2018/04/22 - 2018/04/22
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つるのたまごさん
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※2020.5改定 追記しました※
参考HP→徒歩進香[巡礼]https://balbaltan.hateblo.jp/
参考図書→図解 台湾迎媽祖 晨星出版 2014
媽祖巡行を進香団に変更、内容も一部訂正してます。
2018大甲媽祖遶境進香の最終日に行ってきたレポートです。
勝手に付いてきた日本人を暖かく見守って下さった大甲媽祖遶境進香の皆様、親切にガイドしてくれた二人の学生さん、そして天上聖母のご加護に感謝申し上げます。
道教の女神、媽祖(まそ。船舶の安全を守る航海の女神で、台湾で数多くの信者を有している)の誕生日(毎年旧暦の3月23日)を祝う台湾で最大規模の宗教イベントで、100年以上の歴史を持つ。
毎年この時期には媽祖の生誕を祝うさまざまなイベントが台湾各地で催されるが、台中県大甲鎮にある鎮瀾宮で行われる媽祖巡行はその中でも最大規模のもの。
毎年旧暦1月15日の元宵節の夜に神意を伺って巡行の日程を決め(ということはつまり、毎年旧暦1月15日になるまでその年のイベントの日取りがわからない)、旧暦3月中の8日間かけて媽祖の乗った神輿が徒歩で台湾中部から南部の各地をまわる(「八天七夜」。起点と終点となる鎮瀾宮での滞在は日数にカウントしないらしい)。
2018年の日程は4月13日深夜から4月22日まで。巡礼のコースは毎年同じで、台湾で最も有名な媽祖廟である台中県大甲鎮の鎮瀾宮を出発し、彰化県、雲林県と少しずつうねるように南下しながら、最終目的地である嘉義県新港郷の媽祖廟、奉天宮を目指した後、再び北上してスタート地点の鎮瀾宮に戻ってくる。巡行の距離は全長で320キロもある(wikitravelより抜粋)
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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朝の台中駅です。
台中から大甲行きの臨時列車に乗ります。 -
台中港で下車します。
大甲媽祖遶境進香に参加する人たちがたくさん下りてます。 -
駅の外にはこんな大きなテントが。ここで参加者が休んだりしてました。
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道に出るとすぐに、進香団を先導する車が大音量の音楽を流しながら現れました。
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げげげーーーー。
とんでもない量の爆竹が用意されてます。
ここから爆竹は当たり前になっていきます。
媽祖が通る前に、たくさんの爆竹を鳴らして通り道を清めてる感じもします。 -
媽祖が通る家の前では紙で出来たお金を大量に燃やし、媽祖にお供えします。
【追記:紙で出来たお金を「金紙」という】 -
その他果物などのお供え物と、日本とは異なる、長くて太い線香を持って媽祖を待ち構えます。
【追記:金紙を焼きながら、線香を手に家族の健康や平安など媽祖の庇護をお祈りすることを「擺香案」と呼ぶそうです】
[道教巡礼]大甲媽祖遶境進香 完全攻略より
https://balbaltan.hateblo.jp/entry/20180909/1536474709 -
この丸い担ぎ物が見えると媽祖が乗った神輿が来る合図です。
この丸い担ぎ物は常にくるくる回っており、交代で人がまわしながら歩いています
これは「涼傘」といって、神様の到来を知らせ、悪霊を追い払う役割を担うものだそうです。 -
ピピピピピーーーーと笛が鳴らされると人々が2列に並びます。
そしてみんな背を丸くし、地面にしゃがみこむ体勢になりました。 -
その人々の背中の上を媽祖の神輿が跨いでいきます。
これは「鑽轎脚」と呼ばれ、これによって媽祖の加護を得られるそうです。
参加者の多くはこれが目的のようでした。
(台湾宗教百景より)
https://www.taiwangods.com/html/landscape_jp/1_0011.aspx?i=39 -
媽祖の神輿は大勢の人たちに囲まれ、あっという間に過ぎていきました。
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そしてその媽祖を追っかける車やバイクの一団も一斉に通り過ぎていきます。
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そして救急車。。。
この祭りは9日間かけて行われる過酷なお祭りの為、最終日ともなると体調不良の方も多くなるのでしょうか。 -
さて、このお祭りではこうしたテントの下では無料で食事やら飲み物が祭りの参加者にふるまわれます。
【追記:こうした形式の食事を「流水席」というそうです】
[道教巡礼]大甲媽祖遶境進香 完全攻略より
https://balbaltan.hateblo.jp/entry/20180909/1536474709 -
甲南湄安宮でお食事を頂きました。お肉とお野菜たっぷりの麺で、とても美味しいです!
こうした食事がふつうに美味しいところが、台湾の食レベルの高さを感じます。 -
この搾りたてのオレンジジュースがおいしかったです。
ありがとうございました。
お礼としてお気持ち代を甲南湄安宮へ御納めしました。 -
さて、祭りでは媽祖はいろんな各地の廟に立ち寄っていきます。
そのうちの一か所、甲南湄安宮での儀式の様子をレポートします。
この張り紙は今回の天上聖母(媽祖)が甲南湄安宮へ来るお知らせです(農歴表示です)
【追記:張り紙は「香條」と呼ばれるそうです】
[道教巡礼]大甲媽祖遶境進香 完全攻略より
https://balbaltan.hateblo.jp/entry/20180909/1536474709 -
まずは彩牌とよばれる、文字が書かれた看板がついた棒を持つカーキの服を着た人たちが、2列で並んで廟へ来ます。
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次は武器がついた槍のようなものも登場しました。
彼らは三十六執士隊と呼ばれ、主に行進中に喪中の家を通りかかった際、道を遮る邪悪な悪魔や無実の罪を媽祖に訴える亡霊を退けるために媽祖の神輿を囲んで護衛する役割があります。
(台湾宗教百景より)
https://www.taiwangods.com/html/landscape_jp/1_0011.aspx?i=39 -
彼らが去ると、今度は迎える廟側が媽祖を出迎えに行く準備を始めます。
この媽祖を出迎えに行くというのが驚きでした。
あまり日本の祭りでは聞いたことがないような。。。 -
先頭にはお香をもった人。
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そして花かごを担いだ女性たちが、笛と扇子をもったお姉さんを先頭にして歩きます。
この花かごを上下に揺らすのがポイントです。 -
では一列になって出発~!!!
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しばらくして花かご隊が戻ってきました。
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到着!
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脱帽して右足を軽く後ろへ叩き、敬礼。
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すると先頭の軽快な笛と扇子をもったお姉さんが先導し、花かご隊が回り始めました。
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花かごにはゴムがついており、動くたびに花かごが大きく上下します。
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するとお香を持ったお兄さんが、大きくお香を振りながら媽祖を連れてきました。
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涼傘が到着
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そうして媽祖の神輿が現れました。
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媽祖も無事に到着!
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これで一段落。。。と思いきや媽祖の神輿は左へ行ったり。。。
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右にと大きく神輿を動かし、上下にも揺らします。
まるで媽祖が酔っているかのような動きです。
【追記:これは「[足采]大小禮」と呼ばれる神様の挨拶方法。真ん中で一回屈み、左に三歩進んで屈み、さらに右に5歩進んで屈み、最後に真ん中で一回屈む。大甲鎮瀾宮だけにみられる独特な挨拶とのこと】
図解 台湾迎媽祖 P111より -
揺らし終えると、今度は90度神輿を回転させ。。
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鎮座し、式典が始まります。
一通りの拝拝を行います。 -
終えるとすぐに出発!
滞在時間約5分!
媽祖はお忙しいのねぇ~と思わずにはおれないほど、
余韻もなくさっさと旅立たれます。 -
そしてすぐさまこの光景が始まります。
湄安宮のみなさまは無事に跨がれたのかな?
湄安宮のレポートは以上です。 -
進香団が通った後には、赤い模様が道路一面に広がっています。
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そして進香団がゴールの大甲に向うにつれ、どんどん人が増えていきました。
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祭りの最終日とはいえ、みんなの疲れもピーク。
どんなトラブルだったのかはわかりませんが、喧嘩するシーンを目撃。
大きな怪我にならなくてよかったです。 -
人間のトラブルはいざ知らず、祭りは何事もなく進んでいきます。
次の廟からの出迎え団がやってきました。 -
おお。派手なお出ましだなぁ。
先頭は哪[口乇](なたく)と呼ばれる少年神でしょうか?
【追記:訂正→中壇元帥という道教の神様。名前は哪[口乇]】
[道教巡礼期] 進香期レポートより
https://balbaltan.hateblo.jp/entry/20181020/1540030500
後ろは千里眼と順風耳と思われます。 -
千里眼のアップです。
立派です。 -
ゴールの大甲区に入った橋の上で、ド派手なスモークと花火が上がりました。
媽祖の帰りを歓迎しています。 -
こんなお色気美女まで登場し、媽祖を喜ばせようとしています。
とにかく媽祖には派手でやかましいのが好まれるようです。
【追記:この女性たちは「辣妹」(ラーメイ)と呼ばれているそうです】
[台湾巡礼]進香とは より
https://balbaltan.hateblo.jp/entry/20180909/1536474651 -
人が増えてきたこともあり、媽祖の神輿に付くのが難しくなってきました。
そこで媽祖の先回りをする執士隊のみなさんの後をついていくことにしました。
ここで親切な台湾の学生二人とも知り合いました。
一人がこの祭りについていろいろレクチャーしてくれました。 -
彼らは廟に到着すると、2列に並び、持っている武器を上から下に振りおろし、挨拶を行います。(挨拶?邪気を払うのかな?)
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大音量を流しながら進香団を先導する車と執士隊のみなさん
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お祭りは9日間続くので、医療スタッフも一緒に同行し、関係者の安全をサポートしています。
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執士隊のみなさんが持つ武器にはそれぞれ意味があるのですが、
「手」のものも。
この「手」の棒は文昌筆と呼ばれ、学生や子供には触れることが出来ます。
またこの「手」に自分が使っている筆記具を触れてもらうとご利益があるそうです。
知の神様、みたいな感じでしょうか? -
ちょっとわかりにくいのですが、真ん中の黒い帽子の人が右手に黒いペンケースを持ち、文昌筆に付けている瞬間です。
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媽祖の神輿は鑽轎脚を行うためか、進むのにめちゃくちゃ時間がかかり、なかなか来ません。
その合間、執士隊のみなさんはお疲れにもかかわらず、気軽に写真撮影に応じたりしています。
また、休憩後に再び槍を持つ際には、媽祖の神輿の方を向いて一礼し敬意を示す人もいて、高いプライドを持ってこの祭りに臨んでいることがわかります。
彼らはヒーローです。 -
日が傾き、花火が上がりました。
ゴールの大甲鎮瀾宮に媽祖が近づいてきています。 -
ようやく神輿が追いつきました。
写真にはありませんが、ここで大甲鎮瀾宮側の出迎え団とも合流します
【追記:訂正→大甲鎮瀾宮の先陣隊と合流】 -
さぁ媽祖の神輿と合流し、ゴールの鎮瀾宮へと向かいます!
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左の白煙は火事ではありません。爆竹です。
こんな狭い街中でもお構いなく、爆竹を焚きます。
どんどん間近で焚かれるようになってきます。 -
ここからはラッパ隊が「ぶぉー→」「ぶぉー↑」「ぶおー→」と3つの音を繰り返し吹き、媽祖を導きます。
【追記:哨角隊と呼ばれ、音で神輿を邪気から守っているそうです】
[道教巡礼]大甲媽祖遶境進香 完全攻略より
https://balbaltan.hateblo.jp/entry/20180909/1536474709 -
ラッパ隊の先頭には、小さくて頼もしい子が居ました。
【追記:訂正→哨角隊】 -
ここが最前列のようですが。。。
【追記:訂正→哨角隊の最前列】 -
媽祖のゴールを邪魔するかのように、目の前で大量の爆竹が焚かれ、なかなか進みません。
-
すぐにこのありさま。
ここまでくると麻痺してきて恐怖も慣れてきます。 -
鎮瀾宮の中心部に差し掛かってきて祭りはクライマックスに。
こんなお人形さんたちも登場。これは子供が演じているそうです。
【追記:これは「藝閣」と呼ばれるそうです。北港朝天宮のものが有名】
[爆竹祭り]北港媽祖遶境 完全攻略より
https://balbaltan.hateblo.jp/entry/20180909/1536474761 -
三十六執士隊の後を数時間歩き、ゴールに近づく高揚感を、私も味わいながら進んで行きます。
街にあふれる数万人の観客の眼差し、大音量の音楽、媽祖を呼ぶラッパの音、鳴り止まない爆竹、すぐ目の前で上がる花火。
・・もしも天国があるのなら、こんな賑やかな場所の方が楽しそうだ。
私は生きていながら天国を見たのかもしれない。
そんな不思議な気持ちだった。 -
残念ながら媽祖が鎮瀾宮に入る瞬間は、時間オーバーで見届けることはできなかった。(なんせ予定より5時間以上オーバー)
親切にしてくれた学生の女の子に、
あなたはなぜ媽祖を信仰するのですか?と聞いてみた。
今思えば大変失礼な質問かもしれない。
彼女は「海のある土地に生まれた人は誰でも信仰するものなのです」と。
台湾も日本も島国で、海のある土地の方が多い。
そういえば、私の先祖もみな海のある土地に住んでいた。
私にも媽祖は遠くない先祖なのかもしれない、と思った。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- だいすけさん 2020/01/21 13:11:45
- 楽しく拝読しました!
- 貴重な体験記、楽しく拝読しました!以前、台中に住んでいたときに、大した予備知識なく大甲媽祖繞境進香に半日歩いてついて行ったことがあり、あまりの規模の大きさや神輿を潜る人の列の長さ、各地域で催されるお迎えの儀式や爆竹(ほとんど爆発ですよね)、花火に感動して言葉もありませんでした。いつかまた、夜を越えて参加してみたいな~、と思ってます。その時のための貴重な資料にもさせて頂きます!
- つるのたまごさん からの返信 2020/07/06 17:40:13
- RE: 楽しく拝読しました!
- コメントありがとうございます!お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありません。台中に住まわれてたんですね!はい、爆竹はほぼ爆発です・笑
大甲媽祖繞境進香は日本のお祭りにありがちな「決まり」を気にせずに、だれでも好きに参加できるのが魅力かなぁと思いました。私はほぼ先頭グループに同行しましたが、咎められることはありませんでした。日本人であることにはびっくりされましたが・笑。まぁ、媽祖様が懐の大きい方なのでしょう。ぜひまた参加されてくださいね!
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