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初めてのイタリアは、ヴェネツィアからトスカーナの都市を巡りました。<br /> <br />・3/19-21:ヴェネツィア<br />・3/21-24:フィレンツェ<br />・3/23     :シエナ/サンジミニャーノ/モンテリッジョーニ<br />    (フィレンツェから日帰り)<br />・3/24     :ミラノ(フライトがマルペンサからのため。観光なし)<br /><br />都市ごとにまったく表情が異なり、イタリアという国は元は色んな国の寄り合いである。世界史で習った机上の知識が実感に変わった旅でありました。<br />

2014 早春_イタリア《1》[Venezia]

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2014/03/19 - 2014/03/25

2189位(同エリア4208件中)

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23

マータブ

マータブさん

初めてのイタリアは、ヴェネツィアからトスカーナの都市を巡りました。
 
・3/19-21:ヴェネツィア
・3/21-24:フィレンツェ
・3/23 :シエナ/サンジミニャーノ/モンテリッジョーニ
    (フィレンツェから日帰り)
・3/24 :ミラノ(フライトがマルペンサからのため。観光なし)

都市ごとにまったく表情が異なり、イタリアという国は元は色んな国の寄り合いである。世界史で習った机上の知識が実感に変わった旅でありました。

旅行の満足度
4.5
同行者
一人旅
交通手段
徒歩
航空会社
エミレーツ航空
旅行の手配内容
個別手配
  • 日本を旅立ち20時間超。<br />ついに来た!!憧れのヴェネツィア。どんなところなんだろう。ドキドキ。<br /><br />空港から中心部にはバスの方が安くて早いらしいけど、水の都の旅の始まりは、やっぱり水上バス、ヴァポレットでしょう。ホテルがヴァポレットの停留所サン・ザッカリアとアルセナーレの中間なので、青の路線に乗る。<br /><br />東京は、まだ冬のコートが必要な寒さだったけれど、ベネツィアは、薄手のコートで大丈夫。陽射しが明るい。春のはじまりの匂いがする。

    日本を旅立ち20時間超。
    ついに来た!!憧れのヴェネツィア。どんなところなんだろう。ドキドキ。

    空港から中心部にはバスの方が安くて早いらしいけど、水の都の旅の始まりは、やっぱり水上バス、ヴァポレットでしょう。ホテルがヴァポレットの停留所サン・ザッカリアとアルセナーレの中間なので、青の路線に乗る。

    東京は、まだ冬のコートが必要な寒さだったけれど、ベネツィアは、薄手のコートで大丈夫。陽射しが明るい。春のはじまりの匂いがする。

  • 風にあたりながら船上から両岸の景色を眺めていたら、ずーっともやもやしていた心が、ストンと落ち着いた。<br /><br />旅に出る直前、大喧嘩をした。<br /><br />この時期、仕事で余りに理不尽な状況に置かれていて、精神的にも肉体的にも限界を超えていた。休んでる場合じゃないのに、急に休みます宣言をして旅に出たのも、一種の抵抗というか反抗であった。そんな中、いつも助けてくれていた同僚とPJの進行を巡り、他の人もいる前で激しい口論になった。冷静になってみると、単なる私の言いがかりのような気がした。友達ではないけれど、でも、友達のように思っていたし理解者だと思っていたから、つい甘えがでて感情的になってしまったのだと思う。<br /><br />明日からお休みという日。謝るタイミングが見つけられないまま、同僚は外出してしまった。もう前みたいに話しはできなくなるなと思いながら、謝罪のメールを会社のアドレスに送ると、数分後に「オッケー!いざイタリアへ!楽しんできて」と返信があった。<br />

    風にあたりながら船上から両岸の景色を眺めていたら、ずーっともやもやしていた心が、ストンと落ち着いた。

    旅に出る直前、大喧嘩をした。

    この時期、仕事で余りに理不尽な状況に置かれていて、精神的にも肉体的にも限界を超えていた。休んでる場合じゃないのに、急に休みます宣言をして旅に出たのも、一種の抵抗というか反抗であった。そんな中、いつも助けてくれていた同僚とPJの進行を巡り、他の人もいる前で激しい口論になった。冷静になってみると、単なる私の言いがかりのような気がした。友達ではないけれど、でも、友達のように思っていたし理解者だと思っていたから、つい甘えがでて感情的になってしまったのだと思う。

    明日からお休みという日。謝るタイミングが見つけられないまま、同僚は外出してしまった。もう前みたいに話しはできなくなるなと思いながら、謝罪のメールを会社のアドレスに送ると、数分後に「オッケー!いざイタリアへ!楽しんできて」と返信があった。

  • 1時間ちょっとでサンザッカリアに到着。<br />細い小路をホテルに向かって歩く。<br /><br />いや~、本当に水の中に街があるんだ~。夢じゃないよね。<br />わたし、いま、ヴェネツィアにいる!!<br /><br />しかし、ホテルに着かないな。さっきから、同じところをぐるぐるしている気がする…

    1時間ちょっとでサンザッカリアに到着。
    細い小路をホテルに向かって歩く。

    いや~、本当に水の中に街があるんだ~。夢じゃないよね。
    わたし、いま、ヴェネツィアにいる!!

    しかし、ホテルに着かないな。さっきから、同じところをぐるぐるしている気がする…

  • はい、気のせいじゃありません。さっきもここ通りました。<br />迷宮って、例えじゃなくて、本物だ…<br /><br />「ハロー、アゲイン」<br /><br />後ろから声がした。振り返ると、歩きだしてすぐに道をきいた犬を連れたおじさんだった。<br /><br />「まだ着かないの?すぐそこなんだけどなあ。一緒に行こうか?」<br /><br />ありがとうございます!!!ぜひお願いします!!!<br /><br />「ここは迷路だからね。君みたいな迷子を毎日見るよ。一人旅?そうか。日本人?僕の妻は日本人なんだよ。僕はヴェネツィア人だけどね」<br /><br />おしゃべりしながら、5分ほどでホテルに到着。おじさんにお礼を言ってチェックインする。<br /><br />うわー、素敵な中庭。お部屋のインテリアもこざっぱりして趣味がいい。バスタブまである!それに、十分広いじゃない。日本語のレビューがなくて迷ったけど、ここにしてよかった。1万円ちょっとなら大正解。<br /><br />『Hotel Sant&#39;Antonin』(いまは当時より値上がりしたみたいです)

    はい、気のせいじゃありません。さっきもここ通りました。
    迷宮って、例えじゃなくて、本物だ…

    「ハロー、アゲイン」

    後ろから声がした。振り返ると、歩きだしてすぐに道をきいた犬を連れたおじさんだった。

    「まだ着かないの?すぐそこなんだけどなあ。一緒に行こうか?」

    ありがとうございます!!!ぜひお願いします!!!

    「ここは迷路だからね。君みたいな迷子を毎日見るよ。一人旅?そうか。日本人?僕の妻は日本人なんだよ。僕はヴェネツィア人だけどね」

    おしゃべりしながら、5分ほどでホテルに到着。おじさんにお礼を言ってチェックインする。

    うわー、素敵な中庭。お部屋のインテリアもこざっぱりして趣味がいい。バスタブまである!それに、十分広いじゃない。日本語のレビューがなくて迷ったけど、ここにしてよかった。1万円ちょっとなら大正解。

    『Hotel Sant'Antonin』(いまは当時より値上がりしたみたいです)

  • 夕食ついでに散策に出る。<br />あー、仮面だー。<br />日本のお面と違って、立体的というか曲面的というか。ペタッとした顔の私がつけたら、仮面と顔の間に随分と隙間があくのではなかろうか。

    夕食ついでに散策に出る。
    あー、仮面だー。
    日本のお面と違って、立体的というか曲面的というか。ペタッとした顔の私がつけたら、仮面と顔の間に随分と隙間があくのではなかろうか。

  • 夕食はその辺の適当なピザ屋さんで、マルゲリータとワイン。<br />ホロ酔い加減でホテルに戻り、気分よくおやすみなさい。

    夕食はその辺の適当なピザ屋さんで、マルゲリータとワイン。
    ホロ酔い加減でホテルに戻り、気分よくおやすみなさい。

  • 翌朝はずいぶん早くに目が覚めた。普段の自分からすると信じられない。気分がいいと、目覚めもいいんだなあ。<br /><br />朝食を取った後、ホテルの周りを散策に。

    翌朝はずいぶん早くに目が覚めた。普段の自分からすると信じられない。気分がいいと、目覚めもいいんだなあ。

    朝食を取った後、ホテルの周りを散策に。

  • アルセナーレ方面に歩いてきた。空間が広々していて、この辺の雰囲気、なんか好き。

    アルセナーレ方面に歩いてきた。空間が広々していて、この辺の雰囲気、なんか好き。

  • 下町なのかな。<br />生活の気配がある。

    下町なのかな。
    生活の気配がある。

  • 地元の人たちが行き交う通りを、のーんびり歩く。

    地元の人たちが行き交う通りを、のーんびり歩く。

  • 水上の八百屋さんだー。

    水上の八百屋さんだー。

  • あ、ワンちゃん。犬も一緒に入っていいのか。<br />日本みたいに軒先につながれて待つんじゃないのね。

    あ、ワンちゃん。犬も一緒に入っていいのか。
    日本みたいに軒先につながれて待つんじゃないのね。

  • 洗濯物が水路をまたいでます。

    洗濯物が水路をまたいでます。

  • 橋と水路と細い小道。<br />ヴェネツィアの景色。<br /><br />ホテルに戻ると、フロントスタッフが、<br />「おかえりなさい。さっき、Mさんが来たのよ。ほら、昨日あなたをホテルまで連れてきてくれた人。よかったら、電話ちょうだいって。ここから電話する?」<br />そう言って、電話番号が書いてあるメモを渡された。<br /><br />なんだろう。とりあえず電話してみることに。電話に出たのは女性の声。<br />奥さんかな?そうじゃなくても、イタリア語分かんないし、日本語で話しはじめる。<br /><br />「あのー、私○○と言います。昨日道に迷って、Mさんに道案内をしていただいた者です。私が不在の間にホテルのフロントにMさんがいらっしゃたようで、電話番号を預かっていると言われて電話しました」<br /><br />「あ、こんにちは。Mはうちの主人です。迷子の日本人を道案内したという話を聞きました。一人旅ということでしたので、もしよかったら、お昼をご一緒にと思ってホテルに伺ったんですけれど。タイミングが合いませんでしたね」<br /><br />「そうですか。せっかくの機会だったのに残念です」<br /><br />「うーん。せっかくお電話くださったんだし、夕食をうちで一緒にどうですか?もちろん、行きたいところもあるでしょうから、遠慮せず断っていただいて構いませんよ」<br /><br />「いいんですか?伺っても?」<br /><br />「もちろんです。なにかのご縁だし。じゃあ、Mを8時にホテルに迎えに行かせますね」<br /><br />電話を切るとフロントスタッフが「なんだったの?」と聞いてきた。<br />夕食に招待されたと答えると、「へぇー。そんなことあるのねえ。おもしろいわね」と驚いていた。<br />

    橋と水路と細い小道。
    ヴェネツィアの景色。

    ホテルに戻ると、フロントスタッフが、
    「おかえりなさい。さっき、Mさんが来たのよ。ほら、昨日あなたをホテルまで連れてきてくれた人。よかったら、電話ちょうだいって。ここから電話する?」
    そう言って、電話番号が書いてあるメモを渡された。

    なんだろう。とりあえず電話してみることに。電話に出たのは女性の声。
    奥さんかな?そうじゃなくても、イタリア語分かんないし、日本語で話しはじめる。

    「あのー、私○○と言います。昨日道に迷って、Mさんに道案内をしていただいた者です。私が不在の間にホテルのフロントにMさんがいらっしゃたようで、電話番号を預かっていると言われて電話しました」

    「あ、こんにちは。Mはうちの主人です。迷子の日本人を道案内したという話を聞きました。一人旅ということでしたので、もしよかったら、お昼をご一緒にと思ってホテルに伺ったんですけれど。タイミングが合いませんでしたね」

    「そうですか。せっかくの機会だったのに残念です」

    「うーん。せっかくお電話くださったんだし、夕食をうちで一緒にどうですか?もちろん、行きたいところもあるでしょうから、遠慮せず断っていただいて構いませんよ」

    「いいんですか?伺っても?」

    「もちろんです。なにかのご縁だし。じゃあ、Mを8時にホテルに迎えに行かせますね」

    電話を切るとフロントスタッフが「なんだったの?」と聞いてきた。
    夕食に招待されたと答えると、「へぇー。そんなことあるのねえ。おもしろいわね」と驚いていた。

  • ホテルで一休みして、ヴァポレットに乗り、カナル・グランデをリアルト橋に向かう。

    ホテルで一休みして、ヴァポレットに乗り、カナル・グランデをリアルト橋に向かう。

  • 歌いながら漕いでいるわけではないのですね。

    歌いながら漕いでいるわけではないのですね。

  • ゴンドリエーレの制服はしましま。

    ゴンドリエーレの制服はしましま。

  • リアルト橋の付近はわんさか観光客がいて、色んな言葉が聞こえる。<br />さすが、世界的観光地。

    リアルト橋の付近はわんさか観光客がいて、色んな言葉が聞こえる。
    さすが、世界的観光地。

  • 橋を渡り、カ・ドーロ方面へぶ~らぶら。

    橋を渡り、カ・ドーロ方面へぶ~らぶら。

  • CDで?オー・ソレ・ミオを流しながら漕いでたけど、ベネツィアの歌なんでしたっけ。乗客のリクエストなのかしら。まあ、でも、イタリアと言えば、オー・ソレ・ミオ。気持ちはよくわかります。

    CDで?オー・ソレ・ミオを流しながら漕いでたけど、ベネツィアの歌なんでしたっけ。乗客のリクエストなのかしら。まあ、でも、イタリアと言えば、オー・ソレ・ミオ。気持ちはよくわかります。

  • カ・ドーロ近くのお店でゆっくりランチを食べ、スーパーでちょこっと買い物をしてから、サンマルコ広場方面に戻る。

    カ・ドーロ近くのお店でゆっくりランチを食べ、スーパーでちょこっと買い物をしてから、サンマルコ広場方面に戻る。

  • サンマルコ広場まで戻ってきた。<br />広場に面してカフェのある風景。ものすごくヨーロッパ的。<br />

    サンマルコ広場まで戻ってきた。
    広場に面してカフェのある風景。ものすごくヨーロッパ的。

  • ホテルに帰る途中、しばし、夕日に照らされた運河に見とれる。<br /><br />ホテルの部屋に着き、カ・ドーロ近くの商店街で買った量り売りの白ワインを飲んでみる。<br /><br />おいしーーーー。<br /><br />なにこれ、1リットル2ユーロもしなかったのに、ものすごくおいしいんですけど。東京で飲んでるのはなんなんだ。私ってやっぱりおいしいものに鼻がきくなあ。(自画自賛)<br /><br />数軒あった量り売り屋さんのうち、最も素っ気ない構えの店で、自分で最初に選んだのは別の白だった。店主がぶっきらぼうに「それじゃなくて、コッチがいい」と、壁に貼ってあるワインの名前が書いてある紙を指して言うので、値段も変わらないし、おすすめに従ってみたのだ。<br /><br />8時にMさんがお迎えにきてくれて、夕食に伺う。<br />素敵なお宅。伝統的なヴェネツィアの家に和紙でできたフロアランプがあちこち置いてある。<br /><br />「あ、それ彼が作ったの。器用だから」<br /><br />Mさんと奥さんのFさんは、年の差30才近く。ニューヨークで出会ったんだそう。<br />Mさんは元は船舶の設計者、Fさんは建築家。<br /><br />夕食は、ソテーしたアスパラと、サーモン。チーズが数種類と葉物のサラダ。それにワインを用意してくれた。シンプルだけど、すごくおいしい。<br /><br />食後のコーヒーを飲みながら、奥さんのFさんとおしゃべりをする。<br /><br />「彼は大学からアメリカだから、イタリアよりアメリカの方が長いのよ。私は日本で少し働いた後、アメリカの大学で建築を学んで、ニューヨークの建築事務所で働いてたの。一昨年、彼が定年になって、どうしてもベネツィアに帰りたいって。私はニューヨークが大好きだから、離れたくなかった。たくさん話しあって、結局、ベネツィアに戻ることにしたの。彼は、アメリカは好きだけど、僕はベネツィア人だ。って。もう年だし、私より人生が短いわけだから、彼が思うようにした方がいいと思って。後悔はしてないけど、でも、正直言うと、ニューヨークに帰りたいといつも思う」<br /><br />「ベネツィアはとっても田舎。なにをしてなにを食べてどこに行って、ぜーんぶご近所の人に筒抜け。いつもMに文句言うの。ほっといてーって。夕食の後に音楽を聴きにいくなんて楽しみもない。夜が早いから。不満がいっぱい(笑)。でも、それでも人生に満足してる。日本にいた時、私はぜんぜん幸せじゃなかった。母と折り合いが悪くてね。母は自分で会社を起こして成功して、はっきり言って、すごいお金持ちなの。でも、いつも自分の正しさを押しつける人だった。それがいやで、ある日、私は今日からニューヨークに行きます。って家を出て、そこからいまの人生がある。父とは仲がよかったから心が痛んだけど、あれでよかった」<br /><br />すごい行動力と意志だなあ。<br /><br />帰りもMさんにホテルまで送ってもらう。ホテルに着いてお礼を言うと、<br />「こちらこそ、ありがとう。Fも日本語で話せて嬉しかったと思う。だいたい何言ってたか、想像つくけどね(笑)またヴェネツィアに来るときは、連絡するんだよ」<br />とMさんは言った。<br /><br />はじめてのヴェネツィアの旅はこうして終わった。<br />明日はフィレンツェへ移動だ。

    ホテルに帰る途中、しばし、夕日に照らされた運河に見とれる。

    ホテルの部屋に着き、カ・ドーロ近くの商店街で買った量り売りの白ワインを飲んでみる。

    おいしーーーー。

    なにこれ、1リットル2ユーロもしなかったのに、ものすごくおいしいんですけど。東京で飲んでるのはなんなんだ。私ってやっぱりおいしいものに鼻がきくなあ。(自画自賛)

    数軒あった量り売り屋さんのうち、最も素っ気ない構えの店で、自分で最初に選んだのは別の白だった。店主がぶっきらぼうに「それじゃなくて、コッチがいい」と、壁に貼ってあるワインの名前が書いてある紙を指して言うので、値段も変わらないし、おすすめに従ってみたのだ。

    8時にMさんがお迎えにきてくれて、夕食に伺う。
    素敵なお宅。伝統的なヴェネツィアの家に和紙でできたフロアランプがあちこち置いてある。

    「あ、それ彼が作ったの。器用だから」

    Mさんと奥さんのFさんは、年の差30才近く。ニューヨークで出会ったんだそう。
    Mさんは元は船舶の設計者、Fさんは建築家。

    夕食は、ソテーしたアスパラと、サーモン。チーズが数種類と葉物のサラダ。それにワインを用意してくれた。シンプルだけど、すごくおいしい。

    食後のコーヒーを飲みながら、奥さんのFさんとおしゃべりをする。

    「彼は大学からアメリカだから、イタリアよりアメリカの方が長いのよ。私は日本で少し働いた後、アメリカの大学で建築を学んで、ニューヨークの建築事務所で働いてたの。一昨年、彼が定年になって、どうしてもベネツィアに帰りたいって。私はニューヨークが大好きだから、離れたくなかった。たくさん話しあって、結局、ベネツィアに戻ることにしたの。彼は、アメリカは好きだけど、僕はベネツィア人だ。って。もう年だし、私より人生が短いわけだから、彼が思うようにした方がいいと思って。後悔はしてないけど、でも、正直言うと、ニューヨークに帰りたいといつも思う」

    「ベネツィアはとっても田舎。なにをしてなにを食べてどこに行って、ぜーんぶご近所の人に筒抜け。いつもMに文句言うの。ほっといてーって。夕食の後に音楽を聴きにいくなんて楽しみもない。夜が早いから。不満がいっぱい(笑)。でも、それでも人生に満足してる。日本にいた時、私はぜんぜん幸せじゃなかった。母と折り合いが悪くてね。母は自分で会社を起こして成功して、はっきり言って、すごいお金持ちなの。でも、いつも自分の正しさを押しつける人だった。それがいやで、ある日、私は今日からニューヨークに行きます。って家を出て、そこからいまの人生がある。父とは仲がよかったから心が痛んだけど、あれでよかった」

    すごい行動力と意志だなあ。

    帰りもMさんにホテルまで送ってもらう。ホテルに着いてお礼を言うと、
    「こちらこそ、ありがとう。Fも日本語で話せて嬉しかったと思う。だいたい何言ってたか、想像つくけどね(笑)またヴェネツィアに来るときは、連絡するんだよ」
    とMさんは言った。

    はじめてのヴェネツィアの旅はこうして終わった。
    明日はフィレンツェへ移動だ。

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