ジョグジャカルタからソロ市周辺をタクシーで巡って、夜の10時過ぎに中央駅の近くのグラーゲラーマーヤナホテルに到着、ここは思いのほか快適でコスパの高いビジネス風ホテルであった。翌日はいよいよ念願のボロブドゥール遺跡とプランバナン遺跡を訪れる。ボロブドゥール遺跡は早朝の夜明け時が美しいと言われているので、ホテルの横のグレートツアーが主催する朝5時発のツアーを予約しておいた。値段はわずか12万ルピア（約1,000円）、ガイドは付いていないがドライバーはそこそこの英語を話し、値段から言っても不満はない。ツアーは小生とジャカルタから来たという若い二人組の女性の3人のみ、良心的で楽しいツアーとなった。ちなみにロシアにいる時に、「ミリオネア（百万長者）になりたければベラルーシに行け」と言われていたが、さしずめここでは「インドネシアに行け」となる。何しろ1円＝120ルピアで、1万円あればミリオネアになれる。<br /><br />ボロブドゥール遺跡は、中部ジャワの中心都市ジョグジャカルタの北西約40kmに位置する。世界最大級の仏教寺院であり、「ボロブドゥール寺院遺跡群」としてユネスコ世界遺産に登録されている。インドから東南アジアに伝わった大乗仏教の遺跡で、シャイレーンドラ朝の時代、大乗仏教を奉じていたダルマトゥンガ王治下の780年頃から建造が開始され、792年頃にほぼ完成し、その後に増築された。円壇の中央の大ストゥーパの高さはもともと42mあったが、現在は破損して34mになっているそうだ。その回りの小ストゥーパは72基あり、全て内部に釈迦牟尼像が収められており、上部が損壊したストゥーパはこの像が露出している。<br /><br />この遺跡は、富士山を思わせるムラピ山の度重なる噴火の降灰により埋もれてしまった。人々はこの地を離れ、久しく忘れ去られ密林のなかに埋もれていた。一説にはイスラム教徒による破壊をおそれて人々が埋めたというが、この規模から言ってあまり現実的ではないと思う。数百年の時を経て、1814年にイギリス人のトーマス・ラッフルズとオランダ人技師コルネリウスによって森のなかで再発見され、その一部が発掘された。まさにインディ・ジョーンズの世界であり、興味を掻き立てられる。修復整備され公開された後も、2010年ムラピ山の灰で被害を受けている。<br /><br />5時発のツアーでも実際にはすぐに夜が明けてしまい、朝もやに包まれたボロブドゥールの写真を撮すことはできなかったが、その古代ロマンに包まれた遺跡の威容を撮りまくった。そして10時頃ここを引き上げ、プランバナンに向かう頃、大型バスが次々と逆方向に走っていった。巨大仏教遺跡は、恐らく火山灰ならぬ人混みに埋もれていることだろう。なお小生が見かけた外国人は、ドイツ人とアメリカ人の団体、フランス人、中国人、多くはないが日本人も見かけた。また修学旅行なのか多くの中学生くらいの子供たちから話しかけられ、目を輝かせて、インドネシアをどう思うか、食事はどうか、日本との違いは何か、と質問を連発され、ドギマギさせられながらも会話を楽しんだ。

インドネシアの世界遺産No.2 : ボロブドゥールの仏教寺院遺跡群を訪れる

36いいね！

2017/01/29 - 2017/01/29

52位(同エリア408件中)

#世界遺産

ハンクさん

ジョグジャカルタからソロ市周辺をタクシーで巡って、夜の10時過ぎに中央駅の近くのグラーゲラーマーヤナホテルに到着、ここは思いのほか快適でコスパの高いビジネス風ホテルであった。翌日はいよいよ念願のボロブドゥール遺跡とプランバナン遺跡を訪れる。ボロブドゥール遺跡は早朝の夜明け時が美しいと言われているので、ホテルの横のグレートツアーが主催する朝5時発のツアーを予約しておいた。値段はわずか12万ルピア（約1,000円）、ガイドは付いていないがドライバーはそこそこの英語を話し、値段から言っても不満はない。ツアーは小生とジャカルタから来たという若い二人組の女性の3人のみ、良心的で楽しいツアーとなった。ちなみにロシアにいる時に、「ミリオネア（百万長者）になりたければベラルーシに行け」と言われていたが、さしずめここでは「インドネシアに行け」となる。何しろ1円＝120ルピアで、1万円あればミリオネアになれる。

ボロブドゥール遺跡は、中部ジャワの中心都市ジョグジャカルタの北西約40kmに位置する。世界最大級の仏教寺院であり、「ボロブドゥール寺院遺跡群」としてユネスコ世界遺産に登録されている。インドから東南アジアに伝わった大乗仏教の遺跡で、シャイレーンドラ朝の時代、大乗仏教を奉じていたダルマトゥンガ王治下の780年頃から建造が開始され、792年頃にほぼ完成し、その後に増築された。円壇の中央の大ストゥーパの高さはもともと42mあったが、現在は破損して34mになっているそうだ。その回りの小ストゥーパは72基あり、全て内部に釈迦牟尼像が収められており、上部が損壊したストゥーパはこの像が露出している。

この遺跡は、富士山を思わせるムラピ山の度重なる噴火の降灰により埋もれてしまった。人々はこの地を離れ、久しく忘れ去られ密林のなかに埋もれていた。一説にはイスラム教徒による破壊をおそれて人々が埋めたというが、この規模から言ってあまり現実的ではないと思う。数百年の時を経て、1814年にイギリス人のトーマス・ラッフルズとオランダ人技師コルネリウスによって森のなかで再発見され、その一部が発掘された。まさにインディ・ジョーンズの世界であり、興味を掻き立てられる。修復整備され公開された後も、2010年ムラピ山の灰で被害を受けている。

5時発のツアーでも実際にはすぐに夜が明けてしまい、朝もやに包まれたボロブドゥールの写真を撮すことはできなかったが、その古代ロマンに包まれた遺跡の威容を撮りまくった。そして10時頃ここを引き上げ、プランバナンに向かう頃、大型バスが次々と逆方向に走っていった。巨大仏教遺跡は、恐らく火山灰ならぬ人混みに埋もれていることだろう。なお小生が見かけた外国人は、ドイツ人とアメリカ人の団体、フランス人、中国人、多くはないが日本人も見かけた。また修学旅行なのか多くの中学生くらいの子供たちから話しかけられ、目を輝かせて、インドネシアをどう思うか、食事はどうか、日本との違いは何か、と質問を連発され、ドギマギさせられながらも会話を楽しんだ。