1987/09/07 - 1990/05/05
3位(同エリア4件中)
みどくつさん
1989年5月24日、エクアドルのアマゾン低地、オリエンテのコカという町に居る。
しばらく滞在していた南米最初の町キトから、南米大陸一周の旅が、いよいよ始まった。
南米に入ったのは、中米コスタリカの首都サンホセからで、エクアドルの首都キトへと飛んだ。
キトに入ったのが5月14日で、しばらく身体を休めて、移動の準備をしていた。
キトの旧市街は見るものも多い。
博物館の展示なども、海外個人旅行者としては、見逃せない。
それと僕の中でとても重要だったのが、キトの米国大使館で、「アメリカの5年有効観光ビザ」をゲットしたことかな。
日本大使館へも行って、パスポートの増補をしてもらった。
キト周辺にも見るものが多く、例えば、赤道上の記念碑ミタデルムンド、オタバロの土曜市へも足を伸ばした。
時間潰しに映画もたくさん見たね。
結局、5月14日から23日の朝まで10日ほど、キトに滞在していた。
そのあとに続く「移動の連続の日々」を覚悟していたからだ。
キトを出てしまえばエクアドルに特に留まるべき町はなく、移動を続けて、ペルーへ入ることになるだろう。
その旅を、覚悟していたので、しばらくのんびりしていたわけだ。
昨日は、キトを出てアマゾン低地まで、バスで14時間以上かけて、降りてきた。
そうして、コカという町で宿に泊まった。
コカは、アマゾン上流のナポ川の川岸にある町。
ここから、今日は、ボートに乗って、上流のミサウアジという町へ異動する予定。
そのボートがどんなものか、全く知識がない。
立派なものとは考えられない。
すると、トイレ問題が出てくるね。
長時間トイレのないバスやボートに乗るときは、大をしたくならないように、トイレを十二分に済ませておくことが大事だ。
朝から何度もトイレに通って、体調を測る。
ウンコも調子よく出たし、今日は目的地に到着するまで、大はしなくても大丈夫だ。
ホテルをチェックアウトして、バックパックを背負い、すぐ近くのナポ川の川岸へ歩く。
この朝は、曇り空で、小雨が降り続いていた。
川の船着場に着いたのが、午前7時半。
欧米人の旅行者が数人いたので、適当に話をする。
スイス人が3人、スウェーデン人の女性が2人、それから、多分ヨーロッパ人の40歳くらいの女性。
みんな同じボートを待っている。
ナポ川を見ると、結構な急流で、川の流れも速い。
水は濁っていて、川幅もそれほど広くはない。
昨夜一緒に夕食を取って話をした、金歯の男性が、やってきた。
僕は、「ムイペリグローソー(VERY DANGEROUS)」と、不安を正直に言う。
ボートが出る予定の午前8時を過ぎても、ボートが来ない。
船着場の旅行者同士で、ボートが来ない文句を言い合ったり、南米旅行の話などを適当に交換している。
結局ボートが来たのが、午前9時になった。
やってきたボートには、すでに白人旅行者が4人乗っている。
話を聞くと、朝からボートを借り切って、ジャングルクルーズをしてきたのだとか。
そのために他の旅行者を待たせたわけだが、彼らはちっとも気にしていない。
こういう大胆さがないと、本格的な旅行は出来ないだろうね。
日本人だと、「他の人たちを待たせては申し訳ない」とか、周囲の人に気を使ってしまう。
自分のやりたいことも、押さえてしまう。
そのうちに、日本人は「自分のやりたいことなんて最初から持たない、周囲にあわせるだけの気質」になってしまうんだよ。
ボートは、船外機付きのカヌーだった。
もちろん、屋根などはついていない。
それほど小さいわけではなく、長さは10メートル以上あっただろうか。
旅行者が並んで2人座れる程度の幅だが、旅行者十数人が、ボート全体にほどよく間隔を持って座れた。
ボートの出発が、午前9時半。
出発してしばらくすると、小雨が止み、天候は回復してくる。
出発して30分程度立ったころ、白人の若者が声をかけて、船を川岸に着けさせた。
彼は、なんと、船を降りて、川岸でウンコをはじめた。
さすが欧米人の若者だ。
欧米人の若者は、男性も女性も、トイレをすることに、恥かしさがない。
2002年にカンボジアのシェムリアップからポイペト国境へのマイクロバスに乗ったことがある。
このときも、フランス人女性が、途中でマイクロバスを止めて、トイレをしたからね。
日本人だったら多分、本当に漏れてくるまで、我慢をするのではないかな。
こういう体験をすると、欧米人と日本人の性格の違いがよくわかるものだ。
あと覚えているのが、スウェーデン人女性が、走っているボートの中で移動をして、船がひっくり返りそうになったこと。
スウェーデン女性というと、ほっそりと背が高い、というイメージがある。
ところが、ボートに乗っていたスウェーデン人女性は2人とも肥満体だったんだよなー。
だから、彼女たちがボートで移動すると、ボートが大きく揺れて、みんなヒヤッとしたと思う。
スウェーデン人女性は、船が揺れたことも、大笑いして、気にしていないようだった。
これで僕は、「スウェーデン人女性とは結婚しない」と決めたんだけどね。
僕がこのボートトリップで覚えているのは、若者がジャングルでウンコをしたこと。
スウェーデンの肥満女性が、ボートを転覆させそうになったこと。
この2つしかない。
ボートは、午前9時半にコカを出発し、目的地のミサウアジ到着が午後6時半。
途中でお昼ご飯やトイレのための休息があったはずだ。
ボートに9時間も乗っていたのだからね。
ただ、その部分の記憶は全くない。
正直お昼を過ぎたら、アマゾン上流の景色にも飽きて、到着を待つだけだ。
ミサウアジに着いたのは、午後6時半、日が暮れる寸前だった。
ボートを降りるときに、料金を払ったが、2千スークレ(500円)だった。
ボートを降りた旅行者は、それぞれ行く場所が決まっているのか、とたんにバラバラになった。
僕は、ミサウアジの広場に面した「HOTEL BALCON NAPO」にシングルを取る(500スークレ/125円)。
レストランで夕食を取り、ホテルでビール(CERVEZA PILZNER)(200スークレ/50円)を飲んで、早目に寝ました。
明日は、テーナ(TENA)を経由して、バーニョス(BANOS)へ行く予定です。
- 旅行の満足度
- 3.5
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