ロサンゼルス空港からのLAX FlyAway Busが着いたのはハリウッド・ヴァイン(Hollywood/Vine)のメトロステーションの近く。この交差点のそばにキャピトルレコードビル(Capitol Records Building)がある。ウェルトン・ベケット(Welton Becket)設計のこのビルは1956年に建てられたもの。レコード盤を重ねたようなこのビルは通称キャピトル・タワー(Capitol Tower)と呼ばれている。屋上の蓄音機の針に似た尖塔の先では"Hollywood"を表すモールス信号が絶えず赤色で点滅している。これは56年以来ずっと続いており、モールス信号の生みの親のサミュエル・モールス(Samuel Morse)のお孫さんがスイッチを入れた。92年から93年に掛けてだけはレーベル50周年を記念して"Capitol 50"という信号に切り替わっていたそうだ。<br /><br />キャピトルレコードは、1942年にロサンゼルスで設立。西海岸で最初のメジャーレーベル。40年代から50年代にかけて、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)やナット・キング・コール(Nat King Cole)などがアメリカン・ポップスの黄金時代を築いた。ロックンロールからヘビーメタル、ジャズやカントリー、ソウル・ミュージック、ヒップホップなど扱うジャンルは幅広い。55年に英EMIに買収され、2012年にユニバーサルミュージックグループ(Universal Music Group)の一部となった。アメリカのミュージシャンだけでなく、多くのイギリスのミュージシャンの米国配給も担っている。ザ・ビートルズ(The Beatles)はアメリカではキャピトル・レコードと契約していた。日本では東芝EMIでキャピトルのマークが入ってたのを思い出す。<br /><br />このビルには、歴史的に有名なスタジオがある。シナトラやナット・キング・コールの他ビーチボーイズ(The Beach Boys)、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)などの大スターが曲をレコーディングしてきた。このスタジオの目玉は、伝説的なギタリストであるレス・ポール(Les Paul)がデザインしたエコー室。最大5秒の残響を作り出すことができる。ビーチボーイズのグッドバイブレーションズ(Good Vibrations)をお聞きあれ。<br /><br />ここからハリウッド大通り(Hollywood Boulevard)を西へ歩く。この通りはロサンゼルス中部を東西に貫く幹線道路。西のハリウッドヒルズウェスト(Hollywood Hills West)地区のサンセットプラザドライブ(Sunset Plaza Drive)から東のロスフェリツ(Los Feliz)地区でサンセット大通り(Sunset Boulevard)に合流するまでの約10㎞の通りで、1910年にロサンゼルス市に併合されるまではプロスペクト・アベニュー(Prospect Avenue)と呼ばれていた。特に私がいるラブレア通り(La Brea Avenue)とガワー通り(Gower Street)の間が有名で、20年代以降、いくつもの劇場が建てられ発展したところ。ハリウッドと云えばここでしょう。<br /><br />ハリウッド大通りを歩くと各交差点で見上げられるのが有名なハリウッドサイン(Hollywood Sign)。元々は1923年にハリウッド地区を見下ろす丘陵地で進められていた新たな住宅地開発の名称を広告したもので、ハリウッドランド(HOLLYWOODLAND)と並べられていた。一つの文字は幅9m、高さ15mほどで、全体で4000個の電球が付けられていた。当初は1年半で撤去される予定だったが、映画産業が勃興し、国際的に認知されたシンボルとなったので、撤去されずにそのまま残された。しかし広告の保守・管理が39年に終わったあと荒廃が進み、まずは「LAND」の部分が破損し49年に取り払われた。その後も老朽化が進み欠落し、70年代半ばには「HuLLYWO_D」と見えるようになっていたのを、78年に取り壊し、新たに今のスチール製の文字に置き換えられた。全部で25万ドル掛かったとも云われる。新しい文字は高さは14mで少し小さくなったが、幅は文字によって違い9.4mから12mある。お披露目はハリウッド75周年祝いとして生中継された。05年に修復作業が行われ、塗装が塗りなおされた。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1873613669375315&type=1&l=57d7a463ac<br /><br /><br />その3へ続く。

アメリカロサンゼルスハリウッドその2 (Hollywood, Los Angeles, U.S.A.)

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2017/11/09 - 2017/11/09

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ちふゆさん

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ロサンゼルス空港からのLAX FlyAway Busが着いたのはハリウッド・ヴァイン(Hollywood/Vine)のメトロステーションの近く。この交差点のそばにキャピトルレコードビル(Capitol Records Building)がある。ウェルトン・ベケット(Welton Becket)設計のこのビルは1956年に建てられたもの。レコード盤を重ねたようなこのビルは通称キャピトル・タワー(Capitol Tower)と呼ばれている。屋上の蓄音機の針に似た尖塔の先では"Hollywood"を表すモールス信号が絶えず赤色で点滅している。これは56年以来ずっと続いており、モールス信号の生みの親のサミュエル・モールス(Samuel Morse)のお孫さんがスイッチを入れた。92年から93年に掛けてだけはレーベル50周年を記念して"Capitol 50"という信号に切り替わっていたそうだ。

キャピトルレコードは、1942年にロサンゼルスで設立。西海岸で最初のメジャーレーベル。40年代から50年代にかけて、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)やナット・キング・コール(Nat King Cole)などがアメリカン・ポップスの黄金時代を築いた。ロックンロールからヘビーメタル、ジャズやカントリー、ソウル・ミュージック、ヒップホップなど扱うジャンルは幅広い。55年に英EMIに買収され、2012年にユニバーサルミュージックグループ(Universal Music Group)の一部となった。アメリカのミュージシャンだけでなく、多くのイギリスのミュージシャンの米国配給も担っている。ザ・ビートルズ(The Beatles)はアメリカではキャピトル・レコードと契約していた。日本では東芝EMIでキャピトルのマークが入ってたのを思い出す。

このビルには、歴史的に有名なスタジオがある。シナトラやナット・キング・コールの他ビーチボーイズ(The Beach Boys)、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)などの大スターが曲をレコーディングしてきた。このスタジオの目玉は、伝説的なギタリストであるレス・ポール(Les Paul)がデザインしたエコー室。最大5秒の残響を作り出すことができる。ビーチボーイズのグッドバイブレーションズ(Good Vibrations)をお聞きあれ。

ここからハリウッド大通り(Hollywood Boulevard)を西へ歩く。この通りはロサンゼルス中部を東西に貫く幹線道路。西のハリウッドヒルズウェスト(Hollywood Hills West)地区のサンセットプラザドライブ(Sunset Plaza Drive)から東のロスフェリツ(Los Feliz)地区でサンセット大通り(Sunset Boulevard)に合流するまでの約10㎞の通りで、1910年にロサンゼルス市に併合されるまではプロスペクト・アベニュー(Prospect Avenue)と呼ばれていた。特に私がいるラブレア通り(La Brea Avenue)とガワー通り(Gower Street)の間が有名で、20年代以降、いくつもの劇場が建てられ発展したところ。ハリウッドと云えばここでしょう。

ハリウッド大通りを歩くと各交差点で見上げられるのが有名なハリウッドサイン(Hollywood Sign)。元々は1923年にハリウッド地区を見下ろす丘陵地で進められていた新たな住宅地開発の名称を広告したもので、ハリウッドランド(HOLLYWOODLAND)と並べられていた。一つの文字は幅9m、高さ15mほどで、全体で4000個の電球が付けられていた。当初は1年半で撤去される予定だったが、映画産業が勃興し、国際的に認知されたシンボルとなったので、撤去されずにそのまま残された。しかし広告の保守・管理が39年に終わったあと荒廃が進み、まずは「LAND」の部分が破損し49年に取り払われた。その後も老朽化が進み欠落し、70年代半ばには「HuLLYWO_D」と見えるようになっていたのを、78年に取り壊し、新たに今のスチール製の文字に置き換えられた。全部で25万ドル掛かったとも云われる。新しい文字は高さは14mで少し小さくなったが、幅は文字によって違い9.4mから12mある。お披露目はハリウッド75周年祝いとして生中継された。05年に修復作業が行われ、塗装が塗りなおされた。
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その3へ続く。