ナポリ周辺をうろうろ（前編）：いきなりの連敗で心が折れる

2019/12/19 - 2019/12/25

2019年クリスマス（のちょっと前）は、イタリアの南の方へ。
ナポリ近郊の中世美術を訪ねるべく、綿密に計画を練り上げて臨んだものの、そうは問屋が卸さないんだな。。。ある意味“イタリアらしい”旅と言えなくもないですが。


12月19日（木）　成田からデュッセルドルフ経由でローマへ　（ローマ泊）
12月20日（金）　カゼルタへ移動。Sant'Agata de' Goti 観光　（カゼルタ泊）
12月21日（土）　Sant'Angelo in Formis 観光。ナポリへ移動　 （ナポリ泊）
12月22日（日）　ナポリ観光　　（ナポリ泊）
12月23日（月）　Terracina 観光　（ナポリ泊）
12月24日（火）　ローマへ移動。パリ経由で羽田へ
12月25日（水）　羽田着

エリア イタリア

• 旅行の満足度: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝8時頃の電車でローマを出て、カゼルタに向かいます。
本数は少ないものの、ローマから（ナポリを経由せずに）カゼルタに直行する電車に乗れば1時間と少し。
まずはカゼルタを拠点に2日間で①Sant'Agata de' Goti　②Sant'Angelo in Formis ③カゼルタ・ヴェッキアの3か所を訪問する予定です。

カゼルタの駅を出ると、正面にどどーんとカゼルタ宮殿。カゼルタ観光の目玉ですが（多分）、特に興味がないので1枚だけ写真を撮っておわり。

ホテルに荷物を預けた後、駅にあるツーリストインフォメーションでバスの乗り場を確認。時刻表は事前に調査済みだったけどあわせて調べてくれました。

駅を出て左手に進むと、バス停らしきものがありミニバスがたくさん停まっています。ここはCLP社のバス乗り場で、カゼルタ・ヴェッキアに行く場合はここから103番のバスに乗ればOK。参考までに時刻表はこちら。チケット売り場はバス停の横にありました。

https://www.clpbus.it/tabella-orari/

これから向かうSant'Agata de' Goti行きのバスはAIR MOBILITA'社の運行です。CLP社のバス停の横からひっそりと出ます。特にバス停の表示はないので要注意。
カセルタからSant'Agata de' Gotiは、EBN003とEBN005で。本数がめっちゃ少ないですが、イタリアの田舎ならこんなもんか・・・。

https://airmobilitasrl.it/orari-benevento-nola-baiano/

バスの切符は運転手さんから直接購入可能です。片道2.9ユーロ。

時刻表では所要時間40分程のところ、途中渋滞のため結局1時間半かかってSant'Agata de' Gotiに到着。（帰りは1時間ぐらいだった）
この時点で時刻は正午近く。下調べによると、お目当てのドゥオーモ（Cattedrale di Santa Maria Assunta）は午前は13:00までなので、急がねば！！

『イタリアの最も美しい村』にも参加しているという、風情のある旧市街の街並みを早歩きで通り過ぎて、、、

バスを降りてから5分少々でドゥオーモに着きました。

内部はこんな。とくに興味を惹かれる感じではなく（失礼）、目的のクリプタ（地下礼拝堂）の入口を探します。

ガーン、閉まってる。。。誰かに頼んで開けてもらおうにも人影はなく、しばらく待っても誰も来そうにないので、諦めてしをしをと聖堂を出ました。

ちなみに、ロマネスク関係で参考にさせて頂いている「ほあぐら」さんという方のブログには、この教会のクリプタは次のように紹介されています。ああ、見たかったなぁ。。。

『横長の狭い空間に、三つの半円形祭室が在り、１０本の円柱が２列に並んでいる。写真はその内の一本の柱頭で、ロマネスクとしての魅力的なモチーフである。低い天井は交差穹窿で、暗闇に円柱の林が浮き出る様は誠に美しい。』

ドゥオーモの外周もぐるっと見て回ったけど、かわいい彫刻は見つからなかった。しいて言えばこれくらい。

旧市街をぶらぶら歩いてみた。小さな町なのであっという間に散策終了。

有名な（？）崖のところにも行ってみる。Ponte Martoranoという橋からの眺め。

まだ到着してから1時間ぐらいだけど、やることも無いしカゼルタに戻ろう。ちょうど13:15発のバスがあるよ。
しかし、バス停らしきところで待てど暮らせど一向にバスはやって来ない。「イタリアだし、時間通りにくるわけないか、、、」と思い、20分ほど待ったけどやっぱり来ない。さすがにここがバス停ではないのかもと思い直し、バスの駐車場みたいなところの片隅にあったプレハブの事務所（「ufficio」と貼り紙有り）にいたおじいさんに尋ねてみた。

すると、バスはPiazza Mercatoから出るとのこと。しかも次のバスの出発時刻13:50まであと5分もない！それを逃すと次は17:30発でそれが最終。
Piazza Mercato？それはどこなのッ！？教えておじいさん！地図描いてッ！！と焦りまくる私に、おじいさんは、今から向かっても間に合わないからと、バスの運転手さんに電話をしてバス停でもないその駐車場の前でバスを止めるように頼んでくれたのでした。数分後にやってきたバスに無事に乗り込むまで見送ってくれたおじいさん、ちょっとふくよかで白いアゴ髭をたくわえたその姿はまさに私のサンタクロースだよ。。。超ありがとう。

カゼルタに戻り、駅のバールで軽く腹ごしらえをしてから、少しだけ街を散策。クリスマスシーズンなので、それっぽい飾りがあちこちに。

夜はこんな感じ。キラッキラでした。

夕ご飯は、らしくないオシャレなケバブ屋さんでテイクアウトし、ホテルの部屋で食す。このスタイルが楽ちんで好き。

https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g194713-d4547754-Reviews-Rock_and_Feller-Caserta_Province_of_Caserta_Campania.html

翌日。なんかすごい雨と風、、、
Sant'Angelo in Formisで見たいものは屋内なので、とりあえず午前中はそっちへ行き、午後に天気がマシになったらカゼルタ・ヴェッキアに行くことにしよう。

Sant'Angelo in FormisへはEAV社の電車(L7)でカゼルタから約20分。近いっちゃ近いけど、これまた本数が少なくスケジューリングに苦労する。

https://www.eavsrl.it/web/home

8:50にSant'Angelo in Formisの駅に到着し、そこから目的地Basilica di Sant'Angelo in Formisまでは徒歩で20分ぐらい。実はここは3年前の夏に一度訪れたことがあるので、地図を見なくても大体わかる。・・・んだけど、なんか雨と風がますます凄いことになってきて、3歩進むごとに傘がひっくり返る始末（「おちょこになる」って今でも言うのかな？）。
びしょ濡れになりながら何とか門の前までたどり着いた。9:30オープンなのでまだ閉まってる。雨風に耐えながらひたすら待ったけど、10時を過ぎても門は開かない。確か3年前に来た時は、係りの人が9:45頃に車でちんたらやって来て鍵を開けたっけ、と思い、さらに待ったものの、一向におさまらない暴風雨にすっかり心が折れてしまい、諦めて戻ることにした。

これは3年前に撮った写真だけど、変わって無かったです。（本当に9:30に開くかどうかは運次第）

これも3年前の写真。当時は右半分が修復中だったんだけど、今は修復が終わり全部見られるようになったと聞いて、再訪を決めたのだ。なのに、ああ。。。

途中バールで時間を潰したり、駅の待合室でYouTubeを見たりしてるうちに、そろそろ電車が来る時間になったので、ホームに出た。するとおじさんが近づいてきて「今日は電車は無いよ」と。何でも大雨の影響で運休になったらしい（後で調べたら土砂崩れがあったようだ）。
バスがあるはずだから、詳細はバス乗り場で聞いてみろ、というおじさんの忠告に従い、教えてもらったバス乗り場（さっき時間を潰したバールの前だった）に向かう。

バス乗り場にたむろしていた5～6人の旅行者らしき人の中から英語が出来るおにいさんを見つけ出して調査してもらったところ、どうやらカゼルタ方面のバスは無いとのこと。バールの店員さんは付近にタクシー会社は無いというので、おにいさんにカゼルタのタクシー会社に電話をかけてもらい、途中店員さんに電話を代わって場所の説明をしてもらったりして、何とかタクシーを手配できた。
20分ぐらい待ってやって来たタクシーに乗り込む時は、一部始終を見ていた旅行者らしき集団やバールのお客さん、店員さんが皆で手を振ってくれた。なんか人騒がせな旅行者に親切にしてくれて超ありがとう（その2）。
カゼルタまでのタクシー代は40ユーロ弱でした。（カゼルタから呼んだので往復分）

何とかカゼルタまで戻ったものの、雨はまだ凄い勢いで降ってるし、もう身体も心も疲れちゃったんで、カゼルタ・ヴェッキアに行くのは諦めて、ホテルで荷物をピックアップしてナポリに向かいました。
（上の写真は夕方ナポリで撮ったもの。真ん中へんにあるEAVの電車は「Cancel」的な表示が出ています。結局、この翌日も運休だった）

ナポリで3泊するホテルはナポリ中央駅すぐ横のスターホテル テルミナス。
以前に一度泊った際に駅側の部屋でなかなかの騒々しさだったため、今回は静かな部屋をリクエストしてみた。すると、中庭に面した部屋をアサインされたんだけど、中庭と言っても屋内で窓があってもなんか息苦しい感じ。フロントでお願いして外に面した部屋に変えてもらった。駅とは反対側だったせいか、それほど騒がしくないし、部屋に湯沸かしポットもあって言うことなし。（ちなみに、スリッパは無かったです。持参してたので良かったけど。）

びしょびしょになった服や靴をドライヤーで乾かし、端がふやけて波うったパスポート（カバンに入れてたのに！）に重しを置いてから、ホテルの隣にあるお惣菜やに夕ご飯の買い出しに行きます。
ここは以前友人がナポリの旅行記で紹介していたところ。

https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g187785-d6920787-Reviews-Il_Ritrovo_dei_Sapori_Caseificio_Marigliano-Naples_Province_of_Naples_Campania.html

「野菜だけだと味が薄いから、塩気のあるものとサンドイッチの方がいいかもよ」という友人の親切な忠告に逆らって、野菜もりもり。あと、隠れてるけど下にお肉（多分豚肉）を焼いたやつがいる。右側のナスの何かは確かに薄味でしたが、左側のトマト味のやつとお肉はまあまあ塩気があって美味でした。
指差しで好きなものを好きな分量入れてもらい、これで4ユーロ。しかし、写真で見ると恐ろしくマズそうだな。。。

一夜明けて日曜日の朝。この時点で雨は降っていないものの、相変わらず風が強い。

天気予報によると、この日行こうと思っていたTerracinaは、、、天気は午後から徐々に回復に向かうようだが、風速がとんでもないことになってる。（ホントかよ、と疑うレベル）
前日のトラウマから、【強風→線路に倒木→電車運休→行ったはいいけど帰れない】というシナリオが頭から離れなくなり、結局この日は遠出を止めてナポリ市内で過ごすことにした。

ナポリも3回目だし、それほど見たいものの無いんだけどなぁ、と思いつつ、とりあえずドゥオーモへ向かう。（この写真を撮った時がこの日一番の晴天だった。その後は、晴れたり曇ったり雨が降ったりと天気が目まぐるしく変わる一日でした。）

ドゥオーモの中にあるサンタ・レスティトゥータ聖堂の、さらに奥にあるのが、、、

サンジョバンニ洗礼堂。ここは有料で入場料2ユーロかかります。

上ばかり見てて、肝心の洗礼盤の写真を撮るのを忘れた。。。

天井にはキリストのしるし。

よく見ると、「神の手」が出てる。

キリストがペテロとパウロに巻き物（律法）を渡す場面らしい。キリストが乗っかってる水色のバランスボールみたいのは、「世界」なんだって。

サマリアの女（左）とカナの婚宴の場面（右）。つぶつぶした水の表現が何ともいい。

真ん中にいる羊を担ぎ上げてる人がカワイイので、、、

アップでもう1枚。

小さな洗礼堂でしかも2回目なので割とあっさり見終わりました。さて、次はどこに行こう。。。

少し歩いて、考古学博物館にやってきました。外壁はメンテナンス中。

入場料18ユーロを払って中に入ります。時節柄、中央に大きなプレゼピオ（キリスト降誕シーンのジオラマ）がありました。

聖家族はてっぺんに。さらにその上を天使が飛んでいます。

2019年夏に約20年ぶりに再オープンしたという、Magna Greciaセクションへ。ここへの入場は別途1.5ユーロ必要です。（チケットは1階のチケット売り場で購入）

床のモザイク保護のため、セクションの入口で靴カバーを装着。（1.5ユーロはこの靴カバー代ということらしい）

部屋ごとにモザイクのテイストが異なる。

肝心の展示は完全スルーで、床モザイクばっかり見てました。

Magna Greciaセクションを出て、本館をさらっと見学。3年前にも見てるので、あまりテンションが上がらない。イケメンのアレキサンダー大王にもそれほどワクワクしない。

ならばこれでどうだ、『野球こじつけコレクション』。その一部がこちら。

【三盗を狙う】

【滑り込みアウト】

【負傷退場】

【右手首骨折。今シーズン絶望】

最後はこれ。【最高で～す！】

さて、考古学博物館を後にして、再びドゥオーモの近くに戻ってきました。トリップアドバイザーでまあまあ評判の良いトラットリアでランチです。

https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g187785-d13954574-Reviews-Trattoria_Don_Vincenzo-Naples_Province_of_Naples_Campania.html

15時頃でもほぼ満席。メニューはイタリア語と英語併記なので助かりました。

前菜には野菜3種盛りをオーダー。左にあるズッキーニがめちゃくちゃ美味しかった。

トリップアドバイザーで皆さんがおススメしてるシーフードリゾット。期待通り美味しかったけど、量が多くて食べきれませんでした。
コペルトを入れて、トータル16ユーロ。ナポリのど真ん中にしては、コスパ抜群だと思います。

ランチの後はまたプラプラ歩いてパラッツォ ゼヴァロス スティリアーノ 美術館 （Galleria di Palazzo Zevallos Stigliano）へ。ここも3年前に来ていますが、その際はお目当ての『聖ウルスラの殉教』（カラヴァッジョ）がスペインだかどこかへ出稼ぎ中で見られなかったのでした。
着いてみると、なんと美術館の前には長蛇の列。以前はガラガラだったけどなぁと思いつつ、そこまでして見たい感じでもないので、そのままホテルに戻りました。

移動日を除くと実質4日間の旅もすでに3日が過ぎたというのに、未だにろくな収穫なし。なんてこった。。。明日こそちゃんと観光できますように！

この旅行記へのコメント （2）

• マリアンヌさん 2020/01/23 17:35:23

  残念

  tapimcaさん　こんにちわ。
  
  いろいろと大変でしたね。
  サンタガータ･ゴーティーのクリプタ、閉まってたんですね。残念でした。
  私なんでうっかりスルーしちゃったし。
  でも帰りのバス、親切な方がいて良かったですね。
  
  そしてSant'Angelo in Formis、これも残念。
  悪天候だったんですね。
  せっかく行ったのだから、せめて見れれば良かったのに。帰りも大変でしたね。
  私もいつか三度目の正直で、チャレンジしたいと思います。
  さすがイタリア、一筋縄ではいかないね。
  
  マリアンヌ

  tapiocaさん からの返信 2020/01/23 23:16:54

  Re: 残念

  マリアンヌさん
  
  そうなんです、イタリアらしいといえばイタリアらしいんですけどねぇ。
  
  マリアンヌさんも両方見れなかったクチですよね。私もいつかリベンジ（?）したいと思ってます。行きたいところが多すぎて、一体いつになるんだって感じですが。。。
  
  tapioca