2019/04/01 - 2019/04/01
46位(同エリア186件中)
わになのかさん
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2019年、春。
私は一人、オランダにいた。
まだ肌寒い4月。
花は咲き始め、しかし緑はいまだ芽吹かず。
冬枯れの木々。空は広く。空気は冷たく。たなびく雲。
かつての景色、匂い、音。
今となっては、なにもかも懐かしい。
ある友人は変わらず、ある友人は去った。
病をした友は痩せ細りながらも笑って再会を喜んでくれた。
お互い色んなことがあったねと、寂しそうに笑った。
休日。
ホテルのフロントでサイクリングマップを手に取った。
思いついて、自転車を借りた。
時刻は昼過ぎ、地図を片手にこぎ出した。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
マップを見ると、このエリアはたくさんのサイクリングコースがあるようだ。走りだしてみると、そこかしこにルートを記載した標識や、コース番号を示したポールが立っていた。かつて何度も車で通ったエリアだが、全く認識していなかった。自転車の目線だと新しい発見がある。
-
ルートを決めて、標識に従って小さな小道をたどる。すると急に視界が開け、川辺に出た。川だ。地図によるとルートは川を横切っている。てっきり橋があるのだと思ったら、渡し船であった。自転車で乗り入れるのは初めてである。
数十セントを支払って、ゆったりと川を渡る。向こう岸が見えてきた。遠くに教会の尖塔が見える。道なりに目指してみることにした。 -
教会まで来たが、まだまだ時間はある。そのままルートを進むことにした。
しばらく草原を走ると、また小さな町に入った。ここで少し休憩。公園を見つけて、ベンチに座った。黄色の花は水仙だろうか。 -
時に放牧された馬に出会い、時に見渡す限りの草原の中の小道を行き、2時間くらいこぎ続けた。春の美しい景色にたくさん出会えた。
-
川辺が夕陽に染まる。
当たり前だった景色が、今となっては貴重だ。
たった数年で色んなことが変わってしまった。
色んなことが、もう、戻らない。
電話がかかってきた。 -
「何やってんの、パパ?外?まさか一人で遊んでないよね?」
「え?うーん、遊んでるっていうか、サイクリングしてた。」
「遊んでんじゃん!仕事だって言ってたのに!ママ~、ちょっと~!」
「ちょっと、待って!ちゃんと仕事してるよ。休日だったんだよ」
「ずるいよ、一人で行って!」
「ごめん。。」
「おみやげ」
「え?」
「お・み・や・げ!買ったんでしょうね!?」
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