2018年9月　中国東北　瀋陽、長春　満州国の痕跡を訪ねて　No.2

2018/09/25 - 2018/09/28

もともと近代史に興味がありました。
最近映画ラストエンペラーを見て
旧満州国へ行きたいという思いが強くなり
ついに一人で突入してきました。
旧満州国の遺産、現在の中国の発展、複雑な対日感情も垣間見れて
すごく勉強になる旅でした。

3日目：旧関東軍司令部、満州国政府の建物、偽満皇宮博物院
　　　 長春駅から高速鉄道で瀋陽駅へ　ルメリディアン瀋陽和平　泊
4日目：NH926　瀋陽→成田　


前→https://4travel.jp/travelogue/11408054

エリア 長春(中国)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 3.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: タクシー 徒歩 飛行機
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝6時前に起床
6時30分に出発。まずは旧関東軍司令部を見に行きます
ホテルから徒歩で15分くらい
突如周囲から明らかに異質な威圧感を放つ建物が出現します。
まさに日本の城そのもの。

朝早いのに武装警察が多数かなり警備が厳重です。
大きな道路越しに眺めつつスマホで写真撮影。
写真を撮ると怒鳴られて写真を消させられるということで
かなり緊張し手が震えました、、、

アップで。スマホじゃこれが限界
本当はいいカメラで撮りたかったがこの警備じゃ無理
門の脇に警備員がいるんだが写真には写ってないどういうことだ・・・

斜めの角度から
これほど日本らしいデザインの建築物を
未だに保存してくれている中国に感謝感謝
非常に貴重です
韓国ならぶっ壊されてましたね
歴史を残すっていうのは非常に大事です
例えそれが負の歴史でも

関東軍司令部　満州国時代

続いてすぐ近くにある旧関東軍司令官邸
今は松苑賓館というホテルになっています
松林の中にあるお屋敷です。
逆光でうまく撮影できなかった、、、
こちらも雰囲気があるホテルです。

吉林省松苑賓館 ホテル

満州国時代の関東軍司令部官邸

シャングリラホテル方面へ歩いていくと
工事現場の奥に日本式の建物
東本願寺別院です。
取り壊されるかもという情報でしたが残ってました。
ひょっとしたら保存してくれるのかな？
中国のど真ん中に日本式寺がある。関東軍司令部もそうだけど不思議な感覚
この地がかつて日本の勢力範囲だったことを思い起こさせてくれます

北安路793

かつての東本願寺

人民大街という大きな道路にでました
奥に旧東京海上新京ビル
また逆光・・・

人民大街1810

東京海上ビル満州国時代
今は塔がなくなっていますね

人民大街を南へ進む途中で右折
重?路に入ります。
豊楽座という劇場の跡です

重?路977

豊楽座　
満州国時代
ほぼ昔のまま

人民大街へ戻り南下し人民広場へ到達
旧満州中央銀行本店
神殿みたいな壮大な建物
いまも中国人民銀行という銀行です
現金輸送車がいっぱいあり武装警察の車が多数あり
写真撮るとき緊張しました・・・

満州国時代の満州中央銀行本店

人民広場の中央には飛行機のモニュメント
ソ連軍のものかな？
ソ連軍が称えられているのは複雑になる
ソ連もロシア帝国時代に中国を植民地化しようとしたり
満州事変以前に利権を巡って中国に攻め込んだりしているし
決して正義のヒーローじゃない。
しかし悪の日本を追い出したということで過去の悪行もすべて無罪になっています

旧満州電信電話株式会社
現在も中国?通という通信系の会社が入っています

満州国時代の満州電信電話株式会社

シャングリラホテルまで戻ってきました
すでにかなり披露
2時間弱ほど歩きました・・・

シャングリラは長春で一番いいホテルですが
値段は1泊11000円程度でした。（朝食なし）

Shangri-La Changchun ホテル

腹が減ったので1階のビュッフェで朝食です
部屋番号を言って席に通された後に
何やら申し訳なさそうに何か言ってくる
英語が微妙な若い人だったのでスマホ翻訳を使うと
朝食がつかないプランだとか
金払うと伝えたらOKと
デポジット払ってるんだから勝手に引いてくれりゃいいのに・・・
2200円くらいでした

あまり日本にはないメニューがたくさん
色んな種類の蒸し芋や

蒸し餃子やマントウ

この餃子がピリ辛ですごく美味しかった

12時チェックアウトなので荷物はそのままにして
タクシーで南湖公園に移動します
チェックアウト時間が遅いのは非常にありがたい


入るとすぐに長春開放記念碑があります
すぐ近くて音楽をかけて踊る人民達

長春開放記念碑は国共内戦で
長春を共産党が国民党から「解放」したことを記念に建てられました。
すぐ前に模造の黄色い花輪が備えられています

1948年10月19日　長春陥落の日付が刻まれています。

中国人にはあまり知られていませんが
長春包囲戦では凄惨な兵糧攻めが行われました
飢えに苦しみ脱出しようとする民衆を共産党軍は追い払い
飢餓を起こして国民党軍を追い詰め降伏させました。
この戦いで20～30万人という罪のない人が飢え死にしました。
そのことを中国政府は人民に教えていません。
この死者数は中国政府の主張する南京大虐殺の死者数に匹敵します。

俺は日本は過去の歴史を当然直視すべきだと思うが
中国共産党も歴史を直視しなければならないと
そう思う
過去を反省し無念のうちに死んでいった人たちのことを考え
同じ過ちを繰り返さないためには・・・

あの花輪は犠牲者への鎮魂の意味がこめられているのだろうか・・・

南湖公園
日本が作った人造湖を中心とした公園
メチャクチャ広いです
人民達の憩いの場になっていました

南湖公園のすぐ近くにある
旧満州国綜合法衛部です。
今は人民解放軍の病院になっています
軍事管理区域とかいう看板があったので緊張しました
また逆光・・・

自由大路108

南湖公園の前の新民広場をぐるっと回り
新民大街へ入ります。
ここは満州国の政庁が集まっていた場所です

まずは旧満州国交通部
現吉林大学白求恩医学部公共?生学院

新民大街1163

旧満州国経済部
現吉林大学白求恩第三医院


新民大街829

経済部の道路を挟んで向かいに旧満州国司法部
どの建物も中国と日本の様式がミックスされています

新民大街828

満州国時代の司法部

左手にタワーが見えました
吉林省広播電子塔というそうな
東京タワー的なものか

旧満州国国務院です
日本の国会議事堂に似た本当に見事な建物
前の像は中国共産党に協力し活躍したカナダ人医師、べチューンの像
中国名の白求恩の名はあちこちの医療系大学の建物につけられています

本当に立派な建物
日本の満州国に対する本気具合が感じられます。
現在は吉林大学白求恩医学院教学楼
満州国の官庁のトップは満人と言われた現地人でしたが
実質的に職務を取り仕切るのは日本人官僚であり
ほとんど名ばかりのトップだったそうです
五族協和の理想とはほど遠い現実でした、、、

満州国時代の国務院

国務院の向かいには旧満州国軍事部があります
こちらも和中折衷の見事な建物
現在吉林大学第一医院

国務院、軍事部、関東軍司令部は別格に見ごたえがある建物です。！

しかし病院の入り口なのにタバコをふかす患者の多いこと多いこと
中国の喫煙事情はかなり深刻です

新民大街が終わり解放大路に合流します
解放大路を渡ると文化広場
満州国皇帝の新皇居予定地だった場所です
宮殿は日本の戦況悪化で物資不足で工事中止になっていたのを
中国政府が引き継ぎ完成させました現在は吉林大学地質宮です。
工事中

上空に戦闘機！？

凧です
文化広場ではたくさんの人が凧あげに興じています

クオリティの低いドラえもんのパチモンの凧

文化広場から歩いて15分ほど
吉林大学内にある日本神武殿跡です
これは純和式の建造物

神武殿の前では
青龍刀を持ったおばさんたちが
舞っている。中国の健康法？

人民大街へ出て少し南へ
旧満州国民生部

現在は吉林省の石油化工研究院


人民大街3623

道路を挟んで旧満州国勤労部
現在は銀行です

人民大街3518

勤労部　満州国時代


歩いてホテルまで帰りました
途中満州協和会中央本部跡を見ましたが
解体され駐車場になっていました・・・
3時間歩き続けて足はボロボロです
かかとが靴擦れして血がにじんでいました
コンビニが全然なく飲み物に困りました
途中ボロい個人商店でコーラを買いましたが
ウィーチャットペイが使えました
本当にキャッシュレス化が進んでいます

満州国外交部も一応場所を調べていましたが
離れているので行けませんでした
建?街1122にあります

少し休んで12時にチェックアウト
ホテルの前ですぐにタクシーを拾え
長春観光のメイン、偽満皇宮博物院へ向かいました
20分強くらいでつきました
ラストエンペラー溥儀の仮の宮殿です
新宮殿は完成しませんでしたので
溥儀が皇帝として過ごしたのはここになります
仮といっても豪華絢爛

入口

偽満皇宮博物院 博物館・美術館・ギャラリー

満州国の紋章

正門です
ラストエンペラーで溥儀が関東軍に連れていかれる
婉容を追いかけていったときに閉められた門ですね

この奥でチケットチェックがありますが
ここまでに売り場がありませんでした。

聞くと入口の後ろ手のインフォメーションセンターの中にあると
わかりずらいよ・・・
戻ってチケットを購入80元　当然パスポート提出
気を取り直して入場

正式なルートは馬場をぐるりと回っていくものでしたが
確認せずに進んでしまったのでそのあたりはスルーしてしまいました
既に疲労困憊で注意力も失われています

最初にメインの建物３つのうちの１つ、同徳殿を見学しました
溥儀の御所として日本人が建てましたが
盗聴を恐れた溥儀は使用しなかったと
お互いを信用しない日本人と溥儀
名ばかりの日満一体

ラストエンペラーで舞踏会が開かれていたホールです。
綺麗ですね。。。

ホールを上から

溥儀の3人目の側室　李玉琴の寝室
もともとは正妻婉容のために設計されたが
李玉琴にあてがわれたとか
溥儀と婉容は不仲だったとはいえ
当時の礼儀からしても異例だったとか


日本語の説明がありありがたい

李玉琴の居間
ピンクを基調にしたかわいい部屋

溥儀の寝室
盗聴を恐れ実際には使用しなかったと

同徳殿から通路を通り懐遠楼に入りました
奉祖殿

溥儀は清朝復興のことを片時も忘れず
祖先を祭り祭祀を行ったと

先祖を大事にしていたんですね。
国民党が清朝の陵墓を略奪したことへの怒りが
清朝復活をかけた満州国皇帝への道へつながっていきます

歴代皇帝の肖像画が祀られていました

溥儀の使用していた車

満州国皇帝の押印

幼い皇帝と壊れた権威

祭祀に使った衣装

溥儀の辮髪と眼鏡
貴重な品々が展示されています

メインの建物２つめ
勤民楼
執務に使われました

賜宴殿


重要な祝日、式典の後に日本や満州国高官との宴会をしたところ
政務や御前会議に使用したこともあると

煌びやかな部屋

勤民殿

別名正殿
溥儀が儀式を行い日本や満州国の高官と謁見し
任命状を授与する場所

緝煕楼
メイン3つの建物3つ目
溥儀の生活の場

少し前まであった江沢民の9.18を忘れるなと書いた石碑は撤去されている
ありがたい。
この場に恨みつらみが込められた碑はふさわしくない
何度も言いますが江沢民は大嫌いです

溥儀の寝室
溥儀は新京にいる間ずっとここで寝ていた

溥儀は遅く眠り晩く起き
一年中掛布団の代わりにタオルケットをかける

溥儀の書斎

溥儀が読書や習字をしたところ
満州国中後期溥儀は自分が傀儡であることに気づき
執務に意欲を失った

婉容の寝室

婉容は溥儀との結婚後一度もベッドを共にしたことがない
正常な女性として長期の寂しさと空虚の中で
溥儀の侍従と密通し子供を儲けてしまった。
生まれた子供はすぐにボイラーに入れられ殺された。
婉容はその後精神を完全に病んでしまった

婉容の客室

皇后の地位にもかかわらず
誰も訪れることのない客間
哀しい

婉容の吸引室

孤独と空虚さから婉容あアヘンに溺れ
精神分裂病にかかったと

以前は人形があったようですが撤去されていますね

薄幸の美女ですね・・・
皇帝の妻になんてならなければ別の人生を歩んでいただろうに
西洋の教育を受けた淑女だったそうです

アヘン中毒になり廃人同然となり
共産党軍に捕まって各地を転々としたのち
利用価値なしと放置され孤独に死んでいきました・・・

溥儀のための漢方薬を貯蔵した部屋

散髪室
日本人の専属理髪師がいたそうです
この他にも様々な部屋があり紹介しきれません・・・

外に出ますプールの跡
東北陥落陳列館は改装工事中で休館中でした
また大掛かりな反日展示が始まるのだろうか・・・

建国神廟跡

天照大御神を祀った神殿があったとのこと
関東軍が撤退するときに燃やしました

偽満皇宮博物館は思った以上に見ごたえ抜群です
午前中に歩きすぎて体力の限界を超えていたので
少し流していきましたが2時間じゃ全然足りません

多くの日本人に是非一度訪れてほしい場所です

最初のインフォメーションセンターで同徳殿のキーホルダーを買いました。
客待ちのタクシーがおり長春駅へ向かいます

長春駅の巨大な駅舎です
満州国時代の駅舎は壊されてありません。
駅前はずっと工事中です。すさまじい交通量

駅前に旧新京ヤマトホテルがあります。
現在は春誼賓館
奉天ヤマトホテルと比べて内装は改装のため失われているそうです

溥儀の弟溥傑と嵯峨浩夫妻がここのレストランに足しげく通ったそうです
李香蘭もここで歌いました

満州国時代の新京ヤマトホテル

すぐ近くに旧満鉄新京支社

満州国時代の満鉄新京支社

もともとは長春西駅発の高速鉄道を予約していましたが
予想以上に長春西駅が中心部から離れていたため
長春駅発の電車に変えました
Ctripは1回無料で変更できます。
1か月前に売り切れだらけで
人気がない長春西駅発しかとれなかったのですが
前日に確認すると空席が多量に出ていました。
切符売り場でスマホで予約番号とパスポートを見せ難なく切符ゲット
身分確認、荷物検査をへて待合室に
1回乗ったのでもう要領がわかっていて楽です

15分ほど前に改札が開きホームへ
向こう側のホームにCRH5Aがいます
フランスTGVがもとになったそうです
かっこいい

乗った車両は行きと同じCRH3型でした
先頭車両かなり汚れていたので写真は割愛

帰りは1等車です新幹線で言うグリーン車かな
席は２－２です。3200円ほど
乗りごごちは新幹線と変わりません

定時性、乗り心地とも何の問題もありませんでした。

日本人は中国高速鉄道のことをパクリだと馬鹿にして
温州での事故のことをいつまでも言っていますが
家電やスマホで中国勢に敗北したように
なめてかかると鉄道でも負ける可能性ありますよ
敵を知り己を知らねば勝てない

綺麗な夕日

瀋陽駅に到着
綺麗にライトアップされています

ホテルはルメリディアン瀋陽和平
瀋陽駅から歩いて10分強
SPGAMEXの無料宿泊特典を使いました

ル メリディエン 瀋陽和平 ホテル

英語が通じチェックイン問題なし
エレベーターが2か所あり1つは客室までいかないというトラップにかかりました。
1階に戻って正解のエレベーターに乗ると途中でなんと
お掃除？ロボットが乗ってきました
なにやら中国語でずっとしゃべっていて勝手に降りていきました
かなり衝撃的で写真を撮れませんでした。。。
中国恐るべし

部屋に到着
最近できたホテルなのでメチャクチャ綺麗です
風呂場も広く言うことなし！

最近泊まったホテルでNo１です

2時間ほど休憩して
瀋陽駅近くのウォルマートでお土産のお菓子類を購入
中国限定のプリッツやポッキーなど
同じ建物にあるマクドナルドで夕食にしました。
海外旅行では1回はマクドナルドに行って限定メニューを食べます
オーストラリアと同じくタッチパネルで注文できます。
手間取っていると店員の女の子が助けてくれました
ありがたい。みんな意外と親切です

不素之霸という中国限定のダブルソーセージバーガーと
ナゲットを頼みました。
パンが厚めで普通のと少し違います。美味しい！
ナゲットは日本より少しパサパサしています
ソースは舐酸醤という味しかなかったです
あんまり味がしないなあ

海外旅行で日本と違うメニューを食べるのは楽しいですね
満足してホテルへ

途中繁華街の真ん中に1人カラオケボックスを見つけました
結構使われてました。
こんなの日本じゃ見たことない
面白い

朝7時にチェックアウト
タクシーを拾ってもらい
空港へ100元　相場80元だから少し高いがまあ許容内
瀋陽空港は最近リニューアルされて綺麗です
国内線国際線同じターミナルで入って左手が国際線
韓国や台湾などアジア線がほとんどですね

手荷物検査がかなり厳重でした
NH926　エアバスA320neo
搭乗前に並んでいると日本人の会社員の人が話をしていた
中国にきて初めて日本語を聞いた・・・少しほっとした

機内食はシーフードカレーか親子丼かとのこと
行きと同じカレーにしました。
美味しい　JAL完全に負けとる
俺JAL派だけど・・・

無事成田へ到着し帰宅しました

非常に有意義で勉強になる旅でした
中国への印象も行く前から比べるといい方に変わりました

また別の街にいってみたいな


稚拙な文章の旅行記ですが
見ていただきありがとうございました