2017/03/08 - 2017/03/08
333位(同エリア952件中)
watersportscancunさん
- watersportscancunさんTOP
- 旅行記83冊
- クチコミ0件
- Q&A回答7件
- 548,280アクセス
- フォロワー35人
皆様、こんにちは!ウォータースポーツカンクンの店長吉田です。ここの所、皆様とはご無沙汰してしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?! 冬場はカンクンが最も美しく輝くベストシーズンですので、是非この時期カンクンにいらっしゃるお客様は目一杯美しいカリブ海でリゾートライフを満喫して頂きたいと思います。
さて、そんなベストシーズン中のカンクンを後にして、店長今どこにいるかといいますと、まだ寒いメキシコシティに来ています(笑)先日よりご案内しておりますメキシコシティ支店準備で、連日ツアーの最終調整を続けています。
シティは何度も出張では来たことがありますが、長期での出張は初めて。2100mの高地にあるメキシコシティは、空気が薄く、乾燥をしているので、数日の滞在では気にならなった変化が、じわりじわりとボディブローのように体に体を蝕んでいきます(笑)
最初の数日は何てことなかったのですが、1週間を越える頃から顔色が青いな、、、目が充血しているな、、、腰が痛いな、、、夜熟睡できないな。。。とまー、だんだんと、調子が悪くなって来たわけですが、本日に至ってはいよいよ頭痛がしてきまして。。。一体なんだと思ったら、どうやら酸欠だということで(汗)
高山病の症状なのでした(苦笑)
うーん、、、ちと頭がよく回らないのも酸欠の所為なのかということで、今回の文章にキレがないのも、酸欠の所為だということで、お許しいただきたいと思います(汗)
メキシコシティはメキシコの文化が詰まった大都会ですので、とにかく、見るもの、ご案内するものが多い。美しい海があるカリブ海のカンクンとは違い、美術館や博物館、また遺跡も含めてシティはメキシコだけでなく、先住民からアメリカ大陸の生きた文明の軌跡がそのまま眠っている街だという事がよく分かる。
そんな訳で、店長、連日、革命時代の芸術運動となった壁画運動の巨匠の作品や、ちょうど開催されている革命期の芸術家展を皮切りに、これでもかというほどの美術鑑賞もさることながら、国立人類学博物館やテンプルマヨールの博物館におけるアステカの数々の発掘品に、人類史の歩みの深さ、歴史のロマンに魅せられている毎日です。
それにしても、メキシコの芸術家といっても、当事の世界の美術界の影響を受けていなかったはずもなく、シケイロスやディエゴ・リベラの作品も、時間によって生じる視点の差を立体的に壁画面に展開するダイナミックな作風が持ち味であるのは、キュビズムの影響だという事が分かったり、象徴派であったオロスコの作品はどちらかというと繊細で思想的な観念の表現である事がよく分かり、当事の時代世相だけを反映した作品ではないという事が分かって面白いです。
特に、オロスコの作品は何故か全体的に暗い印象を与えられるのですが、これも彼ことを調べるとなるほどな、、、と思わされる理由が見つかったりして、将にメキシコの象徴派なんだな!なんて事が分かったりします。
メキシコの歴史というのは、先住民の時代から近世にかけては植民地の時代、そして、スペインからの独立と、民族自決の革命と、将に怒涛の如く熱く激しい歴史を内紛しています。そんな歴史を肌で感じながら、芸術、文化、歴史を、この薄い空気の中で回らない頭で整理しながら、メキシコがこれから進んでいく道というものを考えたりしています。
さてさて、そんなこんなで書きたいことは沢山あるわけですが、上記については次回に譲るとして、今回は、もう少しお気軽な体験記をご紹介いたします。
お気軽と言っても、参加するのはお気軽なだけで、ツアーのものは壮大です(笑)だって、気球にのって、テオティワカン遺跡を俯瞰しようってんですから(^^)
連日、メキシコ革命の熱い血潮に触れる見学をつつけていると、ふと、何もかも忘れて空を飛んでみたくなる。。。なんてことは、店長、高所恐怖症なので、無理なのですが、それでも、あの巨大なテオティワカン遺跡を、上空から眺めてみたいというのは昔からありまして、高いところが苦手な店長が、この恐怖心に勝って探究心が勝った初めての体験となりました。
テオティワカン遺跡は南北4.5kmにわたる死者の道に月の神殿、太陽の神殿、そして、ケツァルコアトルの神殿からなる最盛期には総面積23.5km2、人口20万を要した巨大センターです。
この遺跡はまだ謎が多く。。。というのも、文字や壁画などの資料というものがほとんど皆無にも関わらず、メソアメリカ文明のエリア全体にわたって、その影響を見ることが出来る。。。文字がないのに、どのようにこれらの影響力を行使したのかという部分もさることながら、そもそもテオティワカンが誰によって統治されていたのか、強大な権力をもった王がいたのか、それとも合同統治だったか、、、なんていう基本的な部分まで謎に包まれている遺跡なのです。
ただ、言えることは、このテオティワン遺跡は壮大な宇宙観にそって計画的に建設された都市だということ。例えば、テオティワカンの建造物の基本単位は83cmだったりと区切りが良い数値ではないのでどういう事かと探れば、全ての長さと83cmの商が、52,260,584,819などの古代メソアメリカの暦に関連する数字になったり。。。
そして、店長がこの遺跡を見学した時に、ある重大な秘密の説明を受けたのですが、その秘密というのが、地上からだとどうも分かりにくい。。。ナスカの地上絵を地上で見ても何のことやらさっぱり分からないのと同じで、この壮大なスケールで建設されたテオティワカンの都市も、上空から見ると、よりその真髄が見えてくる。。。
そんなわけで、是非一度上空からこの遺跡を眺めてみたいと思っていたのです。
そんな時、紹介されたのが、気球遊覧飛行でした。
熱気球と聞いて、いろいろな事が頭に浮かびましたが、飛行機やヘリコプターと違うところは、値段が安くて長時間乗っていられることかな?!くらいでした(笑)
でも、実際に乗ると、ゴンドラにのって360度のパノラマをじっくりとしっかり眺められるので、遺跡を上空から見学するのに、これ以上最適なものはないなーと感じました。
推進力を持たないがゆえに、物販輸送や旅客輸送には向かず、着地点もままならないので、どこでも飛ばせるわけでなく、広いフィールドを必要とする気球は、今では単なるレジャーとして命脈を保っているわけですが、そんなあまり使い勝手のない熱気球もここテオティワカンでは、その力を遺憾なく発揮してくれます。
ヘリコプターや飛行機では飛行時間が燃料の関係で限られるのに対して、気球なら好きなだけ浮かんでいられる(もちろん、ツアーですので、1時間ですが、1時間も空中に浮かんでいられるというのは凄い事で、因みに、ヘリコプターで1時間だと$1500USDかかりますが、気球なら、400USD程度と3分の1ですむコスパのよさもすばらしい。これだけでもう目一杯テオティワカンを上空から満喫できました)
気温が安定している朝早い時間に出航する点がちょっと大変ですが、逆に誰もいないテオティワカンを上空から眺め朝のすがすがしい澄んだ空気の中を静かに浮かぶ気球にのる遊覧は、遺跡だけでなく、その景色も含めて本当に心地の良いものでした。
さて、上空1000mに静かに浮かぶと、全長4.5kmのテオティワカン遺跡が、本当に小さく見えます。もう、200mから300mの時点で十分テオティワカンの秘密は知ることが出来たので、それだけで十分満足したのですが、その後もぐんぐん高度を上げていきますので、いよいよ、店長の高所恐怖症の症状が出始めました(汗)
しかも、熱気球のバーナーの音以外は、何もない本当に静かで静寂な空間。。。飛行機やヘリコプターのように窓も自らを支えるシートベルトなども一切なし!
ゴンドラと呼ばれる腰よりちょっと高いところに縁が来るカゴに立っているだけです。。。物を落とそうと思えば落とせるし(なので、携帯での写真には本当に気を使いましたよ)、身を乗り出して真下だって見下ろす事が出来ます。
店長それだけで卒倒しそうになりましたけど、エンジン音も響かず、ただ、静かに漂い流れるこの気球という乗り物には、あー、234年前に人類が始めて空を飛んだ、これがその熱気球なんだなという時代をもあわせて感じさせていただくことが出来ました。
さて、気球の魅力はもう一つあります。
それは、推進力を持たないので、風任せという点。
なので、着陸する場所はその日の風任せ、自然任せという点です。
出発した場所からある程度のめぼしをつけて、地上に向けて高度を下げていくわけですが、その時からパイロットがいよいよ急がしく働き始めます。無線で地上とやり取りをして、どの地点に着陸する由、なにやら連絡を入れています。
どこでも着陸出来るわけでもないだろうから、パイロットもある程度決まった場所に着陸しないといけないのは、分かるわけですが、それでも、なかなか思い通りには行かないようで。。。
結局、今回着陸したのは、とおる農場の真ん中でした。聞けば、いつもいろいろんな所に着陸するといいます。気球だからねと笑うパイロットのヘラルドさん。
でも、これ私有地じゃないの?!と聞けば、だから、ちゃんとあるものを用意してあるから大丈夫とくったくなく笑います。。。 金か???と心が濁っている店長。。。
あるもの?! って、金じゃないのか?! とまだ心が濁っている店長。。。
何なんだ。。。と、気になって仕方がない店長。。。
ところで、着陸も、この気球のイメージとはおおよそ似つかわしくないほど過激です。出発は静かに浮かび上がり、飛行も静かですが、着陸だけは、かなり激しいです。
パイロットのヘラルドさんが、いいか、着陸と同時に皆でジャンプしろ!そうしないと、怪我するぞ!!と叫び、イチ、ニ、サン!! で、地面に激突!! カゴのヘリに体がぶち当たる衝撃がなかなかのものがありました。
が、これもまたイベントの一つなので楽しかったのですが(^^9
さてさて、そうして無事着陸すると、怒れる農家のお父さんが気球に近づいてきます。
「お前ら、ここは俺の私有地だ! 勝手に着陸するんじゃねー!!」ガーーー!!ゲンコツ!!
おいおい、、、やっぱり私有地なんじゃん。。。ちゃんと周りの住人の方々と調整がついているんじゃないのかよ(汗)やっぱ、問題がおこるんじゃないかよ(汗)
で、そうだよ、出番だよ、、、秘密兵器。。。早く出してくれよ。。。気になってんだし(^^;;
そこでヘラルドさんが、本当におだやかな顔で、
すみません。。。風に流されてしまう乗り物で、こんな所に落ちてしまいました。ゴメンナサイ。
でも、大切な話があるので、ご一緒にどうですか?
と穏やかに誘います。む、、、大人の対応!!
取り出したのは、なんとシャンパン!
かごに乗った我々乗客は、この怒れる親父とこれから一悶着あるのか?!と戦慄を覚えたわけですが、全員がかごから降りると、おもむろにヘラルドさんが話を始めました。
人類で初めて空を飛んだのは、1783年、フランスはモンゴルフィエ兄弟でした。当事は、油紙を貼り付けただけの簡単な熱気球を使って空をとんだわけですが、気球は一度空を飛べば、後は風任せ、、、山をこえて隣街の農場に、、、今回と同じように着陸をしてしまいました。
当事の気球は赤い熱気球。空から真っ赤な物体が降り立ってきたという事で、地元の農民は悪魔がやって来たと大騒ぎになつたそうです。
当事、熱気球の実験すら教会から異端審問を受けていた時代です。どれだけの衝撃が走ったか、今とはきっと比較すら出来なかったでしょう。そんな、モンゴルフィエ兄弟。
気球を降りると、今回人類で初めて飛行を成功させてくれた神に感謝をします。そして、こうして無事着陸を許してくれた皆様にも心から感謝をいたします。
これからこの乗り物で、もっともっと遠くの沢山の人たちと交友を深めるチャンスが増えるでしょう。私達が空を飛んだのは、人を傷つけるためではなく、こうして遠くの多くの人たちとの友情を深めるためなのです。
さあ、皆さん、一緒に乾杯しましょう。その為に、今日は特別なシャンパンを用意してきました。
といって、皆に振舞ったのです。以来、気球乗りはかならず、船にシャンパンを乗せています。それは、モンゴルフィエ兄弟の栄誉をたたえ、その精神を今に引き継いでいるからなのです。
そうして、コップを取り出し、怒れる農家の親父も交えて、シャンパンで乾杯をしたのでした。
初めて顔を合わす人たちが、いつのまにか笑顔で溢れ、怒れる親父もいつのまにか会話の輪の中に加わってにこやかな朝ひと時となったのでした。
うーーーん、、、気球乗りってかっこえーー!! 正直店長思いました(^^)
そうこうしている内に、気球の撤収が始まります。巨大な気球が1m四方の袋に簡単に納まってしまったのを見てびっくりもしましたが、こんな熱気球の価格は7万ドルだそうです。
迎えのバンに乗り、基地に戻ると、サティフィケーションが用意されています。
おー、自分は今日気球に乗ったんだよな。。。そんな感慨を胸に、この地を後にしたのでした。
いや、気球の遊覧本当に最高でした。テオティワカン遺跡も最高でしたが、やはりこの気球の遊覧が何よりでした。ストーリーあり、緊張感アリ、笑いあり。。。気球という乗り物がこれからも愛され続けるのは間違いなさそうです。。。
メキシコシティに来たら是非熱気球体験してみてくださいね! 弊社でも取り扱いをしておりますので。
素敵なメキシコご滞在を!メキシコを愛する店長吉田からでした!!
PR
-
上空500mで、パイロットのヘラルドさんと。文中でも書きましたけど、気球乗りって、とても格好がいいんですよ。
どんなときも決してあわせてない、、、着陸近くになったら、立ち木にぶつかっても、煙突の20cm上をかすめても、、、一向に気にしない。。。
てか、そんなに微妙な高度を調整できるのか?!と目を疑ったり。。。(笑) -
上空では、こうしてヘラルドさんが写真も撮ってくれます。
因みに、10秒おきに勝手GO PROが撮影してくれるのですが、これはツアーの後販売です($60USD)
表題の写真は、この時に購入した写真です。意識しないとずっと下を向いた写真ばかりになります(苦笑) -
早朝7:00上がりますので、朝日をバックにテオティワカン遺跡の太陽の神殿の影がこうして映し出されます。
なかなかの感動の瞬間です。
前の老夫婦がじっと何かをつぶやきながら二人で見つめていました。思いでの瞬間をこうしていつまでもシェアできる事、とても幸せな事だと思います(^^) -
高さ65mの太陽の神殿の南側を抜けていきます。既に高度は100mに達しようとするところ。
いよいよ、テオティワカンの秘密が出現します! -
高度400m
分かりますか! テオティワカンの秘密!!
うーん、もうちょういか!!(笑)
ただ、店長既に高所恐怖症でプルプル震えています。。。 -
高度1000m
たったかいーーー(涙) 音もなく、腰の高さに縁があるだけのカゴに立っているだけ。。。物凄く高いです。。。でも、すがすがしく、、、とても心地よい。。。
さー、テオティワカンの秘密の一つは、月の神殿が頭で、太陽の神殿は心臓だということです。神殿の数は全部で24。この数は一体なんでしょうか?!
はい。人間の脊椎の数ですね。
そう、テオティワカン遺跡は、人間の体をそのまま現しているのです。。。
うん、人の形に見える?! -
風の向くまま着地点が定まらない気球は、勝手に私有地に着陸をします(汗)
怒れる農家のお父さんが「こらーー!」とやってきますが、こんな粋なものをだして、懐柔してしまう。。。
かっこえー、気球乗り!
ヘラルド、かっこよすぎる。。。
234年間かわらぬ伝統のフライト後の乾杯の儀式 -
フライトを終えるとこんな終了証が貰えます。
1時間も飛行出来るなんて素敵です。
因みに、気球乗りのヘラルドさんの飛行時間は700時間だそうです。一人前の気球乗りと言われるには1500時間が必要だそうです。 -
ゴンドラという名のただのカゴが気球に吊り下げられるだけの実にシンプルな乗り物。
1983年以来、このスタイルは変わっていません。カゴにあいている穴に足をかけて中に乗り込みます。
椅子なんてないので、立ち乗りです(笑) -
続々、基地を出発する気球たち。
乗員によってサイズが異なります。私の今回乗ったのは14名のりの大きな気球でした。
皆、同じ場所から飛び立ちますが、着地点はてんでバラバラです(笑) -
熱気球の原理は実に単純です。
気球内の空気をバーナーで熱し膨張した空気が下から抜けて、その分軽くなった浮力を使って浮かぶのです。
なので、降下をするには、天井に窓をあけてそこから空気を入れます。
それにしても、気球って絵になります。本当に美しいですね。 -
ヘラルドさんと、ツーショット。
今回は安全な空の旅、本当にありがとうございました。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
12