刑務所なう。～けっこう楽しい♪監獄ワールド @網走

2018/08/12 - 2018/08/12

行きたい所ランキング上位に入っていた網走監獄
避暑を兼ねて網走（女満別空港）まで飛んできました

いまは博物館になっていて，監獄の歴史や囚人の日常生活などを知ることができて，楽しみながら？！勉強できました！

※今は，“囚人”とは言わず，正式には受刑者とか被収容者とか言いますが，まぁ，むかしの施設なので，分かりやすく囚人と書いています

エリア 網走(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0
• グルメ: 5.0

• 交通手段: JALグループ

女満別空港からクルマを走らすこと25分ほど，博物館「網走監獄」に到着です
観光地らしく，広い駐車場にクルマがいっぱい止まっていました

ちなみに，この”監獄”は今は使われていなくて，現役の「網走刑務所」は，網走市街地のはずれにあります

博物館網走監獄 名所・史跡

入館受付でチケット（1,080円って高～い！）を買ったら，真っすぐ登っていくと監獄の正門が見えてきました
博物館網走監獄は，丘の中腹に広がっていて，けっこうアップダウンがあります

博物館網走監獄 名所・史跡

正門前では，警備の看守さんに挨拶しましょう！？
記念撮影スポットです

博物館網走監獄 名所・史跡

正門の中には，面会人待合室があります
右の御婦人は，囚人のお袋さんですかねー？？？
で，左の紳士は誰？弁護士？

入口でもらった散策マップが便利で，番号順に歩けば，全ての施設を隈なく見て周れます
でも，わたしは，ワケがあって，3番「正門」から，いきなり14番「二見ヶ岡刑務支所」へワープ

マップを見ると，重要文化財とか登録有形文化財が目白押し！

14番「二見ヶ岡刑務支所」は，その名の通り，網走監獄の本館じゃなくて，アネックスとかサテライト的な施設で，別の場所にあったのを建物だけ移築したものです

二見ヶ岡刑務支所は，明治29年に設置されたもので，木造の刑務所としては日本最古の建物だそう
舎房の廊下，重厚で威圧感あるね～

木造とはいえ，全ての部材が頑丈な木でできてるから，簡単には脱走できそうにないです

カギも，古めかしいけど重厚

面白かったのは，この「斜め格子」という構造で，舎房にいる囚人が廊下の看守を見られないように，格子が斜めに設置されてます

さて，食堂にやって来ると，囚人たちがお食事中
囚人は，お食事中に余計なおしゃべりをすると，看守に怒られます

で，ちょうどランチタイムで腹ペコだったので，わたしも「監獄食Ａ（サンマ定食，720円）」をいただきま～す
そうなんです！ここでは，現在の網走刑務所で受刑者が食べているメニューを再現した監獄食が食べられます
お米7割・麦3割のご飯と，サンマ，春雨サラダ，切り干し大根ってシンプルだけど，カラダに良さそう～
”クサい飯”どころか，美味しくいただきました！
ちなみに，監獄食Bは，ホッケ定食

※監獄食は，ふだんは博物館入口前にある「監獄食堂」で食べられますが，夏のシーズン中は，二見ヶ岡刑務支所の食堂でしか食べられません

食べたら出る～
お食事中の方すみませんm(__)m

ここは，囚人の作業場内にあったWCです

監獄内では，WCもほぼ丸見えです（現在の刑務所は，少しはマシですので，ご安心ください！）
プライバシーだなんて，ないようなものです

舎房の一角に，脱獄した囚人の”手口”が模型で説明されてました
「脱獄しても，夏はいいけど，冬は寒くて，薄着に裸足で逃げるのも大変だろうねぇ」と想像してみました
網走監獄では，実際に脱獄に成功したつわものが数人居るそうです

外に出たら，囚人がハシゴに！すわっ，脱獄かぁ！
と思ったら，そうじゃないようです
ハシゴの上に，鳩小屋が！

ハトと言っても，なんと伝書鳩だったんです！
二見ヶ岡刑務支所では，昭和12年に電話が開通するまで，網走刑務所との通信手段に伝書鳩を使ってたそう！驚きぃ～！

二見ヶ岡刑務支所は，自給自足の言わば「農業刑務所」そうで，囚人が農作業に勤しんでました

農作業をする囚人を監視する「哨舎」
これも文化財

夏の農作業は，気持ちよさそう～
終わった後は，ビールが美味いでしょうね～！って，囚人はノンアルコール，ノースモーキングだった…

監獄の敷地内に神社！
収穫祈願・感謝などのために建てられたそう

「高見張り」も味がある～

夏の網走は，程よい暑さで快適そのもの
で，4番「庁舎」内のショップで買ったソフトクリームが美味しい～♪
後ろが，重要文化財の庁舎で，いまはショップやパネル展示がされています

さて，いよいよ網走監獄のハイライト，16番「舎房」の見学です
舎房は，5棟が放射状に広がっていて，木造行刑建築としては，世界最古で最大規模だそう

写真中央の下の方に映ってるのが，さっきソフトクリームを食べた「庁舎」

庁舎から階段を登っていくと舎房の正面入り口に着きます

入口を入ってすぐに，放射状に広がる舎房の”扇の要”的な場所に「中央見張所」があります

なるほどね～！「中央見張所」の中に入ると，5つの舎房の廊下が全て見渡せます

重厚感たっぷりですが，天窓からの光がまぶしいくらいです

博物館網走監獄 名所・史跡

この辺は，雑居房（一部屋に数人入るところ）で，実際に室内に入れます

監獄を見学してると「何年も，牢屋に収容されて，働かされて，クサい飯を食べて…酒もタバコもギャンブルもできず…まったく不自由な生活なんだねー，それに比べれば，我々は行きたいところへ旅して美味しいもの食べてetc…自由そのものじゃないかぁ！職場や家庭のストレスは，多少あるかもしれないけど，自由なんだよねー！」なんだか，現在の自分の境遇を礼賛するような気分になりました（って，囚人と比べて，どーするんだーっ）

舎房のドアの上部には「視察孔」下部には「食器口」
視察孔は，看守が廊下から舎房内を監視するための小窓です

一家団らん，って，ちゃうちゃう！
雑居房のお食事風景
「それにしても，相部屋の囚人と気が合わなかったら，たいへんだろう」と，余計な心配しちゃいました…

廊下に，ストーブ！煙突が長～い
冬は目や鼻が凍るくらいの寒さだったと，元囚人の話しが紹介されてました

どーでもいいかもしれませんが，囚人の処遇に関しては，明治41年成立の「監獄法」で定められてました
現在は，平成18年成立の「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」にリニューアルされてます
この法律や省令を読んでみると，けっこう面白いので，よっぽどヒマな方は読んでみたらいいでしょう

この辺から独居房です
この囚人は，規則違反などをしたので，”お仕置き”で正座させられています

タタミ3畳ほどの独居房
物がなくてスッキリ，広々！？

ふと上を見ると…
えーっ，脱獄？！
お茶目な展示もあります

舎房を出て，次なる施設に移動です
夏は色とりどりの花が咲きみだれ，監獄のイメージじゃなくピクニック気分♪

17番「浴場」に来ました
お風呂は，独立した建物なんですね～

脱衣所にも，もちろん看守が

お風呂場でも看守が「カラダを洗え！浴槽に浸かれ！」などと号令かけてます
「あ～いい湯だなぁ」だなんてのんきなことは，監獄ではなさそう
そういうのは，娑婆に出てからですね～

ひぇーコワ～！
背中一面にアートが描かれた兄貴が居ました…

外に出ると爽やかな気候で，「網走監獄サイコー！」って気分…

19番20番「独立型独居房」
これは「懲罰房」と言う建物です

規則違反をした囚人を”お仕置き”するために入れて，真っ暗闇に1週間重湯（おもゆ）だけの生活だそう
監獄の中の監獄で，最高レベルの”懲らしめ”ですねー
「かわいそう…」って，そんなナイーブなことは言ってられなくて，そもそも悪いことしたから監獄に居るんだし，さらに監獄規則を犯したんだから仕方ないでしょうねー

お次は，「教誨（きょうかい）堂」
お寺みたいな外観です

監獄にシャンデリア！
ここで，囚人に，えらいお坊さんが説教したりしたそうです
建前は，囚人の精神的・倫理的救済だそう
現在は，各種の監獄関係の資料が展示してありました

「閲読図書基帳」要は，囚人が読むための図書貸出簿に，わたしが好きなヘルマン・ヘッセの「郷愁」が載ってたので，嬉しくなってパチリ
でも，誰も借りた様子がないです…

監獄内に裁判所があったわけじゃなくて，この「博物館網走監獄」は，網走周辺の行刑施設や裁判所などの貴重な建物を移築したりしていて，一種の”監獄テーマパーク”みたいになってます

釧路地裁網走支部の法廷も復元されてます
この法廷は，日本で6番目に古いものだそう

10番「休泊所」と言う建物で，囚人が北海道内の道路整備作業に当たったときの仮の宿舎で，”動く監獄”と言われてました
けっこう北海道内の道路に囚人が果たした役割って大きいそう

動く監獄内では，立ったまま食事
日の丸弁当にたくあんだけって，本当に質素

丸太を枕にして寝て，朝は，丸太を叩かれると，イヤでも全員起こされるというシステム！
合理的ですが，ちょっと非人間的ですなぁ～

13番「監獄歴史館」は，監獄の歴史や囚人の生活・作業内容などについて紹介されてます

プリクラみたいに，”入獄写真”が誰でも撮れます
何だかわからないけど，自分の写真を壁に貼っていっちゃう人がたくさんいます

護送される囚人たち
リアルな歴史が見られます

「囚人身分帳」といった資料も展示されてます
こうやって人を管理したり，監視したり，食事を与えたり，作業をさせたり…って，監獄（刑務所）の仕事も大変ですなぁ

網走と言えば，健さん！
この映画のおかげで！？「網走はコワーいところ」ってイメージができちゃったようですが，実際は，のどかな街です

ここからは，現在の刑務所の舎房が特別公開！？されてます
ここでも，看守さんに一礼しましょう！？

リアルにできてます

雑居房
中央奥がトイレ
各自の本棚には，「○○辞典」や「imidas」や「日本の論点」やといった分厚い本を私物として並べる受刑者がけっこう居るそう
要は，内容を理解するよりも，”見栄”張るだけのものだそうで…

こちらは独居房
テレビ付きですよー！
わたしが，かつて泊まった安い民宿や旅館と大差ないなんてー！

お食事メニュー！
いま，網走刑務所に入ると，こういうのが食べられまーす！

ちなみに，「刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則」などに，摂取カロリーや食事の時間帯などが規定されてるそうで

ここから３食の紹介でーす
まずは，朝食
ま，朝はこれくらいで十分でしょう

つぎは昼食
う～ん，ホッケがいいですね～

たぶん夕食
こういうのを毎日食べてたら，健康でしょうね～
あの，ホリエモンもけっこうダイエットできたらしいですし

まだまだ「博物館網走監獄」には，色んな施設がありますが，この辺でやめておきます
面白いし，勉強になるから，ぜひ行ってみましょう！

というわけで，無事に出獄！

この旅行記へのコメント （1）

• 人見知りのサンタさん 2018/09/30 20:34:39

  ありがとうございました

  
  いつもありがとうございます。実は私事で恐縮なのですが日本一周のアップ終了後に、体調を崩しまた。9月27日早朝に救急搬送され、検査の結果、脳腫瘍と診断されました。明日、大学病院に転院予定になっております。まだ今は麻痺が治っている状態なので病院のベットから送信している次第です。どうぞ皆様もお身体ご自愛ください。尚、この書き込みには返信は無用でお願い致します。また4トラでお会い出来る日を楽しみにしております。
  人見知りのサンタ