旧本多忠次邸　～徳川四天王 末裔の邸～

2019/10/27 - 2019/10/27

旧本多忠次邸は、徳川家康公に仕えた徳川四天王の一人、本多”平八郎”忠勝公（NHK大河ドラマ”真田丸”では藤岡弘、さんが演じておりました）の子孫 １７代目・本多忠敬氏の次男 忠次氏が昭和７年（１９３２年）に東京世田谷に建てた邸宅を２０１０年から２年かけて岡崎市に移築・復元したスパニッシュ様式を基調とした建物です
通常は無料開放していますが、今回訪れた時は９／２１～１０／２７で企画展「英国陶磁の世界」を開催しており￥３００の入場料が必要でした
今回の写真での陶磁器は企画展のための展示で、通常はこれらがない状態で館内の家具や間取りなどのインテリア鑑賞がメインであることをご注意ください

エリア 岡崎(愛知)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

旧本多忠次邸は２０１２年に開館しました

東京世田谷では７，１００㎡の敷地があったそうです

フランス瓦、色モルタル仕上げの外壁などのスパニッシュ様式の建物
この建物、本田忠次氏 自ら設計したらしいです

車寄せもあります

企画展「英国陶磁の世界」が開催されており、最終日でした
どれも素晴らしい見事な造形美で見入ってしまいました

団らん室
シックな色合いと同系色のテーブル＆ソファがとても素敵です
蓄音機もありました

いい感じで光が入り、日向ぼっこには最適な場所です

コープランド
ブルーウィローパターン4人用コーヒーサービス（１８８３年）

食堂
テラスに繋がる大きな扉、その上にはステンドグラス
大きなダイニングテーブル、と素晴らしいです

ロイヤルウースター
金彩ボーダー花絵ディナーサービス（１９０９年）

重厚感のあるカップボード
こんなの欲しいなあ

チェンバレンウースター
貝殻ボーダー英国国会議事堂図手付ディッシュ（１８４０～４５年）

ロイヤルウースター
ピンク地金彩両手静物画パネル飾壺（１９１９年）

本多家は徳川四天王の一人として徳川家康公に仕えた本多平八郎忠勝公を始祖とし、後世 譜代大名として全国で転封を重ね、１１代目以降 岡崎藩主を歴任する家柄でした
そして忠次氏は本多家１７代目・本多忠敬氏の次男になります

本多家の家紋は「丸に右離れ立葵」
本多家は徳川宗・分家以外で葵紋の使用を唯一許された家系だった様で、家康公がいかに忠勝公を大事にしていたかが窺えます

【別な日の参考写真】
本多”平八郎”忠勝公の銅像が岡崎城公園内「三河武士のやかた　家康館」の近くに建っております

さらに息を呑む、圧巻の写真も飾られております
本多家に代々伝わる甲冑の数々の前に正座する忠次氏
そして中でも床の間にあるのが、私が大好きな甲冑の１つ
始祖・忠勝公の「鹿角脇立兜（かずのわきたてかぶと）」と「黒糸威胴丸具足（くろいろおどしどまるぐそく）」
本物というのが・・・すごいです、一度でいいから見てみたい
なお、現在もオリジナルは本多家が所有しておられるらしいです

【別な日の参考写真】
これが忠勝公の「鹿角脇立兜」と「黒糸威胴丸具足」です
とある企画展でのレプリカですがデザインは正確に再現してあるものです

【別な日の参考写真】
特に「鹿角脇立兜」が好きで、高くそびえる鹿の角と中央の「獅噛（しかみ）」の前立てがすごくカッコよくて大好きです

夫人室
本物の美しさを感じます

コープランド
ピンク地金彩ぶどうとベリー図飾壺　対（１８７０～９０年）

日光室
夫人室と繋がっており、奥様が読書や稽古事で使ったスペースとのこと
なんとも羨ましい場所です

ロイヤルウースター
ブラッシュアイボリー地ホクシャとイエローローズ図透し彫り手付ジャグ（１９１２年）

ロイヤルウースター
人面羊頭付クレマチス絵手付ジャグ（１９０６年）

ロイヤルウースター
プラズマティックエナメルピンクとアイボリー地イエローの花両手スパイラル花瓶（１８９５年）

ロイヤルウースター
金彩ピンクのバラ絵両手蓋付飾壺（１９１２年）

化粧室・湯殿
アーチ状の入口がなんともかわいいです

タイル装飾とステンドグラス、白と水色のコントラストがほんとに綺麗です
こんな風呂に毎日入れれば幸せでしょうね

浴室
２階に上がると湯殿と同じ場所にあります
こちらの浴槽はホーロー製とのことでした

寝室
細幅ベッド、私なら寝ている間に落ちるかも

ロイヤルウースター
夕日にコウノトリ図飾皿　対（１９１３年）

書斎
半円形のベイウィンドウが綺麗です
私もこんな立派な書斎が欲しい

ミントン
ブルー地金彩パツィオパット「セレスと天使」図羊頭の手付ジャグ（１８９１～９４年）

コールポート
金彩イエロー地トルコ石ブルージュールメノウと女性図パネル大型カップ＆ソーサー（１９０４年）　
※中央のカップ

ロイヤルクラウンダービー
ルリとグリーン地金彩ジュール付花弓楽器図パネル両手蓋付飾壺（１８９９年）

ロイヤルクラウンダービー
ルリ地金彩チェルシーバードとバラ絵パネル両手付飾壺　対（１９０９年）

ロイヤルドルトン
ブラッシュアイボリー人面付菊文ジュール付花瓶（１８９１－１９０２年）

魔人の様な人面デザイン、好きです

長く続く廊下、ホントに素晴らしいです
昨今の家では絶対にないデザインですね

控えの間、次の間
ホンモノの和室、貴重な財産です

ウェッジウッド
ブラックバサルト　ジャグ　対　「バッカス」「ネプチューン」（１８６０－９１年）
のバッカスの方

ウェッジウッド
ブラックバサルト　ジャグ　対　「バッカス」「ネプチューン」（１８６０－９１年）
のネプチューンの方

ウェッジウッド
トライカラー二人用コーヒーサービス　カップ＆ソーサー（１８９１－１９０５）

コーヒーポット蓋付

客間
和室の一番奥、いやあ感服します
ほんとにいい家です

常設の様に見えますが、残念ながら普段は何もありません
今日は素晴らしい陶磁器の数々がさらにこの屋敷の品格を上げてくれています

ミントン
ルリ地金彩ロココスタイル鳥絵ポプリポット花のガーランドを持つ少年の図蓋付　対（１８３０－４０年）

ミントン
トルコ石ブルー地金彩ロープ模様子ども図パネル両手蓋付飾壺（１８６８年）

どの作品をとっても見事な彩色でした

ミントン
ピンク地金彩異国の鳥図オランダ花瓶　対（１８８１年）

ミントン
ピンク地金彩花と人物図ボートシェイプポプリポット（１８８１年）

焼きものでの網目状デザインが驚異的です

このリボンの造形も素晴らしいです

ウェッジウッド
（左）ブラックバサルト　猿の親子像（１９２７－３５）
（右）クリームウェア　猿の親子像＜１９２７年オリジナル＞（１９４０－６０年）

NHK大河ドラマ「真田丸（２０１６年）」で本多平八郎忠勝公を熱演した藤岡 弘、さんが来館された際の写真が飾られていました
藤岡さんは岡崎市で毎年春に行われる「岡崎の桜まつり」のメインイベント「家康行列」で２０１７年にゲストとして本多平八郎忠勝公の役を演じており、その際に訪れた様です

外観中央は三連アーチの素敵なテラスになっています

テラスから望む前庭にはスパニッシュ様式には欠かせない壁泉のある大きなプールもありました

素晴らしい邸宅と陶磁器に心洗われる思いのいい一日でした