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聖徳太子といえば,奈良県斑鳩町にある法隆寺を連想するのがほとんとだと思います。しかし,愛馬黒駒に乗り,全国津々浦々を周った伝承をもつ聖徳太子。兵庫県にも聖徳太子の伝承が残る場所があるのです。そんな兵庫県の聖徳太子ゆかりの地をいくつか今回は観てきました。<br /><br />まずは,太子町(この町名自体がもう聖徳太子と関わりがありそうです)にある斑鳩寺です。ここは古来に法隆寺が治める荘園だったらしく,その故があり法隆寺の別院として斑鳩寺が創建されたそうです。歴史的には非常に古いものがあり,現在も山号及び院号はなく,斑鳩寺が正式な名称のようです。さて,ここには重文の仏像たちが安置されている宝物殿があります。こちらも見ごたえがありますが,聖徳殿とよばれるお堂の本尊である聖徳太子像がなかなか興味深いです。このお像はどこを探しても写真は見つけられません。それほどこのお寺にとっては重要な像のようですが,事前に電話で予約をしておくと,お厨子を開けてみせていただけます。何とも不思議な聖徳太子像でした。よく見る二歳像ではなく,一六歳の聖徳太子像なのですが,大きさも威厳もこのお寺が大切にしているのがよく分かるそんな仏像です。写真では観ることができないので,ぜひ予約をして直接見てもらえればと思います。<br /><br />次に加古川市にある鶴林寺に向かいました。ここは本堂及び太子堂が国宝です。太子堂というお堂があることで分かるかと思いますが,このお寺も聖徳太子ゆかりの寺です。聖徳太子が,この地にいた恵便という僧のために建立した寺院が基のようです。先述した2棟の国宝以外にも多くの重要文化財を有する兵庫県でも屈指の古刹,名刹です。本堂は折衷様を代表するお堂で,それはそれは立派です。その隣にある太子堂は数少ない平安時代から残る建築物です。このお堂の中には彩色が施されていたようで,今はその復元図を宝物館でみることができます。この宝物館も必見で,太子堂の復元図だけでなく,数々の重文をここで公開しています。このお寺に伝わる奈良時代の金銅仏である通称あいたた観音。昔,泥棒が持ち去り,溶かして金属として売り払おうとしたが,なぜか溶けず,腹いせに腰のあたりを蹴ったら「あいたた!」と言ったという伝承のためこの名で呼ばれています。髪の一本,一本や首飾りが丁寧に表現されている優れた仏像です。他にも聖徳太子絵伝。これは,聖徳太子の伝承を絵巻物で表現したもので,どことなく絵のタッチに親しみがあり,観ていて楽しい文化財です。このような重文の数々を収蔵するここの宝物館と国宝の2棟。感動しました。ちなみについ15年ほど前に盗難に遭い,いくつかの作品が某国に流出してしまいました。そのうちの一つである聖徳太子絵伝は取り戻すことができたそうですが,破損もひどく長い歳月と莫大な費用を投じて公開できるようにしています。阿弥陀三尊像の絵図は,某国の文化財に指定されたために現在も返還されていません。…さっきの斑鳩寺もそうですが,文化財を大切に守っているところがたくさんあるのに,そこから盗む,壊す,あげくは返還もしない。これ以上書くと,さらに文章がまとまらなくなるのでやめますが,本当にひどいことだと思います。阿弥陀三尊像,一日も早く返還されることを願うばかりです。なお,鶴林寺ではボランティアのガイドさんがいるようで,機会があれば,ぜひ依頼してみてください。2時間ぐらいあっという間にすぎてしまいます。それぐらい色々なことを教えてもらえます。<br /><br />最後に以前もいったのですが,8月ごろまでが見ごろだという情報を得たので,小野市にある浄土寺浄土堂へ向かいました。ここは現存する数少ない大仏様の建築で,その中にある快慶作の阿弥陀三尊立像を夕陽によって来迎図のように演出するというとてつもない仕掛けがされている国宝です。夏までは西日の影響をよく受けるようでお堂での来迎の様子が他の時期よりよく分かるそうです。この日は晴れていたので,以前に行った時とはまた違った印象受けました。すごいですよね。800年ほど前に光の反射も計算して建築物を建てるそのアイデアと技術,感服です。<br /><br />こうやって行ってみると,兵庫県もなかなか面白いところが多いです。また,行ってみようと思います!

聖徳太子の足跡~播磨にて~

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2018/08/05 - 2018/08/05

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とある和菓子好き

とある和菓子好きさん

聖徳太子といえば,奈良県斑鳩町にある法隆寺を連想するのがほとんとだと思います。しかし,愛馬黒駒に乗り,全国津々浦々を周った伝承をもつ聖徳太子。兵庫県にも聖徳太子の伝承が残る場所があるのです。そんな兵庫県の聖徳太子ゆかりの地をいくつか今回は観てきました。

まずは,太子町(この町名自体がもう聖徳太子と関わりがありそうです)にある斑鳩寺です。ここは古来に法隆寺が治める荘園だったらしく,その故があり法隆寺の別院として斑鳩寺が創建されたそうです。歴史的には非常に古いものがあり,現在も山号及び院号はなく,斑鳩寺が正式な名称のようです。さて,ここには重文の仏像たちが安置されている宝物殿があります。こちらも見ごたえがありますが,聖徳殿とよばれるお堂の本尊である聖徳太子像がなかなか興味深いです。このお像はどこを探しても写真は見つけられません。それほどこのお寺にとっては重要な像のようですが,事前に電話で予約をしておくと,お厨子を開けてみせていただけます。何とも不思議な聖徳太子像でした。よく見る二歳像ではなく,一六歳の聖徳太子像なのですが,大きさも威厳もこのお寺が大切にしているのがよく分かるそんな仏像です。写真では観ることができないので,ぜひ予約をして直接見てもらえればと思います。

次に加古川市にある鶴林寺に向かいました。ここは本堂及び太子堂が国宝です。太子堂というお堂があることで分かるかと思いますが,このお寺も聖徳太子ゆかりの寺です。聖徳太子が,この地にいた恵便という僧のために建立した寺院が基のようです。先述した2棟の国宝以外にも多くの重要文化財を有する兵庫県でも屈指の古刹,名刹です。本堂は折衷様を代表するお堂で,それはそれは立派です。その隣にある太子堂は数少ない平安時代から残る建築物です。このお堂の中には彩色が施されていたようで,今はその復元図を宝物館でみることができます。この宝物館も必見で,太子堂の復元図だけでなく,数々の重文をここで公開しています。このお寺に伝わる奈良時代の金銅仏である通称あいたた観音。昔,泥棒が持ち去り,溶かして金属として売り払おうとしたが,なぜか溶けず,腹いせに腰のあたりを蹴ったら「あいたた!」と言ったという伝承のためこの名で呼ばれています。髪の一本,一本や首飾りが丁寧に表現されている優れた仏像です。他にも聖徳太子絵伝。これは,聖徳太子の伝承を絵巻物で表現したもので,どことなく絵のタッチに親しみがあり,観ていて楽しい文化財です。このような重文の数々を収蔵するここの宝物館と国宝の2棟。感動しました。ちなみについ15年ほど前に盗難に遭い,いくつかの作品が某国に流出してしまいました。そのうちの一つである聖徳太子絵伝は取り戻すことができたそうですが,破損もひどく長い歳月と莫大な費用を投じて公開できるようにしています。阿弥陀三尊像の絵図は,某国の文化財に指定されたために現在も返還されていません。…さっきの斑鳩寺もそうですが,文化財を大切に守っているところがたくさんあるのに,そこから盗む,壊す,あげくは返還もしない。これ以上書くと,さらに文章がまとまらなくなるのでやめますが,本当にひどいことだと思います。阿弥陀三尊像,一日も早く返還されることを願うばかりです。なお,鶴林寺ではボランティアのガイドさんがいるようで,機会があれば,ぜひ依頼してみてください。2時間ぐらいあっという間にすぎてしまいます。それぐらい色々なことを教えてもらえます。

最後に以前もいったのですが,8月ごろまでが見ごろだという情報を得たので,小野市にある浄土寺浄土堂へ向かいました。ここは現存する数少ない大仏様の建築で,その中にある快慶作の阿弥陀三尊立像を夕陽によって来迎図のように演出するというとてつもない仕掛けがされている国宝です。夏までは西日の影響をよく受けるようでお堂での来迎の様子が他の時期よりよく分かるそうです。この日は晴れていたので,以前に行った時とはまた違った印象受けました。すごいですよね。800年ほど前に光の反射も計算して建築物を建てるそのアイデアと技術,感服です。

こうやって行ってみると,兵庫県もなかなか面白いところが多いです。また,行ってみようと思います!

  • 斑鳩寺 仁王門

    斑鳩寺 仁王門

  • 斑鳩寺 三重塔 重文です。

    斑鳩寺 三重塔 重文です。

  • 鶴林寺 本堂 国宝です。

    鶴林寺 本堂 国宝です。

  • 鶴林寺 太子堂 国宝です。

    鶴林寺 太子堂 国宝です。

  • 浄土寺 浄土堂 中の阿弥陀三尊立像とともに国宝です。<br /><br />この日はたまたまお堂の東側の扉が開くという珍しいこともありました。

    浄土寺 浄土堂 中の阿弥陀三尊立像とともに国宝です。

    この日はたまたまお堂の東側の扉が開くという珍しいこともありました。

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