2017/08/18 - 2017/08/27
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gyachung kangさん
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2010年に起こったアラブの春。
しかしそれ以来、アラブの国々は次々とドミノ倒しのように大揺れに揺れた。私がかつて訪れたいくつかの国も今、外国からの旅行者を気安く受け入れる余裕はない。
アラブの春は実はアラブの冬だった泣
けれどもそんなアラブ諸国の動揺を尻目に鉄板の存在感を放つ国が近くにある。
イランイスラム共和国。同じイスラム国家でありながらアラブとは似て異なる、ペルシャ文化の総本山の国である。
米国元大統領ジョージ・ブッシュから悪の枢軸の筆頭に名指しされたイラン。その後オバマ政権下で方向転換、経済制裁は緩和された。
ってことで旅先として旬の時期を迎えた感のあるイランに飛んでみた。
バカンスはイラン旅行。うう~ん我ながら微妙な違和感もあるけどさ、そんな夏休みもアリってことで笑
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
8月18日金曜日。
週末最後の仕事を終えて超速で成田空港に向かう。今回の利用便は一昨年のヨルダン旅行の時と同じくカタール航空。22時過ぎの設定で顧客思いの重宝なフライトなのだが直前に出発時間が繰り上がりなんとか滑り込みセーフで搭乗。
現地時間AM2時過ぎドーハハマド国際空港に着陸。テヘラン行き便を確認する。 -
ながーい乗継時間をじっと耐えようやく機材へ搭乗。機内は満席。いざイランの首都テヘランへと向かう。
-
11時半テヘラン到着。
遂にイランにやって来た。
今回、私は予め日本でビザを取得していた。アライバルビザも取得可能だが無駄に時間がかかるらしい。入国審査は実にスムースに終わり200ドル分両替してエアポートタクシーでテヘラン市内のホテルへ。
簡素だが初日としては問題の無いミニホテルだ。 -
旅の初日。早速テヘラン市内を歩いてみる。ホテルから徒歩20分、テヘラン最大のバザールがあるらしい。
写真はバザールへと通じる繁華街の様子。土曜日はイスラムの国イランにとっては平日のはずだがたいへんな人出。暑さ対策にとミストの下に集まる女性たち。のっけから見慣れない光景が展開。 -
東京の夏の暑さは今やいい加減にしろと言いたくなるレベルだが、8月のテヘランも期待、いや予想通りの暑さ。ジュース店の充実ぶりはハンパない。
-
目抜き通りをキョロキョロしながら歩いているうちに発見。
旅の初日の目的地、ゴレスターン宮殿である。 -
敷地内に入ると広々とした庭園。
そしてその奥に18世紀に建てられたガージャール朝時代の館がある。
その館がどんなかっていうと -
こんな館。
外壁がモザイクタイルのオンパレード。 -
幾何学模様だけじゃなくて、こんな
-
こんな
-
こんな絵巻物の装飾が展開する。
さらに -
館の中も見どころに。
ヨーロッパの王宮をペルシャ風にアレンジしたかの初めて見る空間。 -
おおこれは!
眩いばかりの鏡の間もあったりする。 -
博物館も付設されている。
昔のペルシャ地方の衣装や生活用品がわかりやすく展示。 -
いにしえの貴重な写真も多数展示されている。今現在のイラン人とは顔もかたちもおよそ違う部族の記録写真にはかなりの驚きを覚える。
-
これがゴレスターン宮殿。
2013年に世界遺産登録となった。
日本ではまだ無名、世界でもほぼ無名に近いスポットかも知れない。イランが誇る秘密兵器である。 -
振り返ればこの宮殿の見事なタイルワークが、この後目の当たりにするペルシャ文化の粋、圧倒的なモザイクタイル芸術の序章であった。
-
この日はイランいや中東最大の規模と言われるバザールをチラ見して
-
バザールの一角で夕食にする。
サフランライスが異国料理感を引き立てる挨拶代りの本場ケバブを初体験。
ケバブ、じゃなくてキャバーブだね。
とにかく腹持ちがいい。満腹になって帰宿。明日からに備える。 -
翌朝。
まだ夜明け前、タクシーでテヘランの西にあるメフラバード空港へ向かった。
そう、今から国内線を利用してテヘランから300キロ南へ飛ぶために。
行き先は言わずもがなのイスファハーンである。 -
日本人はおろか東洋人搭乗者は私のみで満席のA320の機体は朝7時にイスファハーン空港に無事ランディング。
エアポートタクシーで20キロ離れた市内中心部へと走りロケーション抜群のホテル前でドロップ。
部屋は空きがあり難なくアーリーチェックインOKとなった。外国のホテルはアーリーチェックインに寛容で実に助かる。日本も早く見習って欲しいよなあ。
因みに今や旅行者御用達となったホテル検索サイトにイランのホテルは殆どカバーされていない。よってホテル選択はちょっとしたアトラクションである笑 -
天井を見上げると聖地メッカの方角を指す矢印が。
ところが私はこの旅で一つ失敗をやらかしていた。コーランを家に置いてきてしまったのである。
イランでコーランを読んでみる。やってみたかったなあ。普段?いや読んだことないけどね。 -
私のホテルから徒歩10分の場所に世界の半分がある。
そう、アレですよ、ついに来た!
イスファハーンのイマーム広場! -
広場の南側にひときわ高く聳える2本のミナーレ。
マスジェデ・イマーム。1638年完成。 -
なんということだろう~
モザイクタイルの外壁装飾の極地がいきなり目の前に現れた。 -
イマームの中へ。
失礼します。 -
青と黄色を基調にしたカラーリング
-
これは装飾というより芸術である。
圧巻。 -
次はアーリー・ガープー宮殿へ入ってみる。
-
こんな艶やかな細密画が登場。
横に見ながら中に進むと -
そこは音楽室。
音の反響を計算してつくられたミフラーブらしい。 -
そしてこの宮殿テラスから真正面に対座して見えるのがこのモスク。
マスジェデ・シェイフ・ロドフォッラー
である。 -
確実に舌を噛む名前だが、舌を噛んでも見落としちゃあいけない。
このなんとも形容しがたい黄色ベースのドーム屋根の存在感はイマーム広場で傑出している。
さて、内部はどんな様子だろうか。
入ってみると -
すっげー
これは凄い! -
参りました。
もお降参。
イマームの青&黄色に対してこちらはオレンジ。
ロドフォッラーは王族のために建築されたモスクとのこと。そう言われるとジャーメより確かにロイヤルな香りが漂っている。 -
このイマーム広場は広場をぐるりと囲んで作られた長方形の塔屋にびっしり店舗が入っている。宮殿+モスク+お店、即ち政治と信仰と経済が一体で設計された広場ってことか。
写真は広場の北側にあるゲイサリーイェ門。この奥にバザールがある。 -
店の中に所狭しと積まれたカーペット。
ペルシャ絨毯。
本場の中の本場と言っていい。 -
ペルシャ伝統の技
工芸品のミーナ -
そんなショッピングストリートを地元の主婦たちがゆったり歩いていたりする。
-
長く西側からの経済制裁を受けていたイラン国内で外国資本のチェーン店は一軒も見かけることはなかった。マクドナルドもバーガーキングもZARAもユニクロもない。もちろんイマーム広場にも。混ざり気なし純度100%ペルシャの世界である。
-
イマーム広場の裏路地に隠れ家風レストランを見つけた。先客は誰もいないが臆せず入る。
私の旅には、私の他には誰もいない、という展開が結構な頻度であるがここもまた笑 -
チョイスはカツレツ。ヨーロッパで出てくるシュニッツェルとおんなじだね。
-
腹ごしらえを終えて今度はイスファハーンの下町へ。ここにもイランの至宝があるらしい。
-
マスジェデ・ジャーメ。
探すのに苦労したよ、ココ。 -
イスファハーン最古と伝わるマスジェデ・ジャーメにはいくつかの礼拝空間がある。
入り口近くにあるのはキリスト教の修道院のような色彩を排した礼拝堂。 -
倉庫のようだが、実際ここにはご覧のようなコーランが何冊も置かれている。
-
中庭にでると
大きなエイバーンのある堂々とした威厳のあるモスク -
東西南北にモスクが向き合う。
みな、エイバーンもタイル柄も個性が違う。 -
お~
ここは説教の間か。 -
説教台の中央にはコーランの文章がびっちり刻みこまれたレリーフ。
-
そのまた奥には見たこともない不思議な空間。冬季用の礼拝室とのこと。なるほどねえ、そんな感じがする。
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これが創建8世紀マスジェデ・ジャーメ。
シリアのダマスカスで訪れた世界最古ウマイヤドモスクとは建築様式は全く異なるが歴史の重みでは双璧だと思う。 -
マスジェデ・ジャーメを後にして今度はザーヤンデ川の南、ジョルファー地区に行ってみる。ジョルファーはモスレムではないアルメニア人の居住地区らしい。
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タクシーを降りると街の雰囲気は明らかに違っていた。歩くこと5分、ジョルファー地区のシンボル、ヴァーンク教会。
-
教会なんだけど、どう思いますコレ?
右側の尖塔にアルメニア正教の名残りはあるけどイスラムとの折衷様式が全くのオリジナルって感じ。 -
んで、内部に驚いた。
ペルシャのタイルワークに対抗心を燃やしたとしか思えない東方正教の流れを汲むような一面の壁画。でも私が今まで見てきたイコンとも雰囲気が違う。 -
その理由は多くのイコンではそれほど使われていない金色であるな。これがアルメニアンなのか。
-
このヴァーンク教会の敷地内にはアルメニア博物館もあるが見ごたえがある。数百年前に書かれた貴重なアルメニア聖書がズラリと保存されているが
-
ええっ?と驚くのが世界最小の聖書。
重さ0.7グラム、ドイツで印刷されたもの。
小指の爪に乗るサイズである。
他にも髪の毛に書かれた聖書の一文が顕微鏡で見れる。当然ながらこれを写真でお見せすることは出来ないがもちろんトリックでもなんでもなく、髪の毛にはしっかり文字が刻まれていた。 -
ヴァーンク教会の入り口で。
私が手にしていたカメラを見て、撮って撮って~とリクエストしてきたフレンドリーな3人組。2人がモスレムで1人がアルメニア正教徒かと思われる。信仰の違いはあっても日常の生活とはこういうものと実感。 -
ジョルファーを後にして北に歩くと市内の真ん中を東西に流れるザーヤンデ川に出た。が、川は干上がり1602年竣工のスィー・オ・セ橋の威風堂々ぶりが何だかもったいない状態。夏季の水量なのか水の流れが変化したのかはよくわからないがこれは惜しい。実に惜しい。
-
私は重厚な石造りの橋の上を渡ったが、ご覧のように地元の子連れママは川床を歩いていた。
-
夕暮れ時
再びイマーム広場に戻ってみた。 -
マスジェデ・イマームの背後に夕陽が落ちて行く。
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広場の真ん中にある水場で夕涼みタイムを楽しむ家族。
アラブ諸国など中東あたりは昼間の時間は気温が上がり過ぎるため人影もまばらになり夕方から街中に人が繰り出してくる、イランも全くおんなじらしい。 -
そんな家族連れが集まる中で出会った2人の男子。私が日本人と見るや陽気に話しかけてきた。聞けば生まれはアフガニスタン、小さい頃にイランに来たのだという。
ー そっかあアフガニスタンかあ
私は refugee ? という言葉を使うのをためらい止めた。だがつまりはそういうことだと思う。救いは2人がとにかく明るく元気に溢れていること。混乱が発生した近隣国から生活の安全と安定を求めて避難民がやって来る国、それがイランか。イランのポジションが薄っすらと透けて見えた。 -
陽はとっぷりと暮れてイマーム広場が夜の闇に包まれた。
かつて世界の半分と謳われたイマーム広場に今その面影はもちろん無い。だが明かりが灯ったロドフォッラーの前にたくさんの人が集まってくる光景を眺めているうちにかつてのペルシャ帝国の繁栄と世界の半分の意味が見えてきた。
みなさん、イスファハーンのイマーム広場へは是非とも夕暮れ時に起こし下さい。
この後、旅はさらに南へ。
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この旅行記へのコメント (5)
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- bloom3476さん 2019/01/30 09:25:40
- 夏のイランを爽やかに旅する極意とは?
- 行こう行こうと思っていたイラン(※シャーの時代、テヘランにはトランジットしたけど)北部のアルメニア寺院を訪れたくて今年の夏休みの航空券を取っていたのですが、暑いだろうなあ、、と順延したいしたい、、と悩んでいた時に kang様の旅行記 拝読 まだ1だけだけど なんか爽やかに旅行されているので、少し安心しました。 まあそれ相当の備えもされているのでしょうか? 暑さ対策や注意点など、お伺い出来たら幸いです。
- gyachung kangさん からの返信 2019/01/30 21:34:36
- Re: 夏のイランを爽やかに旅する極意とは?
- はじめまして
盛夏の時期イランを旅しました。暑さを感じたのはテヘランだけでイスファハンもヤズドもシーラーズもノーマルな暑さです。総合して振り返ると東京よりははるかにマシ。やはり湿度の違いは大きいと実感。
従って現地で慌てて特別な備えをした記憶は一切ありません。短パンが使えない不便さはありましたが、それとて不快になるほどでもなく。
これはイランに限ったことではありませんが、私は旅先では常時水分補給を欠かしません。手にはペットボトル確保、小まめに休憩しお茶を取ります。常に先手の水分補給策のお陰で旅先では体調を崩したりバテて宿で寝たきりになったことは一度もありません。
ということで、旅の経験から人間にとって一番大切なものは、水であることを身を持って知った次第であります。
- bloom3476さん からの返信 2019/01/30 22:06:09
- Re: 夏のイランを爽やかに旅する極意とは?
- gyachung kang 様 ご返信ありがとうございます。
そうですか だいぶ ほっとしました。 水の大切さを改めて感じます。
旅行記 写真もとっても美しくて、イランのイメージが格段に良くなりました。 フォローさせて頂きますので、また素敵な旅を投稿してください。 この度はありがとうございました。
-
- mayたんさん 2017/10/06 23:47:40
- 平和を願う
- お久しぶりです。
夏休みイラン行かれたんですか!
ウズベキスタン行った時、同じくひとり旅していた女性からイランをオススメされ気になってます。
イスファハーンやモザイクタイル、異国情緒溢れる景色。
アラブの春は冬の始まりだった…
妙に言い当ててますね。。
イエメン、リビア、行きたいけれど情勢をみると未だ叶わず…
早く平和が訪れてほしい。。
イランでは、鼻を敢えて低く整形する人がいるとか。鼻に包帯してる人いましたか?
may
- gyachung kangさん からの返信 2017/10/07 07:05:28
- Re: 平和を願う
- mayたんさん
おはようございます
去年泣く泣く直前キャンセルしたイランに行ってきました。
一番の印象はとても安定した国であること、あとは政治的にも経済的にも地域大国ですね、これは間違いないです。
本音を言えばバムやマシュハド、あとはイラクやアゼルバイジャンとの国境付近まで足を伸ばしてみたかったんですが、何分にも会社勤めの身、
欲張りはできませんでした。
鼻に絆創膏を貼った人を3人くらい見かけて、アレはいったいなんだろ?って不思議だったんですが、整形とは知りませんでした。教えてくれて
ありがとうございます!
敢えて鼻を低くくするとは、
いやあビックリですね。
ホント、世界はさまざま、やっぱり旅に飽きることは無いですね。
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