2019/11/01 - 2019/11/30
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PuellaApuliaeさん
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コロナウィルス感染被害国であるイタリアに関する報道が、日本では悲惨さを誇張するような形でなされ、中にはひどいフェイクニュースもあります(これについてはここでは触れませんが、3月上旬からの伊在住者の方々のブログを是非ご覧ください)。
そこで昨年後半からの居住時に撮った元来の美しい北イタリアの画像をいくつかまとめようという気になりました。完全に個人的な感情に基づく内容ですので、興味のない方は飛ばして下さるようお願いします。表紙写真はアックイ・テルメのローマ水道橋です。ピエモンテ以外のところの写真もおまけで突っ込みました。
帰国してからもイタリアの状況が心配で、ずっとコンテ首相やボレッリ市民保護局長の会見をネット上で見るのが日課になっています。
過去に中部イタリアに住んだこともあり、また南イタリアを愛好しているので、北部にはこれまで大して愛着はなかったのですが、短期間の居住でもいい思い出が残っています。かの地で出会った方々すべての無事を祈りつつ・・。
- 旅行の満足度
- 5.0
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11月始めの珍しく晴れた週末、ピエモンテ州アックイ・テルメまで行きました。名の通り温泉地です。こちらは駅前の通りです。
ピエモンテの街はどこも上品で小ぎれいなので北部では一番気に入っています。
トリノから行く方も多いと思いますが、ジェノヴァからも簡単に行けます。直通ローカル列車でたった2時間です。
この路線は単線で、しかもある意味「絶景」路線で、乗る価値があると思います。険しい山中を無理に掘って線路を通したようで、日本の長野や岐阜の山岳地帯の鉄道のようです。だからちょっと豪雨が降ると不通になります。この10-11月は何度もそうなっていました。 -
温泉の湧いている広場が街の中心にあります。
温泉ワッフルのような俗っぽい土産物の店はありません(チェコのカルロヴィ・ヴァリはそういうものだらけだったなあ)。 -
赤みがかった高温の温泉です。85度だそうで、どうしてこんなピエモンテの山中でここまで高温のお湯がわくのでしょうか。
高級スパが何軒もありますが、この日は寒かったし、イタリアの温泉はまず医師の診察を受けてから入るのが面倒なので、見るだけにしました。 -
なめてみたらちょっと塩分がありました。
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別の広場にあるお湯ではない噴水です。
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ピエモンテの秋は寒いので、もう葉がかなり落ちています。この次の週は雪が降ったようです。
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暖かいトスカーナやリグーリアとは植生がかなり異なります。トスカーナにはつきもののチプレッソ(糸杉)が全くありません。
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街の中心を抜けてどんどん歩くと小さな川があります。この2週間後これが氾濫するなんて想像もつきませんでした。
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イタリアの秋は悪天候が多くて朝晩の温度差がそれほどないため、日本ほど美しい紅葉は見られませんが、それでも清々しい美しさです。
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橋を渡ると、川べりにローマの水道橋跡があります。河畔が公園のようになっていますが、ここの景色は本当にきれいなのです。しかし2週間後に豪雨による川の氾濫で、この辺りは一面の泥の海になってしまいました。市街地も被害を受けたそうです。
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ポプラ(左)は日本で見かける横に広がるタイプとは違って、細くて直立したタイプのものです。中国でもよく見かけます。ひょっとして春に柳絮(ポプラの)を飛ばす種類ではないでしょうか。春にも来たかったのに・・・。
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これだけがぽつんと建って残っているのが面白いですね。
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他愛もない写真ですが、自分では気に入っています。
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赤い色が欲しいところですが、黄色がきれいです。
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これは小高いところにある城への道です。城の中には考古学博物館があるのですが、午後の開館時間に行っても開いていませんでした。多分待てば開くと思うのですが面倒になりました。ここで行かなくてもトリノの博物館に行ったし。
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城の前にある広場です。
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アックイ・テルメの大聖堂です。ファサードは近代の再建で面白くありません。
昼食はこの左横の元修道院の二階にあるレストランIl Moncalvo で食べました。美食の州ピエモンテだけあって、本当においしかったです。グリッシーニもパンも前菜も素晴らしかったし、白トリュフのパスタが絶品でした。ワインはこの地域の泡をいただきました。給仕の方もとても感じが良くて、最後は握手してお別れしました。また行きたいです。皆さんご無事でおられますよう。 -
ぐるっと回って大聖堂の裏です。ここには古いロマネスク様式が残っています。
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帰る前にもう一度大聖堂に入ったら、奥から管理人みたいなお爺さんが出てきて何かおっしゃるのですが、方言がきつくてほとんどわからず困りました。すると他の方々が、こちらにいらっしゃいと聖具室の奥へと誘って下さいました。奥の部屋にはこの祭壇画が置いてあり、専門家らしき係員の方の解説も聞くことができました。普段は公開していないのではないでしょうか。見られて幸運でした。
ベルメホBelmejo という16世紀スペイン(カタルーニャ?)の画家による祭壇画だそうで、背景は当時のバルセロナの風景だそうです。フランドルの画家の影響が強いということで、確かにファン・アイクらのような雰囲気です(あれほど精緻できれいではないが)。当時のフランドルはスペイン領だったから当然ですが。後で調べたら題材は「モンセラットの聖母」でした。ということは背景はモンセラットですね。残念ながら行ったことがありません。 -
解説が終わると係の方は祭壇画を閉じました。そこにも絵が描かれています(受胎告知)。全員が見終わって出たら部屋に鍵をかけてしまわれたので、後から大聖堂に入ってきた人たちは見られませんでした。
スペインの画家はカスティーリャのもカタルーニャのも全然知りません。この絵と画家について何かご存じの方がおられたら教えて下さい。 -
ここからは11月下旬、トリノのイベント「チョッコラート Cioccolato' 2019」です。最後のオにアクセントが付いています。チョコで作られたモーレ・アントネッリアーナの絵がシンボルになっています。
最終日の日曜に何とか行きました。天候が悪くてなかなか行けませんでした。この日の朝も大雨強風で、プリンチペ駅まで歩くだけでずぶ濡れになったし、トリノまでの列車が(先行ICの故障で)85分も遅れたしとさんざんでした。トリノに着いたらやっと雨が止みました。
このイベント、日本で知名度低いのが本当に残念です。ペルージャのよりも絶対いいですよー!ピエモンテのチョコはおいしいもの。 -
ここはトリノの中心、サン・カルロ広場ですが、広場中がチョコレートの屋台だらけです。更に屋台はローマ通り左右にも続いて出店されています。
どうして外国に宣伝しないんでしょうねー。これがピエモンテの奥ゆかしさでいいところといえばそうなんですけど・・。 -
こんな感じで屋台だらけです。イタリア各地からチョコレートの名産品が出されています。やっぱり近くのクーネオのチョコが多いです。
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方向を変えて撮りました。
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サン・カルロ広場からカステッロ広場まで続くローマ通りがチョコレート屋台に埋め尽くされていました。
南イタリアからの屋台も来ていて、大好物のシチリアのアーモンドやピスタチオの菓子をついたくさん買ってしまいました。北のトリノで・・。 -
寒かったけどチョコを立ち食いしたりホットチョコレートを飲んだりしてぶらついたら暖かくなりました。
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この広場はやっぱりいいですね。雨上がりの晩秋の光がきれいです。
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この方が太陽光がきれいかな。
ピエモンテもロンバルディアほどではないにせよ、コロナ被害がひどいところです。どうか早く終息して美しい姿に戻ってほしいと思います。
聖骸布のご利益も及ばないのか・・。 -
これは全然別の機会に撮った、パルマのドゥカーレ庭園の池なのです。
同じく他愛もない写真ですが、とても気に入っているので載せます。 -
唐突ですがこのフレスコ画はジェノヴァ大聖堂の中央扉の上部にあります。大聖堂に入ってしまうと背面になるので気が付きにくいです。しかも中が暗いのでこれに気付く人はますます少ないと思われます。
横に書いてある文字を何気なく読んだら、コンスタンティノープルのコーラ修道院の絵師によるもの、とあり驚きました。
コーラ修道院というと、今のカーリエ博物館ですよー。ビザンツ美術愛好者にはマストの場所です。なんとまあ、こんなところにもあるとは。現在のイスタンブル新市街の一角にはかつて中世ジェノヴァ人居住区だったところもあるので驚くことはないのですが、今まで保存されていたのは素晴らしい。ビザンツ美術が好きな方、もしジェノヴァに行かれることがあったら忘れずご覧あれ。
どうか北イタリアをお救い下さい・・偶然にも明日は復活祭です。
最近のイタリアのジョークにこんなのがあるらしい。(キリスト)「今年の復活祭はコロナ被害が酷いからそっちには行かないよ」(イタリア人)「心配しなくても僕らがじきにそっちに行きますよ」
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この旅行記へのコメント (2)
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- cokemomoさん 2020/04/13 16:50:24
- 時間がかかっても・・・
- Fiorenzaさん、こんにちは~。
泣きそうです。
昨年の5月にトリノとスーザに行って、ピエモンテの他のロマネスクやサルッツォはまた次にしよう、なんて呑気に考えていたことが遠い昔のようです。
アックイテルメの聖堂の後ろ姿がいいですね。
ジェノヴァの大聖堂にひっそりとビザンツのフレスコ画があると知っては、ぜひ「絶景路線」に乗ってピエモンテ入りしてみたくなりました。
イスタンブールのカーリエ博物館もまた行きたいところです。ダンナさんと行ったら、趣味が違うのであちらはすぐに飽きてしまって。ものすごい欲求不満、悔しいので画集を買ってもらいました。
トリノのチョコラート、そりゃチョコレートはピエモンテっす!さらにシチリアからピスタチオやアーモンドと聞いては、ぜひその時期に行きたくなります。パネットーネも買えるし(私にはとても重要!)、来年かなぁ。クリスマスのイルミネーションも始まってるといいな、トリノならシックでエレガントに違いないと思うんです。
トリノ郊外に住む知人は「今年の復活祭はコロンバがあまり見られなかったし、自分も買えなかったからリコッタとレモンのタルトを作った」と言っていました。
長い時間がかかるだろうけれどきっとまた会えるようになる、その時にはこのタルトを私に作ってくれるそうです。
イタリアなどヨーロッパでの規制を思うと、こちらはこんなにユルユルでいいんだろうかと不安になります。一刻も早く収束してほしい、そして関西とイタリアと台湾に行けるようになってくれぇ!と思う私はその緩さやふらふら出かける人達にイライラっとして、本当に精神上よくないです。
日本の政治家や政府って・・・
日本のおばちゃんのくせに、コンテ首相の「明日もっと早く走るために今は止まろうーー略ーー」を胸に引きこもってます。
大阪の知事は評判が爆上がり(使い方合ってる?)ですね。東京も毀誉褒貶あれど小池百合子氏でまだしもでした。
まとまりのないコメントで恐縮ですが、今は感染せぬようさせぬようお互い元気に過ごしましょう。また写真見せてくださいねーー!
- PuellaApuliaeさん からの返信 2020/04/13 21:47:55
- Re: 時間がかかっても・・・
- cokemomoさま、コメントありがとうございます。
このような機会がなければ、すべてお蔵入りになる写真たちでした。
そして本来なら今頃私はプーリアで復活祭休暇を過ごしていたはずだったのに~。繰り言を書いても仕方ないですが、ともかくイタリアには元通りになって欲しいです。人のいない復活祭なんて悲しいです。
更に心配なのは日本で、イタリア人や伊在住日本人がいくら「日本が心配」と発信してもその声が届かないし・・。イタリアが元に戻っても日本がひどいと、入国拒否されるかも。フランスが8月のバカンス期もあえてEU外からの入国を認めないかも知れないと聞きました。
長期戦になるでしょうから、ゆっくり待ちましょう。
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