![東京には意外と古民家が残されていて、あちこちで見ることが出来る。今回は多摩地区を中心に3カ所訪れてみた。先ずは京王線仙川駅から10分ほどのところにある「旧菊池家住宅主屋」(現白百合女子大めぐみ荘)を訪ねた。次いで、国立市にある「本田家住宅」と最後に東村山市にある「村野家住宅」である。いずれも国の登録有形文化財となっている。しかし、今回は前者2軒の紹介にとどめたい。邨野家住宅については後日を期したい。<br /><br />「旧菊池家住宅」はもともとは伊豆の修善寺熊坂にあり、名主の菊池家の主屋でした。江戸後期の建築と推定されるが、明確ではない。2014年(平成26)国の登録有形文化財に指定されている。<br /><br />一方、本田家住宅は国立市保谷、JR南武線保谷駅から徒歩10分程度の所にあり、元名主の格式を伝える大型の近世民家である。こちらも国登録有形文化財に2011年(平成23)に登録されている。<br /><br />※ カバーの写真群は旧菊池家住宅のものであるが、随所に当時の格式を感じさせられる。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/11/60/69/650x_11606984.jpg?updated_at=1587609464)
2020/01/15 - 2020/01/15
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Weiwojingさん
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東京には意外と古民家が残されていて、あちこちで見ることが出来る。今回は多摩地区を中心に3カ所訪れてみた。先ずは京王線仙川駅から10分ほどのところにある「旧菊池家住宅主屋」(現白百合女子大めぐみ荘)を訪ねた。次いで、国立市にある「本田家住宅」と最後に東村山市にある「村野家住宅」である。いずれも国の登録有形文化財となっている。しかし、今回は前者2軒の紹介にとどめたい。邨野家住宅については後日を期したい。
「旧菊池家住宅」はもともとは伊豆の修善寺熊坂にあり、名主の菊池家の主屋でした。江戸後期の建築と推定されるが、明確ではない。2014年(平成26)国の登録有形文化財に指定されている。
一方、本田家住宅は国立市保谷、JR南武線保谷駅から徒歩10分程度の所にあり、元名主の格式を伝える大型の近世民家である。こちらも国登録有形文化財に2011年(平成23)に登録されている。
※ カバーの写真群は旧菊池家住宅のものであるが、随所に当時の格式を感じさせられる。
- 旅行の満足度
- 5.0
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校門を通リ校舎内に入ると、緑の森とも言えそうな一画が現れてきた。ここが今回訪問した旧菊池家住宅(現めぐみ荘)の入り口である。
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ここは国の登録有形文化財に指定されていて、2014年(平成26)に指定登録された。
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旧菊池家住宅はかつて静岡県伊豆の修善寺にあり、歌人・菊池袖子(1785~1838)の生家であった。1933年(昭和8)に 主屋が調布市にへ移築され、津村順天堂さらに帝国石油の所有となった。その後1965年(昭和40)、白百合女子大学の所有となり、現在まで大学の施設となっている。
年に1回東京文化財ウイーク特別公開で、秋期に一般公開日があり、昨年11月に訪れることが出来た。 -
屋根の上に目をやると、小部屋のような出っ張り部分(屋根裏部屋?)が見えた。これは「煙抜きの越屋根」だそうである。
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旧菊池家住宅は津村順天堂の薬用植物園内に移築されたが、茶会や宮家の休憩所としてされ、第二次世界大戦中は、杉山元などの秘密会議に使用されたと言う。
戦後、1956年(昭和30)に帝国石油(株)の体養施設となり、宿泊所、テニスコート、プール等が作られたが、1965年に白百合学園の所有となり、「めぐみ荘」と名付けられた。 -
めぐみ荘の前には小さな石を散りばめたかなり広大な庭があり、敷石が置かれている。それらをを踏みながら玄関のところへ向かった。
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木立にさえぎられた広い前庭には芝生だけで整えられていて、余計なものが一切ない。
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木々の間を通ってここに来た。ここが入口で、見学者はここから中に入る。ここは増築した部分である。
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入口のところに大きな灯篭が立っている。何やら由緒あるような、立派な作りである。
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入口を入ると、大きな土間があり、天井も高いのには驚いた。
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かつては土間であったところが今では板張りに作り替えられているが、土間を上がると、右側が座敷そして左側が台所になっている。
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建材はすべて修善寺にあった建具を利用したものである。真ん中に天窓があり、明り取りとして使われている。
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板の間に上がると、黒光りした床や柱があり、創建当時そのままである。伊豆からの移築に際して、解体された材料はすべて持ち運び、再建にすべて利用したそうである。
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土間側から見た座敷の様子。襖のある手前(写真では見えないが)の部屋は玄関の間(現在の中ノ間)で、かつて玄関とつながっていた。外側に式台があった。
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一番奥に格式のある奥座敷が置かれている。
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これはどなたの像でしょうか。
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日当たりの良い縁側。かつては椅子のあるところに玄関があった。
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次に訪れたのは国立市にある「本田家旧宅」である(訪れたのは菊池家住宅とは別な日であるが)。JR南武線保谷駅から徒歩10分位の甲州街道沿いにある。
住宅前はかなりの車の往来があるが、この辺りは昔の武蔵野の面影が残り、その静かな環境にほっとさせられた。 -
先ずは「薬医門」から入った。薬医門は江戸時代後期に建てられ、元は主屋の正面にあったが、1932年(昭和7)甲州街道の拡張のためににここへ移されたとの説明があった。
桁行2.5m、梁間1.8mの大型の一間薬医門で、旧家の表門にふさわしい規模を誇っている。 -
最初、ボランティアの方の説明と案内があり、大まかな概要を得て、その後はひとりで見て回った。
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この建物が主屋で、ガイドの説明によると、中央に客用玄関がある喰違い(くいちがい)六間取の平面を持ち、1731年(享保16)の祈祷札より、建築は江戸中期に遡ると考えられる。ここには幕末に近藤勇や大田南畝等も訪れているそうだ。
現在の屋根はトタン葺ぶきになっているが、以前は藁ぶきの屋根であったそうである。 -
軒下を見ると、入母屋造りのこのような藁屋根が組まれていて、藁屋根だったころの名残なのだろうか。
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暖簾のような布がぶら下がっている。アイヌの文様のような感じだ。
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庭の片隅の方に地蔵尊が置かれている。手を合わせ、にこやかで、穏やかな顔が印象的である。
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屋敷の前には「タラヨウ〈多羅葉)」というモチ科の木があり、江戸時代から何代にもわたって植え替えられてきた。
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庭はかなり広いが、あちこちに燈籠や水盤が置かれている。
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庭にキツネを祀る小さな祠がある。かなり古そうである。
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家の内部は補強修理中によりあまり見ることは出来なかったが、2枚の古い写真があり、見せていただいた。これは客間の部屋のようである。
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こちらも少し古そうな居間の写真であるが、ソファやテーブルが置かれ、現代風な様子が見てとれる。ごく最近まで住んでいたそうである。
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部屋の欄間も手の込んだ様が見てとれる。
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この周辺には古い家が多く、昔ながら屋敷林に囲まれている。
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こんな土蔵のある家もあった。
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帰路、「つちのこや」というレストランに寄り遅めの昼食をとった。ここは古民家を利用したところで、ついさっきまで古い建物を見学した後だったので、同じような古さに合わせてあり、ほっとさせられた。
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これがこの日オーダーしたランチで、『太刀魚と秋野菜のソテー」600円でした。安くて、その上美味しいかったことは言うまでもない。
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この古民家を利用したレストランは友人の家を訪ねたような雰囲気で、また来てみたくなるところであった。
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玄関脇には柱に赤トウガラシがぶら下げてあった。
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庭先にはツワブキの花が大きな木に隠れるようにして咲いている。
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この花はよく見かけるが、名前は分からない。
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駅に向かう途中に「常夜燈」(秋葉燈)があり、もちろん今は使われていないが、昔の儘同じ場所に置かれている。
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駅に戻る前にもう一箇所立ち寄ってみたい所があった。それは「谷保天満宮」で、かなり古い神社である。
資料によると、天満宮は903年(延喜3)菅原道真の3男・道武が父を祀る廟を建ててたことに始まるという。東日本最古の天満宮である。 -
天満宮の入り口には狛犬が2体置かれている。
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境内には鶏が10羽以上動き回っていて、盛んに地面をついばんでいる。ここで飼っているのだろうか。
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絵馬がたくさん奉納されている。よく見ると、外国語で書かれたものも幾枚かあり、興味深く見せていただいた。上は英語、下はドイツ語である。
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大きな牛の像があり、何やらくありそうだ。
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これは社務所兼資料館の建物で、時間的にもまたあまり興味を覚えなかったので、見学はしなかった。
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能楽堂が境内の隅の方にあった。
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