2019/05/15 - 2019/05/18
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ちゃおさん
ロープウェイを降り、長い石段を登って山門を潜り、これで漸く太龍寺の境内に着いたかと思ったが、それは浅はかで、山門の直ぐ後ろの建物は持仏堂で、本堂、大師堂はこれからまだ先、200m程の参道を登った突き当りにある。ここは西の高野と言われるほどに広い境内なのだ。山門から真っ直ぐ伸びる参道は大きな槇の茂みになっていて、雰囲気が良い。
樹齢は何年か分からないが、この寺は桓武帝時代に創建されているので、相当に古い、1000年以上は経っているかもかも知れない。戦国時代の武将長曾我部はあちこちで悪さをし、四国内の多くの寺社を燃やしてしまったが、ここ太龍寺もその例にもれず、一度は兵火によって灰燼に帰したが、この樹木までは燃やすことは出来なかったようだ。
参道の途中に見晴らし台があって、谷を越えて先程の鶴林寺三重塔が見える場所もあるが、そこは帰りに寄ることにして、先ずはお参りをすることにした。ここは弘法大師が24歳の時に修業した場所で、虚空蔵菩薩が本尊となっている。昨日と今日11か所の霊場を参拝してきたが、虚空蔵菩薩を本尊とする寺はここが初めてだ。
青年空海が室戸崎の海岸洞窟で、明けの明星が口に中に飛び込んできて、その時、最も難しい経典、虚空蔵求聞持法を体得したと言われているが、その室戸崎にある霊場、最御崎寺(ほつみさきじ)の本尊も同じ虚空蔵菩薩だ。ちなみに妻の守護仏も虚空蔵菩薩だ。
山門からの参道が長いせいか、今まで以上に歩き遍路の参拝者に出くわす。もう皆さん疲れ切った様子で、本堂前の石垣とか、木陰で休んでいる。今日の大仕事を終えたので、先ずはほっとしているところだ。本当のお遍路さんはこうでなくては・・。観光バスとかロープウエイを使っての巡礼は邪道に近いだろう。大きな声で本堂、大師堂前で般若心経を唱えるが、得られる功徳も歩き遍路の10分の一にも満たないだろう。それでも回らないよりは、回った方がマシかも知れないが・・。昨日、今日の二日間で、自分の心も多少は洗われたかも知れない。
虚空蔵菩薩の真言は難しい。バスの中で先達さんに何回となく唱和の練習をさせられたが、多分覚えきれた人はいないだろう。本堂、大師堂の前で般若心経を唱和した後、皆で虚空蔵の真言を唱和する。「のうぼうあきゃしゃ きゃらばや おんありきゃ まりぼり そわか」。直ぐには覚えきれなくても、亡き妻の為にも覚えなくては・・。
- 旅行の満足度
- 5.0
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