てぶケロと行く滋賀の春旅(狸と桜のトンネルと廃校)

2017/04/15 - 2017/04/15

2017年4月　春の滋賀旅。

たぬきがいっぱいの信楽町、
桜のトンネルが有名なミホミュージアム、
木造校舎の廃校　旧鎌掛小学校に行きました。

エリア 信楽(滋賀)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

早起きして、車で滋賀へ。
今回は初参加の写真サークルの撮影会です。

まずはたぬきの焼き物が有名な信楽町へ。ミホミュージアムへ行く途中の寄り道でしたが、なかなか面白い場所でした。

こちらは信楽焼のお店でしたが、入り口には3体の大きなたぬきが。
2階建ての屋根に届くぐらいの高さ！

みんなそれぞれ表情が違うんだよね。
手前の子は、世渡り上手なちゃっかり者って感じ。

入り口でお客様を迎えるように置かれている信楽焼。
どうしてたぬきなんだろうと長年思っていましたが、「たぬき」が「他を抜く」という意味で、「商売繁盛」を祈願しているんですね。

編み笠を被って少し首をかしげる姿がかわいい信楽焼のたぬき。
日本全国どこに行ってもよく見かけますが、このたぬきを全国的に有名にしたのは昭和天皇なんですって。

昭和26年、天皇が信楽を行幸された際、日の丸の旗を持ったタヌキを沿道に並べて歓迎し、この光景に昭和天皇は感激して歌を詠まれたそうです。

ミホミュージアムに到着！
念願の場所。この桜のトンネルをいつか見たいと思っていました。

ミホミュージアムはミシュランの三つ星観光地にも選ばれているため、多くの外国人観光客が訪れる場所なのですが、中でもしだれ桜が咲く季節はたくさんの人で賑わうようです。

トンネルの中から眺めるしだれ桜は、淡く儚い薄紅色がとても美しくて、チタントンネルにも桜の色が映り込んでいました。
この日のしだれ桜はまだ少し早かったから、満開の時に来たらもっと圧倒的なピンクに染まるんだろうな。

ここは桃源郷をテーマにして作られた美術館で、美術館に行くまでの道のりも楽しい。
門をくぐり、しだれ桜が咲き誇る桜並木を通り、トンネルを抜け、吊り橋を渡ると、ようやく美術館が現れます。

山奥にあるのでアクセスは決してよくないけれど、そのぶんとても神秘的な雰囲気で、俗世を忘れてその世界観に浸ることができました。

チケットを購入するレセプション棟から美術館までは歩いて5分くらい。
小さな電気自動車の送迎もあります。走行中の音は非常に静か。
気付いたら後ろに車が近づいてて驚いたことも。
暖かい日でしたが、このトンネルの中はひんやりとしていました。

この日は天気が不安定で、小雨が降っていたので傘の貸し出しもありました。きれいな若草色の傘。

美術館の中も素晴らしくて、春季特別展の「和ガラスの美を求めて」はとても興味深かった。素朴な美を感じさせるシンプルな器から、精密で繊細なガラス細工まで展示されていて、見入ってしまう作品がたくさんありました。

美術館の展示は撮影禁止。外観は人が多かったので、ミホミュージアムではあまり写真を撮らずに帰ってきましたが、またひとつ素敵な美術館を見つけました。

帰る途中、桜のトンネルでスーツ姿のおじさまを隠し撮り。

次は友達と一緒に行って、しだれ桜とシルエットのポートレート写真を撮りたいな。

お昼ごはんは「fleur」というカフェで、とろとろのオムレツをいただきました。このお店では真っ白なふわふわパンケーキが人気のようで、注文しているお客さんがたくさんいました。

気になったけれど、さすがに両方は食べられないので諦める。
友達同士で来ていたらみんなでシェアできるんだけどね。

お昼ごはんをいただいたあとは、滋賀の廃校へ。

ここは旧鎌掛小学校。
かまがけ、と読むのかと思っていましたが、正解は「かいかげ」でした。

2001年に廃校になった小学校で、滋賀県内でも数少ない木造校舎です。

現在は学校ではなく、「しゃくなげ學校」という施設となっています。
土日祝日のみ見学が可能。時間は10時～16時までです。

ここは職員室。

体育館の跳び箱。
もともと苦手だったけど、いま挑戦したら何段まで飛べるんだろう。
身体能力の衰えを感じる今日この頃。飛べずにぶつかって怪我をしそうな気がする。

机の上には教科書が乱雑に並びます。

表紙は少し傷んでいたけれど、中身は綺麗。
古い紙の感触って好き。文字を指で辿ってみる。

小学校の入学式の日、初めて教科書をもらった時の新鮮な気持ちがよみがえります。

「さんすう」とか「こくご」とひらがなで書かれた教科書をパラパラとめくって、何が書いてあるのか全然分からなかったけれど、新しいことを学ぶことにとてもワクワクしたことをいまでもよく覚えてる。

あと、「りか」を女の子の名前だと思って不思議に思ったことも。

旧鎌掛小学校はたびたびドラマや映画の撮影を行っているため、ロケ地めぐりに訪れる人もいるそうです。

2時間近く滞在しましたが、他のお客さんはほとんど来ず、ほぼわたしたちだけの貸し切り状態でした。写真好きの集まりで、しかもポートレートを撮るグループでもないので、各々写真を撮りながら好きに回ります。

教室の中を覗くと、机が整然と並び、
白いカーテンが風で揺れていました。

使い込まれた机と椅子。木造校舎の温かみにほっとする。

いまはいろんな人と話すことが面白くて興味深いけれど、学生時代は極力人と関わりたくないと思っていました。
思い返してみても、どうしてあんなに心が疲弊し、常に窮屈な思いをしていたのか、自分でも不思議なくらい苦しくてつらかった。
友達はいたけれど、心が満たされなくて淋しかった。

いまでも人間関係に疲れたり、失敗したりすることはあるけれど、積極的に人と関わる人生を歩みたいなと思います。

1人で椅子に座って物思いにふけっていると、午後のゆるやかな時間と相まって、眠気を誘われる。

当時の空気をそのまま閉じ込めたみたい。
愛情をこめてきちんと管理されているのが分かります。

わたしはLumixのミラーレスを愛用していますが、2017年1月からフィルムの一眼レフでも写真を撮るようになりました。
この旅行記にもミラーレスとフィルムの写真が両方あります。

巻取りに失敗したり、撮影途中に蓋が開いてしまったり、そもそも最初の設置ができてなくて何も映っていなかったり、ISOの設定を間違えたり、露出が合っていなかったり。

フィルムならではの様々な失敗をしましたが、思いがけない写真が撮れるのが楽しいです。

ただミラーレスがメイン機で、フィルムはサブ機。
ミラーレス用にレンズも数本持っていくので、2台持ちの時は荷物が激重です。

さらにThetaも持っているので、張り切って3台持っていく時はリュックの底が抜けないかやや心配になります。

いつもドキドキしながらカメラ屋さんにフィルムを持ち込みますが、この旧鎌掛小学校で撮った写真には感激しました。
廃校とフィルムは相性はばっちりですね。

わたしは校舎の写真しか撮りませんでしたが、中庭には小さな花が咲いていて、校庭には満開の桜の木が並んでいました。

誰も教室を覗きにこないまま時間が過ぎていく。
広い校舎の中で、人の気配をまるで感じない。
一人ぼっちでここにいるみたいな、時間に取り残されているような、そんな不思議な気持ちが満ちてくる。

時計を見ると、ここを出る時間が近づいてきました。
名残惜しいけれど、帰る準備をしなくては。

誰もいない広い廊下をスリッパを履いて歩いていると、時折軋む木の音と、自分の足音だけが響く。ノスタルジックで、どこか違う世界に繋がっているみたいで、まるで映画の世界のよう。

管理されている方が戸締りのため、校舎の中を歩いて回っていました。
すれ違いざまに挨拶をして、みんなで車に乗り込みます。

愛知に戻る前にもう一か所、彦根城の桜を撮りに行きます。
堀の外には三脚を立てたカメラマンがずらり。みんなライトアップ狙いです。暗くなるまでいましたが、わたしは明るいうちの彦根城のほうが綺麗だなだと思いました。

ライトアップを待つ間ずっと、近くのお土産屋さんからひこにゃんの歌が流れていました。
「ひこにゃん ひこにゃん ひこにゃんにゃん♪」というシンプルなフレーズが続く、ひこにゃん音頭。耳に残りやすくて、つい口ずさんでしまう。

少しお腹が空いて、「和菓子処 さわ泉」で生じょうゆのお団子を購入。
1本だけのつもりが、美味しすぎてもう1本おかわり。
さらに家族へのお土産にも団子を買って帰りました。

帰りのサービスエリアで夕食。飛騨牛うどん美味しかった。

もともとのスケジュールはご飯を食べて解散なのですが、さらに五条川の夜桜を撮りに行くことに。
朝早くから集合だったのに、写真好きってほんとに元気だなー！

本気ガチカメラマンしかいない撮影会は久しぶり、いや初めてかな？
よく遊びに行く写真好きはみんなゆるゆる楽しむタイプなので驚きつつ、かなり新鮮でした。普段自分が調べてどこかへ行くことが多いので、知らない場所を知ることができたり、連れてってもらうのっていいな。

でも自分で企画すると、行きたいところに自分のペースで行けるから、こだわりが強い人間は自分でプランを立てる方がいいんだよね。自分で企画しつつ、時々こうして本気撮影会にも参加したいなと思いました。

この旅行記へのコメント （3）

• notchさん 2018/04/14 21:01:42

  ようこそ滋賀へ～♪

  てぶケロトラベラーさん，こんにちは。
  
  ようこそ滋賀へ♪　わたしは生まれが滋賀なので，滋賀できれいな写真をたくさん撮っていただいてうれしいです。特に信楽は遠足で行ったのでなつかしかったです。
  
  鎌掛小学校は知らなかったです。こちらもいいですねー　今回はフィルム写真にも挑戦されたのですね！　フィルム写真だから出せる廃校の「情景」がとってもよかったです。フィルム写真，現像が仕上がったときのわくわく感を思い出しました。
  
  これからもきれいな写真の数々，たのしみにしていますね～
  
  notch

  てぶケロトラベラーさん からの返信 2018/04/15 19:32:08

  RE: ようこそ滋賀へ?♪

  notchさん、こんばんわ！
  コメントありがとうございます〜
  
  notchさんは滋賀出身なんですね！！
  わたし滋賀がとても好きでして、今年はすでに2回に行っております。
  そして近いうちにまた行く予定もあります(*^∀^*)
  
  車がないと行きにくいですが、滋賀は素敵な場所がたくさんあって楽しいです。
  次に書きたいなと思っている旅行記も滋賀なので、もしよければまた見ていただけると嬉しいです。
  写真はかなり微妙なのですが(苦笑)
  
  
  そして、notchさんはフィルムカメラでも写真を撮っていたんですね！
  notchさんのフィルム写真見てみたいなぁ〜
  
  デジタルでは撮れない色味や粒子感、そして撮った写真がすぐに見れないところにワクワクしますよね☆
  フィルム代＆現像代とどうしてもお金がかかりますが、ずっと続けたいなと思います。
  
  
  てぶケロトラベラー

  notchさん からの返信 2018/04/15 20:14:53

  RE: RE: ようこそ滋賀へ〜♪

  てぶケロトラベラーさん，こんにちは。
  
  さっそく返信ありがとうございます。
  
  滋賀LOVEじゃないですかー☆　滋賀は田んぼが多いので，てぶケロも気に入りそうな，のどかな風景にあちこちで出会えます(笑)
  
  さらに滋賀のどちらに行かれるのでしょうか。旅行記たのしみにしていますね。
  
  フィルムカメラですが，わたしが初期のころに投稿した「2002ヨーロッパ３ヶ国めぐる旅」に載せているのがフィルム写真なので，よかったらおひまなときにのぞいてみてくださいね。
  
  notch