2015/05/02 - 2015/05/02
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Muffinさん
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前回のタガイタイ(Tagaytay)に続き、小さな火山が浮かぶタール湖(Lawa ng Taal)をぐるりと巡って南西にあるバタンガス州の古都タール(Taal)と、その北東にあるフィリピン最大の湖、バエ湖(Laguna de Bay)の畔の刺繍の町ルンバン(Lumban)に行ってきました。
タールは、スペイン統治時代の1570年代にマニラに次ぐ第2の拠点としてタール湖畔(当時は陸地に深く入り込んだ湾)で開発が始まりましたが、1754年のタール火山の大噴火でタール湖が堰き止められ旧タールは水没、新たに海べりの高台に再建された町です。
新天地でも繁栄を極めてスペイン風の美しい街並みを今でも残す町ですが、州都をバタンガス市に譲ってからは斜陽化し、それがまた観光者にとってはマニラにはない長閑で素朴な味わいがあるように思えます。
ルンバンはフィリピンの民族衣装である「バロン・タガログ」(男性の白いシャツ)やウェディングドレスなどの伝統刺繍工芸の町です。
シルクより高価で羽衣のように薄いパイナップル繊維の生地ピーニャに施す刺繍は実に繊細です。ルンバン刺繍の記事を読んだ時に是非実際の作業を見てみたいと思いましたが、観光化されていない地域なので情報は乏しく、この時は仕上がった生地を仕立てるテーラーしかわかりませんでした。
その後、伝手に頼って工房を見学する機会に恵まれましたので、次回の旅行記で書いてみようと思います。
*TAAL Heritage Town (町の公式観光案内)
http://taal.com.ph
*刺繍工芸家 CORA MERCADO - アジアのかたち(財団法人 貿易研修センター)
http://www.iist.or.jp/acf/monthly/22/katati2101.html
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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<今回の走行ルート>
マニラ ー(タガイタイ経由)ー タール (Taal) 100km 2時間50分
ー ルンバン (Lumban) 100km 3時間
*マニラのペニンシュラホテルからタール観光ツアーがあるようです。
http://manila.peninsula.com/ja/discover/peninsula-academy -
タガイタイ Tagaytay のパイナップル畑を通り過ぎる
なだらかな丘に広がる畑に植わっているのは何だろう?と思っていたら、沿道の産直所にはパイナップルが山積みでした。
そうだ、ここはパイナップルの産地だった。 -
タガイタイの産直所
どこの店でもパイナップルが山積みです。完熟で採ったパイナップルは、マニラでも味わえないほど甘い。 -
タール湖に浮かぶ小さな火山が見えてきた
タール湖に沿った山道を進んでいきます。 -
タール湖を臨む山道
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<タール町内図>
今回訪れなかった観光名所も記載しました。
タール町の公式ページの地図はこちら↓
http://taal.com.ph/wp-content/uploads/2012/07/TAAL-MAP-3.jpg
公式ページで各所の詳細ガイドがあります。 -
聖マーティン・バリシカ教会 Basilica of St. Martin of Tours
東洋で最古で最大な教会と言われる通り、威風堂々な教会でした。近隣の住民が掘り起こした砂で作ったアドビ煉瓦で出来ていて、接着もセメントではなく石灰。姿だけでも歴史を感じさせる建物です。
*パンフレット
http://www.archlipa.org/content/St.%20Martin%20of%20Tours%20Brochure.pdf
*「タール町バシリカ教会 歴史刻む東洋一の聖堂」 まにら新聞
http://www.manila-shimbun.com/series/sights/series124891.html -
Our Lady of Caysasay Academy
教会の奥には、教会の外観と沿う門が立つ私立学校がありました。 -
教会の前には古い鐘
この教会は国内で最大の鐘があることでも有名だそうです。地震で何度か落ちその度に修復して吊るしたので、この鐘がいつ使われていたものかはわかりませんがかなり古そうです。 -
結婚式がありました
フラワーガールが式前にお菓子売りを見つけてしまったようです。 -
教会内部は壮麗でした
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結婚式の前に通常のミサが執り行われています
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まばゆい祭壇
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天井のドームの作りも美しい
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見事な漆喰細工に見えますが…
マニラのサン・オウガスチン教会 San Agustin Church and Conventの天井騙し絵を描いたイタリア人画家Giovanni Dibellaがここでも天井に騙し絵を施しました。
マニラの旧要塞市街 イントラムロス (1) 《フィリピン紀行(5)》
http://4travel.jp/travelogue/11000274
同じ作者であっても、もちろんサン・オウガスチン教会の方が見事なのは言うまでもありませんが、こちらもなかなかの見応えです。 -
これも騙し絵。近くで見ても凹凸がある漆喰のように見えます。
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礼拝堂
小さな礼拝堂も煉瓦造りの味わいある雰囲気でした。 -
なんとなく南国の顔立ちです
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なぜステンドグラスに馬…?
と、不思議に思って調べると、タール火山の大噴火の前に神馬が降りてきてお告げをしたという神話があるそうです。 -
教会の奥には僧院らしき、やはり古い建物が連なっていました
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2階に上がってみます
上階は木造の簡素な造りが見えました。 -
古いシャンデリア
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教会2階部
小さな集まりが出来るようなスペースになっていました。
梁や曲がった柱の様子が1階と対照的で面白い。 -
2階から見下ろす身廊と中央祭壇
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パイプオルガンもここにありました
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鐘楼へ登る入り口
ここから国内最大の鐘があるという鐘楼へ登っていきます。
遺物保護のため入場料は1人100P。 -
2階部よりさらに古い面影を残し少々カビ臭い鐘楼内
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塔に登ると大きな鐘がありました
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鐘楼から眺めるタール町内
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可愛らしいスペイン風の町が広がっています
さて、教会を出て、タールの町を歩いてみよう。 -
Escola Pia
タール火山噴火後の教会の再建の際に、聖母マリア像の一時預かり所として1853年に建てられ、その後女子校となり、現在は町の文化センターになっています。
敷地内にはフィリピンの伝統的な生活風景と女の子たちの像が色鮮やかに置かれています。 -
明るく楽しげな女の子たちとフィリピン料理の食材
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町のサリサリストア(小間物屋)でドリンクを買う
サリサリに入るのは初めて。食料品だけでなくなんでも揃って、全部が小袋仕立て。昔の駄菓子屋に入ったような気がしました。 -
歩けるのっていいなぁ
のんびりと心配なく歩ける町。それだけでもマニラから来た甲斐があるというもの。
こののんびりさが、経済的・政治的衰退でバタンガス市に州都を譲り渡し、町から市に昇格できない地域の深い悩みのようですが、新たに観光都市として売り出せないものだろうかと思います。 -
のんびりとした町ではありますが…
各戸の窓格子はなかなかの重装備。 -
普通のお宅もすてきでした
石造りのスペイン風の建物が多い町ですが、歴史的建造物でなくても普通の住宅がとても素敵な町です。 -
住宅街の路地には収穫された籾が干してありました
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こちらも一般のお宅
なにか由緒ある建物かと思いましたが、看板もなく普通に生活されている住宅のようです。 -
こんなおうちも
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Gregorio Agoncillo Mansion (White House)
19世紀末に香港でのフィリピン革命運動に参加し、後に革命評議会議員、地場の製糖会社、フィリピン国立銀行の総裁になったグレゴリオ・アゴンシロの家が街角にありました。近隣の住宅に比べて立派ですが、周りの家も上記のように風格があるものなので、この歴史的住宅も町の中の風景に溶け込んでいました。
残念ながら休館日で入ることができなかったのですが、中の調度は香港から持ち帰った中国風のものだそうです。 -
また住宅街の路地に入ってきました
日本のどこかの農家の並びのようにも見えますが、街灯がレトロな感じで立っています。 -
自家用なのかな?ピカピカのトライシクルが停まっていました
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Ilagan-Dela Rosa House
1800年代に建てられたタールの名士の家で、今は譲渡された個人の住宅になっているので内部は公開されていません。石造りの1階部分と木造の2階部分からなるこのような形の家が町のあちこちにありました。
家の前に停まっている車は教会からずっと一緒です。私たちは歩いて観光ですが、車の方も各所でゆっくり写真を撮っているので、いつも追いついてしまいます。 -
お向かいの家は特に謂れもないおうちですが、やはり歴史を感じさせる立派な家。
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最近建てられたらしい住宅も、他の町にはないちょっとした味わいがあります
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町のあちこちに繁栄期のタールの建物が残っていました
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Casa Punzalan
元は由緒ある建物のようですが、今はホテルになっていました。 -
現代の住宅も、軒下やテラスのデザインなどに伝統的なものを引き継いでいました。塗装の手入れもよくされています。
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Casa Real
教会の鐘楼から真下に見えた真っ白な建物。1845年にスペイン地方庁舎として建てられました。町で唯一タイルの屋根を持つスペイン風の建物です。 -
Casa Real向かいの伝統的建物もホテルでした
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Taal Public Market
マニラでは市場の治安が悪く、落ち着いて見られそうにもないので行ったことがありませんが、本当は市場がとっても好き。ここは長閑な田舎の市場の雰囲気があります。 -
入り口にはフィリピンの英雄パッキャオの立て看板
この翌日はアメリカでのメイウェザー戦で、ファイトマネーは両者合わせると500億円。試合中のマニラ市内はゴーストタウンのようでした。 -
市場の大きなエリアを占めるのは華やかなドレス
この後に訪れるルンバンは伝統衣装の刺繍を請け負う町で、男性用のバロンタガログ(シャツ)だけでなくウェディングドレスを作るテーラーも数多くあります。近接するタールでもドレスメーカーが多いのかもしれません。 -
市場のテーラーも凝ったドレスを作っています
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市場食堂
意外と綺麗なのに驚きました。不穏な様子もなく、お客さんたちがこちらに笑顔を送ってくれます。
微笑みの国タイの笑顔よりちょっと控えめ、はにかんだ風なフィリピンの笑顔が好きです。 -
総菜屋さんのおばさんも にこっ
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肉食系フィリピンの豪快肉売り場
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田舎の住宅街をトライシクルがトコトコ
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町のメインストリートもゆっくりトコトコ
この坂の下には小さなショッピングモールやファーストフード店が数軒並んで、少し現代的な風景になっていました。 -
きれいな窓格子の奥には…
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ぼくがミルクを飲んでる
手を振ってくれました。 -
Casa Villavicencio (Casa V)
1850年代の建物。フィリピン革命で重要な役割を果たした人物が建てた家なので、タールでは最も重要な文化財として扱われています。内部はオリジナルの天井と壁紙を残したアールヌーボー様式で、公開されていますが少々疲れてきたので外からだけの見学。小ぶりながら美しい建物でした。 -
Villavicencio Wedding Gift House
Casa Vに隣接していて、Casa Vの主人が結婚式の日に花嫁に贈った家だそうです。色使いが女性的でした。 -
停まっていた車の色がぴったりマッチ
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暑い日のタールで燃えるような色遣いの住宅
気持ちまで明るくなるような鮮やかな色をした町を楽しみました。
そろそろルンバンに向けて出発しましょうか。
バタンガス州の古都タールと刺繍の町ルンバン(2) ~フィリピンの伝統刺繍を愛でる《フィリピン紀行(12)-2》
http://4travel.jp/travelogue/11177064
…に続く
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