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ベトナム四日目の朝。車内放送で目がさめた。<br />すでにして窓の外は明るい。<br />列車は中部の田園地帯を走っていた。<br /><br />きょうはダナンの南、ホイアンの町を目指す。<br /><br />

ベトナムできるかな(3)ホイアンの昼と夜

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2017/12/18 - 2017/12/19

244位(同エリア1785件中)

旅行記グループ ベトナムできるかな

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22

鯨の味噌汁

鯨の味噌汁さん

ベトナム四日目の朝。車内放送で目がさめた。
すでにして窓の外は明るい。
列車は中部の田園地帯を走っていた。

きょうはダナンの南、ホイアンの町を目指す。

旅行の満足度
5.0
同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 6:32、ドンホイ着。<br />ここで列車は15分ほど停車する。車両を降り、大きく伸び。<br />うんうん、よく寝たぞ。でもってしっかりハラが減ってる。<br />ぐるりと見渡すと、おばちゃんが大きな釜でご飯を炊いていて、そこからホカホカ湯気が上がってた。<br />

    6:32、ドンホイ着。
    ここで列車は15分ほど停車する。車両を降り、大きく伸び。
    うんうん、よく寝たぞ。でもってしっかりハラが減ってる。
    ぐるりと見渡すと、おばちゃんが大きな釜でご飯を炊いていて、そこからホカホカ湯気が上がってた。

  • 降りて来たのはワシ一人だけだ。朝にこの駅を通過する列車はおそらくこの一本だけだろう。<br />つまりはこのおばちゃんにとって、この日の朝の見込客はワシひとりとゆうことである。<br /><br />よって、おばちゃん、気合いが違う。<br />ワシと目が合うなり、がっと容れ物を掴み、どさどさっとご飯を放り込み、かつぶしとナッツをまぶし、スプーンを添えてワシの胸元に突きつける。<br /><br />わたしまけましたわ(回文)<br /><br />

    降りて来たのはワシ一人だけだ。朝にこの駅を通過する列車はおそらくこの一本だけだろう。
    つまりはこのおばちゃんにとって、この日の朝の見込客はワシひとりとゆうことである。

    よって、おばちゃん、気合いが違う。
    ワシと目が合うなり、がっと容れ物を掴み、どさどさっとご飯を放り込み、かつぶしとナッツをまぶし、スプーンを添えてワシの胸元に突きつける。

    わたしまけましたわ(回文)

  • でもってとなりのおじさんも、目があった瞬間、ハッシとベトナム・コーヒーを用意しているではないか。<br />どうもベトナムを旅するときは、用がない時に目を合わせちゃダメらしい。<br /><br />もち米のマメご飯、おいしくいただきました。合わせて5万ドンだった。<br />

    でもってとなりのおじさんも、目があった瞬間、ハッシとベトナム・コーヒーを用意しているではないか。
    どうもベトナムを旅するときは、用がない時に目を合わせちゃダメらしい。

    もち米のマメご飯、おいしくいただきました。合わせて5万ドンだった。

  • が、列車が動き始めてまもなく、若いお兄ちゃんの車内販売が回ってきた。メニューを覗いてみるとうまそうなお粥とフランスパン。さすが元フランス領だ。<br /><br />うむむ、アジアの朝といえばお粥であろう。お粥の前にお粥なく、お粥の後にお粥なし。<br />これも食わずにおらりょうか。<br /><br />・・・結局、朝から2食になってしもうた。<br />ううううう、デブまっすぐフリスキーだ。<br />

    が、列車が動き始めてまもなく、若いお兄ちゃんの車内販売が回ってきた。メニューを覗いてみるとうまそうなお粥とフランスパン。さすが元フランス領だ。

    うむむ、アジアの朝といえばお粥であろう。お粥の前にお粥なく、お粥の後にお粥なし。
    これも食わずにおらりょうか。

    ・・・結局、朝から2食になってしもうた。
    ううううう、デブまっすぐフリスキーだ。

  • 列車はオツユたっぷりの田園地帯を走っている。<br />牛・ヤギ・ニワトリ・アヒルなどが田んぼの周りでくつろいでいる。<br /><br />大きなたんぼが続くあたりは、日本の北陸の風景とどこか似ている。<br /><br />古来、北陸は「越」の国を称した。ベトナムの漢名もまた「越南」だ。<br /><br />さらに。<br />越前の川は九頭竜川で、メコン川のベトナム語は「九匹の龍」の意味だ。<br />(ソン・クー・ロン=川・九・龍)<br /><br />越の国に、同じ「九の龍の川」。<br />偶然にしては出来すぎじゃないのか。<br /><br />はるか昔。<br />仏教や漢字が日本に渡来するよりずっと昔。<br />この国の民が、コメを持って北陸の地に流れ着いたのではないのか。<br /><br />人びとは川沿いを開拓し、故地の川の名をそのまま使い、稲作を広めていったんではないかしら。<br /><br />田園を窓越しに眺めながら、ふと、そんな他愛もないことを妄想する鯨である。<br />

    列車はオツユたっぷりの田園地帯を走っている。
    牛・ヤギ・ニワトリ・アヒルなどが田んぼの周りでくつろいでいる。

    大きなたんぼが続くあたりは、日本の北陸の風景とどこか似ている。

    古来、北陸は「越」の国を称した。ベトナムの漢名もまた「越南」だ。

    さらに。
    越前の川は九頭竜川で、メコン川のベトナム語は「九匹の龍」の意味だ。
    (ソン・クー・ロン=川・九・龍)

    越の国に、同じ「九の龍の川」。
    偶然にしては出来すぎじゃないのか。

    はるか昔。
    仏教や漢字が日本に渡来するよりずっと昔。
    この国の民が、コメを持って北陸の地に流れ着いたのではないのか。

    人びとは川沿いを開拓し、故地の川の名をそのまま使い、稲作を広めていったんではないかしら。

    田園を窓越しに眺めながら、ふと、そんな他愛もないことを妄想する鯨である。

  • やがて列車は峠越えにかかる。海外沿いの線路を、あえぎあえぎ上って行く。<br />眼下に南シナ海が広がる。どっぱんどっぱん、波が寄せているのが見える。<br />フエが近づいてきた。<br />ベトナム戦争の頃はユエと読んでいた、古都にして激戦地のひとつだった。<br />

    やがて列車は峠越えにかかる。海外沿いの線路を、あえぎあえぎ上って行く。
    眼下に南シナ海が広がる。どっぱんどっぱん、波が寄せているのが見える。
    フエが近づいてきた。
    ベトナム戦争の頃はユエと読んでいた、古都にして激戦地のひとつだった。

  • フエでお客さんの大半が降りて行った。<br />ワシも降りてみたいけど。駆け足の現地6泊だ、今回はパス。<br />生きていれば、いつか来られる。

    フエでお客さんの大半が降りて行った。
    ワシも降りてみたいけど。駆け足の現地6泊だ、今回はパス。
    生きていれば、いつか来られる。

  • 12時20分、定刻通りに列車は終点のダナンにたどり着いた。<br />ここからホイアンまではバスになる。<br /><br />ダナン駅を東に降り、駅前通りの二つ目の信号を左折すると、ホイアン行きのバス停がある、とネットの書き込みを入手していた。<br />路線番号は1で、バスの色は黄色だそうな。<br />駅からぶらぶら歩くと、確かにそれらしいバス停があった。あなうれしや。マヌケ面で待つことにする。<br /><br />だがしかし、30分待っても来ないぞ。<br />その間、バイクタクシー3台、フツーのタクシー2台、ワシの前に止まった。皆さま熱心に営業してくる。さらには宝くじのおばちゃんなども営業してくる。<br />

    12時20分、定刻通りに列車は終点のダナンにたどり着いた。
    ここからホイアンまではバスになる。

    ダナン駅を東に降り、駅前通りの二つ目の信号を左折すると、ホイアン行きのバス停がある、とネットの書き込みを入手していた。
    路線番号は1で、バスの色は黄色だそうな。
    駅からぶらぶら歩くと、確かにそれらしいバス停があった。あなうれしや。マヌケ面で待つことにする。

    だがしかし、30分待っても来ないぞ。
    その間、バイクタクシー3台、フツーのタクシー2台、ワシの前に止まった。皆さま熱心に営業してくる。さらには宝くじのおばちゃんなども営業してくる。

  • すると、ズタボロの自転車に乗った、ズタボロのオヤジが近づいてきて<br /><br />「ホイアンのバスはもっと先だ」<br /><br />なんてことを、手真似で一生懸命教えてくれる。<br /><br />はて、と思いながらもトコトコ歩くと、300メートルほど行ったところにもう一つバス停があり、今度はすぐにバスが来た。<br />うーむ、さっきのはニセモノであったか。ようわからんぞベトナム。

    すると、ズタボロの自転車に乗った、ズタボロのオヤジが近づいてきて

    「ホイアンのバスはもっと先だ」

    なんてことを、手真似で一生懸命教えてくれる。

    はて、と思いながらもトコトコ歩くと、300メートルほど行ったところにもう一つバス停があり、今度はすぐにバスが来た。
    うーむ、さっきのはニセモノであったか。ようわからんぞベトナム。

  • ホイアンまでは南シナ海沿いに南下する。途中、雨でグチャグチャの道などもあり、たっぷり揺れること1時間。<br />古くからの交易の町で、かつては日本人町もあったそうな。旧市街の町並みは世界遺産になっている。<br /><br />が、着いてみると、ものすごい数の観光客だった。東洋人も白人もどこから湧いてくるのか、うぞうぞおるがな。<br /><br />町はずれのホテルに荷物を預け、川沿いの旧市街へ向かう。<br />旧市街の入口にはチケットセンターがあって、5枚つづりのチケットを12万ドンで販売していた。<br /><br />旧市街にはミュージアムやら歴史的建造物やらがバラバラとまけてあり、入場するたびにそのチケットをハサミで切り取る、とゆう仕組みである。<br />つまりは町全体が有料施設になってるわけですね。ちなみに日本人橋を渡るにもチケットがいる。<br />

    ホイアンまでは南シナ海沿いに南下する。途中、雨でグチャグチャの道などもあり、たっぷり揺れること1時間。
    古くからの交易の町で、かつては日本人町もあったそうな。旧市街の町並みは世界遺産になっている。

    が、着いてみると、ものすごい数の観光客だった。東洋人も白人もどこから湧いてくるのか、うぞうぞおるがな。

    町はずれのホテルに荷物を預け、川沿いの旧市街へ向かう。
    旧市街の入口にはチケットセンターがあって、5枚つづりのチケットを12万ドンで販売していた。

    旧市街にはミュージアムやら歴史的建造物やらがバラバラとまけてあり、入場するたびにそのチケットをハサミで切り取る、とゆう仕組みである。
    つまりは町全体が有料施設になってるわけですね。ちなみに日本人橋を渡るにもチケットがいる。

  • やがて、夕刻。<br />旧市街のどの家にもランタンがともった。<br />すると一斉に町が華やぐ。

    やがて、夕刻。
    旧市街のどの家にもランタンがともった。
    すると一斉に町が華やぐ。

  • なるほど、昼と夜とで表情が変わるんだ。年中お祭りやってるようなもんだ。<br />日が落ちるとお化粧して、ずいぶんな美人になるんだね。<br />千と千尋の、一番最初のシーン。家族が紛れ込むテーマパークみたいな町が、ちょうどこんな感じだった。<br />

    なるほど、昼と夜とで表情が変わるんだ。年中お祭りやってるようなもんだ。
    日が落ちるとお化粧して、ずいぶんな美人になるんだね。
    千と千尋の、一番最初のシーン。家族が紛れ込むテーマパークみたいな町が、ちょうどこんな感じだった。

  • 町の表通りは、お土産屋、カフェ、レストラン、マッサージ、全部観光客用の仕様だった。<br />観光客がアオザイをまとって楽しそうに歩いていた。<br />それにしてもすごいヒトの波だ。養殖池のウナギみたいにお客さんが重なってるぞ。<br />

    町の表通りは、お土産屋、カフェ、レストラン、マッサージ、全部観光客用の仕様だった。
    観光客がアオザイをまとって楽しそうに歩いていた。
    それにしてもすごいヒトの波だ。養殖池のウナギみたいにお客さんが重なってるぞ。

  • 町の狭い一画が世界遺産で、そこにお客さんが集中するからしかたないのかな。<br />ベトナム中部はこことフエが観光のメインだから、みんなやってくるわけだ。<br /><br />

    町の狭い一画が世界遺産で、そこにお客さんが集中するからしかたないのかな。
    ベトナム中部はこことフエが観光のメインだから、みんなやってくるわけだ。

  • 橋を渡った向こう岸の屋台で、ワンタンスープとヤキメシなどを食らいつつ、ひとり納得する鯨であった。<br />

    橋を渡った向こう岸の屋台で、ワンタンスープとヤキメシなどを食らいつつ、ひとり納得する鯨であった。

  • 翌朝、雨音で目がさめる。<br />カーテンを開けると、雨が川面を叩いていた。この旅ではじめての本格的な雨。<br /><br />バルコニーでタバコをのみながら、今日の予定を検討する。<br /><br />晴れていれば、チャリを借りて郊外をぶらぶらするつもりだったけど、この雨じゃあダメだな。<br />まぁいいか、天気が回復したら、ちんたらと町を歩こう。<br />今日は、ダナン空港からホーチミンへのフライトが決まってるだけだし。<br /><br />とゆうわけで、朝飯を食ってベッドに潜り込む。日記を書いてるうちにウトウトし、そのまま二度寝。<br />短い旅なのにそんなにノンビリしてていいのか、とゆう話もあるだろうが、ここらへんが一人旅の気楽さだ。<br /><br />

    翌朝、雨音で目がさめる。
    カーテンを開けると、雨が川面を叩いていた。この旅ではじめての本格的な雨。

    バルコニーでタバコをのみながら、今日の予定を検討する。

    晴れていれば、チャリを借りて郊外をぶらぶらするつもりだったけど、この雨じゃあダメだな。
    まぁいいか、天気が回復したら、ちんたらと町を歩こう。
    今日は、ダナン空港からホーチミンへのフライトが決まってるだけだし。

    とゆうわけで、朝飯を食ってベッドに潜り込む。日記を書いてるうちにウトウトし、そのまま二度寝。
    短い旅なのにそんなにノンビリしてていいのか、とゆう話もあるだろうが、ここらへんが一人旅の気楽さだ。

  • まぶたの向こうに日差しを感じて、目が覚めたら10時半だった。<br />カーテンを開けると、おおおー、すっかり晴れ上がってるではないか。<br /><br />シャワーを浴び、アロハシャツだけ羽織って町に出る。日差しが強い。<br />旧市街の外れに旅行代理店らしいオフィスがあった。<br /><br />「ダナン空港に行くバスがあれば、乗りたいんだけど」<br /><br />「オーケー、ホテルの名前を教えてくれ。ピックアップする」<br /><br />で、すんなり14:00発のバウチャーを出してくれる。11万ドンだった。これで空港への足は確保できた。<br /><br />昨夜歩いた旧市街はパスして、反対方向へ歩いて行く。<br />観光地を離れると、なんだかフツーのベトナムの田舎町だ。<br />

    まぶたの向こうに日差しを感じて、目が覚めたら10時半だった。
    カーテンを開けると、おおおー、すっかり晴れ上がってるではないか。

    シャワーを浴び、アロハシャツだけ羽織って町に出る。日差しが強い。
    旧市街の外れに旅行代理店らしいオフィスがあった。

    「ダナン空港に行くバスがあれば、乗りたいんだけど」

    「オーケー、ホテルの名前を教えてくれ。ピックアップする」

    で、すんなり14:00発のバウチャーを出してくれる。11万ドンだった。これで空港への足は確保できた。

    昨夜歩いた旧市街はパスして、反対方向へ歩いて行く。
    観光地を離れると、なんだかフツーのベトナムの田舎町だ。

  • 小学校の前を通りかかると、ちょうど下校の時刻だった。子供の多いベトナムでは、学校は午前・午後の入れ替え制らしい。<br />校門の前にはお父さんお母さんが、バイクで迎えに来ている。<br /><br />でもって校門の横に、いろんな屋台が出ていた。<br />串焼き。シュークリーム。水あめ。ぽん菓子もあるぞ。<br />自転車の移動販売もあって、子供たちがそれに群れてる。みんな1万ドンを握ってる。<br />どうやら子供のお小遣いは1日1万ドンなんだね。懐かしい。<br />おじさんの頃はね、10円だったよ。甘納豆のクジが2回引けた。<br />

    小学校の前を通りかかると、ちょうど下校の時刻だった。子供の多いベトナムでは、学校は午前・午後の入れ替え制らしい。
    校門の前にはお父さんお母さんが、バイクで迎えに来ている。

    でもって校門の横に、いろんな屋台が出ていた。
    串焼き。シュークリーム。水あめ。ぽん菓子もあるぞ。
    自転車の移動販売もあって、子供たちがそれに群れてる。みんな1万ドンを握ってる。
    どうやら子供のお小遣いは1日1万ドンなんだね。懐かしい。
    おじさんの頃はね、10円だったよ。甘納豆のクジが2回引けた。

  • このあとどうしようかなー、まだ空港に行くには早いし、なんて思いながら、旧市街にぶらぶらと引き返す。<br />すると、通りの反対側からおじさん・おばさんの集団が歩いて来た。皆さん、ガイドの後をお行儀よく二列で歩いてるぞ。<br />先頭のガイドさんが日本語で説明してたからやっぱり日本人だ。<br />ダナンには日本からの直行便が飛んでるから、ここも身近な観光地なんだろうな。<br /><br />日傘でメガネのご婦人と目があったんで、<br /><br />「こんにちはー」<br /><br />とニッコリとあいさつする。<br /><br />だがしかし、ご婦人はチラとワシを見、なんの反応も示さずに歩き去るのだった。<br /><br />しししし、シカト?<br /><br />すると、ご婦人のみならず、団体様まるごと、ワシを「なかったこと」にして、通りの向こうに歩いて行ってしまった。<br /><br />アロハシャツが悪かったのか。それとも顔が悪いのか。<br />黄金の三角地帯からやってきた、麻薬マフィアと間違えられたのかもしれない。<br />おおいに遺憾である。<br />

    このあとどうしようかなー、まだ空港に行くには早いし、なんて思いながら、旧市街にぶらぶらと引き返す。
    すると、通りの反対側からおじさん・おばさんの集団が歩いて来た。皆さん、ガイドの後をお行儀よく二列で歩いてるぞ。
    先頭のガイドさんが日本語で説明してたからやっぱり日本人だ。
    ダナンには日本からの直行便が飛んでるから、ここも身近な観光地なんだろうな。

    日傘でメガネのご婦人と目があったんで、

    「こんにちはー」

    とニッコリとあいさつする。

    だがしかし、ご婦人はチラとワシを見、なんの反応も示さずに歩き去るのだった。

    しししし、シカト?

    すると、ご婦人のみならず、団体様まるごと、ワシを「なかったこと」にして、通りの向こうに歩いて行ってしまった。

    アロハシャツが悪かったのか。それとも顔が悪いのか。
    黄金の三角地帯からやってきた、麻薬マフィアと間違えられたのかもしれない。
    おおいに遺憾である。

  • やや傷心のままホテルに戻り、バスが来るまでの間、フロントの兄ちゃんとカタコト英語でおしゃべり。<br /><br />「このホテル、地図に載ってなかったよ。新しいの?」<br /><br />兄ちゃんニッコリと<br /><br />「はい、オープン8ヶ月です」<br /><br />家族でやってるんだという。<br /><br />「ホイアンのホテルは家族経営が多いんです」<br /><br />そうだね。まだ大きいホテルが進出してないもんね。バイザウエイ、対岸の島で、でかい工事してるのは、あれはホテルなの?<br /><br />「香港の資本が島を買い取って、リゾート開発してるらしいんです。私たちには情報がありません」<br /><br />そうかー、ここにも巨大資本がやって来るんだね。<br /><br />「レジャー施設らしいんですが…」<br /><br />その時だけ、兄ちゃんの顔が少し曇った。<br />やがてバスがやってきた。兄ちゃんは<br /><br />「日本のお客さんに、このホテルを紹介してください」<br /><br />なんて言いながらワシを送り出した。<br /><br />

    やや傷心のままホテルに戻り、バスが来るまでの間、フロントの兄ちゃんとカタコト英語でおしゃべり。

    「このホテル、地図に載ってなかったよ。新しいの?」

    兄ちゃんニッコリと

    「はい、オープン8ヶ月です」

    家族でやってるんだという。

    「ホイアンのホテルは家族経営が多いんです」

    そうだね。まだ大きいホテルが進出してないもんね。バイザウエイ、対岸の島で、でかい工事してるのは、あれはホテルなの?

    「香港の資本が島を買い取って、リゾート開発してるらしいんです。私たちには情報がありません」

    そうかー、ここにも巨大資本がやって来るんだね。

    「レジャー施設らしいんですが…」

    その時だけ、兄ちゃんの顔が少し曇った。
    やがてバスがやってきた。兄ちゃんは

    「日本のお客さんに、このホテルを紹介してください」

    なんて言いながらワシを送り出した。

  • バスは田舎道をとっとと走り、ダナン市街もすんなりを抜け、40分で空港に着いてしまった。想定より2時間も早いぞ。<br /><br />チケットカウンターで、マレー系のきれいなお姉さんに<br /><br />「18時の便だけど、早く着きすぎちゃった。一便早められまへんか?」<br /><br />バッタチケットなんで「NO」を覚悟してたんだけど、お姉さん、ニッコリとゆう。<br /><br />「今からだと16:00の便があります」<br /><br />すすす、すばらしー。<br /><br />「が、追加料金が必要です」<br /><br />やっぱし。で、おいくらでございましょう。

    バスは田舎道をとっとと走り、ダナン市街もすんなりを抜け、40分で空港に着いてしまった。想定より2時間も早いぞ。

    チケットカウンターで、マレー系のきれいなお姉さんに

    「18時の便だけど、早く着きすぎちゃった。一便早められまへんか?」

    バッタチケットなんで「NO」を覚悟してたんだけど、お姉さん、ニッコリとゆう。

    「今からだと16:00の便があります」

    すすす、すばらしー。

    「が、追加料金が必要です」

    やっぱし。で、おいくらでございましょう。

  • お姉さん、ワシの英語がメタクソなので、電卓を取り出し、<br /><br />「60,000」<br /><br />6万ドン。<br />300円か。<br />ケタ間違えてないよね。<br /><br />大好きだぞベトナム。<br />お姉さんも大好きだぞ。ほとんど愛してると言っても良い。(巨乳だったし)<br />抱きしめたいくらいだ(しなかった)。<br />握手しましょう握手(これはした)。<br /><br />しかも、お姉さんはお釣りを間違えて、5万ドン余計にくれるではないか。<br />今までお釣りを誤魔化されることはあったけど、多く間違われるのははじめてだ。<br /><br />これは好意か。好意なのか。<br />それともワシの1週間履き続けのGパンが発するナゾの異臭に動揺したのか。<br /><br />前者に違いないと推察する鯨の味噌汁(58歳汚物系)である。<br />(もちろんオカネは返しました)<br />

    お姉さん、ワシの英語がメタクソなので、電卓を取り出し、

    「60,000」

    6万ドン。
    300円か。
    ケタ間違えてないよね。

    大好きだぞベトナム。
    お姉さんも大好きだぞ。ほとんど愛してると言っても良い。(巨乳だったし)
    抱きしめたいくらいだ(しなかった)。
    握手しましょう握手(これはした)。

    しかも、お姉さんはお釣りを間違えて、5万ドン余計にくれるではないか。
    今までお釣りを誤魔化されることはあったけど、多く間違われるのははじめてだ。

    これは好意か。好意なのか。
    それともワシの1週間履き続けのGパンが発するナゾの異臭に動揺したのか。

    前者に違いないと推察する鯨の味噌汁(58歳汚物系)である。
    (もちろんオカネは返しました)

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