【時の旅行記】ドレスデン聖母教会再建基金に協力して教会壁の石を“所有”せしことの経緯を詳らかにする件

1997/08/13 - 1997/08/13

ドレスデンの聖母(フラウエン)教会は、1736年に創建されました。創建直後には設置されたジルバーマン製作のオルガンをヨハン・ゼバスティアン・バッハが御披露目演奏をしています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%96%E6%AF%8D%E6%95%99%E4%BC%9A_(%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%87%E3%83%B3)

第二次世界大戦末期の1945年２月13日と14日に連合軍が行った無差別大爆撃によって破壊され、戦後の東ドイツ時代は瓦礫が放置されたままでした。ベルリンの壁崩壊からドイツ再統一後の1995年から再建の試みが始まり、同時に基金が設立されて寄付金を集め始めました。

我々が寄付に協力した最初は1997年のことでした。以来少しずつ寄付を重ねていって、2003年には教会外壁の石一つが“我々のもの”となりました。

1998年冬に初訪問した時は、まだまだ再建工事が緒に就いたばかりでしたが、その後1999年、2001年、2003年、2004年と訪問を続けました、2003年６月には新しく鋳造された７つの鐘が初めて鳴らされる場に立ち会う幸運に恵まれました。

その後2005年10月に再建が完了。我々が、完成したフラウエン教会を初めて目にしたのは2008年８月のことです。

……そんな、フラウエン教会初訪問から完成するまでをたどる“時の旅行記”を綴ってみました。

エリア ドレスデン(ドイツ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 旅行の手配内容: 個別手配

これは直近、2015年７月に訪れた時の様子です。周辺もすっかり整備されて、新しい建物も増えました。少し窮屈と感じないこともありません。

フラウエン教会 (聖母教会) 寺院・教会

初めてドレスデンを訪れた1998年12月。フラウエン教会は再建工事真っ最中でご覧のように巨大な覆いの中にありました。

手前はおびただしい教会の瓦礫が保存されています。

同じく1998年、宿泊したホテルからのパノラマ写真。巨大なクレーンの下がフラウエン教会です。

2001年６月、工事はまだまだ道半ばでした。

同じく2001年６月、その前年にイギリスから寄贈されたドーム最上部を飾る十字架。後ろに教会の外壁がちらりと。

十字架を制作したのは金細工職人アラン・スミスでしたが、彼の父フランクはドレスデン爆撃に参加した航空機搭乗員の一人だったとのことです。

2003年６月、ようやく建物の姿が見えてきました。そしてこの時、鐘楼に取り付けられた７つの鐘の鳴らし初めが行われました。本当にたくさんのドレスデン市民に交じって、共に鐘の音を聴くという貴重な時間を共有することができました。

2003年、教会前の広場も、ご覧のように何やら遺跡が埋まっていたようです。

2003年、エルベ河対岸の新市街側からフラウエン教会とエルベ観光の蒸気船。

2003年、ベルナルド・カナレットが描いたと思しき場所から旧市街を望んでみました。

ベルナルド・カナレット(ベルナルド・ベッロット)が描いた『アウグスト橋下流のエルベ川右岸から見たドレスデン』をウィキペディアから拝借。

2008年８月。2005年の再建から３年……ようやく完成したフラウエン教会とのお目通りが叶いました。

まだまだ石の色が真新しい頃です。

新市街に建つアウグスト強王像とフラウエン教会。

教会再建の寄付に応じたことで、以下のような書類が再建財団から送られてきました。

これが証書です。

石がどのあたりにあるのかを示すガイド。

そしてこのあたりに我々が寄進した石があります。

こんな風に番号で示されています。

場所はスミ網のところで、祭壇の南外側です。

ストリートビューだと、こんな位置のようです。