2018/09/28 - 2018/09/28
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91ヶ国目の訪問となったレバノン。
レバノンと言ったら、ずっと見てみたいと思っていたバールベック遺跡。ローマ時代の遺跡です。結構ベイルートから離れているのと、あまり時間もとれないこともあって、今回は現地ツアーを申し込んでみました。
とはいえ一定の年齢以上の方は内戦の記憶があると思います。
ベイルートなどは廃墟は多いものの、観光エリアはそれほど治安を心配するような感じではありませんでした。外務省の危険レベルも訪問時には随分黄色が増えてきました。2018年現在、今回訪問する場所でいうと、アンジャルはレベル3、バールベックはレベル2、その他はレベル1です。
Nakhal & Cieというベイルートの大手旅行会社にコンタクト。曜日限定ながら、バールベックを日帰りで行けるツアーがありました。ついでに世界遺産アンジャル遺跡とクサラも寄るようです。
http://www.nakhal.com/Lebanon/daily-tours
ネットで決済 USD 90+ガイドさんにチップ
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2018/9/28
7:35
ホテルにツアーピックアップバスが来ました。
他の3ヶ所からお客をひろって、8:00ごろツアー催行会社のNakhalのオフィスに着きました。 -
Nakhalオフィス前にあったこちらの大型バスに乗り換え。席はフリーアドレス、そんなにお客が多くなかったので二人分席が使えて楽でした。
バスは8:27出発。
ホテルピックアップから1時間ほど経っているので、Nakhalの近くに宿泊して歩いていくのもありなのかも。ベイルート観光には不便ですが・・・ -
ガイドさんはちょっと独特なノリの女性。英語で説明した後、フランス語でも同じ内容を話していました。
出発してすぐそこそこ渋滞。壊れたビルでにぎわうベイルート市内を抜けていきます。 -
8:43
あっという間に結構のぼってきました。
ベイルートのすぐそばに山脈があるんですね。 -
リアル・ホーンデット・マンション!!ツアーガイドは「ファントム・ホテル」と言っていました。
レバノンは1975年に戦争を開始し、国外に逃げる人も多かったのですが、静かになってきた1990年代以降も戻ってこないなどの理由で壊れたままの空き家がそのままになっています。 -
遠くにはレバノンの松が見えています。あちこちでこのような木を見かけます。
松の実はレバノン料理でよくみかけますが、カロリーが高いのか、ガイドはダイエットの日は食べないということを言っていました。 -
9:42
最初の目的地は世界遺産アンジャル。シリア国境線まで直線距離で4km足らずの場所にあります。
アンジャル遺跡
入場 有料(ツアー代込) -
この後峠を越え下っていくとベカー高原。
遠くにうっすら見えるのはアンチ・レバノン山脈。
シリアとの国境です。
高原入ってすぐ、最初の目的地に到着です。 -
案内板がありました。
ここはカルドとデクマヌスが交差するいかにもローマ遺跡・・・と思いきや、実はローマ遺跡ではありません。
8世紀、イスラム王朝であるウマイヤ朝が建設した城塞都市で、最盛期には宮殿、浴場、モスク、商店が並んでいたといいます。地震に耐えるため、町の建設をローマ式にしたそうです。 -
ゲートを入ってすぐに見えるのがこちらのカルド(南北通り)。
カルド沿いにあるアーチの部分は商店が並んでいたそうで、その数なんと2,000を超えるんだとか! -
ここがカルドとデクマヌスの交差点。
交差点の東西南北に四方門(テトラピュロン)があったようですが、今では一つだけ復元され、ぽつんと置かれています。
よくみるとアカンサスの葉の装飾があるのでコリント式なんですね。
このあたりが町の中心でした。 -
デクマヌス沿いに歩いていくと見えてくるのが宮殿跡。
一部外壁が残っているので在りし日を想像しやすいですね。
壁を近くで見ると、煉瓦と切石が交互に積まれているのですが、これは耐震目的だとか。
これだけ残るのであれば、確かに耐震できているということですよね。当時の技術すごい! -
宮殿内にあるのが有名な2段のアーチ。アーチにもアカンサスの葉の装飾がありますね。
-
宮殿の前にはモスクがあったようですが、残念ながらほとんど崩れきってしまっています。耐震設計ではなかったのか・・・
-
入口近くに戻ってくると浴場跡がありました。
ティピダリウム(微温浴室)、カルダリウム(高温浴室)、フリギダリウム(冷水浴室)と一式そろっていたようです。 -
こちらの床を見るとたくさんの柱がありますが、この地下に熱をおこすテクニカル・ルームがあり、それを支えるための物なんだとか。
-
アンジャルは小さいので1時間ほどで見学終了。もう少し詳しく見回りたい場合はもう30分くらい必要といったところ。
バスに戻り、出発すると車窓には何やらテント群が見えてきます。
ガイドははっきりとは言っていませんでしたがシリア人亡命者のものでしょうか。 -
道路の至近距離にテント群がたくさん見え、なんとも言えない気持ちになります。
その景色を見ながらレバノン情報をガイドさんが話します。レバノンには鉄道会社があるが、すでに運行していない。なのに給料をもらい続けているんだとか!
かたや亡命、かたや仕事せず給料をもらう。再びなんとも言えない気持ちになります。 -
11:25ごろ、大きな検問をパスし、バールベックのエリアに入りました。ツアーバスだからか、ちょっと車が止まったくらいで個人への検問は特にありませんでした。
それまでの畑とテントの景色から一転、結構な都市のようです。 -
バールベックに入ると、途端に黒い旗が目立つようになります。シーア派が多い地域は黒い旗を立てるようです。
イスラムテロ組織の旗も黒かったですが、それとは関係ないようで安心。
ちなみに黄色い旗は、シーア派武装政治組織ヒズボラを意味するようです。今回のツアー中はほぼ見なかったです。 -
11:35
バールベック遺跡から1kmほど離れたところでバスがストップ。
巨石!ドーン!
長さ約21m、なんと約1000tもあるそうです。
この後訪問するバールベックのジュピター神殿の土台に似たような3つの巨石が使われているのですが、これも使われるはずがこのまま放置されています。
運べなくて断念したか、切り出してみたけど不要だったから放置したか、とかですかね?
ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)
入場料不明・・・ -
巨石の入口にお店がありちょっとしたお土産探しタイムに。
そこで見つけたこの新聞のコピー。バールベックがごみに埋もれそうになったのを助けた人の話です。
読んでいたら、「それは俺だ!」という男性が。このお店の店員さんでした。
本当!?本当ならすごい! -
巨石は軽く見るだけで、ツアーメインのバールベック遺跡に向かいます。
途中車窓から見えたモスク。シーア派というかイランにありそうなゴテった見た目。これまた黒い旗がいっぱいありますね。 -
12:00
バールベック遺跡駐車場から入口までは、遺跡に沿うような感じで5分ほど歩きます。
遺跡周辺はちょっとおしゃれな建物が並んでいました。ヒズボラタウンのバールベックとは思えない! -
12:06
バールベック遺跡の入口に到着。
バールベック遺跡はローマ時代の3つの神殿の集合体で、うち2つは有料、1つは道路からフェンス越しに見学できます。
バールベック遺跡
入場料 LBP 15,000(ツアー代込)
トイレ LBP 1,000程度 -
看板に復元図がありました。
右手前にある神殿入口から入り、正面にあるジュピター神殿に向かい、左奥に見える有名なバッカス神殿を見て出口からでてくるルートです。 -
まずは神殿入口。
階段が見えますが、これは後に付け替えられたもの。
もとは40mほどの長さの階段がついていたのですが、マムルーク時代に石材として持ち去られてしまったそうです。 -
門をくぐると、六角形の前庭にでます。かなり大きく、ぱっと見には六角形とはわからなかったです。ちなみに写真奥が入口階段になります。
30もの柱があり、当初より屋根のない造りとのこと。 -
続いて大庭園の跡。長さ150m、幅110mもあったとかで、この写真では収まりきりません。
-
上の写真の右側。これも大庭園です。
-
大庭園の一画には大きな水槽があります。
この中で生贄の身を清め、血を抜かれ、隣にある祭壇に捧げたといいます。 -
水槽には、ビーナスや、半獣半人などの彫刻が彫られていました。
ちょっと保存状態はイマイチかも。 -
では最初の神殿、ジュピター神殿の階段を上っていきましょう。
-
ジュピター神殿の階段から大庭園を振り返ると、その大きさを改めて実感します。
中央には二つの祭壇が見え、水槽は左端にちょっとだけ見えています。 -
ジュピター神殿自体はなくなっており、このように石積み状態になっていました。
-
ちなみにジュピター神殿の端にある6本の大列柱は残念ながら工事中・・・
本当に残念! -
次はこちら、いよいよバールベック遺跡のメインとなるバッカス神殿に向かいます。
この保存状態の良さ!!
ローマ遺跡の中でも相当よい部類に入ります。
長さ66m、幅35m、高さ31mと大きく、周囲は42本の列柱で囲われていましたが、反対側の柱の多くは失われています。 -
至近距離から見上げたところ。圧倒的な高さに威圧感すら感じます。
柱はイオニア式をベースにしたコリント式。 -
人と比べるとご覧の通り。
いかに大きいかというのがわかります。 -
柱の飾りと思われるものがごろごろ転がっていました。
ライオンの飾りは力の象徴なんだとか。
その下には永遠の命の象徴である卍のような模様と、命を表す卵の模様もついています。 -
バッカス神殿には、なんと入れます。
この角度だと、なんとなく神殿の全体像が見えてきそうですよね。 -
別角度から。
入口上の石が落っこちてきそうな感じ! -
その落ちてきそうな部分を見上げると彫刻が!
ローマの象徴ワシと、オリンポス12神のヘルメスだそう。周囲にもかなり細かい彫刻が施されています。
どうやら数年前まで汚れていたようですが、訪問時(2018年)にはきれいになっていました。 -
バッカス神殿の内部!
肝心の神殿部分は残っていませんが、外壁だけでも十分風格が伝わってきます。 -
神殿の奥の神体安置所近くにあった石。
装飾がされていますが、ちょっと壊れてしまっています。 -
列柱部分も歩けました。
ほとんどの遺跡では列柱しか残っていませんが、ここは屋根がついている!なんか新鮮! -
屋根にも細かい彫刻が施されていました。
-
バッカス神殿に隣接するアラブ要塞の壁にモザイクが置かれていました。
ヤシの木陰で寛いでいる人のように見えますが、顔ははがされ、だいぶ色も褪せてしまっています。 -
有料エリアをでると、正面にビーナス神殿が見えてきます。
これは中には入れず、道路沿いにフェンス越しに見るのみ。
ちなみに出口付近に博物館もあるのですが、残念ながらこのツアーでは見られませんでした。 -
駐車場へ戻る途中、これまたフェンス越しにバッカス神殿の南側が見えました。
こちら側は柱があんまり残っていないんですね。 -
駐車場に向かいあって、列柱があったのですが、これは有料エリアとはまた違うエリアにあり、中に入れるのかは不明です。
-
バスに戻り、黒い旗を見ながらバールベックの町とはお別れです。
今回のツアーでは本当に遺跡しか立ち寄らず、町には出ませんでした。もしかしたら治安的にもそのくらいがいいのかな。 -
14:10
ザハレに到着。
ちょっと遅めですがランチタイム。
すごい崖地のようなところにあるかなり大きめのレストランです。
ランチ@Arabi
食事代 ツアー代込
トイレ LBP 1,000程度 -
ランチはレバノン料理でした。
メザ各種と、肉はケバブ、チキン、ラムとよりどりみどり。
果物も含め、どれもおいしかったです。
レバノン料理、なんで東京ですら流行らないんですかね。
確かに最初食べたときは衝撃でしたがw
恵比寿にあった某ゴーン氏の奥さんの経営するレストランでした。
今や時々禁断症状がでるたびフムスを食べに行くほどですがw -
ザハレは渓谷の町。景観はダイナミックな感じ。
ガイドのご両親のハネムーン先だそうです。昔はメジャーな行き先だったといいます。 -
15:30
ツアー最後の目的地はワイナリー。
知る人は知っている(当たり前)、レバノンはワインの名産地ということで、中でもここシャトー・クサラはレバノンワインの紹介ページでたびたび取り上げられる名工場な模様。 -
オーク樽の並ぶカーブ。気温や湿気がワインに最適だといいます。
歴史はなんとローマ時代まで遡り、もともとは修道院だったようです。
カーブは結構長く、たくさんの樽が並んでいました。 -
下戸にはきついテイスティングタイム。
今回の試飲は、ロゼのRosé de Ksara(2017年)と赤ワインのシャトー・クサラ(2014年)。
飲んだ方によると、ロゼは甘め、フルーティーで飲みやすそうな感じ。赤は少しスパイシーらしい。 -
最後はお土産タイム。
全然ワインはわからないので店員さんにギフトだといってセレクトしてもらいました。 -
結局この2本をご購入。
カベルネ・ソーヴィニヨンの赤とシャルドネの白。
お酒飲めないので味はわかりませんが、ネットで見る限りまあまあ好評なようです。日本に発送できないのが残念。
ちなみにベイルート空港で荷物のラッピングサービス(有料)を発見したのでぐるぐる巻きにしてもらったのですが、その甲斐あってか割れずに持って帰れました。心配な方は日本からプチプチ持参をお忘れなく。
お土産ワイン@シャトー・クサラ
Chardonnay 2015 USD 14.43
Cabernet Sauvignon 2012 USD 13.32 -
ベイルートに向けて、来た道をひたすら戻ります。
レバノン山脈を越えていきます。 -
17:30
1時間ほどでベイルートはNakhalオフィス前に到着。
その後、車で送迎してもらいます。
私は途中で下ろしてもらい、モハメド・アル・アミン・モスクなどを見学しながらホテルに戻りました。
日帰りツアーは便利でいいのですが、バールベックの時間がちょっと足りない&博物館に寄らないところや、ランチの時間が遅いことなどがマイナス点かもしれません。
【アンジャル遺跡】
小さくて、見所がわかっていれば1時間ほどで見終わります。
宮殿跡が一番の見所。
【バールベック遺跡】
バッカス神殿が一番のハイライト。
ジュピター神殿から見る大庭園も何気によかったです。
神殿だけの割に大きいので、全部見回ると2時間以上かかります。
妊婦の石は時間があれば。
内部の情報は、現行のロンプラより、珍しく地球の歩き方の方がまだ詳しく書かれています。
(但し2019年現在発行の歩き方には掲載自体ありませんでした)
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