2018/06/13 - 2018/06/14
26位(同エリア93件中)
ぴよこさん
それは2018年6月、スイスに旅行中の出来事でした。平日の午後、ブリエンツ湖畔で銀行の外にあったATMで現金を引き出そうとしたところ、エラーの文字とともにATMが動かなくなりました。クレジットカードはATM の中!出てきません。平日なのに銀行は閉店中。
この旅の旅行記は書いていませんが、この日の出来事は記録しておきます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 船
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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この日は昨日からの雨が続いていて、山の景色は期待できないので、滝を見に行くことにしました。宿泊先のラウターブルンネンから出発です。ラウターブルンネンは、太古の昔に氷河で削られてできたU字谷にある村です。あっちこっちに滝があって、ホテルの目の前のシュタウブバッハの滝は、崖の高さが800~900フィート。1本の滝としては、ヨーロッパで最も高いものの1つです。
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まずは、トリュメンバッハの滝へ。お天気が良ければ、1時間ほど素敵な景色の中を歩きたかったのですが、あいにくの雨なので、バスで行きました。10分くらいで着きました。
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この滝は外からは全く見えなくて、毎秒2万リットルと言われる水が、岩の間をものすごい勢いで轟音をとどろかせながら流れて落ちていきます。最初、エレベーターで一番上まで行って、階段を使って下りながら滝を見ました。ただでさえ水しぶきで濡れるからレインコートがあったほうが良いといわれているのに、この日は雨。レインコートを着て、傘まで必要でした。とにかく、物凄い迫力でした。
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雨の中、ラウターブルンネンにバスで戻ってきました。次は、シャーロックホームズが宿敵モリアーティと落ちたことになっているライヘンバッハの滝へ。今度はラウターブルンネンから列車でインターラーケン経由、マイリンゲンへ。約1時間です。
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マイリンゲンの観光案内所で滝の場所を聞いたら、電車があるということで乗りましたが、降車駅のアルプバッハはリクエストしないと止まらない駅なのを知らなくて・・・乗り越してしまいました。一駅歩いて戻りました。
ちなみにマイリンゲンから滝までは、歩いても行ける距離でした。 -
ライヘンバッハの滝へは、このケーブルカーに乗っていきました。
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何処にも券売機はありません。しばらくしたらケーブルカーが降りてきて、運転手のおじさんから切符を買いました。ダメ元でおじさんに「スイスパスは使えますか」と聞いたら、呆れた顔で「うちは小さなプライベートカンパニーだからね。使えるはず無いだろうが・・・」って言われました。でもフレンドリーなおじさんでしたよ。
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このケーブルカー、まるで遊園地の乗り物みたいで可愛いかったです。
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滝つぼの近くまでケーブルカーで行きました。雨は止んだのですが、この滝も物凄い水量でした。滝の周りだけ、まるで雨が降っているみたいです。水しぶきが強すぎで、近寄って写真をとることもできませんでした。なるほど、この滝だったらシャーロックホームズの最後にふさわしいかな。作者のコナンドイルが惚れ込んだ滝です。
シャーロックホームの顔出し看板が置いてありましたが、ここに立ったらずぶ濡れになります! -
マイリンゲンに戻って来ました。シャーロックホームズの記念館があったのですが、閉まってました。
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帰路はマイリンゲンから列車に乗って、ブリエンツで下車しました。ブリエンツ湖の色は、とても綺麗なエメラルドグリーン。アルプスの氷河が流れ込んでいるそうです。
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ロートホルン鉄道が停車してました。お天気が良かったら乗りたかったけれど、止めておきました。代わりにブリエンツ湖を船で遊覧してインターラーケンまで戻ることにしました。
さて皆様、お待たせしました!ここからがアクシデントの始まりです。 -
遊覧船の出航まで時間があったので、ぴよこ夫がクレジットカードでキャッシングすることになりました。
ちょうど、湖畔にあった銀行のATMにクレジットカード(旅のお供のJ×Lカード)を挿入して手続きすると、最後に現金が出てくる前にエラーになってカードが戻ってきました。後から考えると、この時にキャッシングするのを諦めたらよかったのですが、もう一度トライしてしまったのです。今度も同じように最後にエラーとなりました。が、カードが戻ってこなかったのです。 -
急いで、銀行の中へ・・・ところが、銀行が閉まっています。今日は水曜日、まだ16時頃。日本の銀行なら絶対に中に人がいる時間なのに。もう、頭の中がまっしろ!!!
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ATMの前に立ち尽くすアジアのおじさんとおばさん。そこへ1台の車が。中からご婦人が現れて、「用事が済んだのなら、退いてくださる?」(暗に邪魔だわよ)みたいなことを言われました。そんなことを言われても、「私らのカードはまだ中にあるのよ」って説明したら、ちょって待ってと、そのご婦人、ご自分のカードをATMに入れちゃった。そしたら、ちゃんとお金が引き出せて、ご婦人のカードが戻って来た。それじゃあ、夫のカードは何処に???
そのご婦人、再び茫然とする私たちを哀れに思われたのでしょう、銀行のドアに書いてある連絡先に電話してくれました。ドイツ語なので話の中身はわかりません。電話を切ってから、私たちに教えてくれました。「今日は閉まっているからどうすることもできないのよ。明日は朝9時から開いてるから、明日また来てちょうだいね。」そう言って、申し訳なさそうに車で去って行かれました。どうもご親切にありがとうございます。とりあえず、明日来ればよいということはわかりました。 -
ここで少し冷静になりました。とりあえずカードはAMTのお腹の中。誰も取り出せないから悪用されることは無いのでしょう。
そうだ、カード会社に電話してみよう。早速メモっていた海外からの連絡先へ電話しました。が、誰も出ません。コールはしてるのですが、誰も出てくれません。コールはしてるのですが(しつこい!)。
このまま、帰る気にはなれませんでした。ダメもとで駅の観光案内所に行ってみました。閉まってましたよ、ここも。もう、やけくそで観光案内所の隣にあったスイス国鉄の窓口に行きました。かわいいお嬢さんが窓口に座っていました。事情を説明すると、「あら、それはホントに大変!」と言って、その銀行の支店長さんに電話してくれました。ほんと、彼女が女神さまに見えました。なんでも、支店長さんとはお知り合いのようで、私たちの窮状を自分のことのように訴えてくれました。またまたドイツ語なので中身はわかりませんでしたが、支店長さんからの提案は2つ。1つ目は、明日取りに来てくれたら渡します。2つ目は、日本のカード会社に送ってもいいですよ。
カード会社と連絡がつかないので、万が一のことを考えて次の日に取りに行くことにしました。 -
この時に、窓口の彼女から支店長さんの名刺と夫の名前等を書いたメモ書きをもらいました。「話をつけておいたから、この名刺を持っていけば大丈夫よ。」って、なんて親切!もう感謝感謝です。
ATMの前で出会ったご婦人といい、窓口のお嬢さんといい、自分たちには関係ないのに親身になってくださって、本当にありがたかったです。この時、私は誓いました。もし日本で困っている外国の人を見たら、勇気をだして声を掛けようと。 -
とにかく、今日出来ることは何もないようです。予定通りにブリエンツ湖の遊覧船に乗って帰ることにしました。
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遊覧船の中です。1階の2等席は混雑していましたが、2階の1等席は空いていました。
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エメラルド色の湖面を眺めながら、明日のことを考えました。当初の予定では、明日は早起きして、なるべく混まない間にユングフラウヨッホに行くつもりでした。でも9時にまたブリエンツに戻ってくるとなると、ユングフラウヨッホに行くのが遅くなります。でも仕方ないですね。
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ブリエンツからインターラーケンまでは約1時間。沈みがちな心を湖の景色が癒してくれました。
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ラウターブルンネンのホテルシュタウブバッハに帰ってきました。
もう一度、カード会社に電話しましたが、やはり繋がりません。ところが、夫がもしやと思ってスマホの連絡先にカード会社の電話番号を登録をして、そこからかけたら、なんと、繋がったではありませんか。とにかく事情を話して、今日のキャッシングがどうなっているのかを確かめてもらいました。幸いなことにお金は引き落とされていませんでした。もちろん不正使用された形跡もありません。普通このような場合、カードは見つかった銀行からカード会社に送られてくるそうです。ですからあまり心配しなくてもよいのかもしれませんが、カードをクローズしてもらうことにしました。これで一安心です。世の中、何があるかわかりませんからね。 -
さて次の日、もうカードを取りに行く必要はなくなったのですが・・・今までいつも旅のお供だったカードさん(いきなり擬人化)を異国の地に置き去りにするのは忍びない・・・それに銀行の支店長さんにも取りに行きますと言ったし・・・
再び、ブリエンツに行くことにしました。
この日は朝から快晴で、車窓から見えるブリエンツ湖の水面に山が映ってとても綺麗でした。 -
こんな景色が見られたのは、想定外の嬉しさでした。
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再びのブリエンツ。とても静かでした。昨日の賑やかさはどこへ行ったのでしょうか。
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9時過ぎに銀行へ。カウンターのお嬢さんに支店長さんの名刺などを見せて事情を説明しました。彼女は銀行の奥の部屋に消えました。何やら男性と話している声が聞こえてきます。それからすぐに鍵を手に戻ってきて、ATMを開けてくれました。中には置き去りにされていたカードさんがいました。夫のパスポートとカードの名前が一致しているのを確かめたあと、カードを返してもらい、ATMが誤作動したのを謝ってくれました。所要時間は約5分! 昨日に銀行が開いていれば、何の問題もなかったんですよね。これからはキャッシングするときには、その銀行が開いているかどうか確かめなくてはいけないと思いました。
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さあ、ユングフラウヨッホへ向かいましょう。列車の時間まで20分くらいあるので、湖畔を散歩することにしました。
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本当に観光地とは思えないくらい静かでした。きっと旅行者は皆、一目散に山を目指すのでしょう。こんなにお天気の良い素晴らしい景色の中、歩いているのは犬を連れた地元の人くらいでした。
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もし昨日のアクシデントがなかったら、私たちも今頃はユングフラウヨッホにいたはずです。偶然とはいえ、これも旅の醍醐味ですね。
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ブリエンツからインターラーケン、ラウターブルンネン経由でクライネシャイデックにやってきました。ここからいよいよ「トップ・オブ・ヨーロッパ」と呼ばれている標高3466mmにあるユングフラウヨッホに行きます。
ところが・・・ -
列車の乗り場は人、人、人の行列でした。
仕方がありません。この時すでに11時を過ぎていました。完全に出遅れてしまいました。
予約はしていなかったので、ここで1時間待ちました。 -
やっと、ユングフラウヨッホにつきました。列車から降りたとたんに、頭がクラクラしました。かなり酸素が薄いようです。
なぜか建物の中のほうが、外より頭がクラクラしました。人が多過ぎて、より空気が薄いのでしょうかね。こんなところで倒れる訳にはいかないので、ゆっくりゆっくり歩きました。 -
アレッチ氷河です。
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目の前に、ユングフラウの頂きが見えます。迫力満点です。
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とても混んでいましたが、待ちに待った快晴の空の下、絶景を堪能しました。
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グリンデルワルド に寄りましたが、アイガーの頂上は雲に隠れていました。しばらく駅前のレストランでお茶しながら眺めていましたが、ずっと雲に覆われたままでした。
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ラウターブルンネンに帰ってきました。
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3日ぶりの晴天で、谷のあいだからブライトホルンが顔を出していました。
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崖の向こうにはユングフラウも見えていました。
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この日から1年半以上がたちました。当時はドタバタしましたが、地元の方の親切が身に染みたこの出来事は、エメラルドグリーンのブリエンツ湖と共に、私の中では一押しの思い出になっています。
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この旅行記へのコメント (5)
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- ねもさん 2024/01/04 21:13:43
- あちらにご返信ありがとうございます
- ぴよこさん
ロッシェドネーのマーモット園は閉鎖ですか…… 残念!
押し売りで申し訳ありませんが、お時間あれば、わが家のモントルーを眺めてもらえるとうれしい。https://4travel.jp/travelogue/11252845
こちらの旅行記は話題満載で、長すぎるコメントお許しください。
トリュンメルバッハの滝、わが家も入りました。凄い迫力! 立ち寄って良かったです。
今は変わったかもしれませんが、当時入口にコインロッカーなく、他の旅行者はスーツケースなどを適当に放置して入場しています(私たちも倣いました) さすが日本並みに安全な国・スイス!(笑)
ATMに飲み込まれたクレジットカード、大変でした。現地の方の親切はホントに身に沁みますね(スイス以外ではクロアチアで実感しました)
特にスイス人は旅行者に優しくて、スイス人にはそういう遺伝子が組み込まれているのでは?とさえ思ってしまいます。なので、私ならスイス人を信用して「じゃ日本に送って」で次に行ったと思います。
「私は誓いました。もし日本で困っている外国の人を見たら、勇気をだして声を掛けよう」←全く同感です。
ユングフラウヨッホ、当時中2の娘が高山病に! 私は結構山登りもするので高山病は知っているつもりでしたが、あれほど典型的な高山病は後にも先にも見たことないΣ(・□・;)
娘は3,000m複数回登って何でもなかったのですが、登山鉄道で急に高度を上げたのが効いたのでしょうね。クライネシャイデックに降りるとケロリとしていました。
長々失礼しました。
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- ももであさん 2020/04/13 17:56:35
- お金で買えない価値がある。
- ぴよこさん
もしかしたらそのATMにとっては初めて食べる
日本食だったのかも知れませんね。
でも親切なご婦人や、天使のお嬢さん♪
大変さと引き換えに良い思い出ができましたね。
お金で買えないもの。 旅はpriceless
- ぴよこさん からの返信 2020/04/19 11:47:54
- RE: お金で買えない価値がある。
- ももであさま
ご訪問ありがとうございます。
気ままな旅にはアクシデントが付きものですが、そこから生まれる
思い出は宝物ですね。あまりにひどいアクシデントは勘弁してほしい
ですが、もっともっと宝物を増やしたいです。早くパスポートを
持って飛行機に乗れるようになりますように。
ぴよこ@自宅
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- salsaladyさん 2020/03/21 11:02:47
- プリエンツ湖の不思議?
- ☆J○L cardの国からのお客さんを帰したくなかったかもしれないわね!
☆厳しい現実と優しい対応~今のコロナ地獄にも必要な奇跡ですね~see you~
- ぴよこさん からの返信 2020/03/22 18:20:56
- RE: プリエンツ湖の不思議?
- salsalady さま
ご訪問ありがとうございます。
今年のヨーロッパ旅行は絶望的なので、salsalady さまを見習って、国内の感染の危険の少ないところに出かけようと思っていますが、早くいつもの日常が戻ってくることを願っています。行きたい時に行きたい場所に行けることは、実はとても幸せなことだったのだと実感しています。奇跡、起きないかな。
ぴよこ
> ☆J○L cardの国からのお客さんを帰したくなかったかもしれないわね!
>
> ☆厳しい現実と優しい対応?今のコロナ地獄にも必要な奇跡ですね?see you?
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