2019/01/15 - 2019/01/15
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chiaki-kさん
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2019/01/15 上野の森美術館で開催中の「フェルメール展」と六本木ヒルズ・森美術館で開催されている「カタストロフと美術のちから展」に行ってきたのでレポートしてみます。オランダの画家ヨハネス・フェルメール(1632-1675)は寡作の作家でも知られ、現存する作品はわずか35点(疑問作を含めると37点)。今回はそのうちの9点まが東京・大阪に集まり、主催者発表では”日本美術展史上最大のフェルメール展”だそうだ。
表紙の写真は六本木タワー52階の東京シティビューから眺めた東京の街。丁度差してきた冬の日差しに、東京タワーがくっきりと見えた。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 私鉄 自家用車 徒歩
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スタートは上野駅公園口から。東京メトロ銀座線上野駅からスロープで地上に出るとこんな感じ。50年ほど前はもっとゴミゴミしていた記憶があるが綺麗になったものだ。
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京成上野駅横の階段を登ると・・・
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”西郷どん”がお出迎え。ここでちょっとしたハプニング。隣に近寄ってきた60代のオジさんが突然、高村光雲について話し出し「西洋人がこれを見て驚いた」だの「日本の3大銅像を知っていますか」ときた。オジさんの説によると3大銅像とは上野の西郷隆盛像、皇居前にある楠木正成像、そして靖国神社の大村益次郎像だそうだ。適当に相づちをうって別れたが、東京にはときどきヘンなオジさんがいる。
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西郷どんから2分ほどで上野の森美術館到着。手前のスペースからは東京スカイツリーが見える。
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このフェルメール展は日時指定制で、あらかじめ用意したのは11:00~12:30の入場チケット。大人1人2,500円と良いお値段。到着した時間は11:30頃だったが、結構な行列が出来ていた。
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この写真は上野の森美術館の外壁に掲げられていた巨大なポスター。実際の画は、このうち2点を除いて小さいのだが、なにか錯覚してしまいそうだ。
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行列は当日チケットを購入する人と、予約済みチケットを持参して入場する人と2列出来ていたが、当日チケットを購入しても結局予約チケット者の後ろに並ぶのでやはり予約した方がベター。15分ほど並んで入れたが、当然ながら館内は写真撮影禁止。と、いうことで画質は悪いが、購入した絵はがきから中央部を拡大して、作品名、製作年、所有する施設等の順にフェルメール作品をお届けします。
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「マルタとマリアの家のキリスト」 1654-1655年頃 スコットランド・ナショナル・ギャラリー所有
現存するフェルメール作品のうち、サイズの点では最大のもの。画題は『ルカによる福音書』10章のエピソードに基づく。キリストはマルタとマリアという姉妹の家に招待された。マルタはキリストをもてなすため忙しく働いている。一方で、マリアは座り込んだままキリストの言葉に耳を傾け、働こうとしない。マリアをなじるマルタに対してキリストはこう言った「マルタ、マルタ。あなたは多くのことに心を配り、思いわずらっている。しかし、大切なことは1つしかない。そしてマリアは良い方の選択をしたのだ」。マリアの頬に手を当てるポーズは図像学的にはメランコリーを意味し、マリアが裸足であるのはキリストへの謙譲を意味する。 (Wikipediaより)
キリストの衣服などに大雑把な描き込みが見られるが、大きな画なので遠くから眺めればOKなのか? -
「取り持ち女」 1656年 アルテ・マイスター絵画館(ドレスデン)所有
「取り持ち女」とは「やり手婆」などとも言い、売春婦と客との仲立ちをする女性のこと。この作品では左から2番目の人物がこれに当たる。その右にはワイングラスを手にした売春婦と金貨を手にした客がいる。画面左端にいるもう一人の人物(ワイングラスと弦楽器を持ち、鑑賞者に視線を向けて薄笑いしている)をフェルメールの自画像とする説があるが確証はない。若き頃の作品であるため、本来奥行きのある作品だがまるで空間の整理が出来ていない。天才も人間味溢れる一人の人間であったことを感じさせる作品である。 (Wikipediaより)
宗教画から離れたころの作品だが、当時オランダの家庭では、こういった放蕩息子にならないように家庭の壁に飾ったそうだ。 -
「牛乳を注ぐ女」 1657年頃 アムステルダム国立美術館所有 なお、この画は2018年5月にアムステルダムにて撮影したもの
『牛乳を注ぐ女』は、欧米では牛の乳搾り作業に従事する女性を意味する「ミルクメイド」と呼ばれているが、実際に描かれている女性は低級の家事使用人であり、台所担当の召使い(キッチンメイド)あるいは家政の女中(メイド)である。この作品には、簡素な部屋の中でメイドが、牛乳をテーブル上のずんぐりとした陶製の容器に丁寧に注ぎ入れている情景が描かれている。さらにテーブルの上にはさまざまなパンが描かれている。メイドは若くがっしりとした身体つきの女性として表現され、ぱりっとしたリンネルのキャップ、青いエプロン、しっかりした肘まで捲りあげた分厚い作業着を着用している。背景の壁の床との接地面にはデルフト陶器のタイルが嵌めこまれている。左のタイルにはキューピッドの、右のタイルには長い棒を持った人物の装飾画があり、さらにタイルの前面の床には四角い足温器が置かれている。画面左側に描かれた窓からは日光が射し込んでいる。 (Wikipedia参照)
ぶらぶら美術館に出演していた女性絵画修復師さんの話によると、同じように思える修復も良い修復と、悪い修復があり、良い例はこの「牛乳を注ぐ女」で、悪い例は「リュートを調弦する女」と、「手紙を書く婦人と召使」だそうだ。 -
「牛乳を注ぐ女」 1657年頃 アムステルダム国立美術館所有 一部拡大
美術史家ハリー・ランドは、テーブルの上の牛乳とちぎったパンの存在から、女性がブレッドプディングを作っているのではないかとしている。ずんぐりとした陶製の容器はダッチオーブンで、すでに中に入っているパンとカスタードに対して牛乳を注ぎ入れているところを描いた作品で、パンが浸るぐらい牛乳を注がないとプディングが固く不味くなってしまうからで、牛乳を少量ずつ注いでいるのは、分量が適切でなかったり、適宜に混ざらないとブレッドプディングがうまく出来ないからだと結論付けた。
また、ラケル・ラネリは雑誌『フォーブス』の記事でこの作品に描かれているのは誠実さであり、勤勉に働くこと自体が情熱的だということを表現している」と書いた。そして、「家庭での単調で退屈な仕事と雇い主への奉公を、このうえなく崇高な地位にまで引き上げている作品である。」とも書いている。(Wikipedia参照)
たしかに、こんな堅そうなパンをかじったら入歯が壊れそうだね。 -
「紳士とワインを飲む女」 1658年から1660年頃 ベルリン絵画館所有
『紳士とワインを飲む女』は、デルフトの絵画様式で描かれた典型的な風俗画。極めて明確に描かれた明るく広々とした室内で、座ってワイングラスを口に当てている女性と帽子をかぶり、マントを纏って立っている男性が描かれている。このテーマは明らかに男性から女性への誘惑を意味しており、椅子に置かれた楽器(リュート)も恋愛と関わり深いモチーフである。男性の手はテーブルの上のデカンタの取っ手をつかみ、女性にもっとワインを飲ませようとするかに見える。窓の色ガラスには片手に直角定規、片手に馬の手綱とくつわ(欲望の統制を寓意する)を持つ「節制」の寓意像が表され、女性の行為に警告を発している。 (Wikipedia参照)
この画も「取り持ち女」と同様に、戒めを込めて描いたものと思われる。 -
「リュートを調弦する女」 1664年頃 メトロポリタン美術館所有
題名は『窓辺でリュートを弾く女』とされることもあるが、画中の女性はリュートを弾いているのではなく、調弦しているところである。女性は窓の外を見つめ、誰か(おそらくは恋人)のやって来るのを心待ちにしている風情である。本作品は保存状態が悪いために傷みが激しく、また画面の暗さのため分かりづらいが、画中にはもう1つの楽器(ビオラ・ダ・ガンバ)があり、向かって右には空席の椅子があることも、やがてやって来る来訪者のあることを暗示している。(Wikipedia参照)
この画は保存状態も悪く、修復も最悪で、これ以上の修復は出来ないそうだ。 -
「真珠の首飾りの女」 1664年頃 ベルリン絵画館所有 一部拡大
左から光が差す室内に立つ女性という、おなじみのテーマである。髪にリボン、耳に真珠のイヤリングを付けた女性は、真珠のネックレスに付けたリボンを持ち上げ、左の壁に掛かった鏡を見つめている。鏡、宝石などのモチーフは伝統的に虚栄を表すものである。背景は白い壁のみだが、エックス線写真により、当初は壁にネーデルラントの地図が掛けられていたのを後に塗りつぶしたことがわかっている。女性の着ている毛皮の縁のついた黄色の上着は『手紙を書く女』『婦人と召使』など、他のいくつかの作品にも登場するもので、フェルメールの死後に作成された財産目録にはこの上着に該当すると思われる「白の縁取りのついた黄色のサテンのコート」が記されている。(Wikipediaより) -
「手紙を書く女」 1665年頃 ワシントン・ナショナルギャラリー所有
手紙を書いていた女性が何かに気を取られ、優雅に振り向く情景が描かれている。女性が身につけている首飾りには10個の、イヤリングには2個の真珠が、それぞれあしらわれている。 ところで、フェルメールの作品の多くは、自身が住んでいた屋敷の屋内を背景として描かれていることが多いが、女性の上着、テーブルクロス、真珠の首飾りなど、この作品に描かれているものが、他のフェルメールの作品にも繰返し描かれている。描かれている人物も使用人だったり、フェルメールの近親者だった可能性が指摘されている。フェルメール自身はモデルを雇いたかったが、妻子に平穏で豊かな生活を与えるだけの金銭的余裕もなかったところからこの画のモデルはフェルメールの妻では無いかとの推測もある。(Wikipedia参照) -
「手紙を書く婦人と召使」 1670年頃 アイルランド国立絵画館所有
中流階級の女性と、この女性のおそらくは恋人宛の手紙を届けるために、手紙を書き終えるのを待っている召使いの姿が描かれた作品で、召使いは、画面構成上は中景に当たる場所で、腕組みをしながら女性が手紙を書き終えるのを待っている。それぞれが配されている位置は、この両者が互いをあまり気に留めてないことを意味している。召使いの組んだ腕は自身の感情を抑えようとしているようにも見えるが、主人たる女性に対しては何の注意も払っていない。窓の外に向けられた召使いの視線は内心の苛立ちと退屈を意味し、自身が届けに行かなければならない手紙の書き終りを待っているという自分の立場に、不満を抱いていることを示唆しているとされる。なお、この「手紙を書く婦人と召使」は1974年と1986年に、2度盗難にあっている。(Wikipedia参照)
以上8点のフェルメール作品を一同に並べた展覧会なのだが、会期途中で「赤い帽子の女」と「取り持ち女」が入れ替わっている。それとフェルメールの画に加えて、ピーテル・デ・ホーホやヤン・ステーンなど、この頃のオランダ絵画50点も同時に展示されている。 -
上野の森美術館の脇にある近道の階段を降り、東京メトロ上野駅に戻る。写真は最近取り付けられたと思えるホームドア。パンダの絵柄が上野らしい。
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電車が入ってきた。最近の電車はヘッドライトもLEDっぽい。
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電車を京橋駅で降り、徒歩でやってきたのはおなじみ銀座通り。
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銀座一丁目でちょっとしたショッピング後、付近にあった喫茶○ノアールに入店。
上:ハニーフレンチトースト(680円)
左下:期間限定”あたりどり油淋鶏風ソースのプレミアムサンドイッチ”(770円)
右下:野菜サンドイッチ(600円)
飲み物は一番安いブレンドコーヒーが590円と安くは無いが、どれもおいしかった。とくにプレミアムサンドイッチがボリュームたっぷりで、ほぼ満腹に。 -
銀座ティファニー。今度、NYの本店を見てみたい。
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四丁目交差点にある東京メトロ銀座駅から日比谷線に乗り、やってきたのは・・・
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六本木タワーの上層階にある森美術館。ただいま「カタストロフと美術のちから展」開催中。入場料金は大人1人1,800円。シニア1,500円。
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戦争、テロ、地震、津波など様々な世界的な惨事をテーマにした重い展示を見たが、最後の部屋はこちら、
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オノ・ヨーコ 色を加えるペインティング(難民船) 1961~2019年
1961年に初めて発表され、観客が展示室の壁や床、そして難民船を思わせる船のどこにでも色や言葉を書き加えていく作品で、昨今注目される“鑑賞者参加型アート”の先駆けとも言える作品である。森美術館ではクレヨンが用意されており、誰でも平和への願いやメッセージを好きな絵や言葉で書きこむことが可能だ。 -
すでに1万人を超える鑑賞者により書き込まれたボート、床、そして壁は、ほぼ真っ青で、これ以上書き込む余地は無さそうだったが、比較的空いていた上部に "Don't make a wall. Make a bridge." と書いてきた。
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カタストロフ(大惨事)は私たちを絶望に追い込みますが、そこから再起しようとする力は想像力を刺激し、創造の契機となることもまた、事実なのではないでしょうか。東日本大震災以降、国内外の数多くのアーティストが復興・再生への願いを込めて理想や希望を描き、より良い社会のために新しいヴィジョンを提示しようと試みています。戦争やテロ、難民問題や環境破壊など、危機的な問題が山積する今日において、美術が社会を襲う大惨事や個人的な悲劇とどのように向き合い、私たちが再生を遂げるためにどのような役割を果たすことができるのか。本展は、負を正に転ずる力学としての「美術のちから」について注目し、その可能性を問いかけます。(主催者HPより抜粋)
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美術鑑賞を終え、チケットにOMAKEとして付いていた”東京シティビュー”から東京の街を眺める。
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手前の緑は日本銀行鳥居坂分館ほか。その向こうに東京タワーが見える。
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拡大(表紙の写真を再掲)
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品川方面か
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渋谷方面だが、大逆光。
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新宿方面。中央に新国立美術館。
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皇居方面
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東京スカイツリーも見えた。
この後、B2にあった○城石井でコーヒーなどを購入、東京メトロを乗り継いで、いつもの場所からセルボで帰還する。都内に居た時間は5時間程度だったが、今回も充実した一日だった。
と、いうことで「2019年 上野・六本木・5時間スペシャル:フェルメール展&カタストロフと美術のちから展ほか」は終了です。最後までご覧頂きありがとうございました。 -
OMAKE1
上野駅前商店街にあった”MUNCH(ムンク)”展の垂れ幕。
2018年10月27日から2019年1月20日まで東京都美術館で開催、入館者が50万人を突破、8日にノルウェー大使も来館して記念式典が開催されたそうだ。 -
OMAKE2
最近、一日5000歩以上を目標にウォーキングを続けていますが、本日の成果はこんなところです。
おしまい
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この旅行記へのコメント (2)
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- sanaboさん 2019/01/17 22:47:23
- 今年もよろしくお願い致します。
- chiaki-kさん、
寒中お見舞い申し上げます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
というより、掲示板ではすっかりご無沙汰してしまい
本当に申し訳ありません!!
5時間とはいえ正にスペシャルな
中身の濃いお時間を過ごされたのですね☆
ニューヨークへいらした際には
ティファニー本店を見るだけでなく
奥様に何か買って差し上げて下さいね!
東京メトロはよく利用しますが
上野駅のパンダ柄のホームドアは知りませんでした(笑)
今年もお健やかな良い一年でありますよう
心よりお祈り申し上げます。
sanabo
- chiaki-kさん からの返信 2019/01/18 08:24:08
- こちらこそよろしくお願い致します。
- ・
sanaboさん、こんにちは。いつもありがとうございます。
また、今年もよろしくお願いします。
> 東京メトロはよく利用します
今回は4回乗車ということで24時間券(600円)を購入しましたが
その都度自販機に並ばなくてすむので便利でした。
東京メトロのHPを見ると、都営地下鉄や都営バスとの共通券もある
ようですが、やっと外国並になってきましたね。
> 上野駅のパンダ柄のホームドア・・・
まあ、上野と言えばパンダですね。それとホームドアについては
ソウル地下鉄のように全駅設置は難しいと思いますが、事故防止
の切り札として、もっと普及すると良いですね。
> ニューヨークへいらした際には
> ティファニー本店を見るだけでなく
> 奥様に何か買って差し上げて下さいね!
あ!ばれちゃいましたか。実は3月末にNY行きを予定しています。
フリーツアーでNYのみ6日間という内容ですが、すでに自由の女神
フェリーと911記念館はNET予約済みです。
ティファニーは早朝訪問の為、写真撮影のみ予定していますが、
映画(ティファニーで朝食を)のように99セントショップで、
なにか買いたいと考えています。(^^;;
では、また。
chiaki-k
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