2018/06/24 - 2018/06/24
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とある和菓子好きさん
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今日は梅雨の中晴れでした。お出かけにぴったりの日ですね。
今回は奈良県の室生寺へまず向かいます。室生寺はほぼ三重県という立地にある由緒ある山寺です。入り口には女人高野と書かれていますが,これは元来高野山が女人禁制であったのに対し,同じく真言宗であるこの室生寺は女人の参拝を認めていたために言われるようになりました。今でも山寺の雰囲気をよく留めている素晴らしいお寺です。国宝は金堂と本堂(灌頂堂),五重塔,釈迦如来立像,十一面観音立像,釈迦如来坐像,それに快慶作と伝わる十二神将立像をはじめとした重要文化財の数々を今も伝えています。中でも,金堂は必見です。ここには,内陣に所せましと室生寺の仏像たちが祀られています。どれもが傑作の仏像たちでいつまでも見ていることができる空間です。次いで,本堂と五重塔です。先の金堂とともに本堂も平安時代に建立されたもので,現存する平安時代の建築物はそれだけで非常に貴重です。五重塔も同じく平安時代のもので国宝です。高さは屋外にあるものとしては日本最小らしいですが,石段の下から見上げることになるので,思ったりより大きく見えます。ただ,かつての台風による倒木が直撃したため,解体修理を行っています。そのため,本堂や金堂と比較するとどうしても新しさが見えてしまいます。しかしながら,ほぼ全壊になったものをここまで再建した努力たるや血のにじむものがあったでしょう。あと,数十年ほどは新しい感じを受けるでしょうが,またこの室生寺の風景になじむ日がくると思います。いずれにせよ,平安時代の山寺の雰囲気を色濃く残すこのお寺は,今後も大切に守っていきたい日本の宝です。
次に桜井市にある聖林寺に行きました。ここは,談山神社のふもとにある決して大きくないお寺です。しかしながら,ここには国宝の十一面観音立像が安置されています。この十一面観音立像は,もともとは大神神社の神宮寺のものだったそうですが,明治時代の廃仏毀釈の際に廃棄されていたのを不憫に思い当時の住職がこの寺へ運んだようです。今では,収蔵庫の中で大切に祀られています。以前に京田辺市の大御堂観音寺の国宝十一面観音立像を見たのですが,同じ平城京の国立造仏所で作られたようで,作風が非常に似ているらしいです。今回はそれを確かめたく訪ねてみました。像の作りは確かに大御堂観音寺のものと多分に共通点をみることができます。しかし,大御堂観音寺のものが少年的な印象を受けるのに対し,こちらは成年的な印象です。もう少し具体的に例えてみると,部活動をしている男子高校生のような印象です。国宝の十一面観音立像は7体あるのですが,室生寺のものを含めて今まで4体見ましたが,どれもそれぞれに違った印象を受けて,見るのがとても楽しみというか,興味深いものがあります。せっかくこちらの十一面観音立像を今回見ることができたので,また再度大御堂観音寺の方にも行ってみようと思いました。
最後に安倍文殊院に行きました。こちらは快慶作の渡海文殊菩薩群像があります。圧巻でした。快慶は名だたる仏師だなということを思い知らされる仏像です。ただただ,かっこいい!個人的には兵庫県小野市にある浄土寺の阿弥陀三尊立像を見たときも思ったのですが,快慶は大きな仏像を造るのが本当に上手いと思います。今から800年前の人物がこれほどまでに卓越した技術をもっていたのが,何より驚きです。実はこの群像の内,獅子と維摩居士は焼打ちにあったために安土桃山時代に補われたものですが,吉野の金峯山寺にある蔵王権現を造った宗印の手によるものらしく後の時代の作とはいえ,見事に調和しています。これも素晴らしい!
今回訪れたところはいずれもおすすめです!それぞれにそれぞれなりの魅力があるので,とても楽しく,興味深く回ることができました。また,折をみて訪ねてみたいものです。
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