1985/11/29 - 1985/12/09
43位(同エリア262件中)
ころたさん
「渡航先でのトラブルは旅のスパイス。ちょっとスリリングな方が面白いのさ。」
な~んて言っていられない我が人生最大のピンチが、このカナダスキーツアーで起こってしまった。それは30年も前のアメリカ駐在員時代に行った、バンクーバー.ウィスラーへのスキーツアー。サンクスギビングの休暇に合わせて、同僚と2人で出かけたのだった。
種子島から屋久島に渡った30年前の旅と並び、俺には忘れがたい旅の一つだ。
種子島編:http://4travel.jp/travelogue/11023034?lid=next_travelogue_from_travelogue
屋久島編:http://4travel.jp/travelogue/11023015?lid=next_travelogue_from_travelogue
顛末記はどれだけ力を入れても書ききれないくらいだが、残念なことにピンチ過ぎて写真を撮る余裕がなかったのか、ほとんど残っていない。あり合わせの写真でお茶濁してます。許してちょ。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- エアカナダ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
"Be careful. Trafic is very bad!"
ツアー当日の朝、出張でいつもお世話になっているツーリストの窓口にエアーチケットを取りに行くと、Maryあばさんが大きな声で俺達に言った。だいたいイヤな予感がしたんだ。朝、起きると腹のぐあいが良くない。昨日食べたメキシコ料理が変な味がすると思っていたのだが、案の定あたったらしい。これで手間を取って出発が遅れたのが事の発端。
(ウチの近くの公園からロングビート方向を眺める) -
そしてMaryおばさんの忠告通り、LAXまでのフリーウェーが大渋滞。こりゃあバンクーバーへの飛行機に間に合わないぞ。
あ~、やっぱ遅刻だぁ。でもここで諦めては休暇が台無し。Air Canadaのチケットを握りしめて交渉開始。そしてそして、Maryオバサンにも電話で助太刀してもらい、なんと次便のCanadian Airに乗れることになった。やってみるもんだ!
しかしこの時は、それが苦難への第一歩だとは気が付かなかった。
(我がアパートの部屋と愛機 K2 Phil Mahreモデル。206cmもあった) -
イチオシ
さあカナダだ! Canadian AirlineのB747は無事、バンクーバーに降り立ち、俺達は目的地のウィスラーへの足を探す。当然、組み込まれていたツアーバスはとうに出発していたので、路線バスに乗り込んだ。所用時間2時間。意外と近いのだ。この時点ですでに夜7時。
そしてバスはウィッスラーに到着する。サンクスギビングデー休暇を当て込んでスキー場に来た客でほぼ満員のバスから、大勢のスキーヤーがそれぞれのホテルに散っていく。俺達も予約してあるウィスラービレッジのフロントに向かう。すると、
"Your reseavation was canselled."
"What???"
なんと俺達のツアーは人数不足で1週間前にキャンセルされたと。しかもビレッジのホテルは満室だと言う。おいおい、冗談じゃない。もう夜の9時だ。外の気温はー20℃近い。俺達を殺す気か?
(翌日は天気にも恵まれゴキゲンなスキーを楽しんだ)最高!ここよりいいスキー場を私はまだ知らない! by ころたさんウィスラー山 山・渓谷
-
ここでまたしても交渉が始まる。今度は命がけだ。フロントマンもさすがに気が引けたのか、あちこちのホテルに電話を入れてくれたが、どこも満員。いよいよロビー泊かぁと覚悟していたら、ようやく某コテージが空いているという知らせ。助かった!
車でピックアップに来てくれたコテージはお世辞にも新しくてきれいとは言い難かったが、兎にも角にも泊まれる所ができたのだ。
(-25℃だと風景はこんな感じ)最高!ここよりいいスキー場を私はまだ知らない! by ころたさんウィスラー山 山・渓谷
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予定は4泊5日。滞在中に吹雪にもあい、Black Combに登ろうとしたら(当時のBlack Combにリフトはなく、徒歩で登るかヘリスキーかだった)、レンジャーに危険だからダメだと止められたりした。ちなみにそこの気温はー25℃。
夜はビレッジのバーに行ってビリヤードなんぞで地元ティと一勝負。まだ日本人は珍しいらしく(実際廻りには他に誰もいなかった)、やたらと話しかけてくる。何しに来たんだと言うから、当然スキーだと答えると、
"Crazy!"
おいおい、ここってスキー場じゃないの?
そう、彼らはー25℃の中でスキーなんかしないのだ。ホテルでプールに浸かって、バーでバカ騒ぎする。じゃあ何でこんな山の中に来たの?
(写真はカナダのが尽きたので、地元LAエリアのスキー場、Snow Valley) -
下痢も飛行機もホテルの件も忘れて幸せな4日間を過ごし、最終日にバンクーバーへ戻って飛行機に乗ってLAXに戻る。あ~いい休暇だった!
とはならなかった。予約したAir Canadaにチェックインをしてセキュリティチェックを済ませ、イミグレーションに向かった。カナダからUSAに入国する際、カナダの空港で米国の入国審査を受けるのだ(たぶん今も)。と、そこで、
”Your VISA was invarid. You can't enter USA."
"What!!!"
またしてもトラブル。しかもこれまでとは重さが違うぞ。係官の話では、お前らはアメリカに入国してもう半年以上経っていて、このVISAでは再入国できないと。
そう俺達、中小企業戦士はなんといわゆる観光ビザで入国していたのだ。これでUSA内は自由に行き来していたのだが、国境ではそうはいかなかった。
さあ大変だ! これはMaryおばさんじゃダメだ。恐る恐る会社のボスに電話を入れる。もちろん俺達がカナダに旅行することは連絡していたのだが、彼もVISAの件は頭になかったようだ。とりあえず一旦引き上げて、日が変わったら担当者も変わるから入国できるかも、という緩~い考えで一旦引き下がった。
(引き下がった後で立ち寄ったバンクーバー美術館。実はこの時はまだあまり深刻に考えていなかった。)バンクーバー美術館 博物館・美術館・ギャラリー
-
ここから彷徨が始まる。翌日、何気ない顔で再び空港を訪れイミグレーションに向かう。
”No!”
ですよね。でも午後になればまた変わるかも・・・
”No!"
あ~、ですよね。今日は日が悪いみたいだから、引き上げよう。
帰り際、国際線のArrivalで家族や友人を待つ人々を横目に通り過ぎようとすると、3歳くらいの男の子が規制線も気にせずに走っていく。
"Dady, Dady!"
髭もじゃのパパが嬉しそうに男の子を抱き上げる。そこだけホワッと暖かな灯りが燈ったように。
俺達はまるで根無し草・・・
(写真は確かBig Baer。ジーンズにスパッツが俺の定番ウエアだった。) -
会社に再度連絡しても、明日もう一回チャレンジしろと。滞在11か月の相棒はもう諦めムード。5か月目の俺は元々オプティミストなので、まあどうにかなるさ的。なのでこの際だからバンクーバーを楽しもうと、美術館、チャイナタウン、大橋巨泉の店と歩き回った。
(Big Baerで日向ぼっこ中。もう少し写りのいい写真なかったかな。) -
3日目、再々チャレンジ。今日もAir Canadaのフロントで手続きする。もうフロントのお姉ちゃんとは顔なじみだ。ちょっと格好良くない?(いや、良くない!)
するとイミグレーションに近付いた時点で、最初の係官が脇に立っていて取っ捕まった。別室に来いと。やっべ~、いよいよお仕置きかぁ?
「何度来てもダメだ。もう日本に帰れ。」
だと。あ~あ最後通告だよ。
長期滞在の相棒は観念して日本本社に連絡を入れた。で結果、日本に帰ってこいと。俺はと言うと、カナダ国内を移動して東海岸からもう一度入国をトライしろと言うことになった。
ガックリと肩を落とす相棒、小さくガッツポーズする俺。だってトロントとか初めてだし。ひょっとするとナイヤガラが見られるかも。(オマエナァ、自分ノ立場ヲワキマエレバ?)
(写真はHeavenry Valley。Lake Tahoが眼下に広がる。)ヘブンリーバレースキー場 アクティビティ・乗り物体験
-
「やだなぁ俺、日本に帰ったら怒られる・・・」
「やだなぁ俺、LAに帰ったら笑われる・・・」
悩みはそれぞれである。そして翌日、相棒は日本に帰り、俺はトロントに渡った。
トロントで自由時間取れますか、とLAのボスに聞くと
「バカ野郎!」
当然ですよね。それどころかトロントで仕事を作ってくれた。しかもこの写真の髭面Lorenが救助隊で来てくれた。俺の着替えのスーツまで持って。で翌日、客との打ち合わせも無事済ませて、トロント空港からLAX行きに搭乗しようとすると・・・乗れた! 何のお咎めもなく乗れちゃいました。やっぱ入国審査なんて係官の思惑一つみたいだよ。
(写真はシカゴの近くのスキー場。名前忘れた。) -
てな訳で命からがらMy Officeに帰って来た。何事もなかったかのようにとっ散らかったデスクに座っているが、ボスには怒鳴られるは同僚には笑われるは。
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ファクトリーのメキシカンにはひやかされるは。当分、コイツらが俺を呼ぶ時は、
Hi, Mr. Vancouver!
だった。 -
みんな気のいい奴らだったな。今頃どうしているんだろう・・・
-
今回の旅はジェットコースター並みのトラブル続出ツアーだった。あっちでもこっちでもドン詰まり状態だった時、手を差し伸べてくれたのはアメリカ人だった。
俺、やっぱりアメリカ、好きだ。
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