2020年いつもと違う夏休み(3)～想定外の休暇延長

2020/08/06 - 2020/08/20

食べ過ぎで胃の調子が悪いんやとばっかり思ってたんやけど、家に帰ってもやっぱりまだお腹の痛みは治まらん。痛み以外は食欲もあって何でも食べれるとこが不思議や。それでもいつもと様子が違う痛みなので、これは病院行っといた方がええなと、一日我慢して連休が終わるのを待って朝一で内科の予約を入れた。症状を話すと、触診などもすることなく、血液検査と超音波に回され、結果『胆嚢にでっかい石たまってるわ、明後日手術ね』。
手術の後は2週間の病欠レポートをもらったので、またナーザンの田舎に連れ戻されゆっくり過ごしました。

この手術、民間健康保険で全額負担やったからよかったけど、実費やったら45万円くらいかかるらしい。
もし、この連休に山歩きツアーに参加してたら、山の上でお腹痛くなって、そんな地域の小さい病院で緊急手術とかになってたかもしれんと思うと、行かんでよかったわ。虫の知らせやな。
実はこの痛み十数年前からあったけど、単に食べ過ぎで胃が荒れてるんやとばっかり思ってました。胃薬飲んで背中の右側の胃の裏辺りを押すと痛みが治まってたし。胆嚢やとは全く考えず、十数年も痛め続けてきたんやわ。
もしこんな痛みのある人がいたら、早めに診てもらうようおすすめします。

エリア その他の都市(トルコ)

手術当日は、朝７時半までに軽い食事を取っておくように、12時以降は水もダメ。13時には入院手続きして病室へ。緑とマルマラ海ビューの広々した病室やん。

テレビも冷蔵庫もバスルームもあるし、五つ星ホテル並みやわ！

診察時に『腹腔鏡手術は普通は15分くらいで終わる簡単な手術や』と説明してくれたので、一人でええわと思ってたら、『必ず一人付き添ってください』と言われ、事情を説明するとナーザンが息子と一緒に飛んできてくれた。

手術着に着替えて、着圧ソックスも履いて準備万端。14時過ぎに先生がやってきて、ちょっと早めに始められるかもということやった。手術前に質問とかありますか？と聞かれ、『取り出した胆嚢見たいんですけど』というと『そんなんいう人初めてや』と大笑いされました。昔からそんなん好きで、もっと勉強できてたら外科医になりたかったんやもん。

麻酔と点滴準備もＯＫで待ってたけど、予定の15時を過ぎてもまだ呼びにこない。コロナテストが陰性やないと手術はできんらしいけど、その結果が遅れてて待たされてる。陽性の可能性もあるわけで、ちょっとドキドキしながら待っていると、16時過ぎに陰性の結果かが届き、いざ手術室へ。麻酔の注射をしますよ～っていう所から全く記憶なし。目が覚めたら終わっていた。

ということで、この日のトルコのコロナ検査数54,494人の内の一人は私です。このところ一日の新感染者数もまた1000人以上に増えてきてるわ。

十数年前から炎症起こしまくりの胆嚢は、腫れまくって厚く固くなってたため、なかなか取り出せず、普通は5ミリくらいのところを1センチちょっと切らなあかんようになって、結局１時間くらいかかったらしい。
夜の９時頃にはもうご飯も食べてええらしく、持ってきてくれたけど、いきなりハンバーグかい！胃腸に異常はないから何でも食べてええって言われたけど、麻酔のせいかまだちょっと食べる気せん。『食べたなったらいつでもなんでも』もってきてくれるらしい。夜中にヨーグルトが食べたくなってお願いしたら、『何味がええの？プレーン、いちご、ピーチ、あんず、リンゴ、キウイ、ブルーベリー、パインがあるけど』って。病院のくせに品揃えすごいやん。プレーンとピーチをいただきました。

朝ごはんも普通のトルコのメニュー、あんまり食べたないな。家にあった豆乳をもってきてたのでそれとゆで卵だけ食べました。なぜかこの後ず～っと欲しくなるのは牛乳ばっかり。胆嚢なくなると牛乳欲しくなるとかあるんやろか？

お昼前に回診に来てくれて、『手術は問題なし。ちょっと大きめに切ったので３か月くらいは重たいもん持たんように』という注意だけ。翌日にはお風呂OK、3日後には海に入ってもええらしい。私が取り出した胆嚢見たいと言ってたので、写真を撮ったのを見せてくれました。赤黒い物体がべちゃっと横たわってました。『これまでずっと頑張ってきてくれてありがとう！成仏してや～』。
午後からの退院前に、もう一回食事が運ばれてきたけど、また煮込みハンバーグ。麻酔の影響なんかわからんけど、油と肉のにおいが受け付けんようになってしもた。

退院して最初の数日は咳もできんくらい腹筋が痛くて、食欲もあんまりなくて力も出ん。でも腸を働かせるために歩かなあかんので家の中や庭をウロウロ。３日ほどはずっと家でばあちゃんと過ごしてました。

ばあちゃんと一緒にトマトたべて。

ポテチもどう？と勧められたけど、私は結構です。

午後からはばあちゃんの好きなドラマが始まって、これも一緒に見ようと誘われた。なぜかパンを一切れちぎって持ってきてくれた。

4日目頃からだいぶ楽になってきて、朝からヘーゼルナッツの収穫作業に行く男たちをお見送り。『写真撮ってるっていうことは、もうだいぶ良くなってきたってことやな』と安心してもらえた。

でもまだ油もんと肉のにおいは受け付けない。私は白ごはんとトマトばっかり食べてました。
この数日で『陣痛と帝王切開後の腹筋痛とつわり』をいっぺんに経験したわ(笑)

夕食後、子供たちがゴーカートに行くというので、気分転換について行きました。

町のちっちゃいゴーカート場。手術後とちゃうかったら私もやりたかったなあ。

やっぱり若い子はハンバーガーがええんやなぁ。私も好きやけど、まだ食べる気になれん。

ヘーゼルナッツ畑に遊びに来ました。

根元に新しい枝が生えてくるんですが、いっぱり生え過ぎると実があんまりならんようになるので、それを切って行きます。

切った後はこんなにすっきり。

来年も実がいっぱいなりますように。

作業後のリラックスタイム。

まだ作業に慣れてないエフェはバテてしもたよう。

バナナとアイスでエネルギー補給。こういうのんは食べれるねんけどな。

ちょっと油っぽいけど、これくらいやったら食べれるようになってきた。

ず～っと『寿司が食べてみたい』と言われてたので、手術前に材料揃えておいて持って行きました。

ちょっと教えたら、細巻きも上手に巻いてました。

『ちょっと～寿司もええけど、私のキョフテも見てや～』

今日は寿司パーティー。田舎の人は果たして寿司食べれるんか？

エフェは海苔もサーモンもおいしいって。

メルトもその友達も気に入ったらしい。

ばあちゃんは食べへんかと思ったけど、興味津々でさんざん眺めまわして食べてくれた。

犬も食べた！

デザートはナーザンのワッフル。私はプレーンワッフル一切れとイチゴだけ。

庭に食べきれへんくらいよ～さんなってるトマトを取ってきて、保存用のトマトソースを作ります。これなら私も手伝える。

全部で50キロくらいのトマトの皮をむいて小さく切って、柔らかくなるまで煮込みます。こんなでっかい鍋が３ついっぱいになりました。

ツブツブトマトスープ見たいになったのを味見。塩も何にも入ってないけど、トマトの酸味でおいしい。

毎朝ばあちゃんが庭掃きをしているほうきは、柄の部分がないやつでかがんで掃かんとアカンので腰が痛そう。町に出たので柄のついたほうきを買ってきてあげた。たかがほうきでめっちゃ喜んでくれて、『魔女みたいに飛んでや～』っていうたらほんまにやってくれた。ノリのええばあちゃん好きやわぁ。

『コロナで外出てへんから、ちょっと太って持ってる服がぴちぴちになってきた』って言うてたので、買い物ついでに見つけた服とスカートをプレゼントしたら、また泣いて喜んでくれた。『この服は大事にしまっといて、特別な日にだけ着るわな』って。いや、そんなん意味ないから毎日着てや。

夕方、サカリヤ川沿いのカフェにアイスを食べに来ました。

サカリヤ川はトルコ３番目に長い川。この先は黒海に流れ込みます。

川沿いで涼んでいると、親戚の一人から電話が。別の町の職場から帰る途中で、バイクのガソリンが切れてしもたらしい。ガソリン持って救出隊出動！

２０分後に無事救出成功！ガソリンを持ってバイクに向かう。

戻ってくると、今度は大量のトウモロコシ。ほんま食べてばっかりやなぁ。

トマトソースも50瓶くらいできたそうです。熱いうちに瓶に入れて冷めるまで逆さまに。冬に備えて保存トマトのできあがり。

冷蔵庫開けたら、卵の横にちょこんとおかれたミニスイカ。こんなにちっちゃくても甘いらしい。食べる機会なかったのが残念や。

庭に生えてるミントを積んできてミントティー。なんでも庭からの田舎暮らしもええなぁ。

朝起きたら、庭にヘーゼルナッツの山が。

庭いっぱいに広げて、3～4日乾燥させます。

栗みたいな形をした双子のヘーゼルナッツ。

この双子を集めるとええことあるらしい。

いろんな大きさ形があります。

均等に乾燥するよう毎日かき回します。

ふと宝探しゲームが頭に浮かんだ。この中から探し出すのん楽しそうや。金額を書いた紙をあちこちに埋めた。最高は100リラ(1500円くらい)その他にも50～10リラをいくつか。10分の間にどれだけ見つけられるか！丸っこいヘーゼルナッツの上は滑って歩きにくい、ゴロゴロ転がって移動したり、これめちゃくちゃ楽しいわ！ばあちゃんも『こんなに笑ったん人生で初めてや！』と笑い転げてた。
https://www.youtube.com/watch?v=g5_8Udou6-U

みんながそれぞれあっちこっちかき回すもんやから、もうむちゃくちゃや。１日目は50と10リラだけしか見つからんかった。　２日目は10とか20リラの細かいのんだけ。100リラはどこいったんや？最後には私もばあちゃんも参加して100リラ探し。
みんなで諦めかけた頃、エルジャンが熊手を持ってきて端からかき回してやっと出てきた～！

表彰台に上がって嬉しそうな息子たち。息子ら相手に手加減知らずのエルジャンが一番よ～さん稼いでるな。

夜は停電してしもて、ろうそくの明かりで晩ごはん。田舎では時々おこります。

朝ちょっと時間があったので、ばあちゃんに『海行かへん？』と誘ってみた。ばあちゃんの家から海までは車で15分くらいやけど、娘時代に一回だけ砂浜まで行ったことがあるだけで、長いこと(50～60年くらい？)海見てないらしい。

最初は『そんなんよ～行かんわ～』と訳のわからん言い訳して渋ってたけど、『はよ用意し～や、車で待ってるで～』言うたら、ウキウキしながらプレゼントしたスカートはいてやってきた。海に行くのは『特別な日』になるらしい。
砂浜まで来たら『ちょっとだけ足つけてみたい』って照れながら目がキラキラ。

サングラスもかけて、粋にポーズを撮るばあちゃん。ビキニで泳いでる人見て『あんな下着で海入ってるなんて、恥ずかしいわ～』とばあちゃんが照れてる。あれ下着ちゃうで～今はみんなこんなん着て入るねんで。

帰ってきたら、『いっつも楽しませてくれてありがとうなぁ。何もないねんけど、これ使ってくれる？』とばあちゃん手編みの靴下をプレゼントしてくれた。冬になったら履かしてもらうよ～ありがとう。
その後しばらくして、真っ赤な顔をしながら『ちょっと血圧上がったみたいやから、薬飲んで横になるわ』って。興奮しすぎて血圧上がったらしい。

夕方には血圧も戻り、隣のおっちゃんとこにスイカを買いに行った。今朝畑からとってきたばっかりのスイカがゴロゴロ。イスタンブールにも持って帰りたいいうたら、6個で150円の大サービス！ありがとう！

買取業者が来て、庭いっぱいのヘーゼルナッツを20分くらいで袋に詰め込んで持って行きました。

これ全部で、日本とトルコを３往復できるくらいの値段になるそうです。

朝起きて、ヘーゼルナッツがなくなった庭をきれいに掃除していました。いつもならこの時間にはばあちゃんも起きているはずやのに、今日はどうしたんやろ？昨日血圧が上がったいうてたし、ちょっと心配やな。見にいこかと思ってたところに『おはよう～！』と表れて一安心。やっぱり血圧上がったから体が疲れたんか起きられへんかったらしい。まぁでも元気そうや。私の帽子をかぶってポーズをとるばあちゃん、かわいいわぁ。

今日は朝ごはん食べたら帰るよ～って言うといたから、一番ちっちゃいエスレムが『最後の朝ごはんは私が準備する』って朝早く起きて作ってくれた(らしい？)。
こんな長いことおったから、みんなと別れるのも名残惜しく。みんな家族みたいに温かく接してくれて、ありがとうねぇ。また来るわ～。

この旅行記へのコメント （4）

• ぐれーぷふるーつさん 2020/08/30 19:21:34

  ご自愛ください

  Laylaさんの旅行記そろそろUPされないかなーって
  おもってたら、胆石入院でびっくりしました。
  実は私も去年の11月に突然の激痛で半日がまんしたけど、
  どんどんひどくなり、夜病院に行き、胆石で胆嚢がぱんぱんにはれていて、
  即入院、手術しました。トルコでは、手術のあとから、お食事でるんですね、
  日本では、重湯、おかゆ、やわらかいご飯という感じでした。
  無事に退院されて、お元気そうでよかったです。
  私も手術してからのほうが、体調がいいです。
  
  そして、相変わらず、トルコの田舎いいですね。
  収穫したヘーゼルナッツすごいなあ。
  そしていつも、Laylaさんの旅行記読むと、トルコに行きたくなります。
  日本は、毎日35℃超えの猛暑で、頭がクラクラします、
  早くすずしくなってほしいです。
  ではまた。　ぐれーぷふるーつ。
  

  Laylaさん からの返信 2020/08/30 20:20:03

  Re: ご自愛ください

  ぐれーぷふるーつさん、ありがとうございます。もうだいぶ元気です。傷口のかさぶたもポロポロっと取れてきました。
  ぐれーぷふるーつさんも、あの痛みを経験されたんですね。もっと大変なことになる前にすぐに手術してもらえて良かったですね。
  やっぱり手術後はおかゆですよねえ？あんな油っこい肉料理なんてありえへん!
  ほんとに日本は大変な暑さだそうですが、ぐれーぷふるーつさんこそ、ご自愛くださいね。
  コロナが落ち着いたら、ぜひトルコにも来てくださいね～。
  Layla

• Amalfi-whiteさん 2020/08/24 09:37:39

  ご自愛ください！！

  Laylaさん こんにちは（*^^*)
  
  胆嚢の手術をされていたなんて...
  大変でしたね（> <)
  長年違和感があったのですか？
  大事に至らなくて、そして手術が無事成功されて良かったです（涙）
  
  じっくり読むごとに胸が苦しくなってドキドキしながら読んでいると
  手術後にハンバーグのくだりで噴出しそうになりました（笑）
  トルコが元気で良かったです。
  
  なかなかコロナウイルスが終息する気配がなく不安定な日々が続きますが
  Laylaさんの旅行記には笑顔が溢れていて元気をもらいました。
  どうぞ今後もお身体にお気をつけくださいね！！
  お大事になさってください。
  
  Amalfi-white

  Laylaさん からの返信 2020/08/24 22:15:40

  Re: ご自愛ください！！

  Amalfi-whiteさん
  
  お久しぶりですね。お元気ですか？北海道はもう涼しくなってるんでしょうか？
  
  お見舞いありがとうございます。私は読んでいただいたように田舎でゆっくりできたので、もうほとんど普通の生活してます。未だにハンバーグは食べれませんけど、食生活を見直す良い機会になりました。そのうちまた何でも食べれるようになるでしょう。
  
  そうなんです、もう十数年も前から食べすぎた時に痛みはあったんですけど、ず～っと胃が荒れてるんだとばっかり思ってました。胆嚢を大きく育てていたなんて思ってもみませんでした。これまでなんでもかんでも飲み食べしてきて、よくこれまで耐えてきてくれたもんです。取り出した胆嚢の写真を見た時には、ほんとに『ありがとう～』って思いましたよ(笑)
  
  でも、本当に山の中とか海外旅行中じゃなくてよかったと思います。Amalfi-whiteさんも何か気になるところが出始めたら早めに受診してみてもらってくださいね。
  
  日本でもトルコでも感染者数が増えてるみたいですし、旅に出られるようになるには、まだまだ時間がかかりそうですね。今の内に体力財力知識も蓄えておきましょう。
  
  Layla