2020年 蓼科高原でマイクロツーリズム

2020/07/14 - 2020/07/15

コロナ禍により不要不急の移動が海外はもちろん、国内でも、ここ数ヶ月困難になっていましたが、GO-TOなんとやらで、東京を除いて国内旅行は、まあ、気をつけていってらっしゃい、と、いうことになったようです。そこで、2020年7月14日～15日にかけて蓼科方面へ泊まりで行ってきましたので、半年ぶりの新規旅行記をUPします。

表紙の写真は6月29日に訪れた、東山魁夷さんの代表作「緑響く」のモチーフとなった御射鹿池（みしゃかいけ）。白い馬は残念ながら現れませんでしたが、見事な水鏡が見られました。

エリア 茅野(長野)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

2020年3月、昨年中に申し込んでおいた5月催行予定のスイスツアーが中止となり、連日、気の滅入るニュースばかり見させられ、モチベーションは下がりっぱなし。しかし、このままではいけないと考えを改め、海外がダメなら国内、それもダメなら県内でどうか、と旅行先を検討する。その結果、家から車で1時間の蓼科温泉郷のホテルを”じゃらん”を通じて3月に申し込むが、こんどは緊急事態宣言により一旦キャンセル。宣言解除後に再度、同じホテルを予約する。

写真は4月11日に下見の途中立ち寄った、白樺高原スキー場から蓼科温泉郷へ抜ける県道40号線、通称ビーナスラインの途中にある「夕陽の丘公園」から眺めた北アルプス方面の雄大な風景と愛車スティングレー。

しらかば２イン１スキー場には、まだ残雪が。（4/11撮影）

御嶽山（4/11撮影・補正あり）

車山（4/11撮影）

槍・穂高連峰（4/11撮影・補正あり）

後立山連峰。中央部の３つのピークが白馬三山（4/11撮影・補正あり）

峠を越えて「女の神展望台」から眺めた八ヶ岳連峰。（4/11撮影・補正あり）

UPです。（4/11撮影・補正あり）

ホテル入り口などを確認してから御射鹿池へラウンド。4月の御射鹿池はまだ冬枯れだった。（4/11撮影）

7/14

16:00にスティングレーで自宅を出発。雨のビーナスラインを越え、17:00　蓼科温泉にある「蓼科グランドホテル滝之湯」到着。（写真は翌日撮影）下見では、駐車場は橋を渡って左側の建物の下をくぐって行くはずだったが、何とビックリ「満車」とのこと！！！。

コロナ禍の最中、しかも平日というのに満車には驚いた。写真はホテル玄関。

アクリルで仕切られたフロントでチェックインを済ませると、本館の長い廊下を歩いて部屋へ向かう。

我々の部屋は4階、一番奥の角部屋。

今回申し込んだ部屋は和洋室で、和室は12畳、洋室は、

ツインベッドという形態の4人～5人宿泊できる部屋。ちなみに今回は家族4人で一泊。

部屋の窓からの眺めは、ご覧のとおり屋根ビュー・・・。それと、この本館は40年位前の建物なので、いろいろなところが古かったのも残念だった。

気を取り直して、温泉に行く。目指すは渓流露天風呂。

風呂へ行く途中にこんな場所があるが、なんと橋になっている。ここから先の建物は新しい。

窓から下を見ると梅雨の雨を集めた渓流が轟音を立てて流れていた。

反対側はこんな感じ。プールのような所から滝のような水？お湯？が川に注がれていた。

渓流露天風呂・滝岩の湯の脱衣場。たまたま誰も居なかったので撮影。

こちらは湯上がり後のドレッサースペース。

そして、こちらが渓流露天風呂・滝岩の湯。（ホテル公式HPより拝借）右側の手すりの下に滝之湯川が流れ、深山幽谷の雰囲気。泉質は弱アルカリ性の炭酸水素塩泉で、美肌効果が期待できる成分メタケイ酸の含有量が国内トップクラスだそうだ。（ホテルHPより）

温泉でリラックスしたら、2階のビュッフェ・レストラン・エルバージュで夕食。

ビュッフェはコロナ対策の為、人数調整中で、チェックインが17時と遅かった我々の夕食は20時から。受付で手を消毒、さらにポリ手袋までもらう。

レストランのビュッフェ・コーナーは、この賑わい。コロナ禍を忘れそうになる。

座席はこんな感じで隣り合う席は空席となっていた。

選びに選んだ食事はこんな感じ。左側手前からサラダ、チキン唐揚げ、茶碗蒸し、ビーフステーキ。上のプレートは水餃子、ピザ、刺身などでボリューム満点。

飲み物は松本・塩尻産のスパークリングワインをオーダー。

乾杯の前に撮影タイム。

うんま～い。

向こう側に陣取った6人組の男性グループさん、盛り上がるに連れ声が一段と大きくなり、周囲から注目の的に。グループでゴルフにでも来ているらしかったが、時節柄大きな声はNGですよ。（グループが帰ってからフロアマネージャーさんが謝りにきました）

デザートは別腹。ソフトクリーム、そしてコーヒーもおいしかったです。おっと、コーヒーの右側には寿司まで。

21時を回り、空席が増えてきた。

もう、食べられません～。これで14日はお開き～。

7/15

朝食も同じレストランでビュッフェ。

我ながら和洋折衷の盛り併せが凄い。

右側の緑色のキウイソースがかかっているのはヨーグトだが、取り過ぎた。そして、ヨーグルトの下のグラスは地元牛乳。濃厚な味でおいしかった。

デザートだが、最後の方だったので残り少なくなり、ちょっと残念。濃いめのコーヒーは、おいしかった。

ご馳走様。

気がつかなかったが、レストラン入り口に丹前の袖を留めるバンドまであった。

9:30　チェックアウト。支払いは一人約10,000円と内容を考えればはリーズナブル。（ワイン代は除いて）写真は川の反対側から見た蓼科グランドホテル滝之湯。平日にもかかわらず、なかなか活気のある良いホテルだったが、旅行記を作成中、こんな記事を発見。

蓼科グランドホテル滝の湯は、2010年に経営が悪化し、銀行からの借入金の返済に窮したところ、コンサルタントと称する人物のアドバイスを受けて会社分割を債権者に通知することなく行い、分割された新会社蓼科滝の湯に、抵当権が設定されていない資産及び旅館営業業務を承継させ、もともとの蓼科グランドホテル滝の湯に、抵当権設定物件及び銀行からの借り入れ債務を承継させました。

これを最大の債権者である○○銀行及び○○債権投資銀行が知るところとなり、2010年11月に東京地裁に蓼科グランドホテル滝の湯及び新会社蓼科滝の湯の２社について会社更生の申し立てを行い、同日受理され、保全管理命令が発されました。つまり倒産です。その後は、旧経営者はすべて排除され、スポンサー企業としてオリックスが選定され、オリックスが事業を引き継いで現在に至っているそうです。

ホテルの経営って楽じゃ無いのね。

＊esmさんのクチコミでは、最近、親会社がオリックスからマイステイズに変わったそうです。

滝之湯からすぐの場所にあったのは無藝荘(むげいそう)という由緒ありそうな建物。

無藝荘は、映画監督の小津安二郎が昭和30年頃から蓼科の別荘として利用していたかや葺き屋根の建物で、2003年に、小津の生誕100年を記念し、建物の保全の為、数100メートルはなれた現在の場所へと移築された。 小津は「東京物語」をとり終えた頃、蓼科にあった、脚本家、野田高悟の別荘を訪れ、それ以降、仕事場を蓼科に移し、没するまでの 7作品すべてのシナリオがここで書かれた。

こんな看板があった。興味のある方は拡大してください。

小津安二郎の作品は「東京物語」、「晩春」、「秋刀魚の味」など親子や夫婦の機微を描いた現代劇が殆どで、黒澤明のような時代劇やスペクタクル映画は無い。

小津安二郎と野田高悟の記念碑？があった。

無藝荘からビーナスラインを一旦上へ昇り、「the Switchback TATESHiNA」 という名のレストラン先を右折、道なりに下へ降りて行き、国道299号線に突き当たったら右折。さらに下って「信州蓼科中央高原 道のログ宿 木こりん」という民宿を左に見たら次ぎの十字路を左折、600mほど先の交差点を左折、県道191号線に入り結構、急な坂道を駆け上る。

約4kmで御射鹿池に到着。御射鹿池は、茅野市豊平にあるため池で、面積は約0.1ha、水深は約7m。周辺は八ヶ岳中信高原国定公園に指定されており、2010年3月25日には農林水産省のため池百選に選定された。（6/29撮影）

酸性が強いため魚などは生息できない。そのため水は青く澄んでいる。（6/29撮影）

綺麗に舗装された道路側には広い歩道と手すりが設けられ、手すりから中は立ち入り禁止となっている。（6/29撮影）

御射鹿池は日本画家・東山魁夷の作品『緑響く』のモチーフとして有名な池。このため観光客が多く訪れるようになった為、茅野市が転落防止用の柵付き歩道や駐車場を整備しているほか、市や地元の笹原観光まちづくり協議会推進事務局などがツアーを実施している。

この日は無風では無かったが、まずまずの水鏡が見れた。（6/29撮影）

そして「緑響く」の画と」同じ場所を撮影するが、太陽光が明るすぎて画の雰囲気とは別物になってしまうことが解った。（6/29撮影）

これが7月15日に撮影した御射鹿池。こんな曇天の方が、むしろ「緑響く」の画には近いかも。

白馬はいなかったが、浮き草の左側に生えている白樺が良いアクセントとなっている。そして、最後に東山画伯の「緑響く」をUPしてみよう。

「緑響く」　東山魁夷　1972年　所蔵・長野県信濃美術館　（画像はNETより拝借しました）

東山画伯は、東京美術学校1年生の夏休みに初めて信州の自然と人に出会って以来、長野県に取材した風景画を数多く制作しているが、「緑響く」は東山魁夷画伯の代表作のひとつで、信州・八ヶ岳の「御射鹿池」がモチーフ。シャープ液晶テレビのCMにも登場して話題となった。

”一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池端に現れ、画面を右から左へと歩いて消え去った、そんな空想が私の中に浮かびました。白い馬はピアノの旋律で、木々の繁る背景はオーケストラです。”と、画伯は語っています。

これで「2020年 蓼科高原でマイクロツーリズム」は終了です。本日も最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この旅行記へのコメント （4）

• ねもさん 2020/08/27 08:57:47

  初めまして

  chiaki-kさん　ご投票ありがとうございます。
  なんか見たことのあるホテルと思いながら読んでいましたが、やはり滝の湯でしたか……
  私も数年前の冬に、大学のミニ同期会でここに泊まりました。週末なのに普通の料金で、待遇も良かったです。
  書かれているような大変なことがあったとは知りませんでした。
  笑っちゃうのは、同期の１人がせっかくの温泉なのに客室の小さな風呂に入り夕食でも唐揚げとかウインナーソーセージとか食べているのです。40年経って初めて分かった彼の意外な性癖！　以後この集まりは街のビジネスホテルで十分ということに(笑、つまらない内輪話お許しを)
  
  初めのほうの白い山の画像もうれしいです。こういう景色、大好きです。
  余計な一言が多すぎますが、穂高連峰とある画像は槍・穂高連峰とするほうがより適切ではないでしょうか？(右側に尖った山が槍ヶ岳のようです。左端に北穂高岳と涸沢岳)
  その下は後立山連峰で間違いありませんが、ずばり白馬三山のほうが分かりやすいように思います(中央から左に３つのピーク)
  うるさいコメントご容赦ください。

  chiaki-kさん からの返信 2020/08/27 14:53:14

  RE: 初めまして

  ・
  ねもさん、こんにちは。蓼科旅行記に”いいね”をありがとうござい
  ます。
  
  > なんか見たことのあるホテルと思いながら・・・
  
  蓼科は、いつも関西方面へ行く途中に素通りするところなので、宿泊
  したのは今回が初めてです。後で解ったのですが結構有名なホテルの
  ようで、トラベラーの皆様の旅行記にもしばしば登場しますね。
  
  >温泉なのに客室の小さな風呂に入り・・・
  
  私もこういう方は見たことがありません。よほど大風呂が嫌いなのかも
  
  >穂高連峰とある画像は槍・穂高連峰とするほうが・・・
  
  ご教示、ありがとうございます。さっそく訂正いたしました。
  
  長野県の東信地区に、ん十年と住んでいますが、北アルプスとは、
  あまり縁がないので、わからない名前の山がたくさんあります。
  今後の課題とさせていただきますね。
  
  では、また。
  
  chiaki-k

• ヒコにゃんさん 2020/08/22 01:30:32

  今年４月の御嶽山写真見せてもらいました。ありがとうございます。

  chiaki-kさん　こんばんは。
  
  蓼科高原の旅行記見せてもらいました。下界は緑の春一色、高山は白銀の世界、すばらしい写真を見せてもらい、いいなあと思いました。１１年前５月ＧＷ蓼科山に登ったのですがその時は曇り。眺望はダメでした。今回はおそらくあれが蓼科山だろうと御嶽山頂上から特定したつもりですが、反対側から４月に見るとこんな感じというのがよくわかりました。山が雪でキラキラしている写真いいですねー。ありがとうございました。

  chiaki-kさん からの返信 2020/08/22 10:13:44

  尊い警鐘

  ・
  ひこにゃんさん、こんにちは。御嶽山の写真についてお褒めの言葉を
  いただき、ありがとうございます。
  
  記事中にある通り、蓼科高原は家から1時間以内で行けるため、今回の
  記事を作成するために下見を2度行っています。下見は天気の良い日を
  選んで行ったので、御嶽山もきれいに見ることができました。（残念
  ながら私は未踏峰です）
  
  ＊5900円のオートキャンプ場・・バンガロー並の値段ですね。
  
  ＊御嶽山噴火災害慰霊碑・2014年9月27日の噴火には私も驚きました。
  　
  紅葉の最盛期、しかも昼食時という最悪のタイミングに58名の犠牲者
  を出してしまいましたが、火山にはこういうこともあるという、尊い
  警鐘になりました。
  
  ＊富士山・見られて良かったですね。北アルプスの山々もきれいです。
  
  八ヶ岳の赤岳に登られた旅行記も拝見しましたが、学生時代に麦草峠
  から途中の山小屋に一泊して赤岳まで縦走したことを思い出しました。
  
  赤岳の降りコースは、ひこにゃんさんが登られた文三郎尾根でしたが、
  とっつきの急なガレ場がスリル満点だったのを今でも覚えています。
  
  今は、高齢により山行は控えていますが、毎日、4000歩のウォーキング
  は欠かさず行っていますので、天気の良い日を選んで、近くのハイキン
  グコースくらい行ってみようかな、と思っています。
  
  では、また。
  
  chiaki-k