2018/12/14 - 2018/12/14
33位(同エリア51件中)
船尾唯智さん
毎年宮崎県内の夜神楽を見に行くのが恒例行事。今年は国の重要無形民俗文化財に指定されている西都市の銀鏡神楽を見に行きました。
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銀鏡(しろみ)神楽が行われる銀鏡神社は西都市内にありますが、西都市が広大なため、西都市中心部からでもクルマで1時間はかかります。
到着したらすっかり日没。駐車場から境内には全く明かりのないところもあるのでライト持参が必須。持ってきていて良かった。 -
九州山地の山深くに囲まれた銀鏡地区は、冬になるととても寒いが、さすが国の重要無形民俗文化財に指定されているだけに、観客は非常に多い。
宮崎県内には夜神楽を催す地区が多いが、国の重要無形民俗文化財に指定されているのは、ここと高千穂の夜神楽、高原町狭野神社のものと限られている。 -
初穂料を包んで窓口に差し出すと、弁当の引換券をもらった。
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弁当の中身はこんな感じ。
今日は寒く、弁当が冷たい。暖かいお茶で流し込まないと食べられない。
そしたら焼酎のお湯割りが出されたので、それで食べる(笑)いい加減に酔っ払った(笑)
今まで近隣の尾八重や小川など、夜神楽を見に行ったが、今回は初めて毛布を持ち込み、朝まで夜神楽を見ることにしている。 -
毎年銀鏡神楽は12月14日にやるのが特徴。他の宮崎県の夜神楽は主に土曜日にやるのが特徴だが、この銀鏡神楽だけは12月14日が平日でも決行する。だから毎年そう簡単に見れる訳ではない。
しかし今年は金曜日になったので、自分の仕事のスケジュール的にも行けることとなった。
ただ今年は銀鏡神社では悲劇が起きた。台風災害により宮司さんが亡くなられたのだ。台風の日、新聞配達を兼業している宮司さんが、まだ明るくならないうちに銀鏡地区に新聞配達に出かけたところ、崖崩れに遭ってしまったという。 -
銀鏡神社の氏子代表の方の挨拶でも、その宮司さんの悲劇に触れていた。今は新しい宮司さんが切り盛りしているが、亡くなられたのは銀鏡神楽の3ヶ月前。新しい宮司さんも突然のことで、銀鏡神楽の準備で大変だったことに違いあるまい。
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寒いので、蕎麦を食べることに。銀鏡地区の名物蕎麦だ。太い蕎麦麺に、銀鏡地区の名産の柚子が入っていて、その香りに食欲がそそる。
柚子は栽培が比較的簡単なので、銀鏡地区以外でもけっこう各地で栽培されている。 -
焼酎で酔っ払ってるので、頭を冷やしに寒い外で夜神楽を観覧。
銀鏡地区は今でこそ西都市だが、かつては東米良村にあった。西都市との合併後、2000人はいた旧東米良村地区の人口が10年前時点では800人に減少。その旧東米良村の中心的集落である、この銀鏡地区においても今は200人切ったという。 -
そんな急激な過疎で、宮崎県各地の夜神楽も続けるのは困難になりつつある。中には今年中止し、隔年開催にしているところもしばしある。
夜神楽好きとしては、できれば積極的に初穂料を出して観覧することが、微力ながらも伝統芸能・夜神楽の長続きに繋がるのではと思っている。
上の写真の舞台の向こうは観覧席。吹きっさらしで寒い。客は毛布などで寒さをしのぐが、中には重たい火鉢を持ち込んで観覧している家族もいた。ここまで気合い入れて見にくる家族に脱帽! -
舞台を外から撮った様子。左のギャラリーの奥が舞台だが、右側は初穂料などの受付を行う場所。焼酎を包んで持参する人も見受けられた。
ちなみに初穂料などを包んで持っていっても、弁当がもらえるとか、そういうサービスを期待して夜神楽を見に行くのは誤りである。神様に対する感謝の気持ちだから、そういうサービスをあてにすることが間違いである。 -
銀鏡神楽は奥に仮眠所が準備してあった。ありがたいことに暖房もついている。
確かに、朝までぶっ通しで観覧しようとするなら、近くに宿泊場所があれば良いが、西都市中心部まで1時間、西米良村の温泉施設まで40分はあるからきつい。
焼酎で酔っ払ったので、耳栓をして寝た。案の定、隣のおじさんのイビキがすごくて、眠れない客多数(笑)夜神楽で仮眠するなら毛布と耳栓は必須アイテムだ。 -
深夜四時に目が覚め、舞台前の屋台で子持ち鮎の丸焼きを食べる。
この鮎、食べてみたら卵がぎっしり詰まっていて驚いたのと同時に美味でした。
夜神楽は、こういう地元の味や風習によく触れることができる最高の機会でもある。 -
深夜四時でも観客は多い。カメラを持って撮影にいそしむ人も多数。体感的には氷点下の寒さ。それなのによく頑張るなあと感心する。
もっと凄いのは舞台の演者の方々ですね。交代で演じるのでしょうけど、息が白くなる寒さと疲労でセリフを忘れてしまうことしばし(笑)これを夕方6時から翌日の昼近くまで演じるのだから、ホントに大変ですわ。 -
観客席の裏側から撮った写真。こちらは空席が目立ってきたとは言え、まだ多数の客が観覧。
演じる方も見る方も体力勝負だ。 -
夜が明けても、舞台では演目を淡々と演じる。
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案の定霜が降りて、夜よりも更に寒いが、神々しい朝でもある。
神様が降りてきている舞台に朝まで付き合うことの喜び、というやつか?
特にこの九州山地の奥深くにある米良地区の夜神楽は、神秘的だ。一昨年見た尾八重神楽や、去年の小川神楽もそうだ。 -
銀鏡地区の中心部の様子。西都市中心部からのバスも走る。
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銀鏡地区の下流の景観。ここは一ツ瀬川の支流域で、湖面のように見えるのは下流に一ツ瀬ダムがあるからだ。
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湖面から湯気が上がっている。どれだけ寒いかがよく分かる。この時、銀鏡に近い西米良村の気温を調べてみたら氷点下2度だった(笑)
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この日は銀鏡神楽から続くように、西米良村の中心部の村所(むらしょ)でも夜神楽が開催されていた。
だから銀鏡神楽を観覧した後は、西米良村の中心部にある温泉施設「ゆたーと」で疲れた身体を癒した後、また村所の夜神楽を観覧するという、夜神楽ハシゴも可能だった。
が、さすがに疲れが来たのでこれで自宅に退散(笑)しかし一度は夜神楽ハシゴも堪能したみたいものだ。
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