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 フィリピンの自然はかなり美しい。ぼーっと見ていると癒される。<br /> 熱帯の青い海、ヤシの葉が風にたなびく浜辺や農村、なだらかな稜線を描く山々は濃い緑色で、日本人にとっては馴染みある風景だ。フィリピンを代表する山もマヨン火山で、富士山のような三角錐タイプの美しい姿である。<br /> マヨン見物は、マニラより泊りがけであるが、マニラ日帰り圏にも二つの有名な火山がある。1991年に世紀の大噴火をしたピナツボ火山と、マニラの住民に人気の高原リゾート都市タガイタイの目の前にあるタール火山だ。何でもありのフィリピンの喧噪と混沌と熱波から、ほんのひととき逃れ、ちょっぴりだけ自然の懐に抱かれて心地良い思いをした。<br />

ピナツボとタールの美しい火山に世俗を忘れて

46いいね!

2013/02/06 - 2013/02/08

45位(同エリア444件中)

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33

Pメテオラさん

 フィリピンの自然はかなり美しい。ぼーっと見ていると癒される。
 熱帯の青い海、ヤシの葉が風にたなびく浜辺や農村、なだらかな稜線を描く山々は濃い緑色で、日本人にとっては馴染みある風景だ。フィリピンを代表する山もマヨン火山で、富士山のような三角錐タイプの美しい姿である。
 マヨン見物は、マニラより泊りがけであるが、マニラ日帰り圏にも二つの有名な火山がある。1991年に世紀の大噴火をしたピナツボ火山と、マニラの住民に人気の高原リゾート都市タガイタイの目の前にあるタール火山だ。何でもありのフィリピンの喧噪と混沌と熱波から、ほんのひととき逃れ、ちょっぴりだけ自然の懐に抱かれて心地良い思いをした。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
3.0
グルメ
2.0
ショッピング
2.0
交通
3.0
交通手段
レンタカー
航空会社
JAL

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  • ピナツボの火口湖を初めて目にした瞬間の驚きと喜びは、蒸し暑いトレッキングコースを30分ばかり登ってきた疲労感を吹き飛ばしてくれる。群青色の水を満々とたたえる火口湖と、茶色に荒れた山肌の混じる外輪山の切り立った崖のコントラストが目にしみる。

    ピナツボの火口湖を初めて目にした瞬間の驚きと喜びは、蒸し暑いトレッキングコースを30分ばかり登ってきた疲労感を吹き飛ばしてくれる。群青色の水を満々とたたえる火口湖と、茶色に荒れた山肌の混じる外輪山の切り立った崖のコントラストが目にしみる。

  • 火口湖を見渡す展望台から湖岸までは階段で100メートル弱を降りて行く。「せっかく登って来たのに降りるの?」である。暑いために動きは最小限にとどめたい。つい、グチが出てしまう。<br /><br />火口湖は、日本風に言えば「お釜」。だから内側はへこんでいる。膝が笑わないようにゆっくり降りていけばよい。

    火口湖を見渡す展望台から湖岸までは階段で100メートル弱を降りて行く。「せっかく登って来たのに降りるの?」である。暑いために動きは最小限にとどめたい。つい、グチが出てしまう。

    火口湖は、日本風に言えば「お釜」。だから内側はへこんでいる。膝が笑わないようにゆっくり降りていけばよい。

  • 湖岸もひっそりとした感じで、普段は賑やかなフィリピン人たちも、静かに大自然の美を見つめている。火山灰の上に生えた背の高い草が、風でざわざわと音を立てるのを聞いているうちに、山登りでかいた汗は徐々に乾いて行く。

    湖岸もひっそりとした感じで、普段は賑やかなフィリピン人たちも、静かに大自然の美を見つめている。火山灰の上に生えた背の高い草が、風でざわざわと音を立てるのを聞いているうちに、山登りでかいた汗は徐々に乾いて行く。

  • 火口湖は遊泳禁止、船遊びも禁止。奥へ入って山頂や稜線へ行くのもだめ。自然保護最優先である。水質は、かなり強酸性のはずだから、魚影も皆無である。曇ってくると緑がかる湖水が、いつも静かに揺れているだけだ。

    火口湖は遊泳禁止、船遊びも禁止。奥へ入って山頂や稜線へ行くのもだめ。自然保護最優先である。水質は、かなり強酸性のはずだから、魚影も皆無である。曇ってくると緑がかる湖水が、いつも静かに揺れているだけだ。

  • 1991年4月から6月の大噴火以来、およそ四半世紀。山には少しずつ緑が戻ってきている。山体も爆発したので、ピナツボ山は標高1723メートルから1486メートルへ低くなった。現在では、湖水がある場所から、猛烈な熱風と溶岩が地獄絵図のようにもうもうと吹き出していたことが想像できないくらい山は静まり返っている。

    1991年4月から6月の大噴火以来、およそ四半世紀。山には少しずつ緑が戻ってきている。山体も爆発したので、ピナツボ山は標高1723メートルから1486メートルへ低くなった。現在では、湖水がある場所から、猛烈な熱風と溶岩が地獄絵図のようにもうもうと吹き出していたことが想像できないくらい山は静まり返っている。

  • 火口湖の切り立った崖をズームアップしてみると、草がまばらに生えた山肌と、群青色の湖面のコントラストは、スイス・アルプスの山頂直下の氷河湖の雰囲気と多少似ている。30分、1時間と座って、穏やかな湖面や雲がゆっくりと流れて行くさまを見ていると、下界のカオスを忘れることができる。

    火口湖の切り立った崖をズームアップしてみると、草がまばらに生えた山肌と、群青色の湖面のコントラストは、スイス・アルプスの山頂直下の氷河湖の雰囲気と多少似ている。30分、1時間と座って、穏やかな湖面や雲がゆっくりと流れて行くさまを見ていると、下界のカオスを忘れることができる。

  • 雲も増えたし、戻るとするか。<br />階段を再び上がり、来た道を引き返さなければならない。

    雲も増えたし、戻るとするか。
    階段を再び上がり、来た道を引き返さなければならない。

  • 今日の見物時間も潮時のようだ。

    今日の見物時間も潮時のようだ。

  • じめじめとした熱帯の雑木林や草地の中のトレッキングコースを20分ばかり下る。

    じめじめとした熱帯の雑木林や草地の中のトレッキングコースを20分ばかり下る。

  • 送迎車の折返し地点では、入山口で雇った四輪駆動車が、同じ客をずっと待っていてくれる。ピナツボ登山が解禁されて以来、車の終点は少しずつ奥へ伸びてきた。数年前は1時間歩かなければならなかったが、今では20分か30分ばかりトレッキングコースを登るだけで済む。

    送迎車の折返し地点では、入山口で雇った四輪駆動車が、同じ客をずっと待っていてくれる。ピナツボ登山が解禁されて以来、車の終点は少しずつ奥へ伸びてきた。数年前は1時間歩かなければならなかったが、今では20分か30分ばかりトレッキングコースを登るだけで済む。

  • ピナツボの入山口から車の終点まで四輪駆動車で30分以上走る。周囲は、火山灰に覆われ、緩やかに傾斜した広い河原のような場所だ。恒久的な道はなく、各車は、前の車がつけた轍の跡を思い思いになぞるようにして走る。かなりスピードを出すので揺れる。何かにつかまっていないと座席から放り出される。

    ピナツボの入山口から車の終点まで四輪駆動車で30分以上走る。周囲は、火山灰に覆われ、緩やかに傾斜した広い河原のような場所だ。恒久的な道はなく、各車は、前の車がつけた轍の跡を思い思いになぞるようにして走る。かなりスピードを出すので揺れる。何かにつかまっていないと座席から放り出される。

  • 橋もないので、車はところどころで、じゃぶじゃぶと浅瀬を渡る。少しだけサファリ観光のような気分である。

    橋もないので、車はところどころで、じゃぶじゃぶと浅瀬を渡る。少しだけサファリ観光のような気分である。

  • 目につく火山灰は、すべて前回の大噴火で積もったものなので、崩れやすく、遠目にもたくさんの浸食された個所が見える。車が巻き上げた火山灰も容赦なく窓ガラスの隙間から入ってくる。ピナツボ観光のあとでシャワーを浴びると、髪の毛の隙間にこびりついた細かい火山灰が、灰色の水になって流れ落ちる。火口原は、陸軍の演習場の一部なので、ときどき兵士を乗せた車に出くわす。

    目につく火山灰は、すべて前回の大噴火で積もったものなので、崩れやすく、遠目にもたくさんの浸食された個所が見える。車が巻き上げた火山灰も容赦なく窓ガラスの隙間から入ってくる。ピナツボ観光のあとでシャワーを浴びると、髪の毛の隙間にこびりついた細かい火山灰が、灰色の水になって流れ落ちる。火口原は、陸軍の演習場の一部なので、ときどき兵士を乗せた車に出くわす。

  • 俗世界に帰還。入山口のサンタ・ジュリアナ村のメイン・ストリートは、早朝は客引きと車のエンジン音で騒々しい。大半の観光客は、午前10時ごろまでに入山し、昼ごろからポツポツ帰り始める。

    俗世界に帰還。入山口のサンタ・ジュリアナ村のメイン・ストリートは、早朝は客引きと車のエンジン音で騒々しい。大半の観光客は、午前10時ごろまでに入山し、昼ごろからポツポツ帰り始める。

  • ピナツボの入山方法は、いろいろな口コミやブログに載っているとおり。村の事務所で、言われるがままに表示料金プラスときどき何某かの金を払い、入山証を受け取る。それが、四輪駆動車を雇って保護区域内に入って宜しいという許可である。パックツアーでは、こういう料金はすべて込み。割高であるが、世俗の真っ黒な世界を入山前に体験しないで済む。

    ピナツボの入山方法は、いろいろな口コミやブログに載っているとおり。村の事務所で、言われるがままに表示料金プラスときどき何某かの金を払い、入山証を受け取る。それが、四輪駆動車を雇って保護区域内に入って宜しいという許可である。パックツアーでは、こういう料金はすべて込み。割高であるが、世俗の真っ黒な世界を入山前に体験しないで済む。

  •  ピナツボは特別自然保護区だからゴミ持ち帰りが義務。けれども、入山者が増加したり、ちょっと禁令を緩めると、おそらくゴミが激増しそう。我らが富士山だって、森の中にはゴミがいっぱいあるし、登山者のし尿処理が不十分であるので、世界自然遺産登録基準は到底満たせなかったと聞いた。先輩の轍を踏まず、ずっときれいなピナツボであってほしい。

     ピナツボは特別自然保護区だからゴミ持ち帰りが義務。けれども、入山者が増加したり、ちょっと禁令を緩めると、おそらくゴミが激増しそう。我らが富士山だって、森の中にはゴミがいっぱいあるし、登山者のし尿処理が不十分であるので、世界自然遺産登録基準は到底満たせなかったと聞いた。先輩の轍を踏まず、ずっときれいなピナツボであってほしい。

  •  ピナツボ火山はマニラ首都圏の北西おそよ100kmにある。最寄りの都会はアンヘレスだ。マニラを夜明け前に出発する強行軍で日帰りも可能であるが、できればアンヘレスに1泊する方がよい。山は午後になると雲がかかりやすいので、できるだけ朝の早い時間帯に観光するのがコツ。<br /><br /> 多くの会社がマニラ発のパックツアーを組んでいて、交通費やランチ代込で一人3000ペソくらい。車1台のチャーター費用を人数割りにし、客の足元を見ようという思惑を加減算するので、1人あたりの費用はけっこう流動的である。外国人は、治安と安心第一なので、多少割高でも信頼できそうなツアーに申し込んだ方がトータルで得。それども、宣伝内容どおりのサービスをしない場合がよくあり、ランチの質がケチな内容に切り下げられたり、専用車のはずが相乗りになるなどは朝飯前。「だって、フィリピンだから」と、いうことで諦めるしかない。<br /><br /> 路線バスとトライシクル等を乗り継いで入山口のサンタ・ジュリアナまで激安で行くことも可能であるが、ワイルドな体験を積極的に求める人だけにお薦めのやり方である。

     ピナツボ火山はマニラ首都圏の北西おそよ100kmにある。最寄りの都会はアンヘレスだ。マニラを夜明け前に出発する強行軍で日帰りも可能であるが、できればアンヘレスに1泊する方がよい。山は午後になると雲がかかりやすいので、できるだけ朝の早い時間帯に観光するのがコツ。

     多くの会社がマニラ発のパックツアーを組んでいて、交通費やランチ代込で一人3000ペソくらい。車1台のチャーター費用を人数割りにし、客の足元を見ようという思惑を加減算するので、1人あたりの費用はけっこう流動的である。外国人は、治安と安心第一なので、多少割高でも信頼できそうなツアーに申し込んだ方がトータルで得。それども、宣伝内容どおりのサービスをしない場合がよくあり、ランチの質がケチな内容に切り下げられたり、専用車のはずが相乗りになるなどは朝飯前。「だって、フィリピンだから」と、いうことで諦めるしかない。

     路線バスとトライシクル等を乗り継いで入山口のサンタ・ジュリアナまで激安で行くことも可能であるが、ワイルドな体験を積極的に求める人だけにお薦めのやり方である。

  •  対するタール火山は、観光客にとって見るだけのことが多い山だ。<br /> マニラ首都圏の人々の手軽な日帰り避暑地タガイタイ市のメインストリート沿いの店やホテルの展望席から、大きな湖越しに見える島の中にある火山である。写真を見て「ああ、あれか」と、タール火山の姿を思い出す人は多いだろう。タガイタイ市は標高約700メートルで、東京の人にとっての箱根感覚のようなリゾート地だ。確かに、平地より少し涼しい。<br /><br /> タール火山は標高およそ300メートルで、世界最小の活火山という触れ込みである。島の中央に横たわるように盛り上がっている所から右奥の小突起を二つ付けた部分が、狭義のタール火山だ。写真手前の、火口が見える、いかにも火山の姿の山は別の名前がある山。けっこう多くの人が勘違いをしている。私もその一人で、現地へ行くまで、火口が見えている山に登るもんだとばっかり思い込んでいた。

     対するタール火山は、観光客にとって見るだけのことが多い山だ。
     マニラ首都圏の人々の手軽な日帰り避暑地タガイタイ市のメインストリート沿いの店やホテルの展望席から、大きな湖越しに見える島の中にある火山である。写真を見て「ああ、あれか」と、タール火山の姿を思い出す人は多いだろう。タガイタイ市は標高約700メートルで、東京の人にとっての箱根感覚のようなリゾート地だ。確かに、平地より少し涼しい。

     タール火山は標高およそ300メートルで、世界最小の活火山という触れ込みである。島の中央に横たわるように盛り上がっている所から右奥の小突起を二つ付けた部分が、狭義のタール火山だ。写真手前の、火口が見える、いかにも火山の姿の山は別の名前がある山。けっこう多くの人が勘違いをしている。私もその一人で、現地へ行くまで、火口が見えている山に登るもんだとばっかり思い込んでいた。

  • タール火山をタイガイタイ市の真正面付近のタール湖対岸からみた姿。背景の尾根がタガイタイ市付近である。タール湖は大きいので、少し風が出ると湖面は波立ってくる。湖の周囲の人口が多いので、水がきれいとは言えないのが悲しい。<br /><br />タール火山、タール湖の地名の由来となったタール市は、湖の南から海へ出る途中にある古都。湖には面していないのである。そして、日本人にとって、あまり知名度の高い観光地ではない。<br /> 

    タール火山をタイガイタイ市の真正面付近のタール湖対岸からみた姿。背景の尾根がタガイタイ市付近である。タール湖は大きいので、少し風が出ると湖面は波立ってくる。湖の周囲の人口が多いので、水がきれいとは言えないのが悲しい。

    タール火山、タール湖の地名の由来となったタール市は、湖の南から海へ出る途中にある古都。湖には面していないのである。そして、日本人にとって、あまり知名度の高い観光地ではない。
     

  • タール火山は、山頂の内側にもう一つ湖がある。この山は、典型的なカルデラ地形で、大きなどんぶりの中に茶碗を伏せて置いたような造り。茶碗がタール火山で、裏返った底のくぼみにも水が溜まって湖になった。茶碗とどんぶりの間のV字状の窪みに水が溜まったのがタール湖である。<br /><br />人気のタガイタイ市は、どんぶりの北側の稜線の一角にある。だから、タガイタイからタール火山を見下ろしても内側の湖は見えない。ちょっと意外な地形なのである。

    タール火山は、山頂の内側にもう一つ湖がある。この山は、典型的なカルデラ地形で、大きなどんぶりの中に茶碗を伏せて置いたような造り。茶碗がタール火山で、裏返った底のくぼみにも水が溜まって湖になった。茶碗とどんぶりの間のV字状の窪みに水が溜まったのがタール湖である。

    人気のタガイタイ市は、どんぶりの北側の稜線の一角にある。だから、タガイタイからタール火山を見下ろしても内側の湖は見えない。ちょっと意外な地形なのである。

  • タール火山の縁に立って絶壁の山肌と内側の湖を見下ろした。心地よい風が吹き抜けるのは、ピナツボと同じ。人間の手が入っていない自然を見ると、フィリピンではホッとする。展望台の柵に寄りかかって、しばらく自然の美に見とれていた。

    タール火山の縁に立って絶壁の山肌と内側の湖を見下ろした。心地よい風が吹き抜けるのは、ピナツボと同じ。人間の手が入っていない自然を見ると、フィリピンではホッとする。展望台の柵に寄りかかって、しばらく自然の美に見とれていた。

  • 火口湖には、尖った岩でできた小島がある。さすがに、これをカルデラの中の第二カルデラの火山島とは言わない。その付近に視線を集中すると、摩周湖のカムイシュ島と雰囲気が似ている。両者ともに火山由来の岩なのだから、当たり前といえば当たり前。ちょこんと水面から飛び出したような姿を見ると、ほのぼのした気分になる。雲が出ているので、湖水は青緑色。湖面にはさざなみ程度が立っている。皆、景色を見ているので周囲も静かである。

    火口湖には、尖った岩でできた小島がある。さすがに、これをカルデラの中の第二カルデラの火山島とは言わない。その付近に視線を集中すると、摩周湖のカムイシュ島と雰囲気が似ている。両者ともに火山由来の岩なのだから、当たり前といえば当たり前。ちょこんと水面から飛び出したような姿を見ると、ほのぼのした気分になる。雲が出ているので、湖水は青緑色。湖面にはさざなみ程度が立っている。皆、景色を見ているので周囲も静かである。

  • 火口湖に見とれたあと振り返ると、かなり俗っぽい。まず、展望台のある断崖絶壁の上からゴルフボール打ちっ放しの商売があり、「旦那もいかが」と、山頂にやってくる観光客に必ず声がかかる。ボールは回収していると言うが、実際に確認した話を聞いたことはない。何でもありの一例だ。山頂で、水やジュースがデラックスホテル並みに高いのなんか当然。観光客の汚物処理も不完全である。<br />

    火口湖に見とれたあと振り返ると、かなり俗っぽい。まず、展望台のある断崖絶壁の上からゴルフボール打ちっ放しの商売があり、「旦那もいかが」と、山頂にやってくる観光客に必ず声がかかる。ボールは回収していると言うが、実際に確認した話を聞いたことはない。何でもありの一例だ。山頂で、水やジュースがデラックスホテル並みに高いのなんか当然。観光客の汚物処理も不完全である。

  • 「文句があるなら、振り返らずに内側の火口湖へ飛び込みなさい。俗事と永遠に別れられるぞ!」

    「文句があるなら、振り返らずに内側の火口湖へ飛び込みなさい。俗事と永遠に別れられるぞ!」

  • 登山道の傾斜はきつくないので、軽い運動感覚でよい。ただし、足元が火山灰土なのでスニーカーかウォーキングシューズが必要である。麓から登り始めて30分ほどすると、林の向こうに山頂が姿を現わし始め、振り返ると、大きなタール湖や外輪山がぐるりと視界に入る。景色同様に、気分もすがすがしく壮大になる。

    登山道の傾斜はきつくないので、軽い運動感覚でよい。ただし、足元が火山灰土なのでスニーカーかウォーキングシューズが必要である。麓から登り始めて30分ほどすると、林の向こうに山頂が姿を現わし始め、振り返ると、大きなタール湖や外輪山がぐるりと視界に入る。景色同様に、気分もすがすがしく壮大になる。

  • タール火山の山頂までは、大多数の観光客は島の船着き場付近からポニーに乗って往復する。上りで30分強だ。歩くのが好きな人は1時間ほどをかけて、馬も歩く登山道を上る。

    タール火山の山頂までは、大多数の観光客は島の船着き場付近からポニーに乗って往復する。上りで30分強だ。歩くのが好きな人は1時間ほどをかけて、馬も歩く登山道を上る。

  • 登山道は徐々に高度を増して行き、頂上近くなると水蒸気の噴出口もあって硫黄の匂いが風向き次第で漂ってくる。

    登山道は徐々に高度を増して行き、頂上近くなると水蒸気の噴出口もあって硫黄の匂いが風向き次第で漂ってくる。

  • 最後に急な傾斜が少しと階段があって、息を切らして登り詰めると眼前に美しい景色がパッと広がる。フィリピンでは、緑道を歩くことがほとんどないので、タール登山はけっこう新鮮な気分になった。

    最後に急な傾斜が少しと階段があって、息を切らして登り詰めると眼前に美しい景色がパッと広がる。フィリピンでは、緑道を歩くことがほとんどないので、タール登山はけっこう新鮮な気分になった。

  • ここでも山裾に来れば来るほど、どろどろした俗世界が迫ってくる。入山料徴収は当然だし、ポニーの客引きはすさまじく、一瞬、馬に乗るのがルールかと思ってしまうほどだ。

    ここでも山裾に来れば来るほど、どろどろした俗世界が迫ってくる。入山料徴収は当然だし、ポニーの客引きはすさまじく、一瞬、馬に乗るのがルールかと思ってしまうほどだ。

  • 火山島の船着き場は、作業場の足場のように杭に板を渡しただけのつくりであるが、「埠頭使用料25ペソ也」を、帰りがけにちゃっかり要求する。「行きも使ったのに、何で?」である。<br /><br />

    火山島の船着き場は、作業場の足場のように杭に板を渡しただけのつくりであるが、「埠頭使用料25ペソ也」を、帰りがけにちゃっかり要求する。「行きも使ったのに、何で?」である。

  • タール湖の島と本土の間に観光客でも利用できる定期船はないので、私たちはバンカー・ボートを1隻単位でチャーターする。相場はインターネットやガイドブックに書いてある。皆さんも足元を見て吹っ掛けられないよう、ちょっと頑張って交渉しましょう。<br /><br />やや幅広のアウトリガータイプの船は、エンジンをうならせて約20分で島に着き、私たちが帰るまでの数時間、ずっと待っていてくれる。船主たちで組合を作り、2枚つづりの往復切符を発行して共同運航を行なって輸送効率を上げればいいのに、と思うのは先進国の発想である。そんなことをしたら、切符代の虚偽申告、船頭を仕切る親分が出現して手数料をピンハネ、にせ切符の発行などで収拾がつかなくなる。いったん獲得した客は、絶対に最後まで手放してはいけないのだ。

    タール湖の島と本土の間に観光客でも利用できる定期船はないので、私たちはバンカー・ボートを1隻単位でチャーターする。相場はインターネットやガイドブックに書いてある。皆さんも足元を見て吹っ掛けられないよう、ちょっと頑張って交渉しましょう。

    やや幅広のアウトリガータイプの船は、エンジンをうならせて約20分で島に着き、私たちが帰るまでの数時間、ずっと待っていてくれる。船主たちで組合を作り、2枚つづりの往復切符を発行して共同運航を行なって輸送効率を上げればいいのに、と思うのは先進国の発想である。そんなことをしたら、切符代の虚偽申告、船頭を仕切る親分が出現して手数料をピンハネ、にせ切符の発行などで収拾がつかなくなる。いったん獲得した客は、絶対に最後まで手放してはいけないのだ。

  • 湖岸から、外輪山稜線に沿って市街地が広がるタガイタイへ戻れば、そこにはカオス・フィリピン物語の世界が待っている。日本と同じように、電線がクモの巣のように張りめぐらされた高級リゾート地が広がっている。

    湖岸から、外輪山稜線に沿って市街地が広がるタガイタイへ戻れば、そこにはカオス・フィリピン物語の世界が待っている。日本と同じように、電線がクモの巣のように張りめぐらされた高級リゾート地が広がっている。

  • 景色の良さそうなレストランの窓側に席を取り、タール火山を湖越しの下方に見ながら、そよ風に吹かれたひとときの思い出にしばし耽った。<br />

    景色の良さそうなレストランの窓側に席を取り、タール火山を湖越しの下方に見ながら、そよ風に吹かれたひとときの思い出にしばし耽った。

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