2018/07/17 - 2018/07/24
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kiro184さん
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今回はバルト三国(北からエストニア、ラトビア、リトアニアの3国)への旅行である。
バルト三国のうちエストニアのみは、昨年(2017年7月)のフィンランド旅行の際に「お試し」的な感覚で訪問している。
その時に見た鉄道の運行状況や、帰国後に列車のダイヤを調べているうちに「バルト三国を鉄道で縦断出来るかもしれない」と思い今回の旅行を計画した。
当初の予定ではリトアニアからさらにポーランドまで抜けようかと思っていたが、旅行期間が長くなりすぎるためにそれは諦めた。
バルト三国のいずれの列車も、地方へ向かう路線は1日2~3往復程度しか走っていない所が多くルートを考えるのに苦労したが、以下のような行程が出来上がった。
なおバルト三国の各首都間には多数の長距離バスが走っており、鉄道移動にこだわらなければ簡単に移動可能である(大半の旅行者はバスか飛行機を選択すると思う)。
※多忙につき、7月の旅行を12月に投稿することをお詫びいたします。
【大まかな行程】
1日目
成田国際空港→ヘルシンキ・ヴァンター国際空港→タリン空港→タリン(タリン泊)
2日目〔エストニアからラトビアへ〕
タリン→Valga→リガ(リガ泊)
3日目
リガ→Tukums2→リガ→Jelgava→リガ→Ogre→リガ(リガ泊)
4日目
リガ→グルベネ→Aluksne→グルベネ→Madona(Madona泊)
5日目〔ラトビアからリトアニアへ〕
Madona→Ogre→ダウガウピルス→ヴィリニュス(ヴィリニュス泊)
6日目
ヴィリニュス→カウナス→ヴィリニュス→Pakene→ヴィリニュス(ヴィリニュス泊)
7日目
ヴィリニュス→Naujoji Vilnia→ヴィリニュス国際空港→ヘルシンキ・ヴァンター国際空港→(機内泊)
8日目
→成田国際空港
- 旅行の満足度
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
◆5日目
この日はまず、Madonaを5:15に発車するリガ行きの列車に乗る。この列車に乗りたいがためにわざわざMadonaに泊まったのだ。
かつてはここから北側のグルベネまで旅客列車が走っていたようだが、現在は貨物列車のみ運行されているらしい。Madonaから南側では旅客列車が運行されているが、これはリガ発Madona行が1日1本で金曜と日曜のみ運転、Madona発リガ行が土曜と月曜のみ運転というかなり変則的なダイヤになっている。 -
5時頃に駅に行くと、すでに車両が入線していた。おそらく前日の夜にリガから来て滞泊していたのであろう。
旧ソ連製の3両編成の気動車だ。
リガ発Madona行は夕方発、Madona発リガ行はこの5:15発のみだ。
バスであればリガやダウガウピルスへ行く便が何本かあるようなので、地元の人は特に不便を感じていないのであろう。それならばなぜ旅客列車を運行しているのか理解しがたい部分ではある(鉄道マニアとしては嬉しいことだが)。 -
Madonaからは10人ぐらいの乗客を乗せ、定刻に発車した。
沿線は湖が多く、朝霧がかかっていて美しい。線路際に鹿を何度か見かけた。水場が多いから寄って来るのだろうか。
途中の小さな駅でも必ず駅員が配置されていて、運転士に出発合図を出している。画像はJaunkalsnava駅。オレンジのチョッキを着た女性が駅員だ。
途中駅では何度か貨物列車とすれ違った。Madonaやグルベネまで結構な頻度で貨物列車が走っていると思われる。 -
Plavinasでダウガウピルス方面からの路線と合流する。
リガへ向けてひた走り、Ogreには7:16に到着した。
この後はダウガウピルスへ行くことにしているが、手前のAizkraukleで乗り換えてもダウガウピルス行きに乗車することは出来た。しかし早朝に店すら無さそうな駅で2時間以上待つことになるため、Aizkraukle~Ogreは重複乗車になるがOgreまでやって来た。
Ogreはつい2日前に訪れている。その際はリガから往復したが、今日のことを見越して未乗車区間を少なくするようにしたためだ。 -
Ogreで1時間待ち、8:16発のダウガウピルス行に乗車する。
例のごとくソ連製の3両編成の気動車を2編成つないだ6両編成だが、立客が出るほど混雑している。
私も立っていたが、2駅ぐらい過ぎると空席が出来たため座ることが出来た。
ダウガウピルスには11:10に到着する。リガからだと朝一番に到着する列車だからなのか、終点まで多くの乗客が乗っていたようだ。 -
4時間以上待ち時間があるため、街を散策する。
中心部は公園が多く美しい街だ。系統は少ないがトラムも走っている。 -
トラムの路線沿いに歩いてからは駅横の歩道橋を渡り、ダウガウピルス駅の裏側にやって来た。
駅裏には貨物駅か工場が広がっているようで、線路はデルタ線(三角線)になっているようだ。
デルタ線上には踏切警手がいる手動の踏切があった。 -
駅裏をぐるっと歩き、駅を見渡せる大きな道路の跨線橋から撮影する。
リトアニア、ベラルーシ、ロシアを結ぶ鉄道の拠点になっているようでたくさんの貨車が留置されている。 -
ダウガウピルスからは15:41発のヴィリニュス行の列車に乗車する。
てっきりソ連式の客車列車かと思っていたが、3両編成のソ連製デイーゼルカーだった。
ダウガウピルスとヴィリニュスを結ぶ列車だが、土日のみ1日2往復運行されている。今回の旅程作成は、ここを基準に決めたと言っても過言ではない。
なおリトアニア側の境界駅であるTurmantasまでは、ヴィリニュスから毎日5往復程度の列車が運行されている。
ちなみに乗車券をダウガウピルス駅の窓口で買おうとしたが「車内で買ってくれ」と言われ売ってもらえなかった。切符を持たずに乗車すると車掌が発券してくれた。 -
この車両はリトアニア国鉄所有の編成のようで、ラトビア国鉄所有と同じソ連製気動車ながらリニューアルされているようだ。
3+3列だった座席が2+3列になったり、窓が上に開けるタイプから内側に折れるタイプに変更されている。
ただ背もたれが異常に低く、注意しないと後ろの人と頭をぶつけそうだ。 -
列車は定刻にダウガウピルス駅を発車した。
リトアニアに入って景色が劇的に変わるわけではないが、駅や鉄道の施設には変化がある。画像はリトアニアのVisaginas駅。 -
定刻の18:25にヴィリニュスに到着した。
先頭の動力車は、ラトビアでも見たようにオリジナルの形態だ。
この日はヴィリニュス駅で写真を撮ってから駅周辺を散策し、駅近くのホテルに宿泊した。 -
◆6日目
この日と翌日の帰国日は、ヴィリニュスを起点に散策する形になる。まずは8:43発のカウナス行きに乗車しカウナスへ向かう。
オール2階建てのきれいな電車だった。広軌の巨大な車両断面をいっぱいまで使っているため、車内は1階2階とも全く圧迫感が無く2階建て車両であることを忘れそうになる。 -
ヴィリニュスを定刻で発車する。
次のPanyaryajを発車すると、徐行運転しているのか20km/hぐらいの速度で走る。工事区間は土がむき出しで、左手に分岐する支線もある。
Vokeの直前で工事区間が終わり、速度が上がる。
Pravenishkesからは20人ぐらいが乗車する。田舎の村のような所だが、何かあるのだろうか。 -
定刻の10:25にカウナスへ到着する。
行き止まりのホームに到着するが、駅舎からは離れている。 -
カウナスに到着する直前で右手にSLが置いてあるのが見えたため、まずはそれを見に行く。
駅から10分程歩くと幹線道路沿いに置かれたSLが見えてきた。柵に囲われて立ち入り出来ないことと、裏手は現役の線路のためこちら側の面しか見学出来ない。 -
その後は定番ではあるが日本人なら外せない、杉原千畝ミュージアムを見学し、街を散策する。
杉原ミュージアムを出て住宅街を駅の方へ歩いて行くと、十字架がある山の上にやって来た。ここから駅構内を一望出来る。ソ連時代ならこんな場所で写真を撮ろうものなら拘束されてしまったのだろうか。 -
その後はスーパーやバスターミナルをぶらぶらし、13:52発の列車でカウナスを後にする。
行きと同じ2階建て電車だがこの列車は各駅停車のようで、小さな駅にも丹念に停まっていく。
乗降場とも言えるような小さな駅が多い。画像はどこかは不明だが、短いホームと中に入れるのか分からないボロ小屋がある駅。 -
ヴィリニュスには15:35に到着した。
時間が余っているため、駅裏の機関区がある辺りまで歩いてみる。機関区に隣接してSLが保存されていた(ヴィリニュス駅に隣接する鉄道博物館の収蔵車両とは違うもの)。
今晩もヴィリニュスに泊まるが、16時ぐらいではホテルに入るには早すぎるし、別の街へ行くには時間が無さすぎる。トラカイぐらいなら往復出来そうだったが、ちょうどいい時間の列車が無く断念した(リトアニアの鉄道はヴィリニュス~カウナス間以外は本数が極端に少ない)。 -
そこで近距離ではあるが、ヴィリニュスからベラルーシ方面への路線に乗ることにした。しかしベラルーシのビザは持っていないため、リトアニア国内部分だけだが・・・。
時刻は日本でネットを使い調べておいたが、果たしてこの列車がどこまで行くのかは分からなかった。
Kena(Kenos)はリトアニア側の最終駅のようで、10分程度の待ち時間で対向列車が来るようだ。列車が遅れた場合の安全策として、1つ手前のPakeneで降りることにした。
乗車してみるとこの列車はKena行きで、ベラルーシへ直通する列車ではなかった。つまり、Kenaまで行っても折り返し同じ車両に乗車出来たのだ。1両のディーゼルカーだ。
予定通りPakeneで下車した。 -
1つ前の画像はPakene駅に到着したところだが、小さな乗降場で周りには2軒の民家があるだけだった。
駅から見た駅前通り(と言うより獣道?)。他にも1人下車したが、民家の間の道を通ってどこかへ行ってしまった。 -
乗車した列車はディーゼルカーだったが、線路は複線電化されている。
およそ25分の待ち時間があるが、何も見るものが無いためホームに座って過ごす。
乗車を待つ間にも長大な貨物列車が2本、ベラルーシのミンスク行きの国際列車が通過していった。この路線はベラルーシやロシア方面への貨物輸送がメインで、1日5往復しかないKena行きは全くのオマケなのだろう。
ヴィリニュス行きの発車時間が迫ると、若い男女二人(カップルや知り合いではないらしい)がやって来た。民家の住人ではないようだが、どこからやって来たのだろうか。
17:29にKenaで折り返してきた列車が到着した。 -
乗車中にも長大な貨物列車とすれ違う。途中のKyviskesは何本か側線を持つ駅だが、ホームがあるのは1線だけだった。国際列車は通過する駅で、Kena往復の列車が停まるだけなのでこれでいいのだろう。
定刻の17:58にヴィリニュスに到着した。
ヴィリニュスはトラムは走っていないが、駅前にトロリーバスが乗り入れている。
駅近くのスーパーで食事と酒を買ってホテルへ入った。 -
◆7日目
長かったバルト三国の旅行もこの日が実質最終日で、ヴィリニュス空港を14時頃離陸する航空機に搭乗予定だ。
それまで乗り鉄をと思ったが、前日のところで記したように列車本数が少なすぎるのでちょうどよく行ける所が見つからない。
前日Pakene往復した際にNaujoji Vilnia駅の横にSLが保存されているのを発見したため、それを見に行くことにした。 -
ヴィリニュスを7:30に発車する列車に乗り、2つ目の駅のNaujoji Vilniaで下車する。乗車したのは奇しくも昨日乗車したのと同じKena行きだった。
駅前にSLと貨車数両が屋根付きの状態で保存されている。保存車の中でもなかなか大切に扱われているようだ。 -
ロシア語の形式名と側面隅に残るСССР(エスエスエスエル)の表記。貨車は車体に木材が使われている古いもののようだ。
Naujoji Vilniaはヴィリニュスから向かうと、Turmantas方面(ラトビア方面)とKena方面(ベラルーシ方面)への分岐駅になっている。
旅客列車よりも貨物列車の方が多く通過していく。
Naujoji Vilniaはヴィリニュスのベッドタウンにもなっているようで、平日朝なので駅前のバス停からヴィリニュス方面行きのバスに乗る人が多い。 -
Naujoji Vilniaを8:27に発車する列車でヴィリニュスに戻る。
電車タイプの列車なんだなと思ったがこれはカウナス行きの列車であり、前日カウナスへ行った際に乗った列車と同じ列車だった。
時刻表を見ると、カウナス行きの列車は一部がNaujoji Vilnia始発で運転されているようだ。
11分乗車して8:38にヴィリニュスに到着する。全く24時間前に同じ場所にいたが、昨日は乗る方で今日は降りる方だ。 -
列車を降りると、トラックが建物の修繕のためホーム上で稼働していた。
旧ソ連で開発されたZil-131というトラックで1967年から100万台以上が生産されたそうだ。軍用以外に民間用も多数あり、ロシアや旧ソ連国でまだかなりの数が現役らしい。
驚くことに2012年まで製造が続いていたそうなので、見た目は古臭いトラックだがまだ6年落ち程度の個体もいることになる(画像のものが何年製かは不明)。
キャビン側面にリトアニア国鉄のロゴが入れられており、鉄道会社所有なのだろう。
画像では折りたたんでいるが高所作業車で、後ろの黄色い建物(鉄道局と思われる)を修繕していたようだ。 -
その後はヴィリニュス駅に隣接する鉄道博物館を見学する予定だった。
しかし訪問した月曜日は休館日。駅舎2階の資料室には入れず、屋外展示車両もホームから見えるものだけ見学することになってしまった。 -
ヴィリニュス駅の待合室に掲げられていた路線図。
現在、カウナス~Mockava間のみ標準軌(1435mm)であり、カウナスからポーランド方面への直通列車が走っているらしい。
その他は広軌(1520mm)で、ラトビアやベラルーシへ直通する列車や未確認だがロシア領カリーニングラードへ乗り入れる列車もあると思われる。 -
鉄道博物館を見学出来なかったため適当に駅前をぶらつき、ヴィリニュス11:00発の列車に乗りOro uostas(ヴィリニュス空港)へやって来た。
Kena行きと同じタイプの単行のディーゼルカーだ。30人程の乗客が乗っている。
飛行機の離陸時間までは余裕があるが、ちょうどいい列車がこれしか無かったためだ。これでバルト三国の乗り鉄は終わりとなった。 -
ヴィリニュスからヴィリニュス空港への列車は1日18往復しかなく、空港アクセスとして成り立っているかは微妙な所だ。
ホームは3両編成まで入るものが1面しかなく、1両の気動車がヴィリニュス駅と往復しているだけだ。駅設備はエレベーターが1基と階段しかなく、空港までは道路を横断する所もある。
駅設備面からも単行の気動車で運べるだけの旅客を受け入れるのが精一杯で、これ以上旅客を増やしたくないというのが本音ではないだろうか。
せっかく線路が繋がっているのだから、カウナスから直通する列車を設定したり今は旅客列車が運行されていない南側からの列車もあれば状況は変わるのではないかと思う。 -
この後はヘルシンキのヴァンター国際空港で乗り換え、帰国するだけだ。
(画像はヴィリニュス空港の到着ロビー。旧ソ連時代の建物)
◆8日目
定刻より20分程早い8:35頃に成田空港に到着した。ここで北海道へ帰る飛行機に乗り、さらに乗り換えるので帰宅したのは夕方であった。 -
バルト三国は地方へ向かう列車の本数があまりにも少なく苦労して行程を組み上げたが、無事に旅行を終えることが出来た。
目標であった「バルト三国を鉄道で縦断する」も、エストニアのタリンからリトアニアのヴィリニュスまで鉄道で繋ぐことが出来た。カウナスからはポーランド方面への列車があるようなので、いずれ乗車してみたいなと思う。
現在バルト三国の鉄道は、カウナスからポーランドへ向かう路線の一部以外はロシアと同じ軌間1520mmだが、これをポーランドやドイツと同じ1435mmに改軌する構想があるそうだ。
これは現状西側ヨーロッパから貨車の直通が出来ない事が不便なためのようだが、それが実現すればポーランド方面からエストニアのタリンまで直通する列車が登場するのかもしれない。
しかし1435mmに改軌するとロシアと直通出来なくなる問題は大きい。旅客は乗り換えてくれるからいいとしても、貨物は自分で乗り換えてはくれない。コンテナなら簡単に積み替えできるが、大量に輸送されている石油や木材をどう運ぶかが課題になるだろう。
これからバルト三国の鉄道がどのような方向に向かうのか、興味深く見ていきたいと思う。
(画像はValga駅。タンク車に埋もれるように発車を待つ気動車)
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