2015/09/16 - 2015/09/18
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Pメテオラさん
- PメテオラさんTOP
- 旅行記51冊
- クチコミ18件
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- 133,586アクセス
- フォロワー44人
ギリシャは遺跡とエーゲ海リゾートの国のイメージであるが、それとは別に現役の正教の聖地のひとつがメテオラである。世界遺産紹介番組や映画007で記憶に残っていたメテオラを自分の眼で見て感じようと出かけた一人旅。キノコのような形をした奇岩のてっぺんに修道院を建立した先人たちの感動や、敵から身を守りやすい立地だったという歴史を実感できたのでしょうか。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
(カランパカ到着)
2015年前半にギリシャへ観光旅行する日本人は、統計によると前年比で80%も減ったらしい。年初から世界経済を騒がせたデフォルト危機のため、ギリシャは官民あげて国中が騒然とし、観光客のおもてなしどころではないと思ってしまいがち。ところが、日常生活レベルでは、そんなことは「へのカッパ」。皆んな少しずつ我慢しながら、働き、しゃべり、そして食べる。
真夏の観光シーズンを終えたばかりの2015年9月中旬、アテネ発カランパカ行き急行は定刻13時18分から約40分遅れで終着駅に到着。折り返し17時22分発アテネ行きとなってカランパカ駅で待機する。
メテオラ日帰り弾丸ツアーの人が、あせりにあせって迎えのタクシーに乗り込み、泊りの旅行客と地元民が適当に町中に散ってしまうと、駅は午後の惰眠をひたすらむさぼる。カランバカ駅 駅
-
(カランパカ駅時刻表)
左が発車時刻表、右が到着時刻表。アテネ直通列車は1日2本で、他にローカル列車が1日3本ある。
日本人なら鉄道ファンではなくても一度くらいギリシャ国鉄(TRAINOSE)に乗ってみたいですね。
アテネとトリカラ乗換カランパカ間の高速バスと比較すると、鉄道は
(1)スピードと安全性は互角、
(2)運賃はバスより安く、
(3)乗換なしの直通がある分、遠方からの旅行者には安心で、
(4)車内も広めで動ける分だけ優位だが、
(5)本数は少なく、
(6)定時性は最悪でも30分程度の遅れのバスにかなわなず、
(7)バスはいったん乗ったら密室になるので、うとうと寝ても安心、
という点で不利。
けれども、
(8)インターネット利用でクレジットカード決済すれば1−2カ月前から日本で予約できることは鉄道優位。長距離バスも予約可能で指定席制であるものの、海外からネット予約できる感じではない。
カランバカ駅 駅
-
(カランパカ市街)
カランパカは、メテオラ観光べったりの門前町。市街地は長手方向に歩いても20−30分ほどで、のんびりしたところ。広島県宮島のフェリー発着所界隈とか、スイスのインターラーケンみたいな感じ。ここに来る外国人旅行者の99.9%がメテオラ観光目的に違いないので、私も素直に観光客然としていた。 -
(カストラキの家並み)
カランパカとならんでメテオラ観光の拠点となっているのがカランパカの北西およそ2kmのところにあるカストラキ村。ギリシャ版「美しい村」のムードが漂っている。
どちらの街も家並みの背後に圧倒されんばかりの巨岩がそびえ立っている。巨岩の張り出し位置の都合で、カランバカとカストラキから見えるメテオラの峰々は異なっている。写真はカストラキ背後のプネブマ岩。 -
(メテオラ一帯の地図)
カランパカ市街地の要所要所にはメテオラ案内の地図が立っている。裏面はカランパカ市街詳細図だ。高低の具合がうまく表現されているので便利。私は、高原の奇岩上にあまり高低差なく点在すると思っていた修道院の標高差がかなりあることに気付いて、一瞬呆然とした。昇り降りが多くなるので、その分、徒歩の負担が増すからだった。
右の扇状地に広がっているのがカランパカ。左がカストラキ。「ホテル、レストラン、お土産屋町のカランパカ。ペンション村のカストラキ」といった感じ。 -
(メテオラ路線バス)
私はメテオラの6修道院を1日半かけて回った。移動手段は路線バスと徒歩で、極めて少数派。体験的に判断すると、アテネ等からのツアーバス客が4割、マイカー客が3割、地元会社催行のメテオラめぐり中型バス客が2割、バイクや徒歩客が1割くらいである。
今ではカランバカ発カストラキ経由でメテオラ地区の6修道院全部に停車するステファノス修道院終点の路線バスが4-10月の間のみ1日4往復走っている。バス会社のKTELのホームページに時刻表と運賃が載っている。私も2回乗った。写真のように本格的な観光バス車で運行中。朝9時カランバカ発の便は途中からの乗車が多く、最初の修道院であるメガロ・メテオロ修道院に着くころは30人ばかりになった。車掌さんも乗っていて切符売りに忙しそうだった。
対照的に、ステファノス発17:00のカランパカ行き最終便はワンマン運転のうえに、当日の乗客は私1人。ステファノス終点で降りていった5−6人のお姉さんたちは、折り返しである最終便に戻って来なかったところを見ると日没前までに歩いて下山するのでしょう。
やっぱり、お寺めぐりはどこの国でも午前中がメインのようだ。 -
(修道院めぐりと休館日)
メテオラの6修道院全部を土日以外に廻ろうと思ったら、最低2営業日滞在しなければならない。各修道院は平日に夏期でも1日の週休日を設けているからだ。私は、水曜日に2館、木曜日に4館行った。休館日は観光パンフレットや当局のホームページ、口コミなどに書いてあるが、結構間違っていて1日ずれた記載もある。もしかしたら休館日かもしれないと不安がある場合は、絶対開いている曜日に優先的に訪問すること。それでも不運が重なる場合は、臨時休館日ですと告知されるかもしれない。
メテオラではなく「ギリシャ」旅行に行きたい日本人観光客は、メテオラの目玉である写真の通称「メガロ・メテオロ」修道院に行けば満足度は80%くらいになるので、当館の週休日である火曜日をはずせばよい。冬季は水曜も定休だ。メガロ メテオロン修道院 (メタモルフォシス修道院) 寺院・教会
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(メガロ・メテオロ修道院)
メテオラを代表する修道院である。立地、規模、外観、周辺の眺望、内陣の雰囲気、崖っぷちの昇り降り、トイレの清潔さ、駐車場付近の出店など、観光地として100点の出来。
奇岩がにょきにょき林立する当地に聖なるものを感じ、あえて難攻の山頂に祈りの場を設け、神の祝福を受け、下界の尊敬を集めようと思った創建当初の僧のみなさんの聖と俗の気持ちを積極的に感じる修道院である。
海外旅行好きなら1回くらいメテオラに来ても罰はあたらないと感ずる場所だ。
メガロ メテオロン修道院 (メタモルフォシス修道院) 寺院・教会
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(こわいけど楽な方がいい)
きのこ状の奇岩のてっぺんに建つメテオラの修道院には、簡易ロープウェーまたは滑車式の客貨兼用巻揚げ装置がついている。利用できるのは僧と職員のみだが、とってもこわそうな乗り物である。それでも毎日、100段から200段の階段を昇り降りするより絶対に楽。メガロ メテオロン修道院 (メタモルフォシス修道院) 寺院・教会
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(観光客は階段)
6修道院のうち5つの修道院に入館するためには100段から200段の階段を昇り切らないといけない。ほぼ垂直の岩の壁面にジグザグに作られた階段は、手すりから身を乗り出して下を見ると吸い込まれるように怖い。けれども50年から100年くらい前に階段が作られる以前は、はしごで昇り降りしていたそうだ。高所恐怖症の人は絶対にメテオラに入れないか、一度、修行に入ったら下界に降りたくなかったに違いない。
観光客は、老若男女を問わず階段を昇り降りしなければいけないから高齢者は辛そうである。踊り場で一息ついたり水を飲んだりしている。団体だと、他人に遅れまいとする心理が働くためか、けっこう皆んな一歩一歩踏みしめるようにして階段を上がってくる。
それから、急な階段は降りるときの方が昇るときより怖さがあるし、足に負担がかかるので駐車場に戻ってくると、ひざがガクガクになる。
メガロ メテオロン修道院 (メタモルフォシス修道院) 寺院・教会
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(昇り切った先にある感動)
それはそれは感激のひとときである。よく手入れされた建物、正教のお香の匂い、礼拝堂内などを埋め尽くす壮麗な壁画や天井画、そして金色の聖具にキリスト教徒でなくてもしばし見とれる。外に出れば展望台からの圧巻の眺望。小ぶりだかよく手入れされた庭園の木々を吹き抜けるそよ風に当たっているうちに汗が引いていくのがわかる。人の数が多い割には静かである。皆んな階段昇りで息が少し上がっていることに加えて、宗教施設であるため大声を出さないよう自制しているからだ。メガロ メテオロン修道院 (メタモルフォシス修道院) 寺院・教会
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(瞑想と観察)
5分、10分くらいベンチに腰掛け、ここで暮らすお坊さんの気持ちを推し量ってみよう。イコンと呼ばれる像と対面していると何か感じるかもしれない。何かを尊ぶという聖なる気持ちにキリスト教も仏教もないはずだ。
展望台に立って100年前を思い出してみよう。「おおっ。今日は、あそこにワイン樽を積んだ馬が登ってくるぞ。あの分だと、ここに着くのは昼過ぎかな。うふふ」と、仲間のお坊さんと雑談する楽しさよ。メガロ メテオロン修道院 (メタモルフォシス修道院) 寺院・教会
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(メテオラの奇岩群)
素人写真なので、奇岩の数々も岩の出っ張り程度にしか写らないのが少し残念。
実際に修道院の展望台に立ち、あるいは奇岩や巨岩の麓に立つと、その圧倒的な存在感に言葉を失う。とにかく、ものすごい量感のある巨岩が眼前にせまり、オレンジ色の屋根の修道院が帽子のようにてっぺんにくっついている。雲海の日には、修道院は地名のとおり「空中に浮かんでいる」ように見えるだろう。メガロ メテオロン修道院 (メタモルフォシス修道院) 寺院・教会
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(ヴァルラーム修道院)
私は凡人なので、正直に言うと修道院は2つか3つ見ると宗教施設としては飽きがくる。けれども、各修道院の立地や外見、内部の雰囲気の違いはいつまでも見ても面白い。
メガロ・メテオロがメテオラの王者なら、徒歩20分ほどの隣りに建つヴァルラーム修道院は「匠の館」だ。独立峰の岩のうえに優雅に建つ姿に技巧の粋を感じた。ヴァルラーム修道院 寺院・教会
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(聖と俗の境界)
ヴァルラーム修道院の門。当日の入館料を払う窓口は、ここから150段くらい階段を登った先にあった。メガロ・メテオロ修道院でさんざん階段昇降をやらされた後なので、私も他の観光客も「またかあー」と思って階段を昇る。ヴァルラーム修道院 寺院・教会
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(癒しの中庭)
心の中で急階段と喉の渇きを呪ってきた私も、本堂に近接する中庭を覗き、その木立の美しさに癒された。非公開であるが、柵越しに覗ける中庭は、とっても心地よさそうである。ヴァルラーム修道院 寺院・教会
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(巻揚げ機と映画007)
これぞ映画007第12作「For Your Eyes Only」の最後の方に出てきた巻揚げ機にそっくりである。窓越しに下を覗けないくらい怖い。今でも現役なのだろう。
映画007は、スパイものという世俗のテーマであるうえ、メテオラで戦いの場面を繰り広げているため、現地では一切それに触れていない。そりゃそうだ。いくら100%娯楽物で、地域の宣伝になるし有名俳優が出て見栄えがいいからと説得されても、比叡山ロケであるのにも拘らずカーチェイスの場面なんかを撮影されたら当方もいやだもんね。ヴァルラーム修道院 寺院・教会
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(45番札所岩屋寺)
メテオラに上がって奇岩を見始めたときからずっと気になっていた。「ここ、日本のどこかに似ているぞ」
そして思い出したのである、石ころ混じりの堅い岩が垂直方向に立って眼前に迫る一方、洞穴のある岩があり、それらを崇める寺院があるのは愛媛県久万高原にある四国88カ所45番岩屋寺だ。日本は雨の多い気候のため、岩屋寺周辺も深山幽谷の気配をなし、奇岩の露出度はメテオラほどではない。しかし、改めて寺の周辺や道路脇の岩をもう一度見てみよう。まさにメテオラそっくり。
メテオラに修道院を建立しようと決意した正教のお坊様も、弘法大師の足跡を追った仏教のお坊様も、同じ種類の感動にひたったに違いないと思った。
ヴァルラーム修道院 寺院・教会
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(岩上のトリアーダ修道院)
ここは、見る方向により下界から全く登れないように見えるそうだ。入館用の階段は、岩の陰につづら折りに作られている。ヴァルラームとほぼ標高に立地するが、カランパカ寄りにあるので観光客の大多数が最初に視野に入れる修道院だ。隣りのステファノスと間をおきながらも巨岩の端に立つ姿を遠くから見て「すごーい。はるばる来た甲斐があった」と感じるきっかけになってくれる。印象は「孤高の館」。アギア トリアダ修道院 寺院・教会
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(周囲から見えにくい階段)
トリアーダ修道院へ昇る階段。岩が屋根のように張り出した造りになっている部分が多いので、周囲から見えにくい。他の修道院と同様にふうふう言いながら昇る。
位置的にペアになっているお隣のステファノ尼僧院が階段昇降なしで入館できるので、そちらに人気が傾きがちであり、トリアーダの観光客は少なめだ。
アギア トリアダ修道院 寺院・教会
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(奇岩群の背後)
メテオラの奇岩群は、山と平野の境目にきのこ状の岩がにょきにょき林立している感じなので、裏山方向は丘陵地である。平野部から見ると、どうやって岩のてっぺんまで行くのだろうかと考えてしまうが、裏手に回ると、適当な高さの場所から岩をよじ登ればよいことがわかる。
弓矢、大砲の時代の武器で修道院を攻めるときは、織田信長の岐阜城攻めのようにメテオラの裏に密かに廻り込んで接近し、大砲をぶっ放せば持ちこたえられずに落城しそうである。兵糧攻めでもいい。アギア トリアダ修道院 寺院・教会
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(3修道院遠望)
手前の赤い瓦屋根がトリアーダ修道院。目をこらすと、中央の奥にメガロ・メテオロ、やや右手前にヴァルラームが見える。背後のなだらかな丘陵地帯から顔を出すメテオラ風の岩が何となくかわいらしい。ぽつぽつ生える木々の緑が目にやさしい。アギア トリアダ修道院 寺院・教会
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(カランパカを見下ろす)
メテオラの高台一帯を歩いていると、随所で山裾の町や畑が見下ろせる。トリアーダを出て、最東端のステファノス修道院へ歩いて行く途中から見下ろしたカランパカ市街と対岸の山々である。メテオラ体験記にたびたび登場するハイキングコースは写真右の切れ込んだ谷間に沿って作られていて、トリアーダ修道院近くに出てくる。
視線の反対側の山側は、前の写真のようになだらかな丘陵地だ。アギア トリアダ修道院 寺院・教会
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(ステファノス修道院全景)
メテオラの東端に位置する。写真左を注視すると建物に直結する橋があることが分かるように、6修道院中、唯一階段昇降なしで出入りできる。平均的なメテオラ観光なら、6修道院のリーダー格であるメガロ・メテオロを始めに見て、階段の昇り降りの辛さと、昇り切ったあとの感動に身を震わせながらも疲れ切ってバスの座席に戻り、続いてこちらのステファノスに来るのがよさそう。館内はそこそこ規模も大きく、礼拝堂も荘厳できれいだし、展望台からはカランパカの絶景がのぞける。おっとりとした尼僧さんが達観したような表情で土産売り場のレジに腰掛けているのを見ても心が休まる、あるいはときめくかもしれない。
羽を広げたフラミンゴのような印象である。アギオス ステファノス修道院 寺院・教会
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(ステファノス修道院中庭)
尼寺は、こことルサヌーの2カ所。そういう意識で見てしまうためか、館内は丁寧に手入れされているという印象を受ける。
アテネ方面からカランパカに入って来るとき、岩山の上に真っ先に見えだすのがステファノスである。また、前にも書いたように路線バスのメテオラ線の終点もステファノス前の駐車場。バスルートにまつわるいいかげんな日本人のうわさに惑わされないようにしましょう。アギオス ステファノス修道院 寺院・教会
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(ルサヌー修道院遠景)
これまで触れた4修道院は、おおむね同じ標高の場所にあるので入館時の階段昇降はあるものの、あまり高低差のない移動で済む。
けれども、ここルサヌーと次のニコラオス・アナパフサスの2カ所は、他より一段低い位置にあるので、徒歩巡回をするときは高低差を覚悟して行き来しなればならない。私も、この2カ所訪問は2日目の最後にして、入館後は高い場所に戻らず、ただカストラキに下って行くだけにした。
ルサヌーは、メテオラの真ん中あたりにぽっこり頭を出すような立地で眺望がよいためか、結構な人気である。メテオラ6修道院のかわいい末っ子で家族内のアイドル的存在という印象。遠くから見下ろすと緑に囲まれた岩山の上に建っていることが分かる。ルサヌ修道院 寺院・教会
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(ルサヌー入口)
ここの階段は、段数も比較的少なく幅も広いのでお年寄りでも昇りやすそう。館内は小じんまりしているが、四方にある展望台からの眺めが素晴らしい。ルサヌ修道院 寺院・教会
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(メテオラの奇岩群その2)
修道院がある側から見た奇岩。屏風タイプ、男性器タイプ、三角帽タイプなど形は様々であるが、質は前に触れたとおり、石ころをコンクリートで固めたような硬いもの。数千万年前には海底であった場所が隆起した後に削られた地形であることが素人目にもよく分かる。ここに雨がたっぷり降って岩の隙間に木々や草が生い茂ると岩屋寺である。ルサヌ修道院 寺院・教会
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(ロッククライミング)
これはプネブマ岩で、カストラキの裏側から見たところ。一番手前の角あたりで3人がロッククライミングをしている。
「そこに岩があるから登るのである」
とっても怖そう。
岩登りの届出方法や、プロガイドの要否などは、きっと町の観光案内のどこかに載っているはず。日本人でどなたかやった方はいませんでしょうか。
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(ニコラオス・アナパフサス修道院)
6つ目の修道院。もっとも地味で、もっとも急こう配なアプローチと、急階段を経ないとたどりつけない修道院だ。ずばり「隠者の館」である。休館日も多く、冬季は全期間休館と書いてあるが本当なのだろうか。暑い上に足も疲れたところをやっとのことで這い上がってきたときの満足感は6館中最大であった。
「やったあ。全館制覇だ」
でも、修道院建立の趣旨とは一致しない感情である。我ながら苦笑した。日本人を感じてしまった瞬間であった。
アギオス ニコラオス修道院 寺院・教会
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(アナパフサスの縁側)
館内の展望台を挟んだ向かい側にある修道院用のテラス席で、縁側みたいな場所。お坊さんが、ここに飲み物を持ってやってきてベンチにすわり、ゆったりとした表情でそよ風に吹かれていた。
「あんた韓国人かね」
「日本人です」
「・・・・・」
ちなみに、ここの売店で売っているメテオラ案内のうち、アジア系の言語のものは韓国語のみ。韓国には確かにキリスト教徒が多いけれども、それ以外のご縁がアナパフサスとあるのだろうか。アギオス ニコラオス修道院 寺院・教会
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(岩山と洞穴)
メテオラで典型的に見られる岩山。横長にえぐられたような浅い洞穴がたくさんある岩も多い。メテオラの全盛期には、その幾つかにも修行僧がいたり、あるいは懲罰牢的に使われたりしたそうだ。今でも、いくつかの洞穴や窪みに至る道が残っているらしい。
修道院めぐりを終えて下山してくると、巨岩、奇岩が高々と目の前にそびえ立つ風景が再び展開する。 -
(メテオラも楽しく観光)
やっぱり観光は楽しさと美味しさ第一。メテオラは、想像以上に俗化していたけれども、正教の華美な様式があり、残り香も漂っている素晴らしい観光地であった。四国88カ所のうちでも高い山の上にある太龍寺や雲辺寺と共通点がある。メテオラも日本のお寺も、はるばる下界からやっとこせでたどり着いた感動を得られる場所である。
冒頭に書いたように、2015年の日本人のギリシャ観光客は僅少。メテオラで目にした外国人は、1にドイツ、2にフランス、3が英米。4がその他ヨーロッパで、5に中国だ。日本人の団体さんは1度しか見なかったし、個人客は皆無の様相。それほどまでに日本人客は落ち込んでいるのだろうか。
まだまだ昼の暑さが残る9月の旅行客は家族連れに代わって高齢者が目立つ。私も高齢者予備軍。ふうふう言いながら岩の上にたどりつき、楽しく拝観した。
メテオラ地区での支出は、入館料3ユーロx6か所、バス2回1.8ユーロx2、タクシー1回10ユーロとお土産代。残りは俗界でのホテル代、食事代、交通費、お土産代であり、カランパカ経済に分相応の貢献をしたつもりである。 -
(再びカストラキ村)
私のメテオラ周遊もカストラキ村へ下山して終わり。歩みを進めるにつれて村の背後にそびえる奇岩群と、目をこらせば見える修道院の姿が小さくなって行く。
徒歩周遊時の携行お薦め品は、水、汗拭きタオル、個人の必要でスマホなどの情報機器、足のマメ防止のパットや、サングラス、帽子。欧米系の男女で徒歩周遊の人も少なからずいるので、声を掛け合うのも一興だ。ただし、そういう人たちは観光ペースがゆったりで、昼過ぎにはふもとのカフェや自室に戻って、おしゃべりや昼寝をするので、日本人ペースでの道連れは難しい。
私も、1回目は6修道院全部を回り、その後、気に入ったところへ再訪する時間を半日くらい取れるようにするべきだったかなと少し後悔している。やはりメテオラは遠く一期一会だもの。(終)
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この旅行記へのコメント (8)
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- pedaruさん 2018/01/10 06:44:07
- メテオラも見てみたい
- Pメテオラさん 初めまして
あと何回海外に行けるだろうか?というのが昨今の私の気持ちです。歩けるうちに見て回りたいと思っています。
メテオラは旅行記で見てもかなり強烈な印象をうけました。高齢者の私ですから、たった一か所でも修道院を見られたら満足です。お陰で行ってみたい虫が騒ぎ出しました。一度は行ってみたい国のギリシャですから私の夢をかなえてくれるものと信じます。これから少しギリシャの事を調べてみたいと思います。(まだほかに候補地があるのでどうなるかわかりませんが・・)
大変貴重な映像と情報をありがとうございました。
pedaru
- Pメテオラさん からの返信 2018/01/10 19:21:39
- Re: メテオラも見てみたい
- Pedaruさま
コメントありがとうございました。好奇心があれば夢は、必ずかないます。私もメテオラで100段200段の階段をゆっくり歩く80歳70歳の生き生きとしたニッポン人、ドイツ人の方々とすれ違いました。コツは、2泊するなどして、ゆっくりゆったり旅をすることのような気がします。私も、末永く好奇心が続くよう見習ってまいります。良い旅をお祈りしつつ。
-
- Tatsuoさん 2017/10/06 20:39:46
- メテオラの雰囲気が実感できました
- Pメテオラさん
こんにちは。私の旅行記に投票、書き込みしていただきありがとうございました。
この旅行記を見て、メテオラっていう場所がすごく実感できました。
メテオラっていうと絶景写真みたいなのばかりであまり実感がわかなかったのですが、まるで自分がそこを歩いているような気分になりました。ぜひ自分もここに身をおいてみたいと、強く思います。
Tatsuo
- Pメテオラさん からの返信 2017/10/06 21:43:57
- Re: メテオラの雰囲気が実感できました
- 是非、次回はメテオラ訪問をご計画ください。写真や解説より、実物の方が良い観光地だと思います。そして、できれば2泊くらいして、ゆっくり。また、朝、昼、夕、晩とメテオラの宗教的、世俗的な雰囲気を楽しんでください。お天気に恵まれますよう!
-
- hsugaiさん 2015/10/28 23:53:26
- 珍しい場所
- Pメテオラさん
聞いたこともない又不思議な世界に旅されましたね。
こんな珍しい場所どうやって見つけましたか?
私はロンドン、パリ、ローマ卒業したばかりです。
- Pメテオラさん からの返信 2015/10/29 20:09:19
- RE: 珍しい場所
- > Pメテオラさん
>
> 聞いたこともない又不思議な世界に旅されましたね。
>
> こんな珍しい場所どうやって見つけましたか?
>
> 私はロンドン、パリ、ローマ卒業したばかりです。
>
>
hsugaiさま
ご一読いだたきありがとうございました。
御仏のお導き、と言いたいところですが、世界遺産紹介のテレビ番組を見て興味を持ちました。私の興味を引くポイントなどを上手に撮影してあったのでしょうね。あるいは「正教の僧侶の抵抗とか」のように「蝶よ、花よ」以外の内容を伴った解説があったのかもしれません。
そこがどこであろうと、皆様の楽しい旅を祈念いたしています。
-
- deracineさん 2015/10/04 23:45:50
- なぜメテオラに
- Pメテオラさん、こんにちは
詳細な旅行記に敬服いたしました
何でも横並びが大好きな日本人のなかであえて今ギリシャに行かれた反骨精神は私も見習いたいです
メテオラについてはNHKの5分番組「シリーズ世界遺産」を見た程度ですがラスベガスとは真逆の世界のようですね
まず数学の記号が並んだようなギリシャ文字、ハードルが高そうです
英語は通じるのでしょうか?
階段の連続とは高齢者にはきつそうですね
ハンドルネームにもされているようですがメテオラになぜそこまで魅了されたのでしょうか?
差支えなければ教えて下さい
- Pメテオラさん からの返信 2015/10/05 20:45:33
- REPLY: なぜメテオラに
- > Pメテオラさん、こんにちは
>
>
> 詳細な旅行記に敬服いたしました
> 何でも横並びが大好きな日本人のなかであえて今ギリシャに行かれた反骨精神は私も見習いたいです
>
> メテオラについてはNHKの5分番組「シリーズ世界遺産」を見た程度ですがラスベガスとは真逆の世界のようですね
>
> まず数学の記号が並んだようなギリシャ文字、ハードルが高そうです
> 英語は通じるのでしょうか?
>
> 階段の連続とは高齢者にはきつそうですね
> ハンドルネームにもされているようですがメテオラになぜそこまで魅了されたのでしょうか?
>
> 差支えなければ教えて下さい
>
DERACINEさま
ご一読いただきまことにありがとうございました。
メテオラ、モンサンミッシェル、江の島、三徳山投入堂。皆、高いところ、変わった風景のところへ行きたい、日暮して寝てみたいというのが人の根源的な本能かもしれないと思っていましたところへ、テレビ番組の画像を見て行きたくなりました。
投稿名は、こういうブログは初めてゆえ、適当に思いつきです。皆様がどのように投稿しあっているのか、実体験したかったです。
みなさん、おひとりでたくさん投稿していらっしゃるので、驚いています。自身の記録のための日々の絵日記のようなものから、読者と感動を分かち合いたいというものまであって、ネットの世界の特長や利点に関心しています。ただ、事実関係の記載はかなりいいかげんですね。
投稿を見ての勝手な感想ですが、若そうな方のほうが定番を追及しがちで、中高年の方が余生が少ない分、ご自分の夢をかなえるべく多種多様な旅に挑んでいますね。
私も中高年で余生は少ないほうですが、まだ、ときめきたいです。
ギリシャはEUですし先進国の一角。日本以上に英語通じます。
日本人は教育や仕事を通じてアルファ、ベータとか言っていますし、円周率でφ(パイ)とかの文字をならいますから、反対の立場に置かれた場合で比較すると、欧米系よりスタートラインが有利。向こうさんは、日本にきて、甲乙とかの並べ方や、一、十のような漢数字見せられても、こっちのギリシャ文字能力ほど理解できません。
長々と失礼しました。
これからも、たくさんの秀作を掲載される日々をお待ちしています。
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