立川旅行記(ブログ) 一覧に戻る
秋の昭和記念公園はコスモスの花盛りでした。<br />こもれびの里の古民家の軒には干し柿が吊るしてありました。<br />日本の秋を満喫してきました。

庭園随想⑤晩秋に想う~昭和記念公園

8いいね!

2016/11/03 - 2016/11/03

1056位(同エリア1580件中)

0

6

スイーツの求道者あきあ

スイーツの求道者あきあさん

秋の昭和記念公園はコスモスの花盛りでした。
こもれびの里の古民家の軒には干し柿が吊るしてありました。
日本の秋を満喫してきました。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通手段
JRローカル
  • 久しぶりに立川市の昭和記念公園を訪問した。<br />みんなの原っぱの花壇には、黄色いコスモス(イエローキャンパス)が一面に淡い色を敷き詰めていた。 <br />風が強い。<br />葉裏をそよがせて、なかなかこちらを向いてくれない。<br />風がやむと、花びらを翻し、一瞬だけ、愛くるしい表情を見せる。<br />ツンデレ女子とは、よく言ったものだ。<br />

    久しぶりに立川市の昭和記念公園を訪問した。
    みんなの原っぱの花壇には、黄色いコスモス(イエローキャンパス)が一面に淡い色を敷き詰めていた。
    風が強い。
    葉裏をそよがせて、なかなかこちらを向いてくれない。
    風がやむと、花びらを翻し、一瞬だけ、愛くるしい表情を見せる。
    ツンデレ女子とは、よく言ったものだ。

  • 緋色のコスモス。<br />名をベルサイユと云う。<br />高貴な雰囲気を漂わせて、凛と咲く。<br />花弁に訪れる蜜蜂もどこか遠慮気味に蕊(しべ)を潜る。<br />この花を前にすると、ピンクのコスモスは侍女のように思えてくる。<br />

    緋色のコスモス。
    名をベルサイユと云う。
    高貴な雰囲気を漂わせて、凛と咲く。
    花弁に訪れる蜜蜂もどこか遠慮気味に蕊(しべ)を潜る。
    この花を前にすると、ピンクのコスモスは侍女のように思えてくる。

  • 花の丘には、赤いコスモスが斜面一面、彩っている。<br />木の緑と大地のピンク、<br />そして青い空にひと刷毛なぞったような雲の白。<br />世界がこんな単純な構成で出来ていれば、<br />どんなにか今よりもっと心地よいものになることに相違ない。<br />

    花の丘には、赤いコスモスが斜面一面、彩っている。
    木の緑と大地のピンク、
    そして青い空にひと刷毛なぞったような雲の白。
    世界がこんな単純な構成で出来ていれば、
    どんなにか今よりもっと心地よいものになることに相違ない。

  • 気車にコスモス。<br />「夢を乗せて」<br />どこかで見たそんなキャッチコピーをつけてみたくなるが、<br />私は「夢」という言葉が嫌いだ。<br />いまがすべて。<br />現実にもっと彩りを加えること。<br />いまをもっと輝かせること。<br />「夢」などという言葉に騙されて、楽しみを先送りしない。<br />いま咲いている花の香りを心の印とする。<br />それが私の了見だ。<br /> <br />

    気車にコスモス。
    「夢を乗せて」
    どこかで見たそんなキャッチコピーをつけてみたくなるが、
    私は「夢」という言葉が嫌いだ。
    いまがすべて。
    現実にもっと彩りを加えること。
    いまをもっと輝かせること。
    「夢」などという言葉に騙されて、楽しみを先送りしない。
    いま咲いている花の香りを心の印とする。
    それが私の了見だ。

  • 大学を卒業したあと、サラリーマンを数年ほどしていた。<br />詳しい職種や社名は伏せるが、<br />サラリーマン生活は充実感とは程遠いものだった。<br />結局、辞める決意をしたきっかけは、柿だった。<br />確か、十月か十一月かの今頃、晩秋の季節だったかと思う。<br />仕事で同じ部署の数人と倉庫の棚卸に<br />小田急線の沿線駅に出かけたときだった。<br />倉庫に向かう途中の野辺の道を歩いていたら、柿の木があった。<br />木いっぱいに塾した柿の実が成っていた。<br />この光景を目にしたとたん、悲しみの感情が押し寄せた。<br />柿は一年間、風雪に耐えて、実りの秋を迎えた。<br />自分は毎日、変わらないルーティンワークをこなすだけ。<br />この生活を何年続けても、特別の技能が身に着くわけでもなく、<br />ただ空しく時間だけが経過して年老いていくだけ。<br />会社員生活なんて、日銭を稼ぐだけで、<br />なんの実りももたらさない。<br />こうした思いが突然、<br />怒涛のごとく胸に去来したのを今でもはっきりと覚えている。<br />私が会社を辞めたのは、それから半年後だった。<br />

    大学を卒業したあと、サラリーマンを数年ほどしていた。
    詳しい職種や社名は伏せるが、
    サラリーマン生活は充実感とは程遠いものだった。
    結局、辞める決意をしたきっかけは、柿だった。
    確か、十月か十一月かの今頃、晩秋の季節だったかと思う。
    仕事で同じ部署の数人と倉庫の棚卸に
    小田急線の沿線駅に出かけたときだった。
    倉庫に向かう途中の野辺の道を歩いていたら、柿の木があった。
    木いっぱいに塾した柿の実が成っていた。
    この光景を目にしたとたん、悲しみの感情が押し寄せた。
    柿は一年間、風雪に耐えて、実りの秋を迎えた。
    自分は毎日、変わらないルーティンワークをこなすだけ。
    この生活を何年続けても、特別の技能が身に着くわけでもなく、
    ただ空しく時間だけが経過して年老いていくだけ。
    会社員生活なんて、日銭を稼ぐだけで、
    なんの実りももたらさない。
    こうした思いが突然、
    怒涛のごとく胸に去来したのを今でもはっきりと覚えている。
    私が会社を辞めたのは、それから半年後だった。

  • いま、同じ秋を迎えている。<br />今日、出かけた先の古民家の軒先には干し柿が吊るしてあった。<br />あのときの秋の思いがふと甦った。<br />会社を辞めてよかった。<br />それでは、歳月は私の中身を熟させたか。<br />いまの私はこの軒先の柿と同じ。<br />熟すには熟したが渋くて食えない。<br />冷たい風に身を晒してさらに多くの歳月に耐えなければならない。<br />あれから数十年後、同じ晩秋のいま、改めてそう思う。<br /><br />

    いま、同じ秋を迎えている。
    今日、出かけた先の古民家の軒先には干し柿が吊るしてあった。
    あのときの秋の思いがふと甦った。
    会社を辞めてよかった。
    それでは、歳月は私の中身を熟させたか。
    いまの私はこの軒先の柿と同じ。
    熟すには熟したが渋くて食えない。
    冷たい風に身を晒してさらに多くの歳月に耐えなければならない。
    あれから数十年後、同じ晩秋のいま、改めてそう思う。

この旅行記のタグ

8いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

価格.com旅行・トラベルホテル・旅館を比較

PAGE TOP