2018/03/03 - 2018/03/04
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「わたくしは小さな汽船でとなりの県のシオーモの港に着き、そこから汽車でセンダードの市に行きました。」
岩手県花巻市出身の童話作家、宮沢賢治の小説「ポラーノの広場」の一節にこのような文章があります。
賢治は、日本の実在する都市の名前をもじり、自身の小説の中で架空の町として登場させています。
例えば、この場合のシオーモは塩釜で、センダードは仙台のことです。
2018年3月、TEAM NACSの全国公演を見に行くため、運よくチケットを入手できた私は友人と共に仙台へ行きました。首都圏に住む私たちにとっては東京公演を狙うことも当然できたわけですが、何せ日本一チケットの取れないナックスの舞台です。なるべく土日の競争率が低いであろう地方公演を狙って仙台に目を付けた訳ですが、これが功を奏し見事ファンクラブ先行でチケットを入手できたのです。
これまでもナックスの舞台は見たことがありましたが、今回の舞台は今までになく骨太で、そして非常に感動しました(芝居を見てこれほど泣いたのは初めてでした(笑))。
その翌日は、宮城県内の観光をしようということで、冒頭でも紹介しました宮沢賢治の小説にも出てくる塩釜(シオーモ)を散策してきましたので、その時の模様をお送りいたします。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 3.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 船 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
仙台駅前の東横インからおはようございます。
まずは朝食をいただきます。
あ、タイトルだと塩釜→松島→仙台ってなってますけど、厳密には仙台スタートでそこから塩釜まで向かいます。
そこんとこ、よろしく。東横イン仙台駅西口中央 宿・ホテル
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仙台駅前から仙石線に乗ることおよそ30分、本塩釜駅に到着です。ここから散策の始まり。天気も快晴、元気よく参りましょう~
本塩釜駅 駅
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さて、まず目指すのは鹽竈神社です。
1300年以上も歴史のある、地元では非常に由緒のある神社です。 -
さあ、参道の入口に到着!ここから歩いて…、と思っていた時に、「塩釜神社行くんだらここでねくて●△□☆〆」とマスクにサングラスに完璧な花粉症対策を施した地元のおばあちゃんにスーパーネイティブの東北弁で話しかけられました(笑)
「ちょうどそっち行くちゃ、案内したる」とのことなので、遠慮なく連れ行ってもらうことに。 -
しかしおばあちゃんの喋ること喋ること。
参道の入口で出会ってから裏道の参道に来るまでノンストップの東北弁トークが炸裂します(笑)
これからちらし寿司を作ること、普段こんな未亡人は相手になんかされないこと(?)、500円ランチのおいしい寿司屋があること、この坂道を昔大学生グループが歩いてたら1人動けなくなってしまったこと…、本当にたくさんのお話をしてくれました。
足腰も丈夫のようで、鹽竈神社の境内まで案内していただきます。 -
そうこう歩いているうちに、鹽竈神社の境内に到着!
「この神社下りたとこにおさんこ茶屋ってとごがあっから二人でお団子分けて食べでぎな、お茶も飲み放題だっから」
と案内していただき、ここでおばあちゃんとはお別れ。嵐の如く去っていきました。
ありがとうございました、旅の出会いに感謝。鹽竈神社 寺・神社・教会
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ちょうど小高い山の上にあるので、遠くに海が見渡せます。
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階段を渡り、
-
本殿に到着。観光客や地元の人たちでそこそこの賑わいを見せています。
僕の祖父は生前、僕が生まれる前に安産祈願のお守りをここで買ったそうですが、御礼参りをすることは叶いませんでした。しかし、長い年月こそ経ちましたが、今この場所には僕が立っています。祖父の名代として、そして自分自身のために、御礼参りが果たせたことは、非常に感慨深いです。 -
お参りを済ませた後は、
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おばあちゃんイチオシのおさんこ茶屋で一服!
五色団子(ゴマ、くるみ、あんこ、ずんだ、みたらし)650円を注文し、シェアします。お茶はセルフサービスで飲み放題でした。
地元でも有名なお団子屋さんのようで、地元の人たちが次々と買いに来ていました。おー、いい所教えてもらった~おさんこ茶屋 グルメ・レストラン
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あと藻塩しるこというのも頼んでみました。
お餅をワッフルのように仕上げたモッフルを汁粉に浸けていただきます。藻塩というだけあり、甘いながらも少ししょっぱさを感じます。
今気づいた。
これから昼食べようとしてるけど餅食べたから結構腹にきてるぞ(笑) -
ここ塩釜は浦霞の酒造所があります。
下戸の僕にはさっぱり…浦霞醸造元 グルメ・レストラン
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昼食を食べに行くためにマリンゲート塩釜まで歩いて向かいますが、飛び込んできたのは真新しく区画された土地や建物、そして工事途中の堤防。そうです、2011年3月11日に発生した東日本大震災の爪痕なのです。ここ塩釜も津波で甚大な被害を受けた町の一つで、今もなお復旧工事を進めているところでした。
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今でこそこのように穏やかな光景が見られますが、地震発生当時は2メートルを超える津波が押し寄せ、多くの流された車や建物で瓦礫の山が市中に積み上がりました。沿岸の小島や地形の関係で他地域と比べれば被害は少なかったものの、死者33名、行方不明者1名と尊い犠牲が出ました。
よく考えてみれば、自分が震災の現場に訪れるのはこれが初めて。実際に街の光景を見て、当時はどんなに恐ろしかっただろうと考えると、胸に重たいものがのしかかるような感覚を覚えました。 -
さて、マリンゲートでお昼ごはんです。
さっき餅食ったばっかりだから空腹とは言えない状態(笑)
でも食べますよ。
僕が頼んだのはマグロづくし定食。刺身3切れ、角煮、佃煮、マグロカツ4切れも付いてなんと1000円!じぇじぇじぇ!違う、これ岩手の言葉!
さすが港町は違いますね。新鮮な魚がおいしくてこんなに安くて。松島や他の港町よりも随分安いと感じました。
来てよかったな。マリンゲート塩釜 名所・史跡
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ここからは船に乗って松島海岸まで行くのですが、まだ時間があるので近くの公園(一部整備中)を散策。
これは宮沢賢治の碑です。
はい、拡大
↓ -
賢治の小説、「ポラーノの広場」の一節です。
旅行記概要でも書きましたように、賢治は自身の小説に日本の実在の地名をもじった架空の町を登場させています。
例えば、仙台はセンダード、盛岡はモーリオ、東京はトキーオです。ここ塩釜はシオーモと呼ばれています。 -
震災の碑。
後世に受け繋いでいくために、色々な碑が建てられています。
写真のちょうど赤線が引いてある高さが実際に押し寄せた津波の高さです。2.3メートルあります。当然僕たちの身長よりもずっと高く、これほどの波に飲まれたら命の保証はありません。 -
塩釜市にも、全国の自治体から多くの支援がきました。
日本中が強い絆を結び、共に乗り越えられたことの感謝の印です。 -
「自然の力を心に刻み、未来を見つめ、塩竃に生きる」
人には誰もがふるさと、もしくは馴染んだ土地があり、そこで生活していきます。残念ながら原発事故で故郷を去ることを余儀なくされた方たちもおられますが、どんなに辛いことがあっても、故郷で住み続けたいと思うのは、自然なことだと思います。
この一節には、故郷を大切に思う人々の前向きな力強さを感じます。 -
あの震災から、あと半年少々で10年が経ちます。
震災による被害から数多くの教訓を残しましたが、我々はそれを活かすことができているでしょうか。
今、世界は新型コロナウィルスという未曾有の危機に直面し、誰しもが不自由な生活を強いられています。
根も葉もない不確かな情報、偏見報道、不要な買い占め、謂れの無い誹謗中傷、特定の人たちに対する差別と偏見、弱者を狙った詐欺商法……
残念ながら、時が経った今も震災の時に起こった事象が蔓延っているのが現状で、あの時と何も変わっていないと思うのが、正直なところです。
震災による教訓は「災害からどう生命や財産を守るか」だけではなく、「未曾有の危機に対してどう正しく行動するか」ということも含まれているのではないでしょうか。
経験したことのない出来事に直面すると不安になるのは誰もが当たり前です。だからこそ、慌ててやたらめったら目の前の情報に飛びついて鵜呑みにするのではなく、一度冷静になり「何が正しいのか」を自らの頭で考えなければならないと思います。
改めて、震災で犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表します。 -
さて、船の時間がやって参りましたので乗船してシオーモから松島へ移動します。
船に乗る前にお土産屋を覗いていたのですが、そこの店主の方が自分の地元と、前に僕が仕事のために住んでいた福岡にも暮らしていたことがあるそうで、めちゃくちゃ話が合いました!すごい偶然(笑)!
塩釜神社のおばあちゃんといい、今回の旅はいい出会いが続きますね。丸文松島汽船 乗り物
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松島に近づき、船は沿岸に浮かぶ様々な小島のそばを通ります。
上に飛び出た岩が軍艦の艦橋みたい。松島湾 自然・景勝地
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穴が4つ開いている島。
でも、ここをくぐるには狭いかな(笑) -
とまあこんな具合で遊覧しながら、船は松島海岸に到着!
今回は海から松島を見物するコースでした。
松島というと瑞巌寺など他の観光名所もありますが、そこまで見学する時間はないので駅方向に向かいます。 -
おお…
いい匂いがするなぁ… -
せっかくだからちょっと食べていこうということで、焼き牡蠣を注文しました。
宮城も牡蠣の産地として非常に名高いですからね。
身が大きく、旨味が凝縮されていました。寒い中で食べたので、熱々の牡蠣は一層美味しく感じました。 -
では、松島海岸駅から仙石線でセンダードまで戻ります。
松島海岸駅 駅
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40分ほどで、センダードの市に到着。
新幹線の時間まで、お土産屋を見て回ります。
※写真は前日に撮ったものです。仙台駅 (JR) 駅
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宇都宮を過ぎ、大宮の手前あたりできれいな夕焼けが見られました。定刻通り東京に着いたところで、今回の旅は終了!
祖父の代わりに御礼参りができたことや、震災学習ができたこと、地元の人との出会いなど、非常に意義深い旅となりました。「現地に行ってみないと分からない」ことが、まさに体現されたものと言えましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
ー 《外伝》2018春 みちのく・仙台塩釜の旅 了 ー
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