ラグビーワールドカップ日本対ロシア戦とウラジオストク出張

2019/09/16 - 2019/09/22

　2019年9月20日，私は，ウラジオストクに出張中だった。まさにこの日はラグビーワールドカップのプールA，日本の初陣だ。しかも，対ロシア戦。試合開始時刻が近づいてくる。仕事を終えて，ホテル・プリモリエに戻って，そわそわする。きっと日本食の食事処ならば，テレビで対露戦ぐらいやっているはずだ。きっとそうだ，日本からの駐在員なんかもきっと応援に集まっているんじゃないか，と勝手な思い込みで近くの居酒屋炎（Izakaya En）に向かった。いつも混んでいるはずのお店は，空席も目立つ。日本人客が来ているようでもない。自分の勝手な思い込みを呪う。
　よく滞在するホテルから近いこともあり，この居酒屋は仕事に疲れたときなど，ときどき利用する。だいたい仕事でのおつきあいの食事が続いて食傷気味のときに行くので，注文するのは焼きそばとか簡単なもので，ここの料理の味に詳しいわけではないけど，焼きそばや唐揚げ（ザンギ）だけとってもちゃんとしたものを出してくれるので，安心な居酒屋だ。北海道の同名の居酒屋さんのロシア進出店だから，それも頷けるだろう。それに，焼きそばや唐揚げ程度で推し量るのもなんだが，お値段も東京の居酒屋で呑むのとそんなに違わないように思う。
　アジア系の客が入ってきた。お仲間かなと思ったら，そうでもないらしい。メニューを見ながら，店員になにやらイライラしながら怒りの口調だ。荒れている。自分のカバンからキムチのパックを取り出し，むしゃむしゃ食べ始めた。失礼な客だなと思いつつも，その客の疲れきった顔を見て，なんとも複雑な気持ちになった。異国の地で一生懸命仕事して，たいへんなんだろうなと思うと，なんだか私もひどく疲れてきた。異国で働く人たちに祝福を。
　「ロシア戦始まったよ！」と妻からメールが届く。居酒屋のテレビには，ラグビーなんてどうでもよいって感じの番組だ。なんだか意気消沈して，支払を済ませ，ホテルに戻った。ホテルに戻り，テレビをつけると，対ロシア戦放送中だった。なんだ，始めからホテルで見りゃ良かったとぼやきながら，ソファーをテレビの前に移動して，観戦態勢。勇敢な桜の戦いぶりとタフで気合いの入ったロシアの健闘を見て，疲れもふっとんだ。ラグビーワールドカップは，4年に一度，それが日本で開催されるなんて一生に一度，その日本対ロシア戦をロシアで見るのも，きっと一生で一度だ。なんだか，また明日もがんばろうという気持ちになったロシア出張だった。

エリア ウラジオストック(ロシア)

• 旅行の満足度: 4.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

居酒屋炎の店内

焼きそばとザンギのセット，これでお腹いっぱいになる。少々脂っこいけど，ビールに合う。