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通算12回目のハワイ旅行。今回はツアーを使わない初の個人旅行だった。<br /><br /><br />日本時間18:25家族3人が私の職場、淀屋橋の社屋の前までボルボで乗り付ける。<br />何度このシーンを想像して胸を膨らましてきただろうか。10年ぶりのハワイ。念願のその日がついにやって来た。予定に狂いなし。<br />家人と交代し運転席にさっそうと滑りこむ。<br />21:15出発便のチェックインには90分前に着いておきたい。とすると19:45だが、駐車場に預けたり、仕事着から着替えたり、出国審査後には腹ごしらえも…と考え合わせると少しでも早く着きたい。<br />それを後押しするかのようにスイスイと高速は流れ19:15関空駐車場に無事到着。いい感じだ。<br />しかしそう思ったのも束の間、前代未聞のハプニングが待ち受けていた。<br /><br />早速航空会社カウンターのチェックイン列に並ぶ。20~30人ほどの列。ここを抜ければ指紋認証の手続きをしたい、wifiモバイルを引き取ろう、と思いを巡らせていたところやっと順番がまわってきた。<br />促されてトランクたちを量りに乗せ、4人分のパスポートとEチケットを「ヨン様を7がけにした」感じのメガネをかけた無表情な男性職員にさし出した。<br />チェックをし始めた、その恋愛以外?には冷徹な「ヨン様を7がけにした」男の顔がわずかに歪んだ。そして次に妙なくらい落ち着き払った口調で、「これはエスタで申請を今からするってことですか。でしたらこの荷物は預かれません、下ろしてください」と冷たく言い放たれる。<br /><br />えっ下ろせって、申請?エスタ?<br />はいいーっ⁈<br /><br />予期せぬ宣告人「7がけヨン様」の言葉の前に呆気にとられつつ、とにかく近くにいた別の女性職員に、どうしたらいいんですかね?、と出来るだけ取り乱さずに聞いた。<br />「そうですねえ、皆さんですか⁈んー、ひとまずここでは何もできませんので〇番の(かなり離れてる)ビジネスセンターにいって、パソコンで云々かんぬん…」<br />まさに今乗ろうとするエアラインの人間から、私達には何もできない、と言われてしまう、この事態。血の気が引いてしまいそうになる瞬間だ。<br />時間はすでに19:45。返品された大小のスーツケースを引っ張って、我々4人は指示された200mくらい離れたビジネスセンターに向かう。<br />息を切らして着いてみるとそのビジネスセンターが思ったよりこじんまりとしたブースで、かつ先客がいた!60後半と思しき、迷える老夫婦が…  受付はその1カ所のみ。我々は運にも見放されたか…<br />藁にもすがる思いでそこのスタッフに事情を説明すると、優しさが滲み出てるけど常にNOと言い慣れてる感じのその女性は、私ができるのは10分100円のインターネットの場所を教えることだけですう、とキッパリ。<br />クゥ~<br /><br />教えられた場所までまたスーツケースを転がしながら突撃する。<br />幸い使用者は誰もいない、が3台しかない!<br />かの宣告人は20:10までに全員の申請が下りなければ乗せないと言ってる。初めて耳にする「ESTA」なる4人分の申請を3台のパソコンで、残り時間は15分!<br />手続きには約30分かかるというのに、4人分を3台でやれと…      現在時刻19:55<br /><br />もうジャックバウアーになるしかない。<br />別な選択肢として、PCが4台揃ってる場所があるらしいが階が違い、さらにここから遠くなる。<br />ジャックの判断は、「ここでやる」。<br /><br />PC操作に自信がなく、このあまりに非常な状況に呑みこまれつつある妻はエクストラとし、航空会社との連絡要員になってもらい、23歳の娘と高3の息子の3人で格闘にかかる。<br />この時点で20:00。<br />最初に娘と息子が承認を20:20に奪取。私は妻の分を先に代行申請して20:22、成功。<br />宣告された時間をすでに15分超過。<br />そこへ約200m離れたカウンターへ走り、進捗状況を伝え、頼み込みに行っていた妻が、駆け戻ってきて、「もうこの便はムリって、明日の便に振り替えるならネットで、て言われた」と、もはやその宣告を受け入れざるを得ない表情になっていた…<br />ジャックは「わかった、何とかしよう」と噛み合わない返事をして、最後になった自分の申請操作に戻ろうとすると娘が「そこから先は私が替わった方がいいやろ」と交替してくれた。<br />そうしてくれ、オレはカウンターへ行ってくる。ナイスアシスト!<br /><br />カウンターにダッシュで駆けつけると、並んでいた客はキレイに掃けてしまい、もはや「7ヨン」の姿もなく、女性職員が2人いるだけ。<br />「何とかなりますか⁈」とは絶対言わない。ここでの質問は相手にNOと言い易くするだけだ。<br /><br />「もう、全員出来ます!」と宣言する。<br />「はい、お2人はのれます、ムスコ様とお父様の分はムリです!」<br />え、なんで、出来たはずの息子の分にも物言いが付いている…万事休すか⁈<br /><br />いや、ここであきらめてはテロには勝てない、と自らを鼓舞してジャックは息子に電話する<br /><br />「出来たやろ?」<br />「もうすぐできそう」<br /><br /><br />もう出来ます!と職員に叫ぶジャック。<br />数秒後、ムスコ様は行けました、でもお父様はムリです、と職員。<br /> 負けじと「できたやろ?」と再度息子に電話に叫ぶジャック。<br />一拍おいて「今できた!」と息子。<br />今、私の分も出来ました!と職員に言い放つ20:35<br /><br />職員2人はもうそれには答えず、曲芸の様にキーボードを凄まじい勢いで叩き出した。その姿は先ほどまでとは打って変わって、このミッションをやり遂げるんだ!という意思に包まれていた。<br /><br />大丈夫です、20:50までに搭乗すればなんとかなります!<br />ありがとう~~あなたたちの親切を一生忘れないでしょうよ、きっと。<br /><br />しかし待てよ、よく考えたら出国審査も手荷物検査もまだで、おまけに搭乗口は同じ棟にはなく、トラム移動もある…<br />走るしかない。それでもボディチェックで2人が引っかかり、おいおいこれで間に合うか⁈<br />走れ、走れ。そして問題の出国審査。<br />これは驚くほど早かった。多少の融通はきかせてくれるんだ、お役人も、ありがとう~<br />さあ、走れ走れ。<br />トラムは待っていたが、すぐには発車しない。<br /><br />ムーブ、ムーブ、オレたちを飛行機に乗せてくれい。<br />動いた!走れ、走れ。<br /><br />ついにゲート到着。20:50ジャスト。<br />皆さん、ご迷惑をおかけしました、ほんとうにありがとう。僕たち家族の10年ぶりのハワイ旅行をスタートさせてくれて。<br /><br />満席の機内に入り、何となく視線を感じながら最後の4席に着く。窓際2人ずつの縦並びという絶好の配置。いいねー、この座席の権利を失うわけにはいかんかったやろ~<br />後にそれが&quot;プレミアム&quot;にアップグレードされた座席であることも判明した。<br /><br />お腹はぺこぺこ、喉はからっから、息も絶え絶えの90分間。 <br />初の個人旅行がゆえに、知らずに自ら仕込んでしまったESTAという名の&quot;テロ&quot;との闘いだった。<br /><br />定刻通り、機体は21:15に関空を離陸した。<br />多謝

ESTA事件

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2018/03/07 - 2018/03/13

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waimeaboyさん

通算12回目のハワイ旅行。今回はツアーを使わない初の個人旅行だった。


日本時間18:25家族3人が私の職場、淀屋橋の社屋の前までボルボで乗り付ける。
何度このシーンを想像して胸を膨らましてきただろうか。10年ぶりのハワイ。念願のその日がついにやって来た。予定に狂いなし。
家人と交代し運転席にさっそうと滑りこむ。
21:15出発便のチェックインには90分前に着いておきたい。とすると19:45だが、駐車場に預けたり、仕事着から着替えたり、出国審査後には腹ごしらえも…と考え合わせると少しでも早く着きたい。
それを後押しするかのようにスイスイと高速は流れ19:15関空駐車場に無事到着。いい感じだ。
しかしそう思ったのも束の間、前代未聞のハプニングが待ち受けていた。

早速航空会社カウンターのチェックイン列に並ぶ。20~30人ほどの列。ここを抜ければ指紋認証の手続きをしたい、wifiモバイルを引き取ろう、と思いを巡らせていたところやっと順番がまわってきた。
促されてトランクたちを量りに乗せ、4人分のパスポートとEチケットを「ヨン様を7がけにした」感じのメガネをかけた無表情な男性職員にさし出した。
チェックをし始めた、その恋愛以外?には冷徹な「ヨン様を7がけにした」男の顔がわずかに歪んだ。そして次に妙なくらい落ち着き払った口調で、「これはエスタで申請を今からするってことですか。でしたらこの荷物は預かれません、下ろしてください」と冷たく言い放たれる。

えっ下ろせって、申請?エスタ?
はいいーっ⁈

予期せぬ宣告人「7がけヨン様」の言葉の前に呆気にとられつつ、とにかく近くにいた別の女性職員に、どうしたらいいんですかね?、と出来るだけ取り乱さずに聞いた。
「そうですねえ、皆さんですか⁈んー、ひとまずここでは何もできませんので〇番の(かなり離れてる)ビジネスセンターにいって、パソコンで云々かんぬん…」
まさに今乗ろうとするエアラインの人間から、私達には何もできない、と言われてしまう、この事態。血の気が引いてしまいそうになる瞬間だ。
時間はすでに19:45。返品された大小のスーツケースを引っ張って、我々4人は指示された200mくらい離れたビジネスセンターに向かう。
息を切らして着いてみるとそのビジネスセンターが思ったよりこじんまりとしたブースで、かつ先客がいた!60後半と思しき、迷える老夫婦が…  受付はその1カ所のみ。我々は運にも見放されたか…
藁にもすがる思いでそこのスタッフに事情を説明すると、優しさが滲み出てるけど常にNOと言い慣れてる感じのその女性は、私ができるのは10分100円のインターネットの場所を教えることだけですう、とキッパリ。
クゥ~

教えられた場所までまたスーツケースを転がしながら突撃する。
幸い使用者は誰もいない、が3台しかない!
かの宣告人は20:10までに全員の申請が下りなければ乗せないと言ってる。初めて耳にする「ESTA」なる4人分の申請を3台のパソコンで、残り時間は15分!
手続きには約30分かかるというのに、4人分を3台でやれと…      現在時刻19:55

もうジャックバウアーになるしかない。
別な選択肢として、PCが4台揃ってる場所があるらしいが階が違い、さらにここから遠くなる。
ジャックの判断は、「ここでやる」。

PC操作に自信がなく、このあまりに非常な状況に呑みこまれつつある妻はエクストラとし、航空会社との連絡要員になってもらい、23歳の娘と高3の息子の3人で格闘にかかる。
この時点で20:00。
最初に娘と息子が承認を20:20に奪取。私は妻の分を先に代行申請して20:22、成功。
宣告された時間をすでに15分超過。
そこへ約200m離れたカウンターへ走り、進捗状況を伝え、頼み込みに行っていた妻が、駆け戻ってきて、「もうこの便はムリって、明日の便に振り替えるならネットで、て言われた」と、もはやその宣告を受け入れざるを得ない表情になっていた…
ジャックは「わかった、何とかしよう」と噛み合わない返事をして、最後になった自分の申請操作に戻ろうとすると娘が「そこから先は私が替わった方がいいやろ」と交替してくれた。
そうしてくれ、オレはカウンターへ行ってくる。ナイスアシスト!

カウンターにダッシュで駆けつけると、並んでいた客はキレイに掃けてしまい、もはや「7ヨン」の姿もなく、女性職員が2人いるだけ。
「何とかなりますか⁈」とは絶対言わない。ここでの質問は相手にNOと言い易くするだけだ。

「もう、全員出来ます!」と宣言する。
「はい、お2人はのれます、ムスコ様とお父様の分はムリです!」
え、なんで、出来たはずの息子の分にも物言いが付いている…万事休すか⁈

いや、ここであきらめてはテロには勝てない、と自らを鼓舞してジャックは息子に電話する

「出来たやろ?」
「もうすぐできそう」


もう出来ます!と職員に叫ぶジャック。
数秒後、ムスコ様は行けました、でもお父様はムリです、と職員。
 負けじと「できたやろ?」と再度息子に電話に叫ぶジャック。
一拍おいて「今できた!」と息子。
今、私の分も出来ました!と職員に言い放つ20:35

職員2人はもうそれには答えず、曲芸の様にキーボードを凄まじい勢いで叩き出した。その姿は先ほどまでとは打って変わって、このミッションをやり遂げるんだ!という意思に包まれていた。

大丈夫です、20:50までに搭乗すればなんとかなります!
ありがとう~~あなたたちの親切を一生忘れないでしょうよ、きっと。

しかし待てよ、よく考えたら出国審査も手荷物検査もまだで、おまけに搭乗口は同じ棟にはなく、トラム移動もある…
走るしかない。それでもボディチェックで2人が引っかかり、おいおいこれで間に合うか⁈
走れ、走れ。そして問題の出国審査。
これは驚くほど早かった。多少の融通はきかせてくれるんだ、お役人も、ありがとう~
さあ、走れ走れ。
トラムは待っていたが、すぐには発車しない。

ムーブ、ムーブ、オレたちを飛行機に乗せてくれい。
動いた!走れ、走れ。

ついにゲート到着。20:50ジャスト。
皆さん、ご迷惑をおかけしました、ほんとうにありがとう。僕たち家族の10年ぶりのハワイ旅行をスタートさせてくれて。

満席の機内に入り、何となく視線を感じながら最後の4席に着く。窓際2人ずつの縦並びという絶好の配置。いいねー、この座席の権利を失うわけにはいかんかったやろ~
後にそれが"プレミアム"にアップグレードされた座席であることも判明した。

お腹はぺこぺこ、喉はからっから、息も絶え絶えの90分間。
初の個人旅行がゆえに、知らずに自ら仕込んでしまったESTAという名の"テロ"との闘いだった。

定刻通り、機体は21:15に関空を離陸した。
多謝

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この旅行記へのコメント (8)

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  • マーヨさん 2018/04/04 16:09:27
    ESTA
    本当に行けて良かったですね、ハラハラドキドキが伝わってきました。
    私も同じ経験があるので良くその時の状況が手に取るように分かりました。
    5人でハワイに行くJAL便でした、一人ちゃんとエスタ取れてなくって焦りました。

    ハワイの旅行記楽しみにしてます。

    waimeaboyさん からの返信 2018/04/04 20:53:15
    Re: ESTA
    マーヨさん、同じ体験者でしたか!
    他に同じ目にあった人っているのかなあと思ってたんで、変ですけどホッとしました 笑
  • Macoさん 2018/03/31 15:20:38
    旅行記
    ブログの文章が面白くて電車の中で笑ってしまいました。
    家族のアシスト、連携が素晴らしいです。
    ハワイ旅行記も是非期待してます。

    waimeaboyさん からの返信 2018/04/04 20:55:25
    Re: 旅行記
    Macoさん、最後まで読んでくれてありがとうございます。ハワイ旅行記、また書きまーす!
  • 佐藤C作さん 2018/03/31 12:33:40
    あるある
    元航空関係者です。
    私たちも、予定通り乗せてあげたいといつも願っていました。
    本当によかったですね!!
    次回はtimatic(検索してみてください)で入国条件調べてから出発してくださいね!

    waimeaboyさん からの返信 2018/03/31 13:38:11
    Re: あるある
    dwarf156cmさん、元関係者からのコントありがとうございます!timatic見ました、こんなのがるんですね~今後はマストで調べます。
  • inacinさん 2018/03/30 16:21:23
    ESTAか
    waimeaboyさん こんにちは、大変ご苦労様でした。
    アメリカだけではなく、オーストラリアでも必要です。今度行くのにいろいろ調べて気付きました。この申請を空港内でしかも出発間際にチャレンジするとは素晴らしい。
    拍手を送ります。でも行けてよかったですね。よかったよかった。

    waimeaboyさん からの返信 2018/03/31 13:32:24
    Re: ESTAか
    inacinさん、コメントありがとうございます。オーストラリアでも必要なんですねー、これからどこに行くのもチェックします!

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