2017/05/31 - 2017/06/02
6位(同エリア79件中)
ひらしまさん
アテネ、サントリーニと回って、最後に訪ねたのはイドラ島。
イドラは、アテネの南80kmに位置し、ペロポネソス半島からは目と鼻の先。アテネ近郊の港町ピレウスから高速艇で2時間弱と交通便利ながら、美しい海ときれいな街が魅力的な島らしい。
日帰りツアーが人気のようだけれど、ここはゆっくり2泊して静かな島を味わってみたい。自動車禁止の島ってのもおもしろそうだ。
〈旅行時の実質レート 1ユーロ≒127円〉
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
現地6日目。
イドラ行きの船が出るピレウスへはアテネから地下鉄で行った。3号線シンタグマ駅からモナスティラキ駅で1号線に乗り換えるが、どちらもエスカレータ完備で荷物持ちにはありがたかった。
写真はモナスティラキ駅に入ってきたきれいにペイントされた列車。 -
ピレウス港にあるヘレニックシーウェイズ社の券売所を見つけ、14時の便の切符を買おうとしたら、なんと売り切れていた。トップシーズンではないから前売りで買うまでもないと甘く見ていた。
やむを得ず次の18時30分の切符と、明後日の帰りの切符も買っておく。
突然生まれた6時間の待ち時間。ピレウス街歩きするには日差しが厳しいし、荷物はあるし…。
迷ったあげく、誘いの声をかけられた預かり所に8ユーロも払って荷物を預け、カフェの2階に上がる。
港を見渡せる座り心地のよい席を確保し、昼食兼時間つぶし。旅行記メモを書いたり、ガイドブックを読んだり、写真をチェックしたり。結構くつろいで、時間を有効に使わせてもらった。
ちなみに、その店のトイレはパスワードを店員に聞いて入力しないと入口が開かない方式でびっくり。
最後に夕食用のパンを買って、港へ向かう。 -
切符を買った時に教えられた乗船ゲートE8は、行ってみたらずいぶん広かった。
ベンチに妻と荷物を残し、まず左方向、そして右方向と歩いても「フライングキャット5号」の姿はない。まだ30分以上あるからそのうち現れるだろうと、出入りする船を見ながらのんびりしていて、気がついたらもう15分前だ。
さすがにまずいと妻が近くにいる人に尋ねて、いつのまにか左遠方に入っていた船を教えられ、走って乗船した時は定刻の5分前だった。
ほっとしたせいか、船の中では写真も撮らずに寝てしまった。 -
イドラ港に着いたのは少し遅れて午後8時40分。
宿に急ぐはずだったけれど、港で遊ぶ子どもたちの服のカラフルなことに目が止まり、カメラを引っ張り出してしまった。 -
釣り糸で遊んでいる。
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そして、この島にも猫がいた。夕暮れの埠頭の猫。
そんな道草を食っていたものだから、宿のオルロフ・ブティック・ホテルに着いたのは午後9時。
ちょうど受付が閉まる時刻で、迎えてくれたアンジェラさんは早口で説明してくれた。退勤を遅らせてしまって申し訳ない。
昔ロシアから来た将軍の住まいだったという古い石造りの建物。ホテルの名はその将軍に由来する。もちろん改装しているわけだけれど、窓や天井などが歴史を感じさせる。 -
現地7日目。朝6時にそっと散歩に出る。
まだ静かな港。対岸は本土ペロポネソス半島だ。 -
埠頭の猫たちの朝の集い。
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東の岬を歩いて戻ってくると7時。港ではラバたちがお仕事を始めている。
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ラバは雌馬と雄ロバの交雑種。
イドラ島は緊急車両とごみ収集車以外の自動車はないので、荷物輸送の主役はこのラバだ。
実を言うと、旅の時点ではロバだと思っていたけれど、帰国してから「世界ふれあい街歩き」を見てラバだと知った。ロバはより小型なのでもっぱら一般家庭で使われているのだそうだ。 -
背後の山に朝日があたる範囲が下に広がり、イドラの町が朝を迎える。
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西の岬で海を見おろすときれいな青だ。
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宿に戻ったのは7時半。
夜9時から朝9時までは門が施錠されているので、先程閉めて出てきた門の錠をあけようとするが、何度やってもあかない。あきらめて地面に座り込み、8時頃清掃係の女性が出勤するまで待ってようやくはいれた。
古い建物は好きなんだけど、古い錠はどうも苦手だ。
朝食は9時からと、田舎の小さな宿らしくのんびりしている。緑の濃い庭の木陰での朝食はおいしい。 -
イドラ散策に出発。町中にはラバあるいはロバがここかしこにいる。
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西の岬は海水浴客でにぎやかになっていた。若者たちが次々と岩場から海に飛び込んでいる。
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宿のアンジェラさんに教えてもらったカステッロ・ビーチまで、海沿いの道を歩く。ボートタクシーを使って遠くの大きなビーチへ行く手もあるが、我々は近場でよい。
この道で日本人若者カップルに出会った。若いのに余裕を持って旅してる感じがすごいなあとオジサンは思う。
ちなみに、この島で東北アジア人に会ったのはこのときだけだった。 -
小さな港があった。
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その港を過ぎたあたりで、後ろから来たラバたちに追い越された。どこまで行くんだろうか。
振り分けにしたかごにはオレンジがいっぱい詰まっていた。ご苦労さま。 -
町から30分ほどでカステッロ・ビーチに着いた。写真右上の石段を下りてくると、小さな浜だがパラソル付きのチェアなどもある。
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4ユーロのチェアを1つだけ借りて、交代でエーゲ海に足をひたす。場違いのムスリムっぽい格好の人もいた。
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カステッロ・ビーチからさらに先に進む。海の色が澄んでいる。
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振り返って見るこの景色、好きだなあ。
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イドラの海は本当に美しい。
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しかし、あまりに天気がよすぎて、帰り道で妻は熱中症の兆しが見えてきたので、あわてて近くのレストランTechneで休むことにした。
木陰のテーブルで青い海を見ながら、フラッペとスムージーを飲んでゆったりするうち無事に回復。
店の前の道を荷物を積んだラバを引いて通って行った子が、帰りは空になったラバに乗って戻ってきた。お父さんの後を継ぐのかな。ご苦労さま。 -
きれいな海で泳ぐ人を横目で見ながら町に戻った。
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遅い昼食と昼寝の後、19世紀のイドラ島の繁栄を伝えるという豪商の館を探して高台へ。
迷っていると "May I help you?" と声をかけてくれる女性がいた。ギリシャでは初めての経験でうれしい。
しかし、せっかく教えてもらってたどり着いた館は閉まっていて、次に探した館は見つからずじまい。
まあ、この町自体が19世紀からさほど変わっていなさそうだからいいことにしよう。 -
そんなイドラ島を支えるラバさんたちのたまり場を通った。
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正面から見るとこんなに細面だったのだ。
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港に出た。
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つながれている船を海鳥が行き交う。
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猫は毛繕いに没頭している。
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夕食はTAでチェックしていて宿でも勧められたキセリエリア。
ゆで野菜は炒め煮みたいでがっかりしたが、牛の煮込みはおいしくてしかも安く、魚介スパゲティは妻が絶賛。オリーブ油のしみたパンもいい。 -
サービスで出してくれた林檎のシナモンかけとオレンジが、油こくなった舌にうれしかった。
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宿に帰ったのは門が閉まる9時をわずかに過ぎていた。
今朝開けられなかった門はなんとか開けられてほっとしたのも束の間、今度は部屋のドアがどうしてもあかない。幸いまだいたスタッフに頼んであけてもらえたが、やっぱり古い錠はつくづく苦手だ。
その夜は、どこからか宗教歌のような旋律が聞こえてくると思っていたら、港の方角から花火が上がった。翌朝聞いたところでは、夏の始まりを祝う祭りだったそうだ。
もう6月にはいったのだ。 -
現地最終日。今日も昼過ぎまでイドラの街を散策し、夕方ピレウス経由で空港に向かう。
朝食の帰り、昨朝門を開けてくれた清掃担当の女性が遠くから笑顔で手を振ってくれる。お互いに顔馴染みになれるのが小さな宿のいいところだ。
いろいろ相談に乗ってもらったアンジェラさんに折り鶴を贈ってチェックアウトする。 -
ラバさんたちと一緒に港へ向かう。
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埠頭の漁船ではとってきたばかりの魚を売っている。
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港の外には大型帆船?!。
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港の中でもこれだけきれいな水で魚がたくさん見える。
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東の岬の砲台に上ると絶好の展望台だ。
ちなみに、19世紀、ギリシャがオスマン・トルコから独立するときに先頭に立って戦ったのがここイドラ島の人々だったそうだ。 -
港を振り返って、左寄り。
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同じく中央寄り。
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そして右寄り。
海と山、その間の人の営みが凝縮された景色はいつまでも見ていたかった。 -
ここで妻と別れ自由行動。
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教会の塔は、港の時計塔ほど目立たないが、近くで見上げるとなかなか優美なものだ。
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西の高台に登って町を見おろす。
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埠頭にラバがたたずむ。イドラらしい光景だ。
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町に下りると、ブーゲンビレアが白い壁に映える。
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しかし、日差しが暑い。ラバさんも木陰がいいよね。
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私が暑さに参って約束の1時より早めに昨日のレストラン・キセリエリアへ行くと、妻もやはり来たところだった。
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昨夜もそうだったが、この店は猫がたくさんいる。
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この客は何かくれるかな?
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帰国してから見た「世界ふれあい街歩き」にたぶんこの店が紹介されていて、地元の客が猫は町全体で飼っているんだと言っていた。まさにそんな感じだった。
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肝心の料理の方は、目当ての魚のスープが夜しかやってないとのことで、あきらめて海老のサガナキ。塩っぱくてパンをお替わりした。
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宿で荷物を引き取って港へ行き、カフェで船の到着を待つ。ピスタチオのアイスクリームがおいしかったそうな。
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高速船フライングキャットに乗って、来た時はうっかりしていたけれど実は指定席だったことに気がついた。でも、みんなあまり気にしていない様子だ。
ペロポネソス半島や島の景色を楽しみながらピレウスに戻った。
ピレウス港近くのバス停で、アテネの空港行きに乗ろうとした時のこと。
まわりの人みんなに引き止められた。よく聞くと、これは逆方向行きで空港行きは道路の反対側だという。
バス停の表示もバスの表示も "Airport" となっていたのに、「空港行き」ではなく「空港発」だった?!
最後まで乗り物には苦戦したギリシャ旅だった。
でも、最後にギリシャの人々の親切を感じられて、そういう意味ではよかったかな。 -
美しい海ときれいな街並み、ラバが大活躍するのどかな島。宿代も安い。
イドラ島、強くおすすめします。でも、古い錠が苦手な人は宿を選んでね。
気ままなギリシャ旅行記におつきあいいただきまして、大変ありがとうございました。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- sanaboさん 2017/08/09 00:51:05
- 本当にのどかで美しい島ですね☆
- ひらしまさん、こんばんは
今年はほぼ同時期に同じギリシャを旅行し、
旅行記はともに3つずつ、そしてほぼ同時に旅行記が完成し
とても足並みが揃ってしまいましたね〜(笑)
イドラ島は本当にのどかで平和な美しい島ですね。
このような島でのんびりと過ごす時間こそがかけがえのないものであり
日帰りでは味わうことのできないものですね。
私も「世界ふれあい街歩き」で見ていましたので
ひらしまさんの旅行記をとても楽しみにしていました。
サントリーニは美しい島でしたけど
大挙して押し寄せる観光客が多すぎですよね!
7月8月はどんなことになるのやら・・・
その点イドラは住人の生活が感じられ、
ゆっくりと時間が流れているような気がしました。
最後にイドラに宿泊されたのは正解でしたね^^
フェリーのチケットはミコノスのホテルの人に聞いたら
予めネット購入することを勧められましたが、
ミコノス→サントリーニはかなり空いていました。
でもイドラは日帰り客も多いから混んでいたのかもしれませんね。
ところで、イドラにいたのはラバちゃんのようでしたが
サントリーニにいたのはやっぱりロバなのでしょうか? ですよね?
個人旅行だと、添乗員さんがいたら聞けるのに〜と思うことが
時々あります^^;
イドラで奥様が熱中症気味になられ、大事に至らず良かったですね。
日本でも熱中症は要注意ですので、くれぐれもご自愛下さいませ。
sanabo
- ひらしまさん からの返信 2017/08/09 20:01:29
- RE: 本当にのどかで美しい島ですね☆
- sanaboさん、こんばんは。
今年の夏は気温が体温以上になることがないねと、僕が昨晩口を滑らせたのをお天道様に聞かれてしまったのか、さっそく37度が来てしまいました。
sanaboさんは熱中症になってませんか。
> ところで、イドラにいたのはラバちゃんのようでしたが
> サントリーニにいたのはやっぱりロバなのでしょうか? ですよね?
> 個人旅行だと、添乗員さんがいたら聞けるのに〜と思うことが
> 時々あります^^;
サントリーニではあまり近くで見なかったので、いや、近くで見ていても難しいですね。
耳が大きく身体が小さいので馬とは区別がつくでしょうが、ラバとロバの区別は全然だめです。
旅行記にも書きましたが、sanaboさんに教えられた「世界ふれあい街歩き」を見て、初めてそうだったのかと知ったくらいです。
添乗員さんにいろいろ教えてもらえる旅行もいいですね。まあ、当分はないだろうけど。
> 今年はほぼ同時期に同じギリシャを旅行し、
> 旅行記はともに3つずつ、そしてほぼ同時に旅行記が完成し
> とても足並みが揃ってしまいましたね〜(笑)
あれっ、ホントだ。
今回は旅程が運命的だっただけでなく、旅行記も申し合わせたみたいでしたね。
sanaboさんとしては異例の早さでしたもんね。
やればできるじゃないですか(笑)。
それでは夏本番、暑さに負けずお元気にお過ごしください。
ひらしま
- sanaboさん からの返信 2017/08/09 22:52:48
- RE: RE: 本当にのどかで美しい島ですね☆
- ひらしまさん、こんばんは
> 今年の夏は気温が体温以上になることがないねと、僕が昨晩口を滑らせたのをお天道様に聞かれてしまったのか、さっそく37度が来てしまいました。
今日の暑さはひらしまさんのせいだったのですね!(爆)
> sanaboさんは熱中症になってませんか。
暑いのも寒いのも苦手な根性なしですので、暑い所に長時間いることはないので大丈夫です(笑)
> 旅行記にも書きましたが、sanaboさんに教えられた「世界ふれあい街歩き」を見て、初めてそうだったのかと知ったくらいです。
私もあの番組を見るまで、サントリーニにいたのはロバだと疑っていませんでした。 番組中で、耳の大きいのがラバと言っていたので(←多分)改めてサントリーニのロバの写真を見直してしまいました。 自信が持てず、ひらしまさんにお伺いした次第です。
> sanaboさんとしては異例の早さでしたもんね。
> やればできるじゃないですか(笑)。
今年の分が終わってスッキリです(笑)
> それでは夏本番、暑さに負けずお元気にお過ごしください。
ありがとうございます。 ひらしまさんもどうぞお元気で!
sanabo
- ひらしまさん からの返信 2017/08/10 11:19:57
- RE: RE: RE: 本当にのどかで美しい島ですね☆
- sanaboさん、たびたびどうもです。
イア旅行記のロバの写真、もう一度じっくり拝見してみました。
あれはロバです!
耳がかなり長いし、身体は小さいし。
巨漢のロバ隊長乗せてるからそう見える(笑)っていうのを差し引いても。
断言いたします。
ロバラバ問題評論家 ひらしま
- sanaboさん からの返信 2017/08/10 17:31:09
- RE: RE: RE: RE: 本当にのどかで美しい島ですね☆
- ロバラバ問題評論家殿、
> イア旅行記のロバの写真、もう一度じっくり拝見してみました。
お忙しいのにお時間を割いていただき、申し訳ありません!
> あれはロバです!
> 耳がかなり長いし、身体は小さいし。
> 巨漢のロバ隊長乗せてるからそう見える(笑)っていうのを差し引いても。
> 断言いたします。
あ〜、よかった!
これでスッキリして、今晩からはよく眠れそうです(爆)
これからも、困った時のひらしまさん頼み、
よろしくお願いいたします^^
sanabo
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