2018/08/15 - 2018/10/31
1602位(同エリア30375件中)
品行方正さん
淡水といえば夕陽・・
久しぶりに淡水に帰ってきて呑気に夕陽を眺めてはいるけれど、実は自分にとってはちょっとした大事件!?の後なのでした。
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台湾生活を始めて半年、大家の管理に多少不満があったので知り合いに相談してみたところ淡水の物件を紹介された。
これが願ったり叶ったりの物件でした。
大家の奥さんが日本人で、やや古びたマンションだけど部屋は小ぎれい。
6月からは淡水の住人となって大満足の品行方正でした。 -
駅からも近くゴミ出しの場所も目の前だし、下にはスーパーも有って便利なことこの上無し。
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淡水と聞いて心配だった駅からの道のりもほぼ平坦。
何より他人との共有部分が無い一人専用部屋。(但し台所は無い)
人気の観光地だけど平日は平穏だし大きな町なので生活に必要なものは全て揃っている。
そんな淡水でルンルン気分で暮らし始めた品行方正でした。 -
それは7月のある日突然襲ってきました。
腰に激痛が走ったと思ったらほぼ自由に動けないくらいの状態に・・
よくギックリ腰をやるのでそれかと思ったがあまりにも酷い状態だったので不躾は承知で大家さんにSОS。
大家さんはわざわざ夫婦で駆けつけてくれて行きつけだという整体院に連れて行ってくれました。
もちろん通訳の役目も果たしてもらいました。 -
3回通えば治るとのことだったしこちらもギックリ腰のつもりでいるので楽観していたのでした。
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しかし痛みは治まりませんでした。
ある土曜日、どうしても治療を受けたかったのですが整体院は休診。
月曜まで待つにしても毎回大家さんは頼れないし(仕事をもっている)一人では言葉のやり取りに問題があって用をなさないので、今度はこれもたまたま知り合っていた日本語を話せる林さんを頼るしかありませんでした。 -
林さんはちょうどそのころ日本旅行をするという事を聞いていたので「もう台湾にお帰りですか・・?」と遠慮がちに連絡をとってみました。
幸いすでに台湾に帰っていて事情を話すと・・ -
「そんな状態ならすぐ治療しないとダメ。整体院を予約したので今日行きましょう!!」ということで今度はそちらの整体院に通う事になりました。
何回か通い、そのたびに通訳として同行してくれました。 -
それでもなお痛みは引かなかったのです。
その様子を見かねたのが向かいの部屋の陳さんでした。
自分も腰痛経験者だと言ってまず市販薬(日本薬)を一瓶もってきてくれました。
お金を差し出しても受け取ってくれません。
その後は鎮痛薬(自分用に病院から出た薬)、ステッキ、コルセット、温治療器などを次々と用意してくれました。 -
鎮痛薬が無くなったので追加で欲しいといったらわざわざ病院に行って貰ってきてくれました。
でもお金は受け取ってくれません。
陳さんは日本語を話せないのですが日本語が話せる友人を連れてきてくれて直接あるいは電話で意思の疎通をはかってくれました。(陳さんと私の会話は専ら翻訳アプリを介してでした) -
それでも腰痛は治りません。
毎日の食事の買い出しにも不自由してどんどんやせ細るばかりでした。
極端に言えば骸骨一歩手前状態です。
歩行が困難なので外出は極端に控えていました。
そこで止む無く食料調達の外出は毎日タクシー(料金は安い)を利用することにしたのです。
しかしタクシーを呼んで買い物の間待機してもらって、また部屋まで帰ってくるという一連の流れを毎回運転手に伝えて理解してもらわなければいけません。
これが結構やっかいなのです。 -
その結果何と陳さんが毎回同乗してくれて運転手とやり取りをし、買い物のサポートだけでなく荷物も持ってくれるようになりました。
ゴミ出しもやってくれて飲料水も毎日差し入れてくれました。
終いには食事は自分が買ってきてやるからアナタは部屋で休んでろ・・と。 -
それでも腰痛は治りません。
ある日陳さんは自分には一番効いた漢方薬を試してみるかと勧めてきました。
但し値段が高かったので、折角ですがとお断りしました。
でもやっぱり飲んでみろと買ってきてくれたのです。
折角の好意なので一月分は覚悟してお金を差し出したのですがこれも要らないといいます。
それからは毎日朝夜2回づつ煎じてわざわざ持ってきてくれました。 -
このころには自分でも随分長引くな・・とは思っていました。
手厚い周りのサポートをいいことに甘えてしまって結果として長い時間放っておいてしまったのでした。
もうそろそろ8月になってしまいます。
事態が動いたのはこれも陳さんの親切がきっかけでした。
湿布薬を持ってきてくれて親切にも腰に貼ってくれたのです。
この時陳さんは気がつきました。
背骨が変形していると・・ -
病院を手配してくれて通訳に大家さんにも来てもらって、ここで初めて本格的な検査です。
結果は直ぐに分かりました。
背骨が細菌に侵されて軟骨が無くなってしまっていたのです。
至急入院治療が必要とのことで、そうなれば一旦日本に帰るしかありません。 -
早速帰国の手配です。
定期帰国用に9月のチケットが有りましたがこれはキャンセルがきかないので安いけど捨てる羽目に・・
急遽取った8月中旬のチケットはLCCなのに結構な料金!! -
桃園から成田まではバニラのサポートをお願いしました。(大変親切でした)
日本での滞在先は青森の姉の家にお願いしたので東京から新青森まではJRのサポートです。
問題はアパートから桃園空港までと成田から東京までの行程。
前者は深夜便にも関わらず大家さんが車の手配をしてくれ、バニラのサポートに引き渡されるまで車イスをおして付き合ってくれました。
さて成田から東京です。
実はあまりにも品行方正だったので遠い昔に離婚して以来家族というものがいないのです。 -
時間はやや遡って何年か前の夏の暑い日・・
当時住んでいた行徳の自宅(現在は賃貸にだして生活費の足しにしてる)に帰った時です。
1通の手紙がポストに入っていました。
もうずいぶん長いこと会っていない長男からの手紙でした。
開けてみると可愛い赤ちゃんの写真が・・
結婚して子供が生まれたのて会ってほしい・・との嬉しい内容でした。
それ以来旅行や食事会で何回か会っては交流を深めつつあるものの、母や弟には内緒にしてるという事でやや微妙な関係です。
それでも他に頼る人もいないので思い切ってお願いすることにしたのです。
休日の朝早く(6時到着の便・・それでも少し遠慮して8時頃まで車イスに座って待つことにした)わざわざ成田まで来て東京駅まで送ってくれと言うメンドくさい話。
でも家族全員で来てくれました・・ -
何とか青森までたどり着いて再び検査をして即入院という事に。
ただ検査の結果赤血球が少なすぎるという事で更に詳しく検査が続けられたのでした。
そして大腸のポリープと直腸の癌が見つかります。
ポリープ切除は背骨の治療中に行われましたが何と一部は癌化していたとの事。
それでもこれは全部取り除いたので取り敢えず一件落着。
20数日の入院で腰にはまだ痛みが残るものの、あとは自分でリハビリしろと病院を追い出されます。
10月初旬に今度は癌の手術で再入院。
その間に長男夫婦と孫に会うため東京まで出かけた事は言うまでも有りません・・ -
癌はすでに初期を過ぎて進行癌になっていました。
・・が、ラッキーなことに何処にも転移は見られないとの事。
しかし癌自体の除去ならわずかの範囲で済むが、近くにリンパが有るのでかなり大きく切除しますとのご宣託。
しかも切った後のリンパの検査次第では抗癌剤治療が必要だと言われてしまったのでした。
そうなれば台湾生活どころでは無くなってしまいます。 -
何と幸運なのでしょうか・・
「リンパには異常が無く、抗癌剤治療も必要ありません。」
これが主治医からのお言葉でした。 -
とは言っても腰はまだ万全ではないし、なんと言っても腸を切ってるので排便が安定するまでは大人用のオムツのお世話にならなければいけません。
かなり長期に及ぶ人もいる、と脅されてまたまた憂鬱な気分・・ -
暫らくはおっかなびっくりでしたがお陰様で回復は順調でした。
常にトイレを気にしながらだけれどそれこそオムツも取れて、不自由ながらもホボホボ日常生活が出来るように・・
となればまた台湾に行っても大丈夫かな? -
という事で11月からは再び淡水の部屋での生活が始まりました。
そして感慨に浸りながらも呑気に夕陽を眺めている次第です。 -
医者が言ってました・・
入院が必要な重篤な腰痛のおかげで癌が見つかったようなもの。
進行癌にも関わらず転移が無いうちに処置できたのはラッキーの一言に尽きる・・と。 -
それにしても台湾の人たちのこの優しさは何なのでしょうか・・?
陳さんや林さんだけでなくマンション入り口のスペースでたむろしている住人から管理人まで、言葉も通じない日本人にとにかく世話をやいてくれるのです。
実際この人たちのサポートが無ければ日常生活ができない程の状態だったのです。
日本に帰ってきて医者に言われました。
「何故こんなに重篤になるまで台湾に留まったのか」と
「歩けなくなる一歩手前まで進行してますよ。早めに治療していれば背骨の変形も防げたのに・・」
それはそんな状態でも何とか生活できたからでした。
孤独な一旅行者だったらもっと早くギブアップして日本に帰ったはずです。
今となっては仕方がない事ですが周りの親切なサポートに甘えてしまった事が仇になってしまったのでした。 -
今日も綺麗な夕陽です・・
長々とお付き合い有難うございました。
以上、思いがけず身の上におこった顛末でした。
帰って来て早速向かいの陳さんにご挨拶です。
部屋に出入りしたときに寝具が毛布1枚だったのを見たのか「冬は結構寒いから」と薄手の掛布団を貸してくれました。
「これからも困ったら何でも相談してください」とのことでした。
オ・シ・マ・イ・・
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この旅行記へのコメント (11)
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- あけちさん 2019/10/15 08:44:52
- 初めまして
- 品行方正さん こんにちは
私もギックリ腰三回経験しているので、腰痛の辛さはわかります。運動で膝を痛めた時には歩き方を忘れて"どうやって歩いていたんだろう"って…普段当たり前のように出来ていたことができなくなつて、改めてそれは決して当たり前のことではないんだなぁ…と思い知らされました。健康でいられることに感謝ですよね
品行方正さんは周りの方々にサポートされて、無事手術を受けることができてよかった。腰痛から癌を発見でき、しかも転移もなく…色々な幸運が重なったんですね
きっと文章には書ききれないくらいの苦労があったのだと思いますが、今また淡水で暮らせていて本当に良かった
どうぞこれからも無理せず、お体ご自愛ください
淡水にはまだ行ったことがないのですが、美しい夕陽を見に行きたくなりました^ ^
- 品行方正さん からの返信 2019/10/15 10:25:51
- Re: 初めまして
- 有り難うございます。
旅行記を拝見していると飲食店やショップに関する知識の豊富さとその行動力に驚かされます。
さすが一人旅の達人ですね。
当方は住んでいると言っても好きな事をしてボ~っとしてるだけなので、満載の情報を好奇の目で拝読させてもらっています。
美味しい店などは是非参考にしたいとおもいます。
これを機会に是非宜しく・・
-
- jaymayさん 2019/07/16 00:44:21
- 美しすぎる写真
- 台湾にはまり、行きたいところが尽きないのでまだまだ通いそうです。ガイドブックは期待外れが多いので皆さんの4トラの台湾旅行記を大いに参考にさせていただいています。
品行方正さんの旅行記(滞在記)も発見し、まず写真の素晴らしさに驚きました!飛んでいる鳥のアップや淡水の夕焼けなんて、びっくり。プロの方だろうか?と思いましたよ。
大変な病気でしたね。どうぞご自愛ください。
また台湾にお戻りのようですが、ご無理をされませんように。
楽しいご滞在を!
- 品行方正さん からの返信 2019/07/16 09:05:33
- Re: 美しすぎる写真
- ご丁寧に有り難うございます。
暇つぶしを兼ねて写真を撮って遊んでますが過大すぎる評価には恐縮してしまいます。
最近では台湾で生活している事自体をウッカリ忘れていたりします。
全てにおいてアバウトな性格のせいか感覚的に異国で生活してるという意識があまり有りません。
そんな訳でもう暫く台湾に居続ける予感です。
これを機会にどうぞ宜しくお願いします。
台湾、イイですよぉ~・・・
-
- みーしゃさん 2018/12/08 00:24:06
- どうかどうかお大事に
- 品行方正さま
たぶん、コメントは、はじめましてだと思います。
みーしゃと申します。よろしくお願いいたします。
お会いしたことはないのですが、まぁちゃんさんや
台湾がお好きな4トラベラーの方々の旅行記をよく拝読している者です。
このたびは大変でしたね。
結果、再び淡水に戻られて美しい夕日と共に生活が始まられたようで何よりです。でもカメラを抱えて基隆?バスに揺られて?・・・どうかどうかお大事になさってくださいませ。一病息災です。せっかく台湾生活を再開されたのですから、余り飛ばしすぎずに、それこそ台湾時間(?)で、ゆる~く、ゆる~くで(汗)。
淡水の美しい夕日を拝見したら、久しぶりに訪れてみたくなりました。
朝の来ない夜はない、と申しますが、今回の、品行方正さまの一大事ストーリーは、まさに、朝がきた印象です。これからの淡水生活がより楽しく充実したものになるよう日本の空の下から応援していますー。
- 品行方正さん からの返信 2018/12/08 10:41:12
- Re: どうかどうかお大事に
- みーしゃさん、有り難うございます。
そろそろリハビリを兼ねてあちこちに行き始めています。
淡水から基隆へはバスだと2時間位かかりますので暇つぶしには絶好です。
始発だから座れるし途中の北海岸の風景もなかなかのものです。
運が良ければクルーズ船や上空の鷹の写真もゲットできます。
せっかくの淡水ですが最近ガスってる日が多く、ちょっとガッカリです。
これを機会に今後ともヨロシクです・・
品行方正
- 品行方正さん からの返信 2018/12/08 11:22:16
- Re: どうかどうかお大事に
- みーしゃさん、またまたの失礼です。
どうでも良い事ですが基隆へのバス旅はどちらで情報を・・?
もしや別の接点が或るのかとおもい気になった次第です。
もし、宜しければ・・
品行方正
- みーしゃさん からの返信 2018/12/08 11:25:31
- Re: どうかどうかお大事に
- 品行方正さま
バス旅のことは、この旅行記の記事にあるコメント欄で
他の方へのご返信で仰っていたので分かりましたよ~。
腰痛には長時間バスに座るのは大丈夫ですか?
台北のバスは椅子のタイプによっては滑ったり(汗)
スピードによっては踏ん張ったりすることもありますよね。
バス愛好者の私も時折、よろめいております。
取り急ぎご返信まで。
これからもよろしくお願いいたします。
- 品行方正さん からの返信 2018/12/08 13:45:22
- Re: どうかどうかお大事に
- みーしゃさん
大変失礼しました・・(汗)
品行方正
-
- yamayuriさん 2018/12/04 16:47:52
- 品行方正さん、はじめまして。
- 驚きました・・・
腰痛は侮れません。
私も、椎間板ヘルニアで入院をしていますので
腰痛もちですが、今のところ
合う整体師さんが見つかり、
なんとか元気にしています。
台湾は、親日家が多いので救われましたね。
その上、癌まで見つかってしまうとは・・・
でも、無事手術できて幸いでしたね。
淡水の夕日、本当に綺麗です。
どうぞお大事になさってください。
そして、軟骨が無くなるまで無理をなさらないでください。
あせらず、大腸とお付き合いくださいね。
きっと、あんな日もあったなと
思い出せる日が来ることと思います。
yamahyuri2001
- 品行方正さん からの返信 2018/12/05 00:55:48
- Re: 品行方正さん、はじめまして。
- yamayuri2001さん、有り難うございます。
患部の二つの骨太がくっついて完全に一つになれば最終形だそうですが、今のところ微妙な痛みを引きずりながらの日常生活です。
やや不自由ながらも歩行はできるので、カメラを背負ってあちこちに出掛け始めています。
排便の調性も何とかできるようになったみたいです。
基隆から淡水までの約2時間のバス旅に術後初めて挑戦してみました。
ヘルニアも大変辛いそうですが、どうぞご自愛下さい。
ハワイの旅行記、拝見しました。
羨ましい限りです・・
品行方正
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