2018/04/23 - 2018/04/30
46位(同エリア171件中)
コロアさん
人類が定住する集落のうち、地球上で最も南にある、チリのプエルトウィリアムズ、及びプエルトトロという場所を訪ねてきました。そこはまさに世界の果て、印象的な旅行になりました。ネット上にあまり情報の多くない地域なので、行き方等含めてレポートしてみようと思います。
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旅人なら一度は憧れる世界の果て。観光産業上はアルゼンチンのウシュアイアが世界最南端といわれることが多いようで、街には写真のように「世界の果て碑」なんていうのも立っています。しかしその南側、チリのナバリノ島に、まだ集落があります。プエルトウィリアムズとプエルトトロです。
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プエルトウィリアムズは漁師と軍の町で、約2000人が暮らしています。そこから更に2時間行ったところにプエルトトロという村があり、こちらが正真正銘の世界最南端です。
(もっと南のカボ・デ・オルノス国立公園内に、国境警備隊が家族を伴って常駐していますが、今回は民間人が暮らす集落いうことで、除外させてもらいました) -
まずはプエルトウィリアムズを目指します。プエルトウィリアムズへは、アルゼンチンのウシュアイアか、チリのプンタアレーナスから行くことが出来ます。行き方は以下の3通り。
1.ウシュアイアからボート+車 (3時間)
2.プンタアレーナスから飛行機 (1時間)
3.プンタアレーナスから貨客船 (30時間)
今回行きは1、帰りは2の方法を選びました。
2と3はネット予約が出来、メジャーな行き方ですが、小舟で国境を越える1も、旅をしている感覚が強くて、捨てがたいです。 -
ウシュアイアからプエルトウィリアムズへのボートを探します。この区間は以下3社が運行しているようです。
1.Ushaia Boating
2.Seaboat Navigation
3.Onashaga Expeditions/Turismo Shila(共同運行)
1が定番なんですが、ここ最近運行しておらず、会社が解散したのではという噂。新興の2は大型船を持っていて、スーツケースを持っての旅行も安心で期待していたのですが、船の故障で長期運休中。結局3にお願いすることになりました。 -
オフシーズンなので月曜日と土曜日のみの運航ということになっているのですが、お願いしたところ、金曜日に私1人だけのために船を出してくれました。特に割増料金も無し。英語メールは無視されてしまうため、翻訳ソフトを用いて、Turismo Shilaの方にスペイン語のメールを送って、なんとか予約ができました。市内にカウンターもあるのですが、常に無人だったので、メールでの事前予約がおすすめです。
料金は120米ドルと税金が60アルゼンチンペソ。朝9時頃に出発します。港の出入国事務所に集合し、アルゼンチンの出国手続きを行ってからボートに乗り込みます。 -
小さな船とは聞いていましたが、思っていたよりは立派で、機内サイズ程度のスーツケースの持ち込みは問題無さそうです。
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船内の様子。16人乗りです。
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非常に揺れる30分ほどの航海の後、チリ側に到着すると、元気なワンコが迎えてくれました。
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ボートは最短距離で海峡を渡って、プエルトナバリノという場所に到着しています。ここで税関検査を済ませた後、残りは車で1時間ほどの移動となります。
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未舗装の道をぐんぐん進んでいきます。
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プエルトウィリアムズに到着。車は交番へ向かい、ここでチリの入国手続を行います。
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無事にスタンプをもらった後はホテルへ。今回は街で一番新しい「Hotel Fio Fio」を利用しましたが、ここは素晴らしかったです。オーナーは研究のために移住してきた人類学者の方で、歴史や観光スポットについて、流暢な英語で親切に説明していただけました。街にある博物館もこの方が運営されています。
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部屋は綺麗で快適。水回りも清潔で、石鹸・シャンプー・コンディショナーが用意されていました。ベッドの寝心地もよく、WiFiも問題なく利用できました。空港や港へは無料で送ってくださいます。
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無料の朝食も、ベーシックですが、質がよく、南米の遠隔地では稀有なものです。
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街の散策へ繰り出します。ここは中心の広場。
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少し高い場所から街を見下ろします。
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街にはこうした売店が3つほどあります。
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生鮮品はありませんが、ほとんどの種類の加工食品・冷凍食品や、歯ブラシなどの日用品が揃っていました。水やコーラは1本100円程度で、物価も高くないです。全ての商店でクレジットカードの利用が可能です。
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暖かいエンパナーダも用意がありました。
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街には有人窓口を備えた銀行もあり、ATMでは問題なく現金を引き出すことが出来ました。
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ここは港近くにあるウキカ地区。この地の先住民族であるヤーガン族の、純血最後の1人の方が暮らしていらっしゃいます。
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裸族であったり派手なペイントが有名なヤーガン族は、我々と同じモンゴロイドに起源を持っているというので驚きです。アラスカからここまで大移動してきたようです。
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レストランもいくつかありますが、私は中心広場からも見える「Resto del Sur」という店によく行っていました。とっても親切で英語の出来るウェイターさんがいらっしゃいます。ステーキに添えられたカニのリゾットが美味でした。
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こちらは深海魚であるマジェランアイナメを丸ごと包んだパイ。当地では10%のチップを添えることが一般的です。
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2000人の人口のうち約半数は軍関係者。街中には軍施設も点在していますが、皆さん大らかで、ピリピリした感じはありません。観光に力を入れている街ではありませんが、日本人がうろついていても警戒されるようなことはなく、すれ違う方や子どもたちは、皆さん親切に話しかけてくださるので、素晴らしい旅行先だと感じました。
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さて、ここからプエルトトロを目指します。トロへ向かう道路は未完なので、テントを持って山を歩くか、海路で向かう形になります。
プンタアレーナスからやってくる貨客船が、月に1度だけ、物資運搬のためにプエルトトロまで延長運行されており、観光客はこれに無料で同乗することが出来ます。運行は不定期ですが、月の最後の週末であることが多いようです。港の目の前のこちらのオフィスで、前日までに氏名とパスポート番号を登録します。 -
フェリーは朝8時に出港し、2時間ほどでトロに到着。およそ1時間の停泊の後、とんぼ返りでウィリアムズへ向けて出発します。1時間の停泊の間、観光客は集落内を散策することが出来ます。
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夜明けのビーグル海峡内を慎重に進んでいきます。村での主要な燃料である薪や、1ヶ月分の食料、土木作業車などが積み込まれています。
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プンタアレーナスからの長距離便にも使われる船なので、椅子はよく倒れます。コンセントやシャワーも完備されており、プンタアレーナスへの航海も快適そうです。
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だんだんと夜が明けてきました。
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遂にプエルトトロが見えてきました。現在は2家族10名と教師1名の合計11名が暮らす小さな村です。なんとここにも公立学校があります。
月に1度のフェリーの到着に総出でお迎え、かと思いきや、港に人影は見当たらず、意外とドライです。 -
遂にやってきました最南端!
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東京までは17000km、地球の裏側です。
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村を散策します。一昔前はもう少し人が住んでいたらしく、新しい廃墟も多いです。
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一番高いところまで登ってきました。日本の漁村も思わせるのどかな景色です。
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唯一の商店にお邪魔します。沢山の犬が放し飼いにされていて、初対面の人を見ると遊んでくれ~と喜んで駆け寄ってきます。
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最南端の地でいただく出来たてのエンパナーダは格別です。
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子どもたちが薪割りに勤しんでいました。
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最果ての教会。
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当地で日本人は珍しいかと思いきや、漁師の方はなんと片言の日本語を話します。なんでも商社が魚を買いに来るんだそうです。
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あっという間に船が出る時間です。これを逃したら次は1ヶ月後ですから、余裕を持って乗り込みます。
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プエルトウィリアムズまで戻ってきました。帰りはプンタアレーナスまで空路利用です。街から車で10分程行ったところにある空港へやってきました。
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これがロビーの全景。とても小さな空港です。
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本日の機材が到着しました。プンタアレーナスへはDAP航空を利用します。パタゴニア地域の航空輸送を担う小規模エアラインで、南極への路線も持っています。
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小型機ながら4発を備えたエンジンが頼もしいです。日曜日を除く毎日1便が飛んでおり、通常は小さなプロペラ機ですが、週に1・2回は貨物輸送も兼ねてこのジェット機が就航しています。
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保安検査も無いまま徒歩で飛行機に乗り込みます。機内に入ってしまうとモダンな感じですね。
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ウシュアイアを眺めながらビーグル海峡上を飛んでいきます。
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無事にプンタアレーナスに到着しました。
文字通りの「最果て」を目指したこの旅、本当に印象的でした。
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