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今回はバルト三国(北からエストニア、ラトビア、リトアニアの3国)への旅行である。<br />バルト三国のうちエストニアのみは、昨年(2017年7月)のフィンランド旅行の際に「お試し」的な感覚で訪問している。<br />その時に見た鉄道の運行状況や、帰国後に列車のダイヤを調べているうちに「バルト三国を鉄道で縦断出来るかもしれない」と思い今回の旅行を計画した。<br />当初の予定ではリトアニアからさらにポーランドまで抜けようかと思っていたが、旅行期間が長くなりすぎるためにそれは諦めた。<br /><br />バルト三国のいずれの列車も、地方へ向かう路線は1日2~3往復程度しか走っていない所が多くルートを考えるのに苦労したが、以下のような行程が出来上がった。<br />なおバルト三国の各首都間には多数の長距離バスが走っており、鉄道移動にこだわらなければ簡単に移動可能である。<br /><br />※多忙につき、7月の旅行を12月に投稿することをお詫びいたします。<br /><br />【大まかな行程】<br />1日目<br />成田国際空港→ヘルシンキ・ヴァンター国際空港→タリン空港→タリン(タリン泊)<br />2日目〔エストニアからラトビアへ〕<br />タリン→Valga→リガ(リガ泊)<br />3日目<br />リガ→Tukums2→リガ→Jelgava→リガ→Ogre→リガ(リガ泊)<br />4日目<br />リガ→グルベネ→アールクスネ→グルベネ→Madona(Madona泊)<br />5日目〔ラトビアからリトアニアへ〕<br />マドゥアナ→Ogre→ダウガウピルス→ヴィリニュス(ヴィリニュス泊)<br />6日目<br />ヴィリニュス→カウナス→ヴィリニュス→Pakene→ヴィリニュス(ヴィリニュス泊)<br />7日目<br />ヴィリニュス→Naujoji Vilnia→ヴィリニュス国際空港→ヘルシンキ・ヴァンター国際空港→(機内泊)<br />8日目<br />→成田国際空港

2018年7月 バルト三国鉄道の旅1~4日目(全8日間)

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2018/07/17 - 2018/07/24

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kiro184

kiro184さん

今回はバルト三国(北からエストニア、ラトビア、リトアニアの3国)への旅行である。
バルト三国のうちエストニアのみは、昨年(2017年7月)のフィンランド旅行の際に「お試し」的な感覚で訪問している。
その時に見た鉄道の運行状況や、帰国後に列車のダイヤを調べているうちに「バルト三国を鉄道で縦断出来るかもしれない」と思い今回の旅行を計画した。
当初の予定ではリトアニアからさらにポーランドまで抜けようかと思っていたが、旅行期間が長くなりすぎるためにそれは諦めた。

バルト三国のいずれの列車も、地方へ向かう路線は1日2~3往復程度しか走っていない所が多くルートを考えるのに苦労したが、以下のような行程が出来上がった。
なおバルト三国の各首都間には多数の長距離バスが走っており、鉄道移動にこだわらなければ簡単に移動可能である。

※多忙につき、7月の旅行を12月に投稿することをお詫びいたします。

【大まかな行程】
1日目
成田国際空港→ヘルシンキ・ヴァンター国際空港→タリン空港→タリン(タリン泊)
2日目〔エストニアからラトビアへ〕
タリン→Valga→リガ(リガ泊)
3日目
リガ→Tukums2→リガ→Jelgava→リガ→Ogre→リガ(リガ泊)
4日目
リガ→グルベネ→アールクスネ→グルベネ→Madona(Madona泊)
5日目〔ラトビアからリトアニアへ〕
マドゥアナ→Ogre→ダウガウピルス→ヴィリニュス(ヴィリニュス泊)
6日目
ヴィリニュス→カウナス→ヴィリニュス→Pakene→ヴィリニュス(ヴィリニュス泊)
7日目
ヴィリニュス→Naujoji Vilnia→ヴィリニュス国際空港→ヘルシンキ・ヴァンター国際空港→(機内泊)
8日目
→成田国際空港

旅行の満足度
4.5
交通
4.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • ◆1日目<br />成田空港を10:40に離陸し、フィンランドのヘルシンキ・ヴァンター空港で乗り換えしタリン空港へは現地時間17時に到着した。<br /><br />タリン空港からタリン中心部へは近年トラムが開通し、これに乗ってViru停留所で下車すれば旧市街入口まで行くことが出来る。<br />しかしこの日はタリン駅至近の場所にホテルを取っており、Viruで下車すると荷物を抱えて石畳で勾配の多い旧市街を歩かなければならないと思ったため、このトラムには乗らず別の方法で行くことにした。<br />Viruからトラム1番または2番系統に乗ればタリン駅まで行くことが出来るようだが昨年訪問時は運休しており、今回も走っているかどうか分からなかったためだ。

    ◆1日目
    成田空港を10:40に離陸し、フィンランドのヘルシンキ・ヴァンター空港で乗り換えしタリン空港へは現地時間17時に到着した。

    タリン空港からタリン中心部へは近年トラムが開通し、これに乗ってViru停留所で下車すれば旧市街入口まで行くことが出来る。
    しかしこの日はタリン駅至近の場所にホテルを取っており、Viruで下車すると荷物を抱えて石畳で勾配の多い旧市街を歩かなければならないと思ったため、このトラムには乗らず別の方法で行くことにした。
    Viruからトラム1番または2番系統に乗ればタリン駅まで行くことが出来るようだが昨年訪問時は運休しており、今回も走っているかどうか分からなかったためだ。

  • 別の方法とは、タリン空港から歩いてエストニア鉄道のUlemiste駅へ行きそこからタリン駅へ直接行く方法だ。事前にUlemisteに停車する列車の時刻は調べてあり、ちょうどよく乗れそうだったので実行してみた。<br />タリン空港から徒歩10分程で到着した。道は真っ直ぐで段差は少なく、同じ距離を旧市街を歩くのと比較すると格段に楽であると思う。<br />なお空港からトラムに乗りUlemiste jaam停留所で降りるとUlemiste駅に接続している。しかし停留所から駅まで少し離れているのであまり手間は変わらないだろう。<br />なおUlemisteはおおむね1時間に一本程度の列車があり、速達タイプの列車も停車する。<br /><br />Ulemiste17:34発の列車に乗車し、タリン駅には17:43に到着した。

    別の方法とは、タリン空港から歩いてエストニア鉄道のUlemiste駅へ行きそこからタリン駅へ直接行く方法だ。事前にUlemisteに停車する列車の時刻は調べてあり、ちょうどよく乗れそうだったので実行してみた。
    タリン空港から徒歩10分程で到着した。道は真っ直ぐで段差は少なく、同じ距離を旧市街を歩くのと比較すると格段に楽であると思う。
    なお空港からトラムに乗りUlemiste jaam停留所で降りるとUlemiste駅に接続している。しかし停留所から駅まで少し離れているのであまり手間は変わらないだろう。
    なおUlemisteはおおむね1時間に一本程度の列車があり、速達タイプの列車も停車する。

    Ulemiste17:34発の列車に乗車し、タリン駅には17:43に到着した。

  • タリン駅から今晩のホテルがある駅裏へ行ってみる。<br />駅裏のトラム線路が整備されており、さらに延伸されたであろう1番および2番系統のトラムが発着しているではないか。先ほどわざわざUlemiste駅まで歩いたのは杞憂に終わった。<br />これに乗ればViruからタリン駅までトラムで行くことが可能で、タリン駅からフェリーターミナルへ行く際も歩く距離が短くて済むようになった。

    タリン駅から今晩のホテルがある駅裏へ行ってみる。
    駅裏のトラム線路が整備されており、さらに延伸されたであろう1番および2番系統のトラムが発着しているではないか。先ほどわざわざUlemiste駅まで歩いたのは杞憂に終わった。
    これに乗ればViruからタリン駅までトラムで行くことが可能で、タリン駅からフェリーターミナルへ行く際も歩く距離が短くて済むようになった。

  • これは昨年(2017年7月)の同じ場所の様子。全く同じアングルではないが、右側のガラス張りのお店は同じである。<br />中央の線路はエストニア鉄道の貨物引上線だ。この時はトラムの線路は全て剥がされ、1番と2番系統のトラムはおそらくViruで打ち切りになっていた。<br /><br />この後はホテルに荷物を置き、タリン旧市街を散策する。昨年は行かなかった高台へ登ってみるなどブラブラと散策した。

    これは昨年(2017年7月)の同じ場所の様子。全く同じアングルではないが、右側のガラス張りのお店は同じである。
    中央の線路はエストニア鉄道の貨物引上線だ。この時はトラムの線路は全て剥がされ、1番と2番系統のトラムはおそらくViruで打ち切りになっていた。

    この後はホテルに荷物を置き、タリン旧市街を散策する。昨年は行かなかった高台へ登ってみるなどブラブラと散策した。

  • ◆2日目<br />ホテルは電車通りのすぐ横だった。朝5時頃からトラムが走り始める。<br />左手に見える建物がタリン駅。<br />トラムは新型の低床車(冷房付き)も走っているが、写真の古いタイプ(非冷房)も相当走っている。

    ◆2日目
    ホテルは電車通りのすぐ横だった。朝5時頃からトラムが走り始める。
    左手に見える建物がタリン駅。
    トラムは新型の低床車(冷房付き)も走っているが、写真の古いタイプ(非冷房)も相当走っている。

  • タリン8:13発タルトゥ行きに乗車する。<br />この日はひたすら列車を乗り継いでラトビアのリガへ向かう。よってエストニアはもう出国することになる。<br />Aegviiduからは非電化のため、5両編成(中間の電源車含む)の気動車で運行される。電車でも気動車でも外観や塗装はほぼ同じに揃えられている。<br /><br />この列車は急行列車(急行料金不要)のため、途中駅をどんどん通過してタルトゥには定刻の10:18に到着した。<br />ここでは3分の接続時間でValga行きに乗り換えることになっていた。しかし終点のはずのタルトゥに着いても多くの乗客が座ったままだ。近くの人に聞いてみると、この列車がそのままValgaへ行くという。出入り口付近に大きな液晶パネルがあるが、それにもいつの間にかValga行きと表示されていた。<br /><br />そのまま同じ列車に乗車を続ける。<br />タルトゥを出てから、左にPiusaへ向かう路線が分岐していく。<br />次のAardla駅はホームが左右に30m程離れて2つある変わった構造だなと思っていたが、帰国後に調べると離れたホームはKirsi駅というPiusa方面の路線の別の駅だった。別の駅の扱いになっているが、徒歩30秒で乗り換えが可能である。そもそも列車本数が少なすぎるので難しいと思うが。

    タリン8:13発タルトゥ行きに乗車する。
    この日はひたすら列車を乗り継いでラトビアのリガへ向かう。よってエストニアはもう出国することになる。
    Aegviiduからは非電化のため、5両編成(中間の電源車含む)の気動車で運行される。電車でも気動車でも外観や塗装はほぼ同じに揃えられている。

    この列車は急行列車(急行料金不要)のため、途中駅をどんどん通過してタルトゥには定刻の10:18に到着した。
    ここでは3分の接続時間でValga行きに乗り換えることになっていた。しかし終点のはずのタルトゥに着いても多くの乗客が座ったままだ。近くの人に聞いてみると、この列車がそのままValgaへ行くという。出入り口付近に大きな液晶パネルがあるが、それにもいつの間にかValga行きと表示されていた。

    そのまま同じ列車に乗車を続ける。
    タルトゥを出てから、左にPiusaへ向かう路線が分岐していく。
    次のAardla駅はホームが左右に30m程離れて2つある変わった構造だなと思っていたが、帰国後に調べると離れたホームはKirsi駅というPiusa方面の路線の別の駅だった。別の駅の扱いになっているが、徒歩30秒で乗り換えが可能である。そもそも列車本数が少なすぎるので難しいと思うが。

  • Elvaで乗客の半数近くが下車する。タルトゥ~Valga間では大き目な街のようだ。Keeni駅で貨物列車とすれ違う。タルトゥ~Valga間では旅客列車は1日4往復しか走っていないが、貨物輸送は盛んにおこなわれているようだ。Keeni駅は交換可能駅であるにも関わらず、ホームは客車1両分しか無くドアは1カ所しか開かない。<br /><br />定刻の11:40にValgaに到着した。駅舎寄りの1番線に到着したが、ここにもエストニア鉄道各駅と同じデザインの街灯(椅子も兼ねている?)が設置されていた。

    Elvaで乗客の半数近くが下車する。タルトゥ~Valga間では大き目な街のようだ。Keeni駅で貨物列車とすれ違う。タルトゥ~Valga間では旅客列車は1日4往復しか走っていないが、貨物輸送は盛んにおこなわれているようだ。Keeni駅は交換可能駅であるにも関わらず、ホームは客車1両分しか無くドアは1カ所しか開かない。

    定刻の11:40にValgaに到着した。駅舎寄りの1番線に到着したが、ここにもエストニア鉄道各駅と同じデザインの街灯(椅子も兼ねている?)が設置されていた。

  • Valgaでは4時間の乗り換え待ちがあるため、街を散策する。<br />エストニアとラトビアの間を鉄道で移動する場合、ラトビア側のリガ~Valga間の列車が1日2往復しかなく(そのうち上り1本は曜日により大幅な時刻変更あり)行程を組むのに苦労させられた。<br />どのように乗り換えてもValgaで最短4時間待つか、Valgaに宿泊して翌朝5時台の列車に乗るしかない。今回私が組んだルートでも、土日はValgaの発車時間が2時間繰り下がるため待ち時間が6時間になる。<br />Valgaからタリンやリガへ行くバスも運行されており、それに乗るのであればここまで待つ必要は無い。<br /><br />駅から西側へ歩いて行くと、SLが保存されていた。全くノーマークだったので発見した時は嬉しかった。

    Valgaでは4時間の乗り換え待ちがあるため、街を散策する。
    エストニアとラトビアの間を鉄道で移動する場合、ラトビア側のリガ~Valga間の列車が1日2往復しかなく(そのうち上り1本は曜日により大幅な時刻変更あり)行程を組むのに苦労させられた。
    どのように乗り換えてもValgaで最短4時間待つか、Valgaに宿泊して翌朝5時台の列車に乗るしかない。今回私が組んだルートでも、土日はValgaの発車時間が2時間繰り下がるため待ち時間が6時間になる。
    Valgaからタリンやリガへ行くバスも運行されており、それに乗るのであればここまで待つ必要は無い。

    駅から西側へ歩いて行くと、SLが保存されていた。全くノーマークだったので発見した時は嬉しかった。

  • 駅から2km程歩き、国境にやって来た。<br />Valgaは街の中をエストニアとラトビアの国境線が通っており、エストニアではValga(ヴァルガ)と言うがラトビア側ではValka(ヴァルカ)と言うなど若干違いがある。<br />今は両国ともシェンゲン協定加盟国なので自由に行き来できるが、時代に翻弄され続けてきた町だ。<br />国境には検問所が残されているがスルー状態で、EU共通の国名看板が国境であることを主張している。検問所は放置状態ではなくきちんと整備されている。今後の情勢の変化で使用するかもしれないからと検問所が残されているのだろうか?

    駅から2km程歩き、国境にやって来た。
    Valgaは街の中をエストニアとラトビアの国境線が通っており、エストニアではValga(ヴァルガ)と言うがラトビア側ではValka(ヴァルカ)と言うなど若干違いがある。
    今は両国ともシェンゲン協定加盟国なので自由に行き来できるが、時代に翻弄され続けてきた町だ。
    国境には検問所が残されているがスルー状態で、EU共通の国名看板が国境であることを主張している。検問所は放置状態ではなくきちんと整備されている。今後の情勢の変化で使用するかもしれないからと検問所が残されているのだろうか?

  • 検問所のすぐ横には橋があり、川というより水路と言った方がいいような小さな流れがある。このカエルですらジャンプすれば越えられそうな川がエストニアとラトビアの国境なのだ。<br /><br />国境の検問所は街の中に3カ所あり、もう1カ所の方へも行ってみる。最初の検問所よりは古く簡素なものだったが、しっかりと整備されている。<br />その後は、市街地北の川というか河跡湖のようなところに遊歩道が整備されており、そこを散策して時間を潰した。

    検問所のすぐ横には橋があり、川というより水路と言った方がいいような小さな流れがある。このカエルですらジャンプすれば越えられそうな川がエストニアとラトビアの国境なのだ。

    国境の検問所は街の中に3カ所あり、もう1カ所の方へも行ってみる。最初の検問所よりは古く簡素なものだったが、しっかりと整備されている。
    その後は、市街地北の川というか河跡湖のようなところに遊歩道が整備されており、そこを散策して時間を潰した。

  • 気温は30℃程あり、暑さでヘロヘロになったので駅に戻ってきた。発車まではまだ1時間程あるが、駅構内にある歩道橋で撮影して時間を潰す。<br />多数の貨車が留置されており、鉄道は旅客よりも貨物輸送が本来の役割のようだ。タンク車が多く、バルト三国は石油をロシアからの輸入に頼らざるを得ない状況が見て取れる。<br />写真手前側の貨車は現役だと思うが、奥の林の方にある貨車は明らかに使われていないようで、タンク車のタンク体が撤去されていたり(つまりただのフレームになっている)上部に草が生えている貨車もある。今は夏なので、石油需要が増える冬場に使われるのだろうか。

    気温は30℃程あり、暑さでヘロヘロになったので駅に戻ってきた。発車まではまだ1時間程あるが、駅構内にある歩道橋で撮影して時間を潰す。
    多数の貨車が留置されており、鉄道は旅客よりも貨物輸送が本来の役割のようだ。タンク車が多く、バルト三国は石油をロシアからの輸入に頼らざるを得ない状況が見て取れる。
    写真手前側の貨車は現役だと思うが、奥の林の方にある貨車は明らかに使われていないようで、タンク車のタンク体が撤去されていたり(つまりただのフレームになっている)上部に草が生えている貨車もある。今は夏なので、石油需要が増える冬場に使われるのだろうか。

  • 13:55にリガからの列車が到着した。この列車が折り返し14:38発のリガ行きとなる。<br />エストニアの列車とは打って変わり、ソ連製のディーゼルカーだ。1番線はエストニア鉄道用のホームなのか、他に列車が来ないのに3番線に停車している。<br />リガ行きの列車は、3両に25人程の客を乗せ定刻に発車した。<br />

    13:55にリガからの列車が到着した。この列車が折り返し14:38発のリガ行きとなる。
    エストニアの列車とは打って変わり、ソ連製のディーゼルカーだ。1番線はエストニア鉄道用のホームなのか、他に列車が来ないのに3番線に停車している。
    リガ行きの列車は、3両に25人程の客を乗せ定刻に発車した。

  • Valgaを出て最初の停車駅であるLugazi駅。<br />エストニア鉄道とは違い、駅舎は現役で使用されているようだ(エストニアでは無人駅の大半の駅舎が閉鎖され、建物はそのまま放置されている)。<br />その後はValmieraやCesisなどの大きな町では乗客が入れ替わったが、おおむね1両に15人を超えないぐらいで走っていく。<br />Lerikiを過ぎると快速運転になるようで、途中の駅をいくつか通過していく。どうやら加速の遅い気動車列車は、リガ近郊では快速運転しているようだ。気動車列車が通過する駅には、電車のローカル列車が停車する。

    Valgaを出て最初の停車駅であるLugazi駅。
    エストニア鉄道とは違い、駅舎は現役で使用されているようだ(エストニアでは無人駅の大半の駅舎が閉鎖され、建物はそのまま放置されている)。
    その後はValmieraやCesisなどの大きな町では乗客が入れ替わったが、おおむね1両に15人を超えないぐらいで走っていく。
    Lerikiを過ぎると快速運転になるようで、途中の駅をいくつか通過していく。どうやら加速の遅い気動車列車は、リガ近郊では快速運転しているようだ。気動車列車が通過する駅には、電車のローカル列車が停車する。

  • 17:38の定刻に終点リガに到着する。<br />リガ駅はショッピングモールやスーパーも併設された大きな建物だ。

    17:38の定刻に終点リガに到着する。
    リガ駅はショッピングモールやスーパーも併設された大きな建物だ。

  • リガ駅から少し離れたところにトラムの路線があり、共産圏へ大量に導入されたタトラカーが走っている。低床タイプの新しい車両もあるが、体感的には未だに半数近くがソ連時代に導入された電車だと思う。<br />この日はリガ駅至近のホテルに宿泊した。

    リガ駅から少し離れたところにトラムの路線があり、共産圏へ大量に導入されたタトラカーが走っている。低床タイプの新しい車両もあるが、体感的には未だに半数近くがソ連時代に導入された電車だと思う。
    この日はリガ駅至近のホテルに宿泊した。

  • ◆3日目<br />この日は、リガを起点に近郊の鉄道に乗車する。<br />まずはリガ7:36発の列車でトゥクムスへ向かう。この路線は電化されているようで4両編成の電車だ。<br /><br />途中に広大な車両工場があり、解体中なのか組立前なのか車両の部品がたくさん転がっていた。

    ◆3日目
    この日は、リガを起点に近郊の鉄道に乗車する。
    まずはリガ7:36発の列車でトゥクムスへ向かう。この路線は電化されているようで4両編成の電車だ。

    途中に広大な車両工場があり、解体中なのか組立前なのか車両の部品がたくさん転がっていた。

  • 8:51にトゥクムス1に到着する。<br />トゥクムスには「トゥクムス1」と「トゥクムス2」の2つの駅があり、この列車はトゥクムス2行きだ。トゥクムス1駅が市街中心部にあり、ほとんどの乗客がここで下車した。<br />車掌が「トゥクムスだぞ」というようなことを言ってきたが、トゥクムス2まで行くと答える。

    8:51にトゥクムス1に到着する。
    トゥクムスには「トゥクムス1」と「トゥクムス2」の2つの駅があり、この列車はトゥクムス2行きだ。トゥクムス1駅が市街中心部にあり、ほとんどの乗客がここで下車した。
    車掌が「トゥクムスだぞ」というようなことを言ってきたが、トゥクムス2まで行くと答える。

  • さらに1駅走り、8:55の定刻にトゥクムス2に到着した。<br />下車したのは、私以外に3人だけだった。それもそのはずで駅前には山が迫り、店等は何もなく、数件の民家が少し離れて点在するだけのところだった。<br />路線バスがやって来るような雰囲気でも無いため、この周辺の住人しか利用しない駅なのだろう。<br />画像は駅前の丘から駅舎を望んだ様子(これが駅前通り)。

    さらに1駅走り、8:55の定刻にトゥクムス2に到着した。
    下車したのは、私以外に3人だけだった。それもそのはずで駅前には山が迫り、店等は何もなく、数件の民家が少し離れて点在するだけのところだった。
    路線バスがやって来るような雰囲気でも無いため、この周辺の住人しか利用しない駅なのだろう。
    画像は駅前の丘から駅舎を望んだ様子(これが駅前通り)。

  • こんな辺鄙な駅であるがリガからの列車が1日11本もやって来る。運用上の都合なのだろうか。なおわずかではあるが、リガ発でトゥクムス1が終点の列車も存在する。<br />構内には貨車の姿は見えないが、広大なヤードがある。電車が発着するホーム側の線路のみ電化されていた。

    こんな辺鄙な駅であるがリガからの列車が1日11本もやって来る。運用上の都合なのだろうか。なおわずかではあるが、リガ発でトゥクムス1が終点の列車も存在する。
    構内には貨車の姿は見えないが、広大なヤードがある。電車が発着するホーム側の線路のみ電化されていた。

  • 線路はトゥクムスからさらに海側のVentspilsまで続いているようだが、旅客列車が運行されているのはトゥクムス2までである。<br />折り返し列車の発車を待っていると、先程乗った列車を追いかけるように走ってきた貨物列車が通過していった。貨物輸送は頻繁に行われているらしく、ラトビアやさらにロシアと沿岸部を繋ぐ輸送があるのであろう。

    線路はトゥクムスからさらに海側のVentspilsまで続いているようだが、旅客列車が運行されているのはトゥクムス2までである。
    折り返し列車の発車を待っていると、先程乗った列車を追いかけるように走ってきた貨物列車が通過していった。貨物輸送は頻繁に行われているらしく、ラトビアやさらにロシアと沿岸部を繋ぐ輸送があるのであろう。

  • トゥクムス2を9:24に出発する列車でリガへ戻ってきた。<br />続いて市内のラトビア鉄道博物館を見学する。駅から西側へ向かい、ダウガヴァ川に架かる長い橋を渡り徒歩で向かう。リガ駅から20分程で到着した。トラムの路線があるので、これに乗って訪れることも可能だ。

    トゥクムス2を9:24に出発する列車でリガへ戻ってきた。
    続いて市内のラトビア鉄道博物館を見学する。駅から西側へ向かい、ダウガヴァ川に架かる長い橋を渡り徒歩で向かう。リガ駅から20分程で到着した。トラムの路線があるので、これに乗って訪れることも可能だ。

  • 屋内展示では昔の制服や制御卓、閉塞器などが展示されているが、車両はわずかだ。<br />1つ前の画像に写っている石造りの建物も展示館であるが、中では現代美術の像のようなものの展示会が行われており、車両は(数は少ないが)隅に追いやられている。企画展示をするスペースなのだろうか。

    屋内展示では昔の制服や制御卓、閉塞器などが展示されているが、車両はわずかだ。
    1つ前の画像に写っている石造りの建物も展示館であるが、中では現代美術の像のようなものの展示会が行われており、車両は(数は少ないが)隅に追いやられている。企画展示をするスペースなのだろうか。

  • 屋外には保存車両が多数あり、自分にとってはむしろこちらがメインと言える。<br />屋外展示を見るだけなら無料で入れるが、保存を応援する意味も込めて有料の館内も見学しましょう。<br />旧ソ連時代に活躍した車両が多数保存されている。この場所は近くの貨物ヤードから線路が繋がっており、動態保存されている車両もあるのかもしれない。

    屋外には保存車両が多数あり、自分にとってはむしろこちらがメインと言える。
    屋外展示を見るだけなら無料で入れるが、保存を応援する意味も込めて有料の館内も見学しましょう。
    旧ソ連時代に活躍した車両が多数保存されている。この場所は近くの貨物ヤードから線路が繋がっており、動態保存されている車両もあるのかもしれない。

  • ほとんどが本線用の広軌(ロシア規格の1520mm)の車両だが、1両だけナローゲージの車両が保存されていた。<br />旧ソ連国で大量に導入された単端式(運転台が片方向にしかない)レールカーで、巡回や職員輸送、奥地では旅客輸送にも使われたらしい。<br />線路に載っていることを除けば、トラックそのものな外観である。

    ほとんどが本線用の広軌(ロシア規格の1520mm)の車両だが、1両だけナローゲージの車両が保存されていた。
    旧ソ連国で大量に導入された単端式(運転台が片方向にしかない)レールカーで、巡回や職員輸送、奥地では旅客輸送にも使われたらしい。
    線路に載っていることを除けば、トラックそのものな外観である。

  • 鉄道博物館を出てからは、駅へ戻るついでに旧市街を散策する。定番だが、市庁舎広場での1枚。<br /><br />リガ駅へ戻ってからは、13:29発の列車でJelgavaへ向かう。車両は朝にトゥクムス往復した時と同じタイプの電車なので写真は割愛する。

    鉄道博物館を出てからは、駅へ戻るついでに旧市街を散策する。定番だが、市庁舎広場での1枚。

    リガ駅へ戻ってからは、13:29発の列車でJelgavaへ向かう。車両は朝にトゥクムス往復した時と同じタイプの電車なので写真は割愛する。

  • 定刻の14:14にJelgavaに到着する。<br />リガからJergavaへは1~2時間に1本程度の列車が走っている。旅客列車はJergavaから先には運行されていないが、トゥクムスの時と同様に貨物列車は沿岸部のLiepajaまで運行されているようだ。<br />なお鉄道が運行されていない区間ではバスが頻発しており、鉄道は貨物輸送(これがメイン)と首都近郊の旅客輸送しか担っていない構図がうかがい知れる。<br />Jelgava駅は大きく立派な建物だった。

    定刻の14:14にJelgavaに到着する。
    リガからJergavaへは1~2時間に1本程度の列車が走っている。旅客列車はJergavaから先には運行されていないが、トゥクムスの時と同様に貨物列車は沿岸部のLiepajaまで運行されているようだ。
    なお鉄道が運行されていない区間ではバスが頻発しており、鉄道は貨物輸送(これがメイン)と首都近郊の旅客輸送しか担っていない構図がうかがい知れる。
    Jelgava駅は大きく立派な建物だった。

  • Jelgavaへ来たのは、鉄道博物館の分館?があるという情報を見つけたためだ。<br />駅からすぐの場所にあるが、この木造の建物の中で資料を展示しているだけのようだ。事前に日本でグーグルマップを見て何も無さそうなことは予習していたが、もしかしたら車両が展示されているかもしれない・・・と期待して訪れてみた。<br />結局博物館の中には入らず、街をブラブラしたり跨線橋から貨車の写真を撮ったりして時間を潰した。

    Jelgavaへ来たのは、鉄道博物館の分館?があるという情報を見つけたためだ。
    駅からすぐの場所にあるが、この木造の建物の中で資料を展示しているだけのようだ。事前に日本でグーグルマップを見て何も無さそうなことは予習していたが、もしかしたら車両が展示されているかもしれない・・・と期待して訪れてみた。
    結局博物館の中には入らず、街をブラブラしたり跨線橋から貨車の写真を撮ったりして時間を潰した。

  • Jelgavaを15:34に発車する列車でリガへ戻る。<br />写真は途中で停車したDalbe駅。ラトビアは森林資源が豊富なためか、このような木造建築が多くみられる(フィンランドなども同様)。

    Jelgavaを15:34に発車する列車でリガへ戻る。
    写真は途中で停車したDalbe駅。ラトビアは森林資源が豊富なためか、このような木造建築が多くみられる(フィンランドなども同様)。

  • 16:19にリガへ到着した。<br />この後はOgreを往復するが、リガ駅でどの程度乗り換え時間が必要か分からなかったため、予定ではリガ17:00発の列車に乗ることにしていた。しかしJelgavaからの列車が定刻通り到着したことと、リガ16:25発の列車が向かい側のホームだったこともあり1本早い列車でOgreへ向かうことにした。<br />リガからは切符を持っていなかったため車掌から購入する。問題なく購入出来たが「本来は駅で買ってくるものだぞ」というような小言を言われた。<br />Ogreには17:06に到着した。

    16:19にリガへ到着した。
    この後はOgreを往復するが、リガ駅でどの程度乗り換え時間が必要か分からなかったため、予定ではリガ17:00発の列車に乗ることにしていた。しかしJelgavaからの列車が定刻通り到着したことと、リガ16:25発の列車が向かい側のホームだったこともあり1本早い列車でOgreへ向かうことにした。
    リガからは切符を持っていなかったため車掌から購入する。問題なく購入出来たが「本来は駅で買ってくるものだぞ」というような小言を言われた。
    Ogreには17:06に到着した。

  • 駅前を少し歩こうかと思っていたが、夕立なのか急に激しい雨が降って来たので駅で待つことにした。<br /><br />Ogre駅は2本のホームに3本の線路があるが番線や方面の表記が一切無く、帰りの列車はどこから発車するのか分からない。駅で列車の発着や通過を見ていることにした。<br />駅舎側から1番線、2番線、3番線だとすると、1番線はDaugavpils方面行きの列車、3番線はリガ方面行きの列車が発着しており貨物列車もここを通過していく。<br />2番線は上下共用の待避線になっているらしく、追い越される列車やOgreで折り返す列車が発着するようだ。

    駅前を少し歩こうかと思っていたが、夕立なのか急に激しい雨が降って来たので駅で待つことにした。

    Ogre駅は2本のホームに3本の線路があるが番線や方面の表記が一切無く、帰りの列車はどこから発車するのか分からない。駅で列車の発着や通過を見ていることにした。
    駅舎側から1番線、2番線、3番線だとすると、1番線はDaugavpils方面行きの列車、3番線はリガ方面行きの列車が発着しており貨物列車もここを通過していく。
    2番線は上下共用の待避線になっているらしく、追い越される列車やOgreで折り返す列車が発着するようだ。

  • Ogre17:59発のリガ行き列車に乗車する。<br />今までに乗車したのと同じタイプの電車だったが、座席が3+3列のものだった。それまでに乗車したラトビアの列車は2+2列か2+3列だったが更新工事が行われていたものと思われ、この車両の座席が原形のものなのだろう。クッションが一切入っておらずビニールが張られただけの座席がソ連らしさを感じさせる。<br />リガには定刻の18:42に到着した。

    Ogre17:59発のリガ行き列車に乗車する。
    今までに乗車したのと同じタイプの電車だったが、座席が3+3列のものだった。それまでに乗車したラトビアの列車は2+2列か2+3列だったが更新工事が行われていたものと思われ、この車両の座席が原形のものなのだろう。クッションが一切入っておらずビニールが張られただけの座席がソ連らしさを感じさせる。
    リガには定刻の18:42に到着した。

  • ◆4日目<br />現地時間の午前4時頃に起床する。<br />天気がいいのでホテルの周辺を散歩していると、貨車が保存されているのを発見した。<br />営業時間外だったため中には入れず何の施設か不明だったが、帰国後に調べるとラトビアホロコースト博物館という施設のようだ。貨車の中も見学出来るのだろうか?

    ◆4日目
    現地時間の午前4時頃に起床する。
    天気がいいのでホテルの周辺を散歩していると、貨車が保存されているのを発見した。
    営業時間外だったため中には入れず何の施設か不明だったが、帰国後に調べるとラトビアホロコースト博物館という施設のようだ。貨車の中も見学出来るのだろうか?

  • この日はリガを離れ、ラトビア北東部のグルベネへ向かう。<br />列車で行きたいところだが、現在グルベネまで旅客列車は走っていないようなのでバスで向かうことにした。リガ駅より西側にあるバスターミナルを7時に発車する。<br />早朝にもかかわらず大勢の人がバスを待っており、ラトビアの各方面や隣国のエストニアやリトアニアへ向かうバスが多数出入りしている。中距離輸送は鉄道よりもバスが多く利用されていることを思い知らされた。

    この日はリガを離れ、ラトビア北東部のグルベネへ向かう。
    列車で行きたいところだが、現在グルベネまで旅客列車は走っていないようなのでバスで向かうことにした。リガ駅より西側にあるバスターミナルを7時に発車する。
    早朝にもかかわらず大勢の人がバスを待っており、ラトビアの各方面や隣国のエストニアやリトアニアへ向かうバスが多数出入りしている。中距離輸送は鉄道よりもバスが多く利用されていることを思い知らされた。

  • 6:57、バス乗り場にZiguri行きバスがやって来た。50人程乗車出来る大型バスだが、座席は9割程埋まっている。この日は平日だったこともありチケットは乗車直前に購入したが、週末や長期休暇などの時期は事前にチケットを購入しておいた方が良いだろう。<br />バスは一般道を順調に走行していく。途中ドライブインのような所で10分弱の休憩があった。<br />定刻より5分程早い10時頃にグルベネの市街地に入った。「グルベネ・・・・・」と放送が入ったのでそこで下車したが(・・・・・の部分は理解出来ず)、どうやらバスターミナルの1つ手前で降りてしまったようだ。<br />後から分かったがグルベネ駅は街外れにあり、降りた場所が中心部最寄りのバス停だったようだ。バス停名は「グルベネ市街」のような感じだったのであろう。

    6:57、バス乗り場にZiguri行きバスがやって来た。50人程乗車出来る大型バスだが、座席は9割程埋まっている。この日は平日だったこともありチケットは乗車直前に購入したが、週末や長期休暇などの時期は事前にチケットを購入しておいた方が良いだろう。
    バスは一般道を順調に走行していく。途中ドライブインのような所で10分弱の休憩があった。
    定刻より5分程早い10時頃にグルベネの市街地に入った。「グルベネ・・・・・」と放送が入ったのでそこで下車したが(・・・・・の部分は理解出来ず)、どうやらバスターミナルの1つ手前で降りてしまったようだ。
    後から分かったがグルベネ駅は街外れにあり、降りた場所が中心部最寄りのバス停だったようだ。バス停名は「グルベネ市街」のような感じだったのであろう。

  • 次の予定の時刻まではたっぷりあるので、歩いてバスターミナルへ向かう。バスターミナルは鉄道駅に併設されている。<br />すでに近くに線路が見えているため駅は近く、これから乗車するナローゲージ(バーニーティス)用の客車が4両留置されているのが見えた。<br />10分程歩くとグルベネ駅に到着した。

    次の予定の時刻まではたっぷりあるので、歩いてバスターミナルへ向かう。バスターミナルは鉄道駅に併設されている。
    すでに近くに線路が見えているため駅は近く、これから乗車するナローゲージ(バーニーティス)用の客車が4両留置されているのが見えた。
    10分程歩くとグルベネ駅に到着した。

  • グルベネ駅は大きな駅舎を持つが、改装工事中なのか中で工事が行われている。<br />駅舎の横からホームへ入ると、一番駅舎寄りに750mmのナローゲージの線路があり、その向こうには1520mmの本線の線路が何本か敷かれていた。<br />前述したようにグルベネ駅へは1520mmの旅客列車が全く運行されておらず、旅客列車は1日2往復のナローの列車だけである。<br />構内には1520mmの貨車が留置されていたが、貨物列車はどの程度運行されているのだろうか?貨車はあるものの機関車は全く見当たらず、あまり運行頻度は高くないのかもしれない(画像奥のSLと客車は静態保存されているもの)。

    グルベネ駅は大きな駅舎を持つが、改装工事中なのか中で工事が行われている。
    駅舎の横からホームへ入ると、一番駅舎寄りに750mmのナローゲージの線路があり、その向こうには1520mmの本線の線路が何本か敷かれていた。
    前述したようにグルベネ駅へは1520mmの旅客列車が全く運行されておらず、旅客列車は1日2往復のナローの列車だけである。
    構内には1520mmの貨車が留置されていたが、貨物列車はどの程度運行されているのだろうか?貨車はあるものの機関車は全く見当たらず、あまり運行頻度は高くないのかもしれない(画像奥のSLと客車は静態保存されているもの)。

  • 次に乗車する列車の発車は13時で、何もない所で3時間も待たなくてはならない。<br />リガを8:30に発車するバスもありそれに乗れば12:15にグルベネへ到着するが、バスの遅れを懸念して早い便に乗ったのだ。<br /><br />駅が工事中のためなのか、これから乗車する列車の時刻や運賃などがどこにも掲示されていない。12時になり昼休みで工事が停まったのでこっそり駅舎に入ってみると、待合室だった場所の片隅に小さな看板があり時刻が書かれていた。工事中でも駅舎内立ち入り禁止ではないのかもしれないが、駅の外に掲示しておけよと思う。

    次に乗車する列車の発車は13時で、何もない所で3時間も待たなくてはならない。
    リガを8:30に発車するバスもありそれに乗れば12:15にグルベネへ到着するが、バスの遅れを懸念して早い便に乗ったのだ。

    駅が工事中のためなのか、これから乗車する列車の時刻や運賃などがどこにも掲示されていない。12時になり昼休みで工事が停まったのでこっそり駅舎に入ってみると、待合室だった場所の片隅に小さな看板があり時刻が書かれていた。工事中でも駅舎内立ち入り禁止ではないのかもしれないが、駅の外に掲示しておけよと思う。

  • 12:48頃に駅の外れにあった機関区からディーゼル機関車が出てきた。ホームを通過し、グルベネに到着した時に見えた客車の方へ走っていった。<br />機関車はТУ7А-2994(TU7A-2994)で、ロシアや旧ソ連国で現在でも多数見かけるタイプだ。子供鉄道で使用している都市もある。

    12:48頃に駅の外れにあった機関区からディーゼル機関車が出てきた。ホームを通過し、グルベネに到着した時に見えた客車の方へ走っていった。
    機関車はТУ7А-2994(TU7A-2994)で、ロシアや旧ソ連国で現在でも多数見かけるタイプだ。子供鉄道で使用している都市もある。

  • 4両留置されていた客車のうち2両を牽引してホームへ戻ってきた。客車が1両しかないという情報をどこかで見かけたが、時期や曜日によって違うのだろうか。<br /><br />13:00の定刻にグルベネを発車する。写真に写っているおじさんが操車係兼車掌のようで切符を売りに来る。<br />終点のアールクスネまで33kmを1時間25分かけて走る。走行速度は自転車並だが、客車のサスペンションが薄い(もしくは無い?)のか激しく揺れる。<br />運賃は3.9ユーロ。並行するバスが2ユーロ(しかし1日1往復程度で時間帯がバーニーティスと全く違う)であるため高い感じがするが、保存鉄道の役割も兼ねているので妥当な所だろう。

    4両留置されていた客車のうち2両を牽引してホームへ戻ってきた。客車が1両しかないという情報をどこかで見かけたが、時期や曜日によって違うのだろうか。

    13:00の定刻にグルベネを発車する。写真に写っているおじさんが操車係兼車掌のようで切符を売りに来る。
    終点のアールクスネまで33kmを1時間25分かけて走る。走行速度は自転車並だが、客車のサスペンションが薄い(もしくは無い?)のか激しく揺れる。
    運賃は3.9ユーロ。並行するバスが2ユーロ(しかし1日1往復程度で時間帯がバーニーティスと全く違う)であるため高い感じがするが、保存鉄道の役割も兼ねているので妥当な所だろう。

  • 乗客は家族連れ3組と地元のお婆さん1人と自分の13~14人程だった。<br />途中のStamerieneで2組の家族連れが下車する。何も無さそうな田舎だが近くに湖があるようで、浮き輪をもって遊びに行くのだろうか。<br /><br />Kalnienaには交換設備があり、列車はポイントの前で一旦停止してポイントの切り替わっている向きを確認しているようだ。電気的な鎖錠が無く駅員もいないための措置であろう。通常この交換設備が使われることは無いが、イベント列車が走ると使用するのだろうか。

    乗客は家族連れ3組と地元のお婆さん1人と自分の13~14人程だった。
    途中のStamerieneで2組の家族連れが下車する。何も無さそうな田舎だが近くに湖があるようで、浮き輪をもって遊びに行くのだろうか。

    Kalnienaには交換設備があり、列車はポイントの前で一旦停止してポイントの切り替わっている向きを確認しているようだ。電気的な鎖錠が無く駅員もいないための措置であろう。通常この交換設備が使われることは無いが、イベント列車が走ると使用するのだろうか。

  • 定刻より1分早い14:24に終点のアールクスネに到着した。到着後はすぐに機回しして折り返し準備が行われる。<br />アールクスネ駅は古い駅舎があるが中には入れず、隣に新しい駅舎を建設中だった。完成すれば、カフェや観光案内所も入る駅になるのだろうか。

    定刻より1分早い14:24に終点のアールクスネに到着した。到着後はすぐに機回しして折り返し準備が行われる。
    アールクスネ駅は古い駅舎があるが中には入れず、隣に新しい駅舎を建設中だった。完成すれば、カフェや観光案内所も入る駅になるのだろうか。

  • アールクスネ駅を終端部から望む。現在使用している線路は発着線と機回し用の2線のみで、右側の貨車が停まっているところの線路は途中で切られている。<br />機関区は全てグルベネにあるようだ。<br />アールクスネでは約1時間あるので、何もない町だがブラブラと散策してみる。

    アールクスネ駅を終端部から望む。現在使用している線路は発着線と機回し用の2線のみで、右側の貨車が停まっているところの線路は途中で切られている。
    機関区は全てグルベネにあるようだ。
    アールクスネでは約1時間あるので、何もない町だがブラブラと散策してみる。

  • 現在のナローゲージはグルベネ~アールクスネ間の33kmしか走っていないが、かつては南部のPlavinasから北部のValkaまでラトビアを縦断するように212kmの路線を有していた。しかしバルト三国の独立や戦争に翻弄され、1973年にグルベネ~アールクスネ間のみに短縮された。<br />残された区間も設備の老朽化が深刻だったが、鉄道を産業遺産と位置付けて運営されることになり、保存と地元の足を両立するように現在も運行が続けられている。週末や長期休暇の時にはSLが牽引することもあり、観光鉄道への脱皮を模索しているようだ。<br /><br />乗車した日はレギュラートレイン(ディーゼル機関車牽引)しか運転されていない日であったが、SL牽引になると所要時間が30分程伸びる。そのため、アールクスネでの滞在時間や折り返しグルベネへの到着時間が変わるので、その先で乗り換えをする場合は注意が必要だ。<br />画像はアールクスネ市街地にある廃線跡。1973年に廃止された区間だがレールが残っており、これより北の区間ではレールこそないものの線路跡が遊歩道に転用されていた。

    現在のナローゲージはグルベネ~アールクスネ間の33kmしか走っていないが、かつては南部のPlavinasから北部のValkaまでラトビアを縦断するように212kmの路線を有していた。しかしバルト三国の独立や戦争に翻弄され、1973年にグルベネ~アールクスネ間のみに短縮された。
    残された区間も設備の老朽化が深刻だったが、鉄道を産業遺産と位置付けて運営されることになり、保存と地元の足を両立するように現在も運行が続けられている。週末や長期休暇の時にはSLが牽引することもあり、観光鉄道への脱皮を模索しているようだ。

    乗車した日はレギュラートレイン(ディーゼル機関車牽引)しか運転されていない日であったが、SL牽引になると所要時間が30分程伸びる。そのため、アールクスネでの滞在時間や折り返しグルベネへの到着時間が変わるので、その先で乗り換えをする場合は注意が必要だ。
    画像はアールクスネ市街地にある廃線跡。1973年に廃止された区間だがレールが残っており、これより北の区間ではレールこそないものの線路跡が遊歩道に転用されていた。

  • 15:25発の列車でアールクスネを後にする。行きよりも乗客は少なく、6名程度しか乗っていない。<br />車内は木製の椅子が並びトロッコ列車のような雰囲気だ。古い車両だと思うが、手入れは行き届いており汚い感じはしない。

    15:25発の列車でアールクスネを後にする。行きよりも乗客は少なく、6名程度しか乗っていない。
    車内は木製の椅子が並びトロッコ列車のような雰囲気だ。古い車両だと思うが、手入れは行き届いており汚い感じはしない。

  • 線内唯一の交換駅であるKalnienaに到着する。行きと同様に駅手前で一旦停止してからポイントへ進入していく。通常は上下列車とも一線スルー状態の線路しか使わないようだ。

    線内唯一の交換駅であるKalnienaに到着する。行きと同様に駅手前で一旦停止してからポイントへ進入していく。通常は上下列車とも一線スルー状態の線路しか使わないようだ。

  • 終点のグルベネに近づいてきた。<br />グルベネの手前には信号機があり、バーニーティスで唯一の信号機と思われる(アールクスネには信号機は無かった)。<br />1520mmの線路と交差する箇所があるため設置されているのであろう。画像奥の廃工場の脇に1520mm軌間の貨物線がある。

    終点のグルベネに近づいてきた。
    グルベネの手前には信号機があり、バーニーティスで唯一の信号機と思われる(アールクスネには信号機は無かった)。
    1520mmの線路と交差する箇所があるため設置されているのであろう。画像奥の廃工場の脇に1520mm軌間の貨物線がある。

  • グルベネ駅手前にはナローゲージの車庫がある。ラッセル車や保線用の貨車が置かれているが、ボロボロになった客車や台枠だけになった貨車の残骸も置かれている。レストア待ちなのか面倒だから放棄してあるだけだろうか。<br /><br />グルベネには定刻の16:45に到着した。夕方にもう1往復アールクスネへ向かう列車があるが、客車だけホームに残し機関車は機関区に入っていった。

    グルベネ駅手前にはナローゲージの車庫がある。ラッセル車や保線用の貨車が置かれているが、ボロボロになった客車や台枠だけになった貨車の残骸も置かれている。レストア待ちなのか面倒だから放棄してあるだけだろうか。

    グルベネには定刻の16:45に到着した。夕方にもう1往復アールクスネへ向かう列車があるが、客車だけホームに残し機関車は機関区に入っていった。

  • この後は、バスでラトビア中部のMadonaへ向かうことにしている。<br />旅行前にこのナローゲージに乗った方のブログ等をチェックしているが、リガから日帰りかグルベネに泊まるパターンのみで、Madonaへ行った旅行記は発見出来なかった。<br />グルベネ17:15発のMadona行きバスは金曜と日曜のみ運行である。その他の方面でも月~金のみ運行のものや日曜のみ運行といった便もあるようだ。<br />金曜と日曜以外は、この時間から当日中にグルベネからMadonaへ行く手段は無いのでご注意を。

    この後は、バスでラトビア中部のMadonaへ向かうことにしている。
    旅行前にこのナローゲージに乗った方のブログ等をチェックしているが、リガから日帰りかグルベネに泊まるパターンのみで、Madonaへ行った旅行記は発見出来なかった。
    グルベネ17:15発のMadona行きバスは金曜と日曜のみ運行である。その他の方面でも月~金のみ運行のものや日曜のみ運行といった便もあるようだ。
    金曜と日曜以外は、この時間から当日中にグルベネからMadonaへ行く手段は無いのでご注意を。

  • Madona行きのバスは、メルセデスベンツのワゴン車のような車がやって来た。乗車定員19人と車内に書かれている。<br />グルベネの小さな市街を抜けると舗装された道を走っていくが、90km/hぐらいで飛ばしていく。途中で線路が車窓に見えたかと思うと、踏切で交差する。グルベネからMadonaへ至る路線だろう。<br />丘陵越えのような区間は砂利道で、それでもお構いなしに爆走する。そんなに厳しい時間設定なのかと思い日本からプリントアウトしてきた時刻表を見ると、途中の停留所を8分ぐらい早く通過している。いくら利用者が少ないからといってそんなに早発していいものなのだろうか・・・?<br /><br />こんな中途半端な曜日にしか走らない便に一体何人乗るのかと思っていたが、グルベネから乗ったのは3人、途中で降車した人もいたが途中乗車は3人いた。グルベネからMadonaまで通しで乗ったのは自分ともう一人だけだった。

    Madona行きのバスは、メルセデスベンツのワゴン車のような車がやって来た。乗車定員19人と車内に書かれている。
    グルベネの小さな市街を抜けると舗装された道を走っていくが、90km/hぐらいで飛ばしていく。途中で線路が車窓に見えたかと思うと、踏切で交差する。グルベネからMadonaへ至る路線だろう。
    丘陵越えのような区間は砂利道で、それでもお構いなしに爆走する。そんなに厳しい時間設定なのかと思い日本からプリントアウトしてきた時刻表を見ると、途中の停留所を8分ぐらい早く通過している。いくら利用者が少ないからといってそんなに早発していいものなのだろうか・・・?

    こんな中途半端な曜日にしか走らない便に一体何人乗るのかと思っていたが、グルベネから乗ったのは3人、途中で降車した人もいたが途中乗車は3人いた。グルベネからMadonaまで通しで乗ったのは自分ともう一人だけだった。

  • Madonaには定刻より6分早い18:39に到着した。<br />ラトビアの田舎でバスに乗る予定なら(そんな奇特な人はいないかもしれないが)、始発以外でなら10分以上前にはバス停に立っていた方がいいだろう。<br /><br />バスターミナルから5分程歩くと、Madona駅が見えてくる。駅舎は工事中で入れないようだった。スーパーとショッピングモールのようなものが併設されており、どこが駅部分なのか分かりにくい。<br />この日は駅からさらに5分程歩いたホテルに宿泊した。

    Madonaには定刻より6分早い18:39に到着した。
    ラトビアの田舎でバスに乗る予定なら(そんな奇特な人はいないかもしれないが)、始発以外でなら10分以上前にはバス停に立っていた方がいいだろう。

    バスターミナルから5分程歩くと、Madona駅が見えてくる。駅舎は工事中で入れないようだった。スーパーとショッピングモールのようなものが併設されており、どこが駅部分なのか分かりにくい。
    この日は駅からさらに5分程歩いたホテルに宿泊した。

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