2019/05/05 - 2019/05/05
3位(同エリア108件中)
エンリケさん
この旅行記スケジュールを元に
2019年GWのジャワ島旅行4日目。
この日は、電車に乗ってジョグジャカルタから北東に約60km離れたところにある街、スラカルタ(ソロ)へ。
この街は、ジャワ島中部を支配していたイスラム王朝、マタラム王国が18世紀半ばに分裂した際、ジョグジャカルタと並んで王朝の都が置かれた街。
ジョグジャカルタに比べてゆったりのんびりした雰囲気の中、現在もかつての王族が住むというマンクヌガラン王宮を巡っていきます。
<旅程表>
2019年
5月2日(木) 成田→デンパサール→ジョグジャカルタ
→ボロブドゥール
5月3日(金) ボロブドゥール→ジョグジャカルタ
5月4日(土) ジョグジャカルタ→プランバナン
→ジョグジャカルタ
〇5月5日(日) ジョグジャカルタ→スラカルタ(ソロ)
→ジョグジャカルタ
5月6日(月) ジョグジャカルタ→ジョンブラン洞窟
→ジョグジャカルタ
5月7日(火) ジョグジャカルタ→ジャカルタ→
5月8日(水) →羽田
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- ガルーダインドネシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
5月5日(日)
この日はジョグジャカルタから北東へ約60km離れたところにある古都、スラカルタ(ソロ)へ。
5時30分、早朝の電車に乗るべく、ジョグジャカルタのトゥグ駅を目指します。 -
駅へはホテルから徒歩5分ほどで到着。
駅南口の向かって右側にある窓口で、ソロ・バラパン駅までの乗車券を購入(プレミアム指定で40,000ルピア=約320円、乗車券は名前入りで購入時にパスポートの提示が必要)。
本当は前日買いたかったのですが、乗車券は出発の3時間前からでないと購入できない仕組みらしく、当日の早朝に購入する羽目になりました。
さて、購入した乗車券の出発時刻は6時ちょうど。
この日からラマダン期間のため、厳重になっている駅入口での検査を通過し、すでに到着していた電車に飛び乗ります。ジョグジャカルタ駅 駅
-
電車は定刻通り、6時ちょうどにジョグジャカルタ・トゥグ駅を出発。
車両はプレミアム指定のせいか、新しめできれい。
早朝の便というのに、乗車率は8割は越えている様子です。
車窓からは、こんなのどかな農村の風景が。 -
7時、ジョグジャカルタからちょうど1時間で、電車はソロ・バラパン駅に到着。
ジョグジャカルタ・トゥグ駅もそうでしたが、こちらも明るくきれいな駅です。ソロ バラパン駅 駅
-
出口近くには観光地らしい壁画。
-
こんなお茶目な人物像もあります。
-
スラカルタでは、まず古都の象徴たる王宮を訪れ、それから、郊外にあるユニークなヒンドゥー系寺院、チュト、スクー寺院を見て回るスケジュール。
朝早く着きすぎてしまったため、最初に、駅北側にある、郊外へと向かうティルトナディ・バスターミナルの場所などをチェック。
駅に戻ってきて7時50分、今度は、駅南側にあるマンクヌガラン王宮に向かって、ジョグジャカルタに比べれば田舎っぽい道を歩いて行きます。 -
目的の王宮へは徒歩10分ほどで着いたのですが、入口の扉が閉められていて、まだ開館していない模様・・・。
そのうち、この扉は側面の出入口と気づいて正面に回ってみると・・・入口はすでに開いていました。
早速、入場料20,000ルピア(約160円)を払って中へ。
すると、緑の中庭の向こうに、富士山型の建物が目に入ってきました。
あれが、古都スラカルタの王宮、マンクヌガラン王宮・・・。マンクヌガラン王宮 城・宮殿
-
受付によると、内部はガイドツアーになっていて、日本語も選択できるとのこと。
こんなところで日本語ガイドとはうれしいことですが、準備のため15分ほど待ってほしいとのこと、あわせて、ガイド料としてツアー終了時に50,000ルピア(約400円)支払うようにとのことでした。
人ひとり付いて50,000ルピアなら安いものですが、日本語の技術を持っている人でこの額だとすると、この国の最低賃金はどうなっているのでしょう?
ガイドが来るまで、水(5,000ルピア=約40円)を飲んで、炎天下の中歩き続けて火照った体をクールダウンさせます。 -
8時50分、女性のガイドが到着し、マンクヌガラン王宮の観光開始。
まずは中心となる建物の外観。
富士山のようにも見える、中央が一段と高くなっている寄棟造りのウロコ状の瓦屋根が特徴的。
屋根の下は、熱帯の気候に適した、壁のない柱だけのあずまや風の空間。 -
ガイドとともに、あずまや風の外観に欧風文化がミックスされた建物入口をパチリ。
ガイドの女性は民族衣装なのか、真っ赤な衣装が非常にヴィヴィッドな印象です。
また、どこで日本語を学ばれたのか、非常に流暢な日本語で、声は聴き取りやすく、語彙も多くて、50,000ルピアというガイド料では申し訳ないくらい。 -
建物入口を斜め下から。
ファサードに取り付けられている紋章の形や色遣いなど、宗主国であったオランダの影響を強く受けているのがよく分かります。 -
あずまや風の建物の中心は、“プンドポ”(Pendopo)と呼ばれる大理石の大広間。
靴を脱いで上がると、足の裏にちょっぴりひんやり感が漂ってきます。
階段手前にある金色のライオン像もヨーロッパ風ですね。 -
プンドポの一角にはジョグジャカルタの王宮にもあった、インドネシアの伝統打楽器、“ガムラン”のセットも。
“地球の歩き方”によると、毎週水・土曜日の10時から12時にかけて、ここでガムラン演奏やジャワ舞踊が披露されるとのこと。 -
屋根を見ると8種8色の神秘的な文様が。
これはヒンドゥー教の世界観を表しているとのことで、左上から、紫、赤、橙、白は、悪、魔力、恐怖、性欲を、その下の黄、青、黒、緑は眠気、災難、空腹、苛立ちを、それぞれ防ぐという意味が込められているのだそう。 -
建物内部にも家の名前である“マンクヌゴロ”(マンク=守る、ンゴロ=国)を表わす“M”と“N”を掛け合わせたヨーロッパ風の紋章が飾られていますね。
このスラカルタが王都となったのは、ジャワ島中部を支配していたマタラム王国のパクブウォノ2世が、1745年にカルトスロからソロの地に遷都したことがきっかけ(同時に、ソロからスラカルタに改称)。
その時に築かれたのが、このマンクヌガラン王宮ではなく、ここよりもやや南に位置するカスナナン王宮。
そしてこのパクブウォノ2世の死後、王位継承争いが勃発し、1755年にマタラム王国はジョグジャカルタに基盤を置くスルタン家と、スラカルタに基盤を置くススフナン家に分裂します。
さらに1757年には、スラカルタのススフナン家が分裂。マンクヌゴロ家が独立し、このマンクヌガラン王宮が建造されることとなります。 -
さて、大広間の奥の部屋は博物館となっており、王族所有の装身具(黄金の男性用貞操帯も)や装飾品、海外からの贈答品の数々が展示されており、なかなか見応えがあるのですが、残念ながら撮影禁止。
ガイドの説明の中で、この辺りの人々は、今でも男性は短剣(クリス)を、女性はかんざしを差す文化があるとか、バリ島以外の男性には、今でも衛生上の観念から“割礼”(病院で2,000~3,000円程度とのこと)が行われているとか、興味深い話を聞くことができました。
それから“デヴィ”(女神という意味)夫人もいまだインドネシアでは人気とか(笑)。 -
博物館の手前には、こんな現地の人の顔をした西洋風の銅像も飾られています。
19世紀のヨーロッパで流行した、アジア趣味の銅像のようですね。 -
こちらは明らかに西洋人の姿ですね。
世界進出に遅れをとったアジア人が西洋の文化に憧れるというのは、どこも共通のようです。 -
ジョグジャカルタの王宮と同様、このマンクヌガラン王宮にも、王族の肖像画が掲げられています。
こちらは現マンクヌゴロ家の当主の男性でしょうか。
ジョグジャカルタのスルタン家と違って世襲の知事としての権力はもっていないものの、現在もこの王宮に住み、政治や経済への一定の影響力はありそうな感じです。 -
こちらは現当主の奥方でしょうか。
なかなか優しそうなお姿で。 -
博物館の脇には、内部には収まりきらないアンティークな展示品も。
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こちらのケースの中にあるのはジャワ舞踊で用いるお面でしょうか。
日本の能面にも似ていますが、一度舞台を見てみたいものですね。 -
建物の奥の博物館を抜けるとこんな開放的なスペースが。
王族が客をもてなしたり、何か会合に使われたりする場所でしょうか。 -
中庭は緑がいっぱいで、きちんと手入れがされていていい感じです。
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こちらの会議室も立派ですね。
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アンティークに囲まれた、落ち着いた雰囲気の接客室という感じの部屋。
掃除が行き届いていてとても綺麗。
こういっては何ですが、ジョグジャカルタの王宮よりも王宮らしいですね(笑)。 -
部屋の脇には、ヒンドゥーチックな細かい彫刻が施された象牙細工。
その後ろには、ガムラン演奏の様子などが描かれた、西洋風のステンドグラスの衝立が飾られていますね。 -
マンクヌゴロ家の家族の写真が置かれた部屋。
かつてはススフナン家から分裂して独自の王朝を打ち立ててしまったマンクヌゴロ家ですが、その末裔の皆さんは家族仲良く暮らしているようで、ほっこりしますね。 -
現在も王族の方々が暮らしている場所と考えると、廊下も綺麗で自然に囲まれていて、何とも素敵なお住まいですね。
-
中庭もこんなふうに綺麗に手入れがなされている様子。
バックに見える富士山のような王宮のシルエットが何とも素晴らしい。 -
10時、以上でマンクヌガラン王宮の見学を終了。
ガイドの女性にはきれいな日本語で解説いただいた上に、あちこちで記念写真を撮ってもらって、本当にお世話になりました!
何日ぶりかの日本語に、ちょっぴり心がほっとしたひとときでもありました。
最近はひと昔前に比べ日本人観光客が減ってきているそうですが、親日なお国柄、また多くの日本人が訪れるようになればいいですね。
さて、次はスラカルタからバスに乗り、東の方、ラウ山の麓に建つという、ユニークなチュトとスクーの2寺院を見に行きます!
(ジャワの休日4日目後半~スラカルタ近郊のチュト、スクー寺院観光に続く。)
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この旅行記へのコメント (4)
-
- 川岸 町子さん 2020/07/29 13:45:01
- 女神
- エンリケさん、こんにちは(^-^)
マンクヌガラン王宮のある町まで、電車でちょうどよい距離なのですね。
王宮からの山の姿、見とれるような優美さです。
こちらでは流暢な日本語ガイドさんに出会われ、ラッキーでしたね!
民族衣装姿が素敵です(^_-)
日本でもどこでも、その土地の衣装を着てもらえば、それだけでも興味の幅が広がりますよね。
あらあら、デゥィは「女神」を表すのですか(笑)
今も普通に使われ、丁寧に手入れされ、そして公開される王宮へ、私も早朝の電車に乗り、出かけてみたいです!
今回のガイドさんに当たれば嬉しいなぁ。
町子
- エンリケさん からの返信 2020/08/01 14:08:18
- 素敵なガイドさんでした。
- 川岸 町子さん
こんにちは。スラカルタの旅行記にご訪問ありがとうございます。
スラカルタの街はジョグジャカルタよりもずっと田舎っぽく、のんびりした雰囲気でした。
ジョグジャカルタやボロブドゥールといった誰もが知る観光地を訪れるだけでなく、こういうマイナーな街も訪れることで、インドネシア旅行の幅が広がるかもしれませんね。
マンクヌガラン王宮は、“王宮”と言うにはとても小さなものでしたが、日本語が上手なガイドさんから現地のいろいろな話を聴くことができ、今回の旅行の中でも特に思い出に残った場所となりました。
コロナ禍が明けて再び海外旅行ができるようになった折には、町子さんも、現地でこんなガイドさんにめぐりあわれるといいですね。
-
- KIKIさん 2020/07/22 08:04:35
- ボロブドゥール遺跡やジャカルタの旅も 行きたいなぁ。
- エンリケ様
ボロブドゥールの令和初日の出のお写真、素晴らしいですね。
東南アジア一人旅、あと15年若かったらもっと行きたかった。
年々暑さと湿気に体力が追い付かなくて。(日本ですら)
ちょこっと観光とリゾートに逃げてしまいます。
コロナウイルス禍と猛暑、豪雨の日々。
どうぞご自愛くださいませ。
- エンリケさん からの返信 2020/07/24 20:30:22
- 季節を選べば東南アジアもいいものです。
- KIKIさん
こんばんは。
ジャワ島旅行記へのご訪問、ありがとうございます。
KIKIさんはベトナムやタイにも行ってらっしゃるので、季節を選べばインドネシアも大丈夫かと思いますよ。
例えばジャワ島は南半球ですので、日本が真夏の時は、逆に過ごしやすいのではと思います。
コロナウイルスが蔓延してなかなか旅行もままならない折ではありますが、いつか終息することを信じて、まだ見ぬ旅先への思いを膨らませていきたいですね。
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