関西の紅葉めぐり2017（２）湖南三山：善水寺・長寿寺・常楽寺

2017/11/27 - 2017/11/27

2泊3日で関西の紅葉めぐりに出掛けました。
２日目は、以前から行ってみたかった湖南三山の紅葉めぐりです。
平成16年10月に旧石部町と旧甲西町が合併して「湖南市」が誕生。
湖南三山は、その湖南市に位置する天台宗の古刹「常楽寺」「長寿寺」「善水寺」の総称で、三ヶ寺とも国宝指定となっています。
湖東三山ほど混みませんが、徐々に人気が出てきているようです。

表紙の写真は、長寿寺の山門です。

エリア 草津（滋賀）(滋賀)

• 旅行の満足度: 4.0

彦根駅東口　7:50頃

駅前のコンフォートホテル彦根をチェックアウト。
2日目の行動開始です。

彦根駅 駅

彦根駅　西口ロータリーにある井伊直弼像

兜の角が凄いですね。
ひこにゃんもこの兜を真似ているようです。

金亀公園 公園・植物園

JR草津駅　年季の入った草津線の車両

彦根8:02発の電車で草津8:41着。
草津駅のコインロッカーに荷物を入れて、草津線に乗り換え。
草津8:57発の電車で甲西へ行き、コミュニティーバスに乗って善水寺へ。
ここでハプニング！
ＪＲ草津線が遅れて（関西本線が霧のため遅延、接続する草津線にも影響が）、
甲西駅で9:25発のコミュニテイーバスに乗り換えができず。

草津駅 (滋賀県) 駅

湖南三山　善水寺

甲西駅で次のバスは1時間以上待つので、タクシーを利用。
駅に停まっていたタクシーも1台だけ、何とか乗れて善水寺まで。
（バスは250円のところ、タクシーは1410円でした。（痛！））

湖南三山　善水寺の参道

どこが参道か？
この民家の左を入って行きます。
タクシーの運転手さんは、気を使ってくれたらしく、
車の道ではなく人が歩く参道の近くで降ろしてれたようです。

湖南三山　善水寺の参道

タクシー代は安く済みましたが、ここから暫く坂道を登ります。
（バスで来た場合も、この道を登ることになりますが）

湖南三山　善水寺の観音堂

参道を暫く登ると右手に観音堂が現れます。
元禄9年、東尾観音堂を中尾岩蔵院旧跡に移し丈六観音像を修理安置したそうです。

湖南三山　善水寺　木造聖観音坐像（市文化財）

平安時代の寄木造りで、一見金銅仏と思われるほど緊迫の剥落もない丈六仏。

湖南三山　善水寺　拝観受付　9:50頃

この時間にも、大型バスで来られた団体さんが拝観されていました。

湖南三山　善水寺　参道の紅葉

この日もお天気が良さそうです。

湖南三山　善水寺の本堂（国宝）と百伝池

岩根山善水寺、天台宗。
本尊は薬師如来（秘仏）、ご利益は病気の平癒・身体健全・厄除祈願。
南北朝時代、貞治5年(1366)再建。
善水寺の由来によれば、
奈良時代和銅年間(708～715)元明天王勅命により鎮護国家の道場として草創され、和銅寺と号した。
延暦年間に最澄上人が比叡山を開創され、堂舎建立の用材を甲賀の地に求められたが、日照り続きで横田川（野洲川）の水量が少なく木材を運ぶことが出来なかったそうです。
最澄上人が請雨祈祷のため浄地を探されたところ、岩根山中腹より一筋の日が射し込み、その光に誘われて当地に登られたところ、山中に堂、百伝池があり、池の中より薬師仏を勧請され、請雨の祈祷をされること七日間、大雨が一昼夜降り続き、川の流れが勢いづき、木材は川を下り琵琶湖の対岸比叡の麓に着岸したそうです。
後に、京の都で桓武天皇御病の際、最澄が霊仏出現の池水を以って病気平癒の祈祷をしたところ、御病が忽ち平癒したことから、この縁に依って「善水寺」の寺号を賜ったそうです。

湖南三山　善水寺　本堂裏の庭園の紅葉

湖南三山　善水寺　本堂裏の紅葉

善水寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　善水寺　本堂の扁額

お堂の中は撮影禁止。

善水寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　善水寺　本堂の仏像

購入した絵葉書より。
（中央）本尊薬師如来（重文）正暦4年(993)
（左）帝釈天（重文）
（右）梵天（重文）　

湖南三山　善水寺　本堂の仏像

購入した絵葉書より。
（上段）金剛力士像（重文）
　　　　当初は本堂の南に仁王門があり、その両脇に立たれていたもの。
　　　　平安時代の仁王像は全国的にも少なく、近江を代表するもの。
（中断）増長天（左）、持国天（右）
（下段）広目天（左）、多聞天（右）

湖南三山　善水寺の紅葉

素晴らしい紅葉が見れました。

善水寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　善水寺　善水の元水と紅葉

元水の量は思ったほど多くありませんでした。

善水寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　善水寺の本堂（国宝）と百伝池（ももつてのいけ）

バスの時間までたっぷり時間があったので、
ゆっくりすることが出来ました。

善水寺本堂 寺・神社・教会

岩根バス停

11:00発のコミュニティバスを待っていましたがなかなか来ません。
通行人も誰もいないので、確認のしようもなく待っていると、
10分ほど遅れてバスがやって来ました。
甲西駅11:31発の電車に乗りたいのですが間に合うのか？

ＪＲ草津線　甲西駅前　11:17頃

電車の時間に間に合うか心配しましたが、
甲西駅まで10分もかからず運んでくれました。

甲西駅 駅

ＪＲ草津線　甲西駅

最近建て替えられたのでしょうか立派な駅舎でした。

甲西駅 駅

ＪＲ草津線　甲西駅からの眺め

この後に向かう長寿寺、常楽寺は向こうの山の中のようです。
12Kmほどあるようなので歩くのはちょっと無理ですね。

甲西駅 駅

ＪＲ草津線　石部駅

甲西駅11:31発、隣の石部駅11:35着。
駅のすぐ前から11:45発のコミュニティバスに乗車。
長寿寺と常楽寺のどちらから回るか迷いましたが、
バスの時刻表を調べて、長楽寺を先にしました。
駅のすぐ横に観光案内所があり、バスの時刻表などが貰えます。

石部駅 駅

コミュニティーバス　長寿寺バス停　11:56頃到着

バス停から長寿寺までは徒歩３～４分です。
長寿寺は東寺、常楽寺は西寺とも呼ばれます。

湖南三山　長寿寺　山門と紅葉

なかなかいい感じの山門です。

湖南三山　長寿寺　山門と紅葉

阿星山長寿寺、天台宗。

湖南三山　長寿寺　参道の紅葉

山門を潜ると紅葉のトンネルが続きます。

湖南三山　長寿寺　参道の紅葉

紅葉に陽が射していい感じです。

湖南三山　長寿寺　参道の紅葉

紅葉に陽が射していい感じです。

湖南三山　長寿寺　参道の紅葉

本堂が見えてきました。

湖南三山　長寿寺　参道に並ぶ可愛い動物

湖南三山　長寿寺　本堂（国宝）

湖南市最古の名刹で鎌倉時代に再建された建造物。
本尊は子安地蔵（秘仏）、ご利益は子宝・安産・長寿。

天平年中創建し貞観年中に焼失したものを復元。
桁行五間、梁間五間、屋根一重寄棟造、向拝三間檜皮葺、四面廻廊と天台伽藍には珍しい建物だそうです。

長壽寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　長寿寺の仏像

本尊の絵葉書がないのかと尋ねると、
「秘仏なのでないのですよ。この絵葉書なら差し上げます。」とのことで
有難くいただいてきました。

（左）釈迦如来坐像（重文）、藤原時代作、寄木造、像高1.77m
（右）丈六阿弥陀如来坐像（重文）、藤原時代作、寄木造、像高約3m

湖南三山　長寿寺の紅葉

近江の主要な天台系伽藍には三重塔があるのが普通だそうですが、
この長寿寺にあった三重塔は、天正3年に織田信長によって、
安土城山中の信長の菩提寺に移設されたため、ここには残っていないそうです。

長壽寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　長寿寺の鐘楼と紅葉

長壽寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　長寿寺　参道の紅葉

長壽寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　長寿寺　参道脇の苔と落葉

長壽寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　長寿寺　参道の紅葉

山門へ戻ります。

湖南三山　長寿寺　白山神社

長寿寺の鎮守社

湖南三山　長寿寺

子宝パワースポット。
厨子に納められているのは陰陽石でしょうか。

湖南三山　長寿寺

地元の方が作られた竹の彫刻が展示されていましたが、
どれも見事な細工が施されていました。

湖南三山　長寿寺　参道の紅葉

なんとも雰囲気のある紅葉の参道でした。

湖南三山　長寿寺の隣にある広場　12:30頃

地元の皆さんが出店されています。
お腹が空いたので、お握りとトン汁（300円、安い！）でお昼にしました。
（近くには飲食店がないのでご注意を）

湖南三山　長寿寺バス停付近　12:46頃

次の常楽寺までは1.2Km。
こちらからは緩やかな下り坂になります。

湖南三山　長寿寺から常楽寺へ向かう道

バス通りを歩くので間違えることはなさそうです。

湖南三山　常楽寺の入り口　13:03頃

長寿寺から歩くと、やはり20分ほど掛かります。

湖南三山　常楽寺　拝観受付

山門がありません。

湖南三山　常楽寺

阿星山常楽寺、天台宗。
本堂・三重塔の建造物が国宝。二十八部衆等は国の重要文化財に指定。
本尊は千手観音菩薩（秘仏）、ご利益はすべての願い。

縁起によれば、
和銅年間(708～715）元明天王の勅命により、良弁僧正が開基した阿星寺5千坊の中心寺院として、また紫香楽宮(742～745)の鬼門鎮護として栄えたそうです。
延文塩分5年(1360)火災で全焼したが、同年に再興されたそうです。
本堂は、明治31年に国宝指定され、昭和28年に新法により再指定されています。

常楽寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　常楽寺　三重塔（国宝）とドウダンツツジの紅葉

応永7年(1400)室町時代の再建。
三間四方瓦葺、高さ22.8m。
国宝指定は本堂と同年。

常楽寺本堂 寺・神社・教会

湖南三山　常楽寺　三重塔（国宝）

三重塔の前の石段を上り裏側へ。

湖南三山　常楽寺　三重塔（国宝）

三重塔の裏山の上からの眺望。

湖南三山　常楽寺　裏山の最高地点

湖南三山　常楽寺　本堂脇の紅葉

湖南三山　常楽寺　本堂脇の紅葉

陽射しに輝く紅葉が綺麗でした。

湖南三山　常楽寺　本堂脇の紅葉

コミュニティーバス　西寺（常楽寺）バス停

14:02発のバスが少し遅れて到着。
時刻表でお分かりのように1時間に1本程度の運行です。
ここから石部駅までは歩くと約1時間だそうです。

湖南三山、車で回ればさほど時間は掛からないと思いますが、
電車とバスの時間を調べて、のんびり回るのも良いですね。

ＪＲ草津線　石部駅　14:14頃

この後は、大阪へ移動しました。
石部14:36発、草津14:46着、コインロッカーの荷物を取り出し、
草津14:52発の琵琶湖線（東海道線）で大阪15:43着。

石部駅 駅

大阪　御堂筋　イチョウ並木の黄葉とイルミネーション　16:50頃

1年振りの大阪です。
この日は、以前、仕事でお世話になった皆さん8名で懇親会。
久々に楽しく語らいました。
また1年後に再会する予定となりました。

（3日目の京都につづく）