真冬のシチリア州紀行！ ～カターニアのシチリア上陸作戦博物館来訪記～

2017/12/28 - 2017/12/28

真冬のシチリア旅行、今回はカターニアです。
カターニア中央駅近くにあるシチリア上陸作戦博物館に寄りましたが、予想以上に良い博物館で、市街地を周る時間が無くなってしまいました。
演出が凝っており、展示物も多くかなり広いです。学割もきく上に入場料が安いので、カターニアを訪れた際は絶対に寄ってほしいスポットです。第二次世界大戦時のシチリアの戦いを、防衛側であるイタリア・ドイツと、侵攻側である英国・アメリカ・カナダの各方面の目線から詳しく解説した博物館です。シチリア戦時の各国の装備は勿論、各地の戦いの詳細、多彩な資料、そして超リアルな各国指導者の蝋人形まであります。ムッソリーニや国王陛下の蝋人形はまるで生きているかのよう。それを見に行くだけでも価値があります。

エリア カターニア(イタリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

カターニアへの道中。
雪を被るエトナ山！

エトナ山 山・渓谷

カターニア中央駅に到着！
シラクーサからICで約1時間程度。

カターニア中央駅 駅

カターニア中央駅駅舎。

カターニアにはメトロもあります。
今回は利用しませんでしたが。

カターニア・シチリア上陸作戦博物館に到着！
カターニア中央駅から歩いてすぐの場所にあります。立地良い！
料金は通常€4で、学生証見せると€2に割引してくれます。素晴らしい！

シチリア上陸作戦博物館、第一層はガイドさんが紹介しながら案内してくれます。館内に入ると、まず当時の町を再現した部屋が。

ガイドさんが「この景色をよーく覚えておくんやで(暗黒微笑)」と言うので何かと思ったら...後々理由がわかります。

家々の内部も当時を再現しています。
ガイドさんは細かいとこまで解説してくれるので非常に面白いです。

当時の実際の新聞。

町を進むと防空壕を模した部屋の中へ...。
ここの演出は凄くて、扉が閉じた後に連合軍による爆撃の爆音と、衝撃による振動が体感できます。人々の不安がる声も....。
空襲の恐怖を体感出来ますね。怖い。東京にもこんな感じで東京大空襲の体感博物館とか作ったら良いと思う(あるのかな？)。

連合軍の空襲が止み、防空壕を出るとそこは....
そう、さっきの町なのです。空襲によってさっきの町は破壊されてしまった...

ここで最初のガイドさんのセリフが伏線になってくるわけです。
よく出来た演出だ....
ムッソリーニ印の建物が一番わかりやすい目印ですね。

この空襲体験を終えると、ガイドさんとはお別れで、第二層に向かいます。

パンテッレリーア島およびランペドゥーザ島の陥落。

連合軍によるシチリア空襲の犠牲者。

シチリア上陸作戦のマフィアの協力。
ファシスト政権期にはモーリ知事によってシチリアのマフィアは激しく弾圧、多くが逮捕されたり国外に逃亡しました。
しかし、第二次世界大戦がはじまった事により、アメリカに逃げていたマフィアは米軍に協力、シチリア上陸作戦の手助けをしました。
そして米軍の上陸後、彼らは再びシチリアでのさばる事に...

シチリア上陸作戦「ハスキー」の発動。
英国の欺瞞作戦「ミンスミート」によって連合軍の上陸先がサルデーニャ島と勘違いしていた枢軸軍は大きく出鼻を挫かれる事になりました。

連合軍、シチリア島ニ上陸ス！

ファシスト党員の親子の正装。
子どもが着ているのはバリッラ少年団の制服。

ファシスト政権期のイタリアの民衆が持っていた品々。
バリッラ少年団関係の書物や勲章なども。

シチリア防衛戦におけるイタリア軍装コーナーその1。

当時のカラビニエリ兵の軍装は初めて見たな。

勲章。

銃火器。

よくわかる図解。

イタリア陸軍元帥の略帽。

機関銃とか。

将軍の略帽、良いよね...！

よくわかる図解。

シチリア防衛戦におけるドイツ軍装コーナー。

シチリア上陸作戦におけるアメリカ軍装コーナー。

シチリア上陸作戦における英軍装コーナー。

シチリア上陸作戦におけるカナダ軍装コーナー。

シチリア上陸作戦時の英米の水上戦力。

シチリア防衛戦時のイタリアの水上戦力。

シチリア防衛戦時のドイツの水上戦力。

シチリアの沿岸防衛。

シチリア防衛戦で配備されていた伊空軍機の種類と数。

シチリア戦におけるドイツ空軍機。

シチリア戦における英空軍機。

シチリア戦におけるアメリカ軍機。

シチリア防衛戦におけるトーチカのイタリア兵。

これ何が面白いって、ちゃんと動くんですよ！ガッチョンガッチョンいいながら機関銃撃つんすよ！！すげぇっす！！！再現パネェ！

シチリア防衛戦で配備されていたイタリア軍戦車たち。
旧式戦車のFIAT3000(ルノーFT17をモデルに開発した軽戦車)が配備されていたことは有名だが、鹵獲したルノー R35も使われてたんすね....

シチリア上陸作戦における連合軍戦車。

シチリア防衛戦におけるドイツ軍戦車。

伊独軍の戦闘車輌。

英米軍の戦闘車輌。

ジュリオ・チェーザレ・ゴッティ・ポルチナーリ将軍。
シチリア防衛戦で歩兵師団「ナポリ」を指揮した。

連合軍の侵攻経路。

ジオラマによる各地戦線の解説。

カターニア陥落。

メッシーナ陥落。
連合軍は既にイタリア本土の喉元まで迫っていました。
この後、ムッソリーニは失脚し、バドリオ政権が誕生。連合軍はサレルノ(アヴァランチ作戦)、ターラント(スラップスティック作戦)、レッジョ・カラーブリア(ベイタウン作戦)に上陸作戦を実行します。
そしてバドリオ政権は連合軍に無条件降伏し南部に逃亡、ムッソリーニを救出したドイツは北部に傀儡政権「イタリア社会共和国」を成立させ、イタリア戦線は泥沼と地獄の内戦状態へ...

シチリア戦で使われていた銃火器。

シチリア防衛戦/上陸作戦における伊独英米の師団。
指揮した将軍が載っていてこれは有難い...

世界で最も有名な美大落ち。

シチリア防衛戦時の伊上層部。
国王：ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世
首相：ベニート・ムッソリーニ
統合参謀総長：ヴィットーリオ・アンブロージオ
陸軍総司令官：マリオ・ロアッタ
海軍総司令官：アルトゥーロ・リッカルディ
空軍総司令官：リノ・コルソ・フォギエレ
南部軍集団司令官：ウンベルト王子

シチリア防衛戦時のイタリア軍の指揮系統図。
司令官はアルフレド・グッツォーニ大将。

シチリア防衛戦時のドイツ首脳部。

連合軍側の指揮系統。

アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトの蝋人形。

英国首相ウィンストン・チャーチルの蝋人形。
彼はムッソリーニを高く評価し、イタリアが敵になった後も彼への評価を変えませんでした。

通信兵。

枢軸国のプロパガンダ。
左から日本兵、イタリア兵、ドイツ兵。

連合国のプロパガンダ。
ハーケンクロイツを壊す英仏米ソの手。

まるで生きているかのような、ドゥーチェ・ムッソリーニの蝋人形。
素晴らしいクオリティの高さ。

国王陛下ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世の蝋人形。
低身長が悩みでした。

グランディによるファシズム大評議会でのムッソリーニ解任動議。
グランディ、ボッタイ、チャーノ、デ・ボーノ、デ・ヴェッキらなど、主要大幹部による賛成多数でムッソリーニの「ドゥーチェ」解任が決定され、ムッソリーニは失脚。
その後、国王への謁見に訪れたムッソリーニは謁見後にカラビニエリに逮捕され、後任の首相にはバドリオ元帥が就任しました。

野戦病院。

カッシービレの休戦。
休戦条約の調印も再現されていて面白い。スーツの人物がカステッラーノ准将。写真よりこわばった表情だ。

ちゃんとカステッラーノ准将の休戦工作も詳しく書いてある。凄いな...

シチリア戦での戦死者。
戦死した兵士たちの名前がゆっくり一人づつ音読される。イタリア兵だけでなく、ドイツ兵も。
多すぎて終わりが見えない。これ全員分音読するんだろうか。
哀しい気持ちになる。

シチリア上陸作戦博物館見学終了！
ここまでのボリュームで€2って何かの間違いでは...もっと払いたくなるほどの素晴らしさでした。時間をもっと取っておけば良かったと後悔。

上陸作戦博物館が思った以上のボリュームで、市街地を見に行く時間がありませんでした。

カターニア中央駅 駅

カターニア中央駅を出発してアグリジェント中央駅に向かいます。
テルミニ・イメレーゼ駅乗り換えで約4時間程。
結構掛かります。