング船長だ。
分からないっつ~の! -
その奥では謎の映像作品。
Tina Havelock Stevensの「Ghost Class」
アメリカのモハヴェ砂漠にある廃旅客機置き場で、夕刻にひたすらドラムソロを演奏している。次第に日が沈み、最後は真っ暗になって演奏が終わる、のだが。。
なに?ただへたっぴなドラムを聞かせたかっただけか? -
廃ビル(?)の方に移ろう。
いきなり2階である。爆笑である。
エコスフィアというのを聞いたことがあるだろうか。完全に密封されたガラスの球体の中に、水、空気、海藻、バクテリア、そしてエビを入れる。これに太陽光を当てれば内部は小さな地球として酸素と二酸化炭素、水を循環して消費し、それぞれの生物は生きながらえる。 -
確かに各生物は生きていく。しかしここで問題が発生する。エビが繁殖活動をおこなわないのだ。これではエビは一代で終わってしまい、エコスフィアは維持できない。
なぜか?トリエンナーレではこの「何故」を真面目に考え、アートにしている(たぶん)。
来場者にどうすればエビが繁殖活動を始めるか、アイデアを募ったりしている。いわばエビのポルノである(爆)。エビをセクシーにする方法である。
私も1案、投函しておいた。 -
という事でこのフロアーはエビとセクシーだらけ。
ここはエビ用トイレ。ちゃんとエビ親子が用を足せるようなマークがある。落書きもエビチックだ。 -
ここはエビオタクの部屋。エビグッズ満載だ。
もうアートはそっちのけ。でも大マジメなのだ。
例えば将来、人類が宇宙に出ていった時、突如繁殖能力を失うかも知れない。いきなりセクシーにならないかも知れない。そんな人類を救うかも知れない研究なのだ。
あなたも一案、投函してみては? -
同じフロアのセクシー部門。
これでエビがセクシーな気分になれるのか。。。 -
この映像作品に至っては、女体盛りだぜ。よく主催者側が通したね。
まぁ去年の名古屋の「〇×婦像」と「天皇陛下踏み付け写真」より100倍ましか。あれは美術に何の関心もない評論家をディレクターに選んだ時点で大失敗だったな。 -
「拘束具を着てください」
さすがに誰も付けていない。
深すぎて人生の訳が分からなくなる。 -
ちょっともうエビはごちそうさんだな、って所まで満喫して次の展示室に。
Elena Knoxの「コトパクシ州十六景」副題は「北斎に倣って」
エクアドルの作者がコトパクシ火山の麓の人々の暮らしを、どことな~く富嶽三十六景風に描いている。かわいい。 -
調べてみるとコトパクシ山は実際に富士山型の火山で5800mもあり、頂は雪で覆われている。エクアドル在住の日本人にはエクアドル富士と呼ばれているらしい。
納得。 -
3Fに移ろう・
武玉玲の「生命軸」
台湾のパイワン族出身の彼女の、民族衣装の織物を活かした霊的とさえ言える作品。いい。伝わるものがある。 -
これは脳だろうか。脊髄に連なる神経だろうか。
オドロオドロしさに引き込まれる。 -
正直に言うと前回までよりも軽いというか、統一感が感じられなかった。逆に多様なコンテンポラリーアートを理屈抜きで楽しめた美術展ではあった。
コロナの影響?作品上では感じなかったな。入場者も多かったし。
次回以降も大いに期待の持てるトリエンナーレではあった。みなとみらい21 名所・史跡
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