2019/05/16 - 2019/05/16
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chibi-monさん
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■2019年5月16日(木)クリムト展プレミアムナイトへ。
オーディオガイド(稲垣吾郎さん)、図録、スパークリングワインの小瓶がセットされたチケットで、各回400名限定、複製展示ではあるものの「ベートーヴェン・フリーズ」を写真撮影できるというもので、昨年11月にチケットを買って楽しみにしていました。
■さて、本日、2019年6月8日(土)、この展覧会の監修もなさった千足伸行先生の講演会があったので行ってきました。225枚の無料の入場引換券は長い列が出来てすぐに無くなり、大盛況で、興味深いお話がたくさんありました。お聞きしたお話も織り交ぜて載せたいと思います。
ー日時2019年6月8日(土) 14:00~15:30(開場13:30)
ーテーマ「クリムトとウィーンの“聖なる春”」
ー講師千足伸行氏(本展監修者、成城大学 名誉教授、広島県立美術館 館長)
ー会場東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階/定員225名)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
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2019年5月16日(木)クリムト展プレミアムナイトへ。
東京都美術館 美術館・博物館
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プレミアムナイトの入場は18時からなのですが、《ベートーヴェン・フリーズ》の写真撮影は19:30から。当日、時間が書かれた紙が配られ、それが図録やワインの引換券になっているということでした(落としてはいけないのですぐにしまいましたw)
1901年、ベートーヴェンに焦点をあてた第14回ウィーン分離派展示会を開催。
《ベートーヴェン・フリーズ》はこの展示会のために、1901年にグスタフ・クリムトによって描かれたもの。東京都美術館 美術館・博物館
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全長34メートルにおよぶ壮麗な壁画《ベートーヴェン・フリーズ》の原寸大複製展示です。
《ベートーヴェン・フリーズ》は、ベートーヴェン第九交響曲に基づいています。3つの部分に分かれていて、「幸福への憧れ」(左の壁)に続き、「敵対する勢力」(中央の壁)、そして「歓喜の歌」(右の壁)へ。
写真撮影できるのは良いのだけれど、皆んなが写真撮影しているので、前の方に張り付いて観ることは出来なかったです。 -
左の壁、「幸福への憧れ」。講演会でのお話によると、第九のインストゥルメンタルの部分、第一楽章、第二楽章、第三楽章の部分にあたるそう。
クリムトは歌の無い楽章から、空想の世界を膨らませて描いたのだそうです。 -
弱き人々の求めに応じて、武装した騎士が幸福を手に入れるべく敵と戦い、楽園にたどり着くというストーリーを表現しています。
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講演会のお話では、この騎士の甲冑ですが、クリムトがモデルとした中世のものが今も現存しているそうで、ウィーンの美術館に展示されているそうです。
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プレミアムナイトではあまり前に出られなかったので、本日講演会の前にもう一度観てきましたが、下から見上げると、甲冑の模様は平面ではなく金箔を施した凸凹感があって興味深かったです。
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写真でも凸凹感が出てるかな。
クリムトは自分自身の人生観や、不安や望みといったものをすべて作品に反映させる画家で、彼の作品は常に自己反映であり、自分自身がその時置かれていた人生の状況が、そのまま彼の作品になっている。だから、壁画に描かれた黄金の騎士が、クリムトの自己像を反映しているのだとか。 -
真ん中の壁画、「敵対する勢力」。
ベートーヴェン第九の第三楽章から着想を得て描いたもの。
クリムト自身が敵対する力(病・狂気・死の擬人像、淫欲・不節制の擬人像など)と戦っている様子が正面の壁画に描かれいるのだそうです。 -
手前の3人は、ギリシャ神話に登場するゴルゴン三姉妹、
ステンノ(強い女、Sthenno)、エウリュアレ(遠くに飛ぶ女、Euryele)、そして三女は、あのメドゥーサ(支配する女、Medusa)の3人です。 -
真ん中は、悪の化身デュフォン、ゴリラのように見えるけれど、腿から下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いた形をしている。
デュフォンは、不死の怪女エキドナを妻とし、数多くの怪物の父親になった。ヘーシオドスの『神統記』によればテューポーンの子供はオルトロス、ケルベロス、ヒュドラー、キマイラだが、後に多くの怪物がテューポーンとエキドナの子供とされた。ゴルゴーン三姉妹も子供に加えている。 -
三姉妹の上にいるのは、デュフォンの妻、不死の怪女エキドナなのかなー?講演会では説明は無かったです。
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左端がファム・ファタル、「悪女」。「運命の女」とも言われる。
モローもファム・ファタルを描いているけれど、女性の表情を描かせたらモローもクリムトにはかなわないでしょうと、今日の講演会でのお話。 -
クリムト「ユディットI」
展示にあった「ユディットI」の表情。
右目と左目の違いから表現されているものを説明してくださいましたが、ホントに微妙で、複雑な表情を表現しています・・。(こちらはプレミアムナイトでも撮影不可でしたので、ネットから) -
クリムトが女性というものを知り尽くしていた結果だと言えるのでは、というお話でした。恐るべし、クリムト!!
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そして、右の太った女は、「不節制」を表しているそう。
そして、この女性の装飾物にはビジューが埋め込まれていて(下から見上げるとよくわかるんですけど凸凹してます)。今日の講演会のお話では、女性というのは装飾品に目が無いですねーというお話で。そういうところもクリムトは描いているのだそうです。こういう物欲も「不節制」の一つとうことなのでしょうか。 -
最近、物より思い出&経験派で、物欲が減ってはきていますが(爆)いい教訓になります。
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右側の壁へ。
今日の講演で「寓意」の説明をされていました。「寓意」はヨーロッパにおける独特な考え方で、日本や中国や韓国や・・などの国には存在しないものだそう。
(「寓意」=ある事物を,直接的に表現するのではなく,他の事物によって暗示的に表現する方法の意) -
この「寓意」がクリムトの絵画のポイント、とのことでした。
この楽器を奏でる女性は「詩」の寓意。
「幸福への憧れ」は「詩情」を目指し、その中に安らぎを見出す(図録より)。 -
身にまとう衣装のデザインが素敵ですね。
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純粋な喜び、幸福、愛を見いだすことが出来る理想の世界へ導かれる(図録より)
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第九の第四章「歓喜の歌」をイメージしたもの。
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幸福の天使たちの合唱。「喜びよ、うるわしを神の火花よ」(図録より)
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「この接吻を全世界に!」(図録より)
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戦いを乗り越えて勝利し、最後には右側の壁画で2人の男女がきつく抱擁する場面が描かれている。
バックに描かれているのはバラの花。今日のお話では、ヨーロッパでは、バラは幸福の象徴なのだとか。 -
月と太陽。講演会のお話では宇宙を、つまり普遍的なものを表している。
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実物は、ウィーンの分離会館の温度湿度管理が徹底された部屋に展示されているそうですが、かなり高い位置にあり、見学の際は、見上げる感じになるのだとか。
日本での展示は、より低い位置なので、ウィーンの実物のものより近くで観れるそうです。東京のあと、7月から10月まで、愛知(豊田市美術館)へ巡回します。また、行こうかなー、旅行を兼ねてw東京都美術館 美術館・博物館
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2019年6月8日(土)225名の講演会の整理券はあっという間に無くなってました。12時半から並んで110番位。14時開始で予定時間をオーバーして15時45分まで。
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東京都美術館
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上野公園にて。数は多くないもののアジサイが満開でした。
上野恩賜公園 公園・植物園
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上野公園は何回も来てるのに、西郷さん、初めて見ましたw
意外に隅っこにあるんですねーw上野恩賜公園 公園・植物園
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