2020/03/22 - 2020/05/31
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OE-343さん
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新型コロナウィルス、こういった際には大都市は非常に脆弱です。
人口密集地と言うのは、それだけでギリギリのインフラに頼って動いているわけですが、こういった感染症の時や、災害時の時はまさに脆弱な存在であること今回まざまざと見せつけられました。
私も、もともと津軽地方の田舎で暮らしてきた人間ですから、都内のマンションにこもると言う事は大変な苦痛を伴うことでした。
そこで、そんな中、この約2ヶ月くらいの東京の住宅地での生活を簡単にまとめると同時に、フォートラベルの「鉄道組合」の投稿で、一部誤った内容が出ていた話題についても、私から、私の知る範囲で正確な情報提供ができるよう、こちらの旅行記を作成しようと思います。
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2月の末、私はまだ普通の暮らしをしていました。
チェンバロの練習に出かけたり、博物館に出かけたりと言うこともあり、このように博物館動物園駅に入ることもできました。
この後、国立科学博物館のミイラ展に行きましたが、もしかしたらそこで風邪をひいた模様です。山手線のラッシュ時並みの混雑でした。
その混雑から大体1週間した後、喉が痛くなり、2日後には熱が出始めました。
ちょうど、大学病院での担当医の診察でしたので、漢方専門医である担当医より、普段処方されている薬のほか、葛根湯の処方を受け、数日服用しました。
私は、熱が上がり始める段階で服用しました。これが葛根湯を飲む正しいタイミングです。本当はもっと早いタイミングが良いのですが。
一方、一般的に、鼻水や咳といった症状が出てからでは、葛根湯を飲むタイミングではありません。
結果的に見ると、私のタイミングが若干遅かった模様で、その後鼻水や咳が激しく出る症状に進行しました。しかし、葛根湯が効いたサインである、飲んでしばらくした後うっすらと汗をかく、と言う状態にはなっておりましたので、一応の効果は出ていたことになります。 -
これは3月5日に放送されたニュース、まだイタリアで感染者が少しずつ出始めて、感染の多くが中国周辺だった頃です。
この頃から、日本でもかなり心配ではありました。
3月初めは、私も2月末の風邪が完全に残っており、咳の症状がひどく、おさまるまでには2週間近くかかりました。葛根湯を飲むタイミングが1日遅ければもっと手間がかかったかもしれません。3月の中旬ごろは、春の18切符の予定を考え、大阪のホテルを予約しようか、というところまで行ったのですが、直前で大阪の訪問先とも相談の上断念しました。 -
そして、3月の中頃から、ヨーロッパでの新型コロナウィルス感染が非常に深刻になりました。20日頃でしょうか、イギリスもロックダウンに入ろうかと言う頃から、いつも見ているBBCワールドも特別編成に切り替わり、1部時間帯で地上波と共通の番組が放送されるようになりました。ご覧の通り普段は国際放送に現れない、見慣れないニュースキャスターが出てきます。
日本の様子もかなり心配になってきており、この頃からヨーロッパやアメリカから帰った人による感染が急増、少ないといった懸念も広く報じられるようになり、イギリスがロックダウン態勢に入ってから1週間後位に私も自主的に、厳格なソーシャルディスタンスの実践を始めました。(このテレビ画面の画像は6月1日のニュース番組です。イギリス国内ニュースの担当のキャスターが出ています) -
3月28日には、定期的な診察のため原宿に向かいましたが、土日の外出自粛要請が始まり、途中にあるクッキー屋さんは休業していました。人通りは普段の20分の1位です。
このあとには、3月末の東京で雪が降ると言うとんでもないことが起こりました -
3月には、神保町に、普段から懇意にしております青山のスリランカ料理店、「タップロボーン」の新店舗がオープンしましたが、それも、1ヵ月ほどで休業になりました。スリランカ産赤米のベジタリアンプレートです。
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買い物も、今までは電車で数駅離れたところにあるデパートの食品売り場の野菜屋さんが安くていつも行っていたのですが近くに見つけた八百屋さんがメインになり
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お散歩も電車で出かけるのではなく、できるだけ人混みを避けながら3キロほど離れた公園に向かうようになりました。
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公園があったのはありがたいのですが、帰ってくるとなんか気分が悪くて、しばらく考えていたら、私の地元青森県黒石市と言う所の公園に似ているから、ストレスが溜まっているんだと言うことに気がつきました。
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その公園の近くにはこれも走っています
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インターネットも見る時間が増えました。
あらゆる作業がパソコン経由になりましたし、こんなものを見たりしています。
これは、グラモフォン紙が主催した、休業中の音楽家への寄付を呼びかけるチャリティーインターネットコンサートです。
私も影響を受けているので、特に寄付はできませんが。。。 -
ポッジャー教授も自宅から犬と一緒に出演してくれました
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ところで、ここから今回の私の旅行記の本題に入ります。
3月末に東南アジアを旅行されたとある会員さんが、新型コロナウィルス感染症と漢方薬についていくつか投稿されているのを見かけました。しかし、鍼灸学校の学生を名乗るその方の投稿には、漢方の指導者たちの書いている内容とはかなり乖離があり、中途半端な知識で書かれたものと推察しました。
私は、医学系の学校に行った事はありませんので、医学勉強の経歴としてはその方より知識がないことになりますが、私が知る範囲、患者として学習したことと、大学の教養課程の授業として漢方薬の歴史について講義を受けた範囲の知識で、日本を代表する専門家の方々が投稿された内容へのリンクを紹介し、ご覧になっている皆様に対し、正しい知識に基づいて漢方を利用するよう呼びかけたいと思います。 -
COVID19関連で、最初に国内で発表されたのは、金沢大学の先生の発表です。
感染症学会のページに掲載されたこちらの論文では、中国で新型コロナウィルス治療の標準治療として採用された中医薬(漢方薬と同じく中国の古典医学による医学で、そのうち日本で実践されているやり方が「漢方」で、現在中国で実践されている方法を「中医学」と呼びます)について、簡単に説明するとともに、一般の病院でも手に入るツムラなどの顆粒剤での治療法が掲載されています。(中国では、中医学の専門医が多いことから、生薬をそのまま煎じて治療に用いることが日本よりずっと多いです)
http://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=140 -
続いて、日本医事新報社のサイトに、慶應義塾大学漢方医学センターの渡辺客員教授を始めとした専門家により掲載されました。
慶應義塾大学漢方医学センターは、私が2013年より昨年の9月まで治療を受けていた医療機関であり(担当医の異動に伴い私も別の大学病院に異動しました)、渡辺教授は私の初診担当医でもありました。)
こちらをご覧ください
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14426 -
また、続いて、渡辺医師が代表を務める「漢方産業化推進研究会」のウェブサイトにも、一般向けの、医療機関及び漢方を扱う薬局の一覧表とともに、指針が掲載されました。
この漢方産業化推進研究会は、私も設立総会に観客として参加しているほか、いくつか付き合いがあり、関係者を引き連れて私が関連施設を視察したりもしております
こちらのウェブサイトをご覧ください
https://kampo-promotion.jp/ -
タイの旅行記を書かれた方は清肺湯と言う薬や、麦門冬湯という薬について、旅行記に書いておられました。
しかし、専門家が書いている文章には、こちらの2つのお薬は入っておりません。 -
予防などに用いられるお薬として、「補剤」と呼ばれるお薬のグループがあります。詳しくは、漢方産業化推進研究会のウェブサイト、および先程リンクを貼りました論文の第7章 https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14426 をご覧ください。
私は、昨年頃より別件で、その補剤の1つで、最も代表的な処方でもある十全大補湯を処方されています。この十全大補湯は、台湾に行けばレストランでスープとして飲むことができる位ポピュラーなお薬です。
また、ハイリスク者は補中益気湯を服用するよう勧められているようです。 -
風邪の初期のお薬として葛根湯は有名ですね。
渡辺教授の論文では、葛根湯などを使う初期の段階から早い段階で次の別の薬を使わなければならない段階にこの新型コロナウィルスは進行するため、出来るだけ初期に葛根湯や麻黄湯を飲むようにと書いてあります。熱が出てからでは遅いだろうと書かれています。
なお、このパッケージは皆様も見たことがあるかと思いますが、中に入っている粉は、「粉薬」ではなく、インスタントコーヒーと同じ要領で作られたインスタントです。熱湯に溶いて飲むのが正しい飲み方です。
なお、このパッケージは皆様も見たことがあるかと思いますが、中に入っている粉は、「粉薬」ではなく、インスタントコーヒーと同じ要領で作られたインスタントです。熱湯に溶いて飲むのが正しい飲み方ですドラッグストアで市販されているものには、熱湯で溶かして飲むものと、粉のままのものもありますので、注意書きをよく確かめましょう。
また、タイに旅行された方は、一般に市販されているものは医療用の半分ですと書いておられましたが、葛根湯など一部のものについては、医療用と同じ量が入っている場合もあるので注意が必要です -
しかし、みんなが葛根湯に合った身体かはわかりません。やはり専門家に確認の上、どの薬が合うのかを判断してもらう必要があります。私の場合は、風邪をひいた場合で、首筋が痛くなって熱が上がり始めるなどがあった場合、すぐ葛根湯を服用するよう担当医に言われておりますが、うちの母は体調が異なるため、別の「麻黄附子細辛湯」という薬を服用します
こんなカプセル状になったものもあります。
中国では、注射薬が重症患者に使われたりもします。 -
さて、一般の人が、とりあえずドラッグストアなどでお薬を買って対処できるのはこのタイミングまでだと思います(今まで掲載した薬剤パッケージの写真はすべて処方箋が必要な医薬品です。もちろん保険適用です)。この先は、専門の医師や薬剤師に相談をし、薬を処方していただくのが良いでしょう。
煎じ薬が使える場合は中国で効果を上げている「清肺排毒湯」と渡辺氏は書かれておられますが、煎じ薬を出せる病院は少数です。その場合でも、専門医は、正しい薬をエキス剤の組み合わせなどで処方することができます。金沢大学の先生の論文にはそのやり方も書かれています。
また、中国で標準薬として使われているもの以外にも、エキス剤でも作られているものの中で、症状に合わせ効果を発揮するとされている薬もあります。また、中国で標準薬として使われているもの以外にも、エキス剤でも作られているものの中で、症状に合わせ効果を発揮するとされている薬もあります。使い分けには専門の医師や薬剤師の判断が必要です。 -
漢方薬は医師だけではなく、制限がありまた保険がきかなくなるものの、薬剤師が直接販売できるものもあります。
漢方産業化推進研究会のウェブサイトには、漢方に詳しい薬剤師がいる薬局の一覧が掲載されています。https://kampo-promotion.jp/topics/2020/05/20200508140850.html
必要に応じ、そういったところに相談し、どの薬を飲むべきなのか相談することが必要です。
また、これには掲載されていませんが、私が昨年秋に、とある講演会でお会いした日本薬科大学の先生によりますと、日本薬科大学の卒業生の方が曙橋で漢方専門の薬局を開いてらっしゃるそうです。https://tokyo-taiyodo.business.site/
また、都内ですと、漢方専門医も結構な数いらっしゃいます。日本東洋医学会のウェブサイトを使いますと漢方の専門医を検索することができます。私は、専門医の治療を受けるため、毎月青森県の弘前の近くより、慶應大学まで寝台特急あけぼのに乗りまして通ましたが、三軒茶屋の元慶應大学の先生など、開業されている先生方も多いですので、気軽に漢方の専門医の診察が受けれる例もあります。 -
漢方薬は、感染症と戦ってきた非常に長い歴史があるそうです。漢方薬の歴史について知りたい方は、こちらの本をご覧ください。
また、漢方薬にはエビデンスがないとおっしゃる方がいます。なぜそういう話になるのかといいますと、漢方薬は何種類もの植物の部分や、場合により動物の部分、あるいは石なども使うのですが、そういったものを何種類目決まった配合で組み合わせて使って初めて効果が出ると言う薬です。単純な食品としても使われるような植物の組み合わせでも、正しく組み合わせると劇的な効果を発揮するものもあります。つまり、西洋医学の薬のように「何々と言う成分がどこどこをやっつける」みたいな単純なものとは違うわけです。この、複数の成分を組み合わせ、組み合わせたときの効果を利用する考え方は、古代ギリシャの時代より、西洋ではあまり重視されてこなかった考えのため、「では何の成分が効くのか」という話になってしまうのです。
これは、漢方薬を1つの処方単位で1つとして捉えて研究することにより現在さまざまに論文が発表されています。今後の医学の進歩により、漢方薬が効く細かい仕組みも、少しずつ解明されていくものと思います。また、一人一人処方が異なることから二重盲検の臨床試験が難しい点に関しては、大量の臨床実例をビックデータとして解析することによりエビデンスを確かめようという研究が進められており、私も患者としてデータを提供しました。 -
こちらの方が、漢方薬や鍼灸など、東洋医学の仕組みについて、簡単に解説してくれています。
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漢方鍼灸以外の、一見するとなんとなく似ているように見える様々なものとの違いも非常にわかりやすく説明されています。
漢方薬と西洋医学の概念の違い等についても、わかりやすく書かれています。 -
また、こちらの(何度かお名前が登場しておりますが)渡辺医師の著作では、現代の漢方のあり方を論じておられ、また患者として私が思っていることとも重なりますが、漢方の持つ社会的意義や、現在、漢方が社会的に抱えている問題等についても論じておられますので、ご興味のある方はぜひご覧いただきますようお願い申し上げます。
漢方と社会に関しては、私も今後旅行記の作成を予定しております。
どちらも新書で出ておりますので、高くありません。皆様ぜひご覧ください。 -
参考情報:煎じ薬とはこういった生薬に、水を加えて加熱してつくります。本来はこれが最も効果のある方法です。専門や、専門の薬剤師になりますと、これを処方してくださります。我が家では、もう7年間毎日私の分と母の分2種類を煎じております。ー
私は本来、患者の立場から漢方薬を服用しているものであり、こういった内容を記載するのに適切な立場ではございません。しかしながら、フォートラベルで鉄道に関し旅行記をたくさん投稿され、たくさんのフォロワーさんがいらっしゃり、また私もお会いしたことのある方が、不十分な内容を投稿されているのは大変残念に思い、私ができる範囲で記述させていただきました。
漢方薬は、専門の医師薬剤師の指導が必要で、それによって効果を上げる薬であり、皆様どうかその点をご了解の上、正しく利用されるようにお願いいたします。
また、専門医の診察の元大学病院で漢方薬を服用し、また鍼灸も多数の教科書を執筆されている先生に治療していただいている身として、漢方や鍼灸を学ぶ学生さん、特に入学がしやすい鍼灸の学生さんに申し上げたいのですが、2000年以上の歴史を持つ体系化された医学の専門家になるのだと言う自覚を持って、そして一人ひとりの患者の病気に対し責任がある立場になるのだと言う自覚を持って、漢の時代の古典から現代の論文まで、様々な知識を身に付けていただき、立派な医療従事者になっていただきたいと、患者として切に希望するところであります。
私自身、なかなか治療法が見つからなかったところに、漢方の視点をいただき、漢方薬の治療と鍼灸の治療を受けることによって、大きく症状が改善し現在の私に至っております。私にとって生きるのに必要な医学であり、だからこそ、皆様にも、できるだけ適切な情報源に当たっていただきたいと思うところです。
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