2000/08/31 - 2000/09/07
167位(同エリア1119件中)
ユウジさん
人生には、いくつかのターニングポイントがあるものです。
僕にも自分の生き方や考え方に変化があった2つのターニングポイントがありました。
1つは、二十代後半の失業時の心の変化で、パタゴニアの旅に出た時に出会った旅人や現地の人々の自由さに憧れて、時間がかかってでも、新卒時に目指した業界に転職しようと思ったことです。
もう1つは、さらに遡ること20歳の時の話で、意思もなく流されるままの自分が、少しでも意思を持って生きていこうと、思い直した時のことです。
このシアトルの旅は、その決断に至る一つの契機となった旅ですので、純粋な旅行記とは違うかもしれませんが、当時の心情を思い返して、少し書いてみようと思います。
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2000年のことですから、今から20年ほど前になるでしょうか。当時の僕は、とある大学の工学部の電子工学関連の学科に通っていました。不況だからか、理系がもてはやされていた時代で、特に意味もなく選んだ学科ですから、実際にそれを専門で学ぶとなると、次第に何の興味も無いことに気づいていきます。当然に単位も取れていないので、このままでは卒業もできるはずもなく、人生は下降線をたどりつつも、打開策もなく、ただすねているだけの日々でした。
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一方で、幼なじみの友人は同じ時期に、アメリカのシアトルに留学していました。高校を卒業してアメリカに行くなど僕から見れば狂気の沙汰で、当時の自分には想像も及ばない選択ですが、友人はこの歳でも、人生をしっかり考えて、生きてきたのでしょう。
たまに電話をしていて、それでも自分の実情はあまり正確には話してなかったように思いますが、言葉の端々にネガティブな事は言っていたので、何かを察してくれたのかシアトルに遊びに来ないかと誘ってくれました。
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僕は、それまでは旅をしたことはありませんでしたし、もちろん海外に行ったこともありませんでした。
幼い頃から地図帳を見て空想したり、なるほどザ・ワールドや世界ふしぎ発見などのテレビを見て知った気になってはいましたが、僕にとって海外は、リアルではなく、本や映像の中だけの存在となっていました。
それが、現実社会で自分自身が海外に行く日が訪れるなんて…
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アメリカの地に降り立つと、友人が出迎えてくれました。とりあえず友人と一緒なので、大丈夫ですが、多民族、英語、銃社会と、期待より先に恐怖が襲ってきます。こんなところによく住んでいるなと、日本しか知らない人間には思えてしまいます。
結局、意思も知識も勇気もありませんので、友人の後をついて行くだけです。まったく情けないものです。 -
連れていかれるがままですが、シアトルのランドマーク的存在のスペースニードルに行きました。この時は、ちょうど近くで音楽祭も行われていました。今までバンドのライブにも行ったことがなかったので、どのようにのったら良いか分かりませんが、新たな世界を見た感じです。
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スターバックス1号店です。当時の日本には今ほどスターバックスはなく、注文の仕方も分からず、たいそうオシャレなカフェのしかも1号店に来てしまったとドギマギしていたのを覚えています。エンブレムは1号店仕様なのか独特ですね。
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連れて行ってもらってばかりですが、シアトルから夜行バスでカナダのバンクーバーに行きました。陸地に国境があるなんて、しかもそれをバスで気軽に越えることができるなんて、日本の常識しか知らない僕にとってはセンセーショナルなことでした。
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バンクーバーは、大都市ですが、山と海に囲まれていて、自然と調和した綺麗な都市でした。印象的な場所は、バンクーバー美術館でしょうか。なんにも興味も趣味もない時代でしたが、絞り出すと少し美術には興味がありました。地元の画家の作品も良いですし、特別展で展示されていた印象派の作品も海外フィルターがかかると、より素晴らしい作品のように思えてしまいます。知識がない分、色々と自己暗示をかけているみたいですね。
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初めての海外は、様々な刺激を受けた1週間でした。ただ思えば、自分からは何も行動していないわけで、自分が何もできないということも痛いほど分かりました。
悩みましたが、人生を思い返してみると恐らくこのままで良いはずはないですから、まずは、意思のない自分、挫折に弱い自分を少しずつ変えていければと思いました。そして、せめて自分の人生くらい自分で責任を持ちたいと思うようになりました。
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帰国後に、試験を受けて、学年は下がりましたが、地理学科に編入しました。
もちろん、それでその後の人生が順調になる訳でもないですが、自分の意思で決めるようになってからの人生は、それまでとは少し違うもう一つの人生を歩んでいるような気がしています。
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