2019/12/23 - 2019/12/23
25位(同エリア212件中)
よっちさん
西条駅や大学などからは少し離れたところを歩いてみたいと思い、東広島市西条町下三永の福成寺、東広島天文台、古い棚田を利用した牧場などを見てきました。
福成寺は西条盆地を見おろす標高509mの福成寺山の山頂近くにあり、奈良時代の726年(神亀3年)に創建されたと伝えられています。平安時代末期には源平との戦い(治承・寿永の乱)で焼失し、その後再建されました。また、源頼政の室である菖蒲前が吾妻子の滝で子を亡くした後、この寺で出家したとも言われています(旅行記「広島大学とその周辺を歩く②」を参照してください)。「福成寺本堂内厨子及び須弥壇」は国指定の重要文化財、「銅鐘」など4点が広島県の重要文化財です。境内には、高さ約40メートル、樹齢数百年のスギ(夫婦杉)をはじめ、トチノキ、モッコクの巨木があり、県の天然記念物になっています。また、約1400本のシャクナゲが植樹され、4月下旬~5月上旬に様々な色に咲きそろいますが、冬のこの時期は葉が茂るのみです。
福成寺に隣接する東広島天文台は広島大学の研究施設で、1.5m光学赤外線望遠鏡「かなた」を備え、主に高エネルギー天体の観測が行われているそうです。
福成寺(寺の名前)や天文台に近い福成寺(地区の名前)は、農家10戸ほどの山間の集落です。相次ぐ耕作放棄で雑草や灌木が生い茂ってしまった古い棚田は、地元の人たちの手で今は牧場や畑として景観を取り返しつつあるそうです。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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東広島駅、新幹線のみの駅です。山陽線の西条駅からはバスで20分ほどです。
東広島駅 駅
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東広島駅から徒歩で福成寺へ向かいます。ゴルフ場の間を通り抜け、廃墟となったホテルや飲食店の前を通り、車もときどき通る舗装された坂道を登って行きました。あまり楽しい道ではありません。この写真は今来た方(東広島駅方面)を振り返って撮りました。
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東広島駅から約50分、坂道がなだらかになり、左右に「棚田」の地形が現れます。もはや耕作は行われていない「棚田の景観を残した牧場」です。
耕作放棄で雑草や灌木が生い茂ってしまった古い棚田は、福成寺地区の人たちの活動の結果、今は牧場として景観を取り返しつつあるそうです。写真は西上エリアと呼ばれる区域です。 -
福成寺地区の人たち全員が加入して農事組合法人「星ふる里」をつくって、牧場経営に取り組んでいるそうです。
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棚田の景観を残した牧場。こちらは「星ふる里」の西上エリア。写真の右側奥に福成寺があります。
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ここで道を真っすぐ進めば福成寺集落、左に曲がって坂道を上がって行けば福成寺と東広島天文台に至ります。
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「星ふる里」の牧場、西上エリア。朝のこの時間(10時前)だと、牛たちはまだ各エリアの端にある牛舎付近にいます。
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「星ふる里」の西上エリア。棚田の景観が残る牧場です。田植えで水を張った風景や稲刈り前に黄色く色づいた風景を想像してしまいます。
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「星ふる里」の牧場、西上エリア。
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福成寺の仁王門が見えます。ここを真っすぐ行けば福成寺、さらに徒歩で東広島天文台まで行かれます。車の場合はここを右に曲がれば天文台です。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、仁王門。東広島駅から約4km、徒歩で約1時間でした。車なら10分ぐらいだと思います。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、仁王門。福成寺は宗派や山号などをきちんと言えば「真言宗御室派表白山九品院福成寺」となるようです。奈良時代の726年(神亀3年)網衣上人という僧にる開山とされています。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、仁王門。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、仁王門。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、仁王門。左右に置かれた仁王像、あまり迫力は感じられず、むしろ親しみやすさを覚えます。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺。「福成寺の巨樹群」について解説した案内板。境内には、スギ、トチノキ、モッコクの巨木があり、県の天然記念物に指定されています。いずれも数百年の樹齢を経ていると推定されています。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、これはトチノキの巨木です。根回りが約6m、高さが約16mあるそうです。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、トチノキの巨木。過去に幹が折れたことがあるようで、途中から大きな枝が左(東)へ横に伸びています。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、トチノキ。後ほど向かうスギの巨木が向こうに見えています。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、トチノキ。根元は苔や地衣が生し、横には小さな石塔が置かれています。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、屋根付き橋。本堂前の池に架かる橋。福成寺の紹介にはよくこの橋の写真が使われてていますが、文化財として大きな価値があるものには見えません。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、屋根付き橋。全体の曲線は美しいけれど、橋桁や橋脚がコンクリート製、手すりが鉄製であるなど、歴史ある寺にはちょっと不釣り合いな感じがします。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、屋根付き橋。境内のあちらこちらで南天が赤い実を付けていましたが、時期が少し遅かったようです。すでに半分以上は落ちてしまっていました。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、屋根付き橋。ここを渡ると正面が本堂です。手水鉢が左にあります。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、本堂。境内の他の建物も含め、屋根はすべて赤瓦で葺かれています。東広島の多くの寺や大きな民家にも見られる特徴です。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、本堂。ここには国指定の重要文化財「厨子及び須弥壇」があり、その中に本尊の千手観世音菩薩が安置されています。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、本堂。竹林寺などとはことなり、福成寺の建築物には本堂を含め、国・県・市の重要文化財に指定されているものはありません。比較的新しい時代に再建されたからでしょうか。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、本堂。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、本堂。正面の梁にある欄間。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、上は宝物殿、下の左は九品堂、下の右は大師堂。
九品堂は鎌倉時代に建てられたとされ、その後、改修、移築、改築されたそうです。これは昨年2019年5月に改築されたばかり。堂内には九体仏(阿弥陀如来像9体)が安置されています。大師堂のさらに奥には水かけ不動尊があります。福成寺 寺・神社・教会
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国指定重要文化財「福成寺本堂内厨子及び須弥壇」について解説されています。15世紀の作で大内氏ゆかりのものと考えられています。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、宝物殿横の案内板。広島県指定重要文化財、銅鐘・福成寺文書・文書金銅唐草文板蓮華文金具置戒体箱・金銅輪宝羯磨文置説相箱について解説されています。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺本堂の左側には多くの石仏が並んでいます。五輪塔や宝篋印塔などもありますが、古い墓なのでしょうか。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺本堂の左側、五輪塔。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、本堂から鐘楼へ向かう坂道。この先、道の両側にはたくさんのシャクナゲがあります。4月下旬~5月上旬には満開になります。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、鐘楼。背後のの灌木はシャクナゲです。
福成寺 寺・神社・教会
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鐘楼から本堂裏の森の中を通ってスギの巨木「夫婦杉」に向かいました。花は咲いていませんが、道の両側はほとんどシャクナゲです。今や福成寺はシャクナゲ寺として知られていますが、同じ東広島市内のクロボヤ峡のように自生したものではなく、すべて植樹されたものです。
福成寺 寺・神社・教会
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シャクナゲの咲く道の所どころに石仏があります。
シャクナゲの葉っぱばかりではつまらないので、次からは一昨年の春に撮った写真です。福成寺 寺・神社・教会
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福成寺のシャクナゲ、2018年4月29日撮影。例年ゴールデンウィークの頃が花の見頃です。この日も大勢の人が来ていました。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺のシャクナゲ、2018年4月29日撮影。花の色はさまざま、真っ赤から白に至るいろいろな種類があるようです。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺のシャクナゲ、2018年4月29日撮影。この日、本堂前ではいくつかのイベントも行われていました。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺のシャクナゲ、2018年4月29日撮影。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺のシャクナゲ、2018年4月29日撮影。黄色いのは珍しいとのこと。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、スギの巨木「夫婦杉」、広島県指定天然記念物「福成寺の巨樹群」の一つ。同じくらいの大きさの2株の幹が根元で接していたことから、このように呼ばれています。樹齢は数百年(寺の資料によれば800年)、高さは約40mです。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺「夫婦杉」。しかし、2014年7月に落雷があり、西側の株が焼けて裂け目が入ってしまいました。本堂の方に倒れる危険があったため、やむなく地上20m(11mや15mの記述もあり)を残して伐採したそうです。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺「夫婦杉」。現在の姿はこのようになっています。上を伐採された西側の株の根回りはは約6m、東側の株は約7mだそうです。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺「夫婦杉」。私にはよくわかりませんが、西側の株はもう枯れてしまっているのでしょうか。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、夫婦杉と本堂の軒。
福成寺 寺・神社・教会
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本堂の正面、参道から屋根付き橋とは反対の方へ登る石段と小径があります。いま本堂の横にある九品堂は、かつてこの上にあったそうです。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、九品堂跡。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺、本堂・夫婦杉・屋根付き橋。
福成寺 寺・神社・教会
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福成寺の仁王門から入った参道を真っすぐ進むと、「屋根付き橋」の前を過ぎた辺りで、前方の山の上に東広島天文台のドームが見えてきます。また、このドームのすぐ手前の斜面には福成寺旧境内遺跡(古墓群)があります。
東広島天文台広場 名所・史跡
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福成寺旧境内遺跡(古墓群)。天文台の福成寺側の斜面には、いくつかの石積みが見られます。これは平安末~室町時代の福成寺とその坊の僧侶の墓所であったとされています。
東広島天文台広場 名所・史跡
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東広島天文台、広島大学宇宙科学センター附属の研究施設。左側のドーム棟内の1.5m光学赤外線望遠鏡「かなた」を中心に、HOWPol、HONIRなどの装置(Hは広島の頭文字)があり、X線やガンマ線を放出する高エネルギー天体の観測が行われているそうです。
東広島天文台広場 名所・史跡
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東広島天文台付近の案内板。天文台の施設、天文台広場、福成寺の建物などの位置関係が地図で示されているほか、かなた望遠鏡の写真(左上)と福成寺旧境内遺跡の説明(右下)があります。
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東広島天文台。大学の研究施設であるため、訪問しても施設内部へ立ち入ることはできません。また、観測中の夜間は敷地内にも立ち入ることもできません。ただし、年に数回程度の特別観望会があるほか、団体での見学会・観望会も受け付けているそうです。
東広島天文台広場 名所・史跡
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東広島天文台、正面入り口。右側がドーム棟。
東広島天文台広場 名所・史跡
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東広島天文台から北西の方角、西条方面を見おろしています。
東広島天文台広場 名所・史跡
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東広島天文台から、今度は南の方を望遠で見ています。この辺りは福成寺集落の一番奥まったところで、山の斜面には棚田や棚田跡(牧場)が見えます。
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「星ふる里」の西上エリアの方へ降りてきました。この時間(12時半頃)になると、牛は棚田の上の方へ移動してきていました。
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はじめに左折したところまで戻り、今度は福成寺集落の方へ向かいました。ここは農事組合法人「星ふる里」の中心になるところで、集会所、市民農園、ドッグランなどがあります。「いもまつり」など、誰でも参加できるイベントも行っているそうです。
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牛の親子、「星ふる里」の東下エリア。
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柿の木と牧場の柵。多くの柿の実がまだ残っていました。策の向こうは牧場、東上エリア。
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棚田。この辺りは整備はされていますが、まだ牧場にはなっていないように見えました。
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棚田。畑あるいは水田として耕作が行われているようです。
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棚田、ここも耕作地。福成寺集落の一番奥まったところです。天文台のすぐ南、先ほど天文台側から眺めました。
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棚田と天文台。
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東広島駅に戻ります。「星ふる里」の牧場、西下エリア。牛がずいぶん出てきていました。
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帰り道、東広島駅の方を見ています。今までよく晴れていたのに、急に曇ってきました。
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