古代ローマ、コムーネ、スカラ家統治時代と歴史の積み重ねのある街、ベローナ

2020/02/19 - 2020/02/19

ベローナは古代ローマ時代から
アルプス越えなどの交通の要衝として繁栄した
歴史ある街です。
古代ローマ時代の遺跡も多く残っています。
また中世のコムーネの時代、
スカラ家の統治の時代などの建造物が残り、
当時の繁栄を知ることができます。
現在はコムーネ時代におこった歴史の話を
シェークスピア作品が書き上げた
「ロミオとジュリエット」の舞台でもあります。

エリア ベローナ(イタリア)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

ポルタヌオーヴォ駅。ベローナの中心となる駅です。
駅の北側にベローナの街が広がっています。

駅から町の中心のアレーナまでは１キロほど、
エルベ広場までは１キロ半ほどです。

ポルタ・ヌオーヴォ駅の斜め前にはヌオーヴォ門があります。
修復工事中のようで工事用テントが掛けられていました。

この城門は中世時代の街の南の城門跡で、
ここまで中世には街が広がっていたことになります。

駅から北に歩いて行くと、中世時代の城壁が見れます。

ベローナは北ヨーロッパへの交通の要所と発展しましたが、
アルプスは４０００メートルほどの山が続いていますが、
ベローナから北へと行くと
１３７４メートルのブレンナー峠があり、
比較的越えやすいルートでした。

中世時代の城壁の場所です。

このアルプス越えのルートはアウグスタ・クラウディアと呼ばれ、
ローマ時代以降も中世の時代も最も利用されたルートでした。

中世時代の城壁があった場所で、
土手のように土が盛られています。

現在はそのルートには高速道路が走り、
アルプス越えで最も交通量の多い道路です。

アディジェ川
イタリア第２の長さの川です。

２０００年前の古代ローマ時代から
ベローナはこの河川を利用した交通の要地として街が造られています。
また北ヨーロッパへの
アルプス越えの拠点の街としても発展しています。

川沿いからはベローナの旧市街の中心が見れます。
シニョーリ広場にあるランベルデイの塔が見えます。

１３世紀から１４世紀に街の支配者であったスカラ家の城である
カステルヴェッキオ(古い城)です。

１２世紀初めにベローナはコムーネが成立していますが、
コムーネ内での各貴族（有力市民）間での争いの後、
１２５９年にスカラ家が街の統治者になります。

アディジェ川

橋を渡って旧市街へと歩いて行きます。

スカラ家の統治は１２６０年から１３８７年まで続きます。
その後、ベネチアの統治時代に変わりますが、
スカラ家の統治の時代がベローナの黄金時代とも考えられます。

橋の欄干には騎馬像があります。

その後は１４０５年にベネチアの支配下となります。
黄金時代は終わったということでしょう。

アディジェ川。
川の向こうを見るとわかることですが、
川はベローナでS状に大きく蛇行しています。
そのため三方向が川に囲まれた半島状になり、
敵の攻撃に対してのいい防御となっています。

向こうにはスカリジェロ城と
川に架かるスカリジェロ橋です。

橋を渡り、旧市街に入っていきます。

ベローナの街は中世時代には南へと街が広がりましたが、
古代ローマ時代に築かれた旧市街は
比較的碁盤目状の街並みが残っています。

旧市街

ボルサリー門です。
古代ローマ時代に街の南の城門であったものです。
駅の前の城門が中世時代の城門であったので、
古代ローマ時代は中世に比べて、街は小さかったです。

古代ローマ時代の南側の城門です。

市街地

ベローナ市街地、路地。

市街地。旧市街の中は歩行者専用の道が多いです、

アレーナ（円形闘技場）。
紀元１世紀に建てられた古代ローマ時代の円形闘技場です。
長さ１５２メートル、幅１２８メートル、高さ３０メートルの大きさで、
ローマのコロッセオよりも少し古いです。

近くには高級ブランドショップがあります。

イタリアの郵便ポストです。

アレーナの前は大きな広場のブラ広場です。
観光客を含めて多くの人が出ています。

ブラ広場に面して１９世紀に建てられた
ベローナの市庁舎があります。
ギリシア神殿のような列柱がある
ネオクラシック様式の重厚な建物です。

アレーナ
大きさではローマのコロッセオより少し小さいですが、
保存状態はこちらのほうがいいです。
収容人数は２万人強です。
夏は屋外オペラが開かれています。

ブラ広場の周りにはカフェ、レストランがあります。

ハートのマークのオブジェもあります。

マンツイーニ通りです。
アレーナから旧市街の中心のエルベ広場を結ぶ
５００メートルほどの通りです。

歩行者天国の通りで、人通りも多く、
ベローナのメインストリートです。

通りには多くのショップがあり、
ブランドショップもあります。
カフェ、レストランもあります。

劇場もあります。

エルベ広場の手前を右に曲がるとすぐにあるのが、
ジュリエットの家です。

ジュリエットの家です。
シェークスピアの「ロミオとジュリエット」
の舞台であるベローナです。
イタリアで以前から書かれていた作品を
シェークスピアが読んで、劇作した作品です。

シェークスピアはヨーロッパ各地の作品をアレンジした
パターンが多いようです。
ハムレットもそうです。

ジュリエッタの像です。
右側の胸を触ると幸せな結婚、恋愛ができるということで、
多くの人が触っているので、金ぴかになっています。

有名なバルコニーのあるカプレテイー家の屋敷跡です。
１階の壁にはロミオとジュリエットのさわりの部分の文章が
イタリア語と英語で記入されています。

世界各地から来た観光客が残していった
手紙、メッセージなどが多く貼られています。

イタリアの中世のコムーネの時代の歴史を見ると
コムーネ内での有力者間の抗争が頻発しています。
ベローナでも有力者間の抗争がロミオとジュリエットの話に
なったのだと思います。

ジュリエットの家から１００メートルほど東に歩くと
古代ローマ時代の東の城門があります。

レオニ（ライオン）門
古代ローマ時代の東側の城門跡です。
周りの住居にすでに取り込まれたようになっています。

レオニ門から１分ほど歩くと
サンフェルモマッジョーレ教会があります。
要塞のような教会です。
１階部分は窓や出入り口がなく、全体に窓が少ない建物です。

下の部分は１２世紀、
上の部分は１４世紀に建てられたものです。

エルベ広場に戻ります。
エルベ広場は古代ローマ時代のフォロにあたり、
エルベ広場ととなりのシニョーリ広場をあわせたものが
かつてのフォロでした。

エルベ広場です。
エルベとは野菜のことです。
多くの移動式の店舗が出ています。

エルベ広場から上を見上げると
ランベルディの塔が見えます。

エルベ広場です。
野菜、果物、チーズ、ソーセージなどの食品や雑貨、日用品なども
売っている店もあります。

ランベルティの塔。
八角形の上部飾りを持つ、石とレンガでできた８３メートルの塔です。
時計盤の付いた古い塔です。

エルベ広場です。

アーチをくぐって隣のシニョーリ広場へと行きます。

シニョーリ広場には、
１３世紀にスカラ家の宮殿として建てられた
カングランデ宮殿です。

初期ルネサンスの様式のコンシリオの回廊と
その前のダンテの像です。

広場の中央にはダンテの像があります。
ダンテは１２５６年にフィレンツェの貴族階級の家柄に生まれますが、
政争で１３０２年に追放され、以後北イタリアを放浪することになります。
ここに像があるのはスカラ家に一時保護されてベローナに滞在したためです。
彼のお墓はラベンナにあります。
フィレンツェ市はラベンナに対して遺体の返還を求めているようです。

ダンテもコムーネ内の抗争に巻き込まれた人です。

市庁舎（ラジオーネ宮殿）とランベルティの塔です。
市庁舎は12世紀に建てられたコムーネの宮殿であった建物で、
赤白の横縞の煉瓦模様が印象的な建物です。

ランベルティの塔は高さ８３メートルの塔です。

シニョーリア広場です。
１２世紀から１５世紀にかけて建てられた建築物です。
それぞれの建物は広場を中心として、回廊でつながっています。
アーチの場所を出入り口にしているので、一つの建物のようです。

スカラ家の廟です。
墓を囲んでいる鉄格子の模様はスカラ家の紋章です。
四弁の花の中央には階段のように
ゴシック様式の尖塔が配置されています。
墓というよりも記念碑のような豪華さです。

スカラの廟の前にはサンタ・マリア・アンテイカ教会があります。
本来なら墓は教会の地下や別室などにあることが多いですが、
ここは珍しいです。

スカラとは梯子の意味で、
エスカレーターはこのスカラからきたものです。

スカラ家の廟です。

ミラノのスカラ座はこのスカラ家から来ています。
１４世紀にスカラ家の令嬢のベアトリーチェが
当時ミラノの支配者であったヴィスコンティ家との婚礼で
サンタ・マリア・デッラ・スカラ教会を寄進したことからです。
その後、教会は廃止され、劇場（スカラ座）になっています。

シニョーリ広場の北側を歩いてみます。

サンタナスターシア教会です。
ルネサンス様式の１５世紀に建てられたものです。

併設の修道院です。

対岸にはローマ劇場があります。

当たり前なのですが、
古代ローマ時代にはアレーナ、ローマ劇場は
城壁外に造られているのがわかります。

ピエトロ橋です。
ピエトラとは石の意味です。石橋という意味です。
古代ローマ時代に建てらたものです。
後世に修復された部分は煉瓦つくりになっています。

ドウオーモ
１２世紀のロマネスク様式の教会の上に建てられた
１５世紀の建物です。

ドウオーモがシニョーリ広場から２００メートルほど離れた
川沿いの中心部から離れた場所にあるのは、
ローマ教皇からの街の自治が邪魔されるのを
避けるためと思われます。
コムーネ（自由都市）ではよく見かける光景です。

ロミオの家です。
モッテイー家の屋敷跡です。
現在は個人の住居で、外観だけです。

シニョーリ広場へと戻ります。

シニョーリ広場です。

家並もなにか歴史があります。

シニョーリ広場とダンテ像です。

シニョーリ広場

エルベ広場

旧市街

スイーツ店

旧市街

ボルサリー門をくぐります。

ボルサリー門から近くのレストランに入ります。

ピザ。マルゲリータ。
美味しくいただきました。