大阪　生きた建築フェスティバル（イケフェス）　２０１９年　①

2019/10/26 - 2019/10/27

２０１９年度の大阪・生きた建築フェスティバルに行ってきました。

最近は１９６０年代や７０年代のビルや、建てられたばかりの

最新のビルなども参加するようになって、バリエーションに富んで

きました。今年は大阪市の地下５０メートルの下水道設備見学といったもの

までありました。

オペラドメーヌという現在は結婚式場になっている辰野金吾の赤レンガの

建物は土日に行われるイケフェスでは見ることはできないだろうと

思っていたのが、プレイベントとして木曜日に見学会があったり

（結局急用ができて行けませんでしたが・・涙）見学できる建物も

ずいぶん増えてきました。

エリア キタ（大阪駅・梅田）(大阪)

今回まず訪れたのは、江戸堀コダマビル（旧児玉竹次郎邸）です。

１９３５年建設のコンクリート造りの３階建ての建物です。

外観のデザインはスパニッシュ風ですが、

壁の模様には青海波も。

現在は、一階に個性的なブティックが入っているほか、グランドピアノが置いてあ

るクラシック専門のスタジオホールや、会議などのための貸し部屋などの業務

を行っています。

スタジオホールではミニコンサートも開かれていました。

元々は児玉さんの個人の邸宅として建てられたもので、昔から伝わる古い道具類な

どが展示されていました。

階段はシンプルです。

窓枠は古いもの。

修理に鍵やドアノブなど古い部品が手に入りにくいので大変だそうです。

貸しホールなどになっているため、内部は改装されている部分も多くありました。

ベランダにはすてきな模様が。

屋上があります。

屋上からの眺め。

和風の金光教玉水教会、フェスティバルタワーのツインタワーが見えます。

地下室もあります。これは建物の外から地下へ行く階段ですが、

建物の中にも地下への階段がありました。地下の部屋を使用中ということで

地下へは行けませんでした。

この柱頭飾りは、ある損保会社の建物を解体するときに、コダマビルのオーナーさ

んが譲ってもらったものだそうです。

どこの損保会社なのかは不明。

コダマビルを後にして、イケフェス初参加のサントリービルに向かいます。

阪神高速道路ごしに見えるのがサントリーの本社ビルです。

１９７１年竣工の本社ビルの設計は安井建築事務所です。

昔はこのあたりでは高くて目立つ建物でしたが、今では周囲に高層ビルが増えて

高いビルとは言えませんが、いかにも７０年代の建物がいい雰囲気です。

ガイドツアーで、８階の応接室、ブレンダー室を見学しました。

ブレンダー室は狭い室内に内外のウィスキーがびっしりと置かれていました。マスターブレンダーは初代は鳥井信治郎、二代目は佐治敬三、現在三代目は鳥居信吾副会長です。トップが自ら味に責任を持つという矜持がうかがえます。

部屋の写真はＮＧで、撮影可だったのでは２点の美術作品だけでした。

これはベルナール・ビュッフェの油絵です。

ニューヨークのタイムズスクエアにサントリーが広告を出した時を描いたもの。

とても大きな作品でした。

「ＷＩＳＫＹ　ＳＵＮＴＯＲＹ」の文字が見えますね。

ＳＯＮＹの文字も。

これは１９９０年に大阪で開かれた花と緑の博覧会（花博）のパビリオンに展示さ

れていたエリック・ヒルトン作「儚き生命の連鎖」という作品です。

８階の見学を終えて、屋上へ。

屋上には現在のサントリーの企業ロゴが掲げられています。

寿稲荷大善神。

寿はサントリーの「寿屋」で、

最上稲荷を勧請したものだそうです。

岡山県の最上稲荷には行ったことがありませんが、写真で大きな鳥居があり、｢稲荷」とあるのでてっきり神社だと思っていたら、日蓮宗のお寺なんですね。初めて知りました。
というか、明治期の神仏分離令にもかかわらず江戸時代以前の神仏習合が残ったということですね。
というわけで、こちらにも鳥居があります。

フェスティバルタワーのツインタワーを間近に見ることができました。

フェスティバルタワーは朝日新聞のビルですっかり高層ビルに建て替わりました

が、サントリー本社ビルは当面建て替えの計画はないそうです。

素敵な街頭が設置されています。

イタリアのメーカーのもので東京ディズニーシーに同じものがあるそうですよ。

屋上では春から秋にかけてビアガーデンが開かれます。