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木島櫻谷(このしま おうこく)という日本画家をご存知ですか。最近まで東京港区六本木の泉谷博古館分館で開催された「木島櫻谷ーPart 1 近代動物画の冒険」を見に出かけ、大変感銘を受けたのでレポートしたいと思う。<br /><br />明治から昭和にかけて活躍した京都の日本画壇を代表する木島櫻谷(1877~1938)は、今年生誕140年ということで、特別展が開催された。<br /><br />「どこかもの言いたげで、優しいまなざし ー 鷲、獅子から鹿や猫、狸まで、木島櫻谷の描く動物に共通する特徴です」とパンフレットに書かれている。確かに彼の作品を見ていると、彼のこうしたどこか動物への優しさや共感がにじみ出ているのを感じることが出来た。

木島櫻谷の絵画の世界を見る

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2018/04/06 - 2018/04/06

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Weiwojing

Weiwojingさん

木島櫻谷(このしま おうこく)という日本画家をご存知ですか。最近まで東京港区六本木の泉谷博古館分館で開催された「木島櫻谷ーPart 1 近代動物画の冒険」を見に出かけ、大変感銘を受けたのでレポートしたいと思う。

明治から昭和にかけて活躍した京都の日本画壇を代表する木島櫻谷(1877~1938)は、今年生誕140年ということで、特別展が開催された。

「どこかもの言いたげで、優しいまなざし ー 鷲、獅子から鹿や猫、狸まで、木島櫻谷の描く動物に共通する特徴です」とパンフレットに書かれている。確かに彼の作品を見ていると、彼のこうしたどこか動物への優しさや共感がにじみ出ているのを感じることが出来た。

旅行の満足度
5.0
  • 泉屋博古館分館入口。ここは京都にある本館の東京分館で、住友財団が収集した骨董や美術品を展示公開している美術館である。それほど大きな美術館ではないが、こじんまりとしていて、落ち着いた佇まいをしている。

    泉屋博古館分館入口。ここは京都にある本館の東京分館で、住友財団が収集した骨董や美術品を展示公開している美術館である。それほど大きな美術館ではないが、こじんまりとしていて、落ち着いた佇まいをしている。

  • 「野猪図」(1900年、明治32)<br /><br />櫻谷が24歳の時の最も初期の作品で、まさに画面から飛びださんばかりのイノシシ(猪)。それに驚き、飛び立つ小鳥(右側)が見える。

    「野猪図」(1900年、明治32)

    櫻谷が24歳の時の最も初期の作品で、まさに画面から飛びださんばかりのイノシシ(猪)。それに驚き、飛び立つ小鳥(右側)が見える。

  • 「猛鷲図」(1903年、明治36)<br /><br />枯葉を散らすほどの強風に向かい、樹上の鷲が力よく羽ばたこうとしているところである。

    「猛鷲図」(1903年、明治36)

    枯葉を散らすほどの強風に向かい、樹上の鷲が力よく羽ばたこうとしているところである。

  • 「獅子虎図屏風」(1904年、明治37)<br /><br />屏風に描かれた獅子(ライオン)が岸辺でふと歩みを止め、あたりを探るように見回す姿が見える。二曲双曲の右側顔の部分。

    「獅子虎図屏風」(1904年、明治37)

    屏風に描かれた獅子(ライオン)が岸辺でふと歩みを止め、あたりを探るように見回す姿が見える。二曲双曲の右側顔の部分。

  • 「奔馬図」((明治37~39頃)<br /><br />習作を思わせる作品であるが、疾走する馬の筋肉の盛り上がりやくびれから、鼻先、蹄、たてがみなどの細部まで、最低限の筆数で的確にとらえられている。

    「奔馬図」((明治37~39頃)

    習作を思わせる作品であるが、疾走する馬の筋肉の盛り上がりやくびれから、鼻先、蹄、たてがみなどの細部まで、最低限の筆数で的確にとらえられている。

  • 「田舎の秋」(1907年、明治40)<br /><br />稲の脱穀を終え一段落の農家の人々。左端の方に子守の少女らが鶏を追い立てているのが見える。のどかな農村の風景である。

    「田舎の秋」(1907年、明治40)

    稲の脱穀を終え一段落の農家の人々。左端の方に子守の少女らが鶏を追い立てているのが見える。のどかな農村の風景である。

  • 「田舎の秋」(1907年、明治40)<br /><br />農家の軒先で立ち働く婦人たちと幼子が犬の親子におびえて、母親にしがみついている。

    「田舎の秋」(1907年、明治40)

    農家の軒先で立ち働く婦人たちと幼子が犬の親子におびえて、母親にしがみついている。

  • 前の画面の牛の顔の部分を拡大してみた。優しい目つきの牛が描かれている。

    前の画面の牛の顔の部分を拡大してみた。優しい目つきの牛が描かれている。

  • 「和楽」(1905年、明治42)<br /><br />早朝、農家の軒先でくつろぐ家族や仔牛を描く。

    「和楽」(1905年、明治42)

    早朝、農家の軒先でくつろぐ家族や仔牛を描く。

  • 「和楽」の左側<br /><br />こちらは夕方野良仕事を終えて家路に向かう農婦と彼女らを出迎える子供たち。

    「和楽」の左側

    こちらは夕方野良仕事を終えて家路に向かう農婦と彼女らを出迎える子供たち。

  • 「熊鷲図屏風」(明治時代)<br /><br />雪原で立ち止まり、遠くを見つめる熊の姿を描いているが、これは顔の部分だけを取り上げてみた。

    「熊鷲図屏風」(明治時代)

    雪原で立ち止まり、遠くを見つめる熊の姿を描いているが、これは顔の部分だけを取り上げてみた。

  • 「鴉図」(明治時代)<br /><br />柳に群れる鴉たち。やかましく叫んでいる様はどこかコミカルの感じがする。

    「鴉図」(明治時代)

    柳に群れる鴉たち。やかましく叫んでいる様はどこかコミカルの感じがする。

  • 「寒月」(19?年、大正元年)の右双曲。<br /><br />冬の夜、下弦の月が雪の竹林を照らす。冴えわたる月光と冷気に満ちた世界に一頭の狐が現れ(下の絵をご覧ください)、周囲を注意しながら一歩一歩進む。

    「寒月」(19?年、大正元年)の右双曲。

    冬の夜、下弦の月が雪の竹林を照らす。冴えわたる月光と冷気に満ちた世界に一頭の狐が現れ(下の絵をご覧ください)、周囲を注意しながら一歩一歩進む。

  • 「寒月」の左曲には右下に狐が描かれ、モノクロの世界が広がっている。

    「寒月」の左曲には右下に狐が描かれ、モノクロの世界が広がっている。

  • 「震威八荒図衝立」(1916年、大正5)<br /><br />「震(振)威八荒」とは、支配者の威光が世界にあまねく及ぶことを表現したものである。鳥獣の王である鷲鷹に天皇を仮託する好画題として、特に明治以降繰り返し描かれている。

    「震威八荒図衝立」(1916年、大正5)

    「震(振)威八荒」とは、支配者の威光が世界にあまねく及ぶことを表現したものである。鳥獣の王である鷲鷹に天皇を仮託する好画題として、特に明治以降繰り返し描かれている。

  • 「幽渓秋色」(大正時代)<br /><br />紅葉する晩秋の渓谷で、絶壁の隙間から流れ落ちる滝が見える。雄大な風景の中、前景の岩上に子連れの猿の親子が座っている。

    「幽渓秋色」(大正時代)

    紅葉する晩秋の渓谷で、絶壁の隙間から流れ落ちる滝が見える。雄大な風景の中、前景の岩上に子連れの猿の親子が座っている。

  • 「春苑孔雀図」(大正時代)<br /><br />海棠の樹上で雄孔雀 (インドクジャク)が毛繕いしている。余白をあまり取らず、春爛漫の気が一面に現れている。

    「春苑孔雀図」(大正時代)

    海棠の樹上で雄孔雀 (インドクジャク)が毛繕いしている。余白をあまり取らず、春爛漫の気が一面に現れている。

  • 「孔雀」(1929年、昭和4)<br />岩の上に2羽の孔雀が描かれている。雄々しく華麗な孔雀は、その姿から富貴の象徴とされる。岩の後ろには庚申薔薇が生い茂り、花を咲かせている。この花は古来中国や日本で吉祥モチーフとされる。

    「孔雀」(1929年、昭和4)
    岩の上に2羽の孔雀が描かれている。雄々しく華麗な孔雀は、その姿から富貴の象徴とされる。岩の後ろには庚申薔薇が生い茂り、花を咲かせている。この花は古来中国や日本で吉祥モチーフとされる。

  • 「厩」(1931年、昭和6)<br /><br />厩から覗く馬の上体をクローズアップしている。穏やかな顔がほほえましい。

    「厩」(1931年、昭和6)

    厩から覗く馬の上体をクローズアップしている。穏やかな顔がほほえましい。

  • 「角とぐ鹿」(1932年、昭和7)<br /><br />山の斜面で苔むした木に角を擦り付ける雄鹿。

    「角とぐ鹿」(1932年、昭和7)

    山の斜面で苔むした木に角を擦り付ける雄鹿。

  • 「獅子」(昭和時代)<br /><br /><br />今回の展覧会では、初めて見る櫻谷の動物を描いた作品群に心惹かれた。どの動物も優しい顔をしていて、人間を襲うような気配やどう猛さは感じられす、静かな中にも凛とした気配が感じられる作品ばかりである。<br />   <br />今回の展覧会の後にはすぐ「木島櫻谷 Part 2 ―近代動物画の冒険」が開催される。また時間を見つけてきてみたいと考えている。

    「獅子」(昭和時代)


    今回の展覧会では、初めて見る櫻谷の動物を描いた作品群に心惹かれた。どの動物も優しい顔をしていて、人間を襲うような気配やどう猛さは感じられす、静かな中にも凛とした気配が感じられる作品ばかりである。
       
    今回の展覧会の後にはすぐ「木島櫻谷 Part 2 ―近代動物画の冒険」が開催される。また時間を見つけてきてみたいと考えている。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • まむーとさん 2018/04/16 22:15:07
    ライオンの顔が印象的でした。
    tamegaiさん、こんばんは!

    木島櫻谷さんの事とは存じあげませんでした。
    よほどの有名な方しか知らない世代です。
    ライオンが優しい顔をしていて、感じました。
    知っている人やふと見かけた人を動物に表現しているように感じました。
    カラスのは、悪い噂話をしている人。凛とした姿の鷹は人のために尽くす人。孔雀は結婚式か新婚さんの晴れやかさ。

    私は絵の良し悪しはよく分からないので、
    絵を感じたいとよく思うのでした。

    Weiwojing

    Weiwojingさん からの返信 2018/04/17 00:04:20
    Re: ライオンの顔が印象的でした。
    まむーとさん、こんばんは。

    私も木島櫻谷という画家は殆ど知りませんでした。新聞での案内やNHK「日曜美術館」(私の好きな番組です)で取り上げていて、興味を覚え見に出掛けたわけです。

    大変感銘を受けました。単に動物を描く日本画家と言うよりは西洋絵画の要素を取り入れながら伝統的な日本画の良さを表現していると感じました。彼が描く動物はまるで人間と同じで、それぞれの個性を感じられ、どう猛さなどなく、やさしさと穏やかさを表現していると思います。

    私は絵を見るのに何も理屈はいらないと思います。絵を見て、自分がよいと思えばそれでよし、そして、何がいいのかを感じ取れればそれでいいと言えるでしょう。

    私は時々美術館や博物館に行きます。外国に出掛けた時も、その地のそうした施設へ行きます。文化や歴史を一番深く感じられるところだからです。

    ではまた。ありがとうございました。

    Tamegai


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